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11.13
 バシューーン!!
篤史「ふぅ…。」
深沢「ナイスボール!!」
 室内で明日のために調整していると、目の前で新山がピッチングを始めた。海鳳も奥でティーバッティングを続けている。快音とミットの良い音が聞こえてくる。二人とも…ちゃんと調整している…。
由紀「やっぱり残っていたんだね。」
 私がストレッチを始めようとすると由紀が後ろから声をかけてきた。
亜弓「由紀。どうしてここにいるってわかったの?」
由紀「そりゃいつもの所にいないからね。練習しているのかなって思って。」
亜弓「そうだったね。連絡できずにごめんね…。海鳳の言葉にちょっと私も調整をしていかないといけないなって思って。」
由紀「そうだね。いつも家でやるだけじゃなくて、こっちにいるなら道具もちゃんとあるから調整もやりやすいだろうからね。それに…私も亜弓と一緒に調整したいし。モチベーションも上手くいくかなって思って。」
亜弓「そうだね、ありがとう。」
 私は由紀と一緒に柔軟体操を始めた。ゆっくりと体を動かしつつ、周りの様子を見る。
 ギィイイン!
 バシューン!
 海鳳や新山も、しっかりと練習にうち込んでいる。新山は今後の大会に向けて、海鳳は明日に向けて調整していた。
由紀「そういえば亜弓、何か…ストレート以外の武器というのは考えているの?」
亜弓「ブルペンでスライダーとかカーブとか、いろいろと試しているのだけどね…。なかなかそう上手くいかなくてね…。なんとか自分のものにしたいのだけど…。」
篤史「ん? 武器か。」
亜弓「新山?」
 突然新山が私たちに声をかけてきた。私たちの話しを聞いていたのだろうか。
篤史「少しなら投げれるか?」
亜弓「まあ…明日の試合に響かない程度なら…。」
篤史「まあ無理にとは言わないけど…新しい変化球覚えるの手伝おうか? 羽葉もよかったらキャッチャーで受けてくれないか?」
由紀「え? 私はいいけど…亜弓は?」
亜弓「う、うん。やってみる。」
 私は少し戸惑いながらもグローブを用意してスパイクを履いた。由紀はすぐにキャッチャー防具をつけて走っていく。私はゆっくりと由紀とキャッチボールを始めた。
 バシューーン!!
深沢「ナイスボール!」
篤史「そういえば日高、さっきやってみたけどダメだったって言ってた変化球は何?」
亜弓「えっと、スライダーとカーブ。」
篤史「そうか…武器とはならなくても投げれるようには出来るが…武器が欲しいんだよなぁ…。わかった。深沢コーチ! 俺も久々に投げる変化球や試してみたい変化球、投げてみてもいいですか。そこから教えられる変化球をいくつかリストアップしてみようかなって。」
深沢「わかった。」
 シュルルル バシン!
 シューーー グッ バシーン!
 いろんな変化球を新山が投げている。なによりもそのバリエーションの多さに驚いた。投げるのは難しいと言われている変化球が、いとも簡単に投げられている。とんでもないセンスの塊だ。
由紀「肩あったまった?」
亜弓「はい、大丈夫です。」
 私は肩を1、2回グルグルとまわし、ゆっくりと深呼吸した。由紀はゆっくりと座る。私はプレートを踏んでミットを見る。
篤史「とりあえず、ストレート2、3球投げてみて。」
亜弓「あ、はい。」
 私はワインドアップでストレートを投げた。
 シュゴオオオ バシン!
 シュゴオオオ ズバーン!
由紀「ナイスボール! やっぱり良い球投げるね!」
篤史「ストレートは本当にすごいな…。よし、じゃあとりあえず今投げれる変化球を一通りやってみて。」
亜弓「はい。」
 グググッ バシン!
 グッ ズバン!
 私はカットボール、スラーブ、チェンジアップ、サークルチェンジと投げていった。どれも良い感じで投げれていた。むしろ試合の時よりしっくりくる感じがした。
篤史「へぇ、いい感じで投げれているじゃん。もうちょっとカットボールは…腕の振りをストレートと同じように出来ればいいかな。ちょっとだけだけど、肘が下がっているから。」
亜弓「そうなの? わかった。」
 私は多少意識をしてもう一度カットボールを投げる。
 シューーー グッ バシン!
篤史「そうそう、いい感じ。それじゃあまず試したのってスライダーだっけ。握り方はね…。」
 そういって新山が私の近くにやってきた。私は握りを見せると新山が私の手を触った。
亜弓「えっ…。」
 私の手に新山の手が触れている。なんというか…恥ずかしいというか…嬉しいというか。私の顔が熱くなってくるのがわかる。なんだか…顔を見られたくない。
由紀「ちょ、ちょっと! 何やっているの!? 恥ずかしいからやめてよ!」
 見ていた由紀がさらに顔を赤らめていた。
篤史「え? ど、どういうこと?」
 新山は戸惑っている。たしかに…教えるために手を触れるぐらいは何も考えていないだろう。だけど私の顔を見た後に手を見てハッと気づいていた。
篤史「あ、…ごめんなさい。…嫌だった?」
亜弓「嫌じゃないけど…ちょっと恥ずかしいな。でも…教えてほしいです。」
篤史「あ、ああ。じゃあ俺が握りを見せるよ。それでもわからなかったら…その…多少触れても構わないかな。」
亜弓「う、うん。」
 私と新山、そして由紀が顔を赤らめてしまった。なんというか…本当に恥ずかしい。そういうわけではないのに…。目の前に…新山がいると…。
海鳳「なにしてるんだ?」
恵美「人のこと言えないでしょ。ほら、トスしてあげるから打ちなさい。」
海鳳「うわっ!? いつの間に!? ……というか…ありがとう。」
深沢「てか、お前ら全員イチャイチャしすぎだ。早く日高は投げないのか?」
亜弓「あっ、すみません!」
 私は我に返り、腕を上げた。由紀のミットは外に構えている。あれを意識して…!
 シューーー グググッ バシン!!
篤史「そう、いい感じだね! ……たしかに武器というにはまだアレかもしれないけど…。じゃあ次はカーブだね。」
 私は新山の言われた握り、腕の振り方を教わりもう一度投げる。
 ググググッ バシン!
篤史「そんな感じ。……うーん…武器ねぇ…。」
 そういって新山は考えながら私の隣へと近づいていった。
篤史「ちょっとマウンド貸してくれる? 羽葉さん、ちょっとシュート投げるね。」
由紀「あ、はい! (捕れるかな…。)」
 そういって新山は振りかぶって足を上げた。シュート…内に食い込むシュートを…。
 シューーーグググッ ズバーン!!
由紀「すっご……なにこの変化。シュートってレベルではないよね…。」
篤史「いきなりこれをやれっていうのは難しいと思うから…試しに投げてみて。シュート。」
亜弓「わ、わかった。」
 私は握りかたと腕の振り、そしてコツをしっかりと聞いた。特に窮屈さに慣れることと、重心をしっかりと伝えられるように…。こうやって…!
 シューーーグググッ バシーン!!
由紀「えっ?」
亜弓「ええっ!?」
篤史「……マジか。」
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