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04.05
 三振を取ると気持ちが良い。守っているみんなからも笑顔が見える。次のバッターも三振を取りたい。そんな気持ちが少しずつわいてきた。しかし次のバッターはバッティングが良いキャプテンの府中先輩だ。ここで三振を取れれば、正真正銘私の球が高校球児たちに通用することになる。やってみせる。
府中「よっしゃああ!」
 先輩が大きな声で気合を入れる。打つ気がありふれてくるが私も負けてられない。私にだって打たせない意地がある。声には出さないが、気持ちだけだったら府中先輩にも負けない。思いっきりなげるんだ。キャッチャーも打たせないためのサインも出してくれる。初球は高めにストレート。思いっきり!!
 シューーーズバァーン!
 ストライク!
 高めのストレートを思いっきり振ってきた。しかし、ボールの下を振っている。それに府中先輩でさえも振り遅れている。これなら抑えられる!
 シューーーズバーン!
 ボール。
 今度は外角低めにストレートを投げたが、これはボール。しかしサインもストライクかボールかのきわどいところに投げろいう指示だったので、これで十分よかった。
府中「しゃああ!」
 また府中先輩が気合を入れる。気合が入ってるってことは、思いっきり振ってくれる。当たればよい打球が飛んでくるが、三振も狙いやすいということだ。これならもう一度高めのストレートで空振りが取れる! 私は大きく振りかぶってミットめがけて投げた。
 シューーキンッ ガシャン!
府中「おっと。」
審判「ファールボール!」
相手ベンチ「ナイスカット!」
 当ててきた。振り遅れていたが、ボールには当ててきた。少しずつ目が慣れてきているのだろうか。私は始めてボールを当てられたので少しあせってしまったが、よく考えればこれでツーストライクと追い込んだ。次ストライクゾーンに投げて空振りしてくれるか見逃せば三振が取れる。次のサインは…真ん中低めにストレート。思いっきり!
 シューーーズバーン!
ストライクバッターアウト! チェンジ!
 ドンピシャと構えたところにストレートが決まった。バットは空を切った。
亜弓「やった!」
 私は思わず声に出して、グラブをポンッと一回たたいた。三者連続三振だ!
友亀「ナイピッチ!」
由紀「さすが亜弓!」
海鳳「いいね。やるじゃん!」
 みんなからほめられながらベンチに戻っていった。ベンチに戻ると深沢コーチが声をかけてきた。
深沢「ナイスピッチング!よかったぞ。」
亜弓「ありがとうございます!」
深沢「じつはスピードガンで球速を測っていたんだが、140キロってめちゃくちゃ速いな。」
伊沢「マジで!?」
亜弓「ほ、本当ですか?」
深沢「ああ、まあバッターから見たら150キロは出てるかもしれないけどね。」
亜弓「えっ?それってどういうことですか?」
 私には分からなかった。なんで140キロの表示なのにバッターから見ると150キロに見えるのだろうか。私自身、140キロと聞いただけで驚いている。女子でそんな球投げれるのだろうかと思ってしまったが、私自身がそれを実現させた。私は…。先輩たちを三者連続三振できてうれしい気持ちもあるが、それと同時に私は何故ここまで実力があるのだろうか。池之宮さんみたいな体格もないし、海鳳さんや由紀のようなセンスがあるわけでもないと思ってる。なのに何故…。私は自分自身がすこし怖くなってきた。
「ナイスピッチング、亜弓。」
 由紀が声をかけてきた。
「それにしても三者連続三振、しかも140キロも出すなんて。150キロに見えるってのは分かる気がするけど、全部全力投球で抑えたって所もすごいね。」
「そうかなあ?」
 私は照れ笑いした。こんなに褒められるのは初めてだ。でもやはり怖い。ここまで上手く行き過ぎてる私が怖い。
 その後由紀は心配そうな表情をしてたずねてきた。
「でも全部全力で大丈夫なの?」
「え?」
「だってさ、それだけ腕に負担かかるから回数もつかなって思うこともあるし、同じように全力投球してたら相手だってタイミング合ってきちゃうんじゃないかなって。」
 全力投球。たしかにそうだ。けど…。私は小さな声で言った。
「私、全力投球じゃなきゃ抑えられないような気がするの。少しでも力抜いたら棒球になって打たれちゃいそうだし…。」
「そかそか。じゃあそれでいいと思うよ!」
「ありがとう、由紀。」
 由紀が私のことを理解してくれると、打撃の準備をしに行った。
 由紀はヘルメットの置いてあるところに行くと、防具をはずしている友亀に話しかけた。
由紀「ねえ、友亀。」
友亀「お、えっと…羽葉だっけ?」
由紀「そそそ。えっとね、亜弓ずっと全力投球してるみたいだから、何か疲れとか異変に気づいたら配球の仕方とか変えてみて。亜弓、制御できないでいるみたいだから。」
友亀「ああ、知ってるよ。日高がどこまで引っ張ってくれるかによって試合の流れも、もちろん配球も考えていかなきゃいけないから。とりあえず今は安心しておいて。」
由紀「わかった。」
 そういって由紀はヘルメットをかぶり、バットの感触を確かめ始めた。
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