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10.19
 突如浮遊車が横に揺れた。すると何か異音が聞こえてくる。
「ヤバイ、撃たれた!」
「えっ!? 大丈夫です!?」
「エンジンに撃たれた、危ないから降りるわよ!」
 レイチェル先生が大きな声で叫ぶ。俺たちはすぐにベルトを外し、浮遊車を止めた。エンジンに撃たれたということは爆発の危険性がある。俺たちは頭を下げながら浮遊車を出る。クレイナは俺の手を掴んだ。ナーニャはレイチェル先生と共に走っていく。
 ヒュン!!
「っぶねぇ! 流れ弾がこっちまで来ているぞ。」
「とにかくこっちに隠れて!」
 ナーニャが俺たちを誘導するかのように前を走っていく。俺たちはそれについていくように走る。クレイナも義手ながらなんとか走っている。いったい何なんだっていうんだよ!
「ちょっとまって。こっちに数人来ているわね…。」
「おいおいしゃれにならないぜ!」
 ナーニャは遠くを見て状況を確認している。数百メートルは離れたが、それでも弾は飛んでくる。というかどんどんこっちに近づいてくるやつらもいる。いったいこの都会で何が起きているっていうんだよ。とんでもない事件に巻き込まれたんじゃないか俺たちは?
「レヴィさん、聞こえます?」
「ナーニャか。今そっちに部隊が向かっている。俺たちもあと数分で到着だ!」
「敵はドラゴン族が2、人間が5、それ以外に複数の種族がいます。数名が発砲を続けながらこちらに移動中です。」
「まずいな、間に合うか!?」
「なんとも…。」
 ナーニャが急いでレヴィさんと連絡を取り合っている。しかし状況的には非常にまずいようだ。俺たちはいったいどうすれば…。
「お願いがあります。殺傷は行いません。ですが戦闘行動と魔法の許可をお願いします。」
「なっ!? 何を!?」
 ナーニャが突然顔色を変えてレヴィに問いかけた。戦闘行動って…どういうことかわかっているのか!?
「何が目的なんだ?」
「器物破損をお許しください。でもそうでもしないとこの道を通って被害が拡大します。浮遊車とポールを使って壁を作ります。」
 そんなことが出来るのだろうか。まさか、そんなことが…。
「……わかった。許可する。」
「ありがとうございます。」
 そういうとナーニャは大きく息を吸ってはいた。そして鞄の中からポーチとナイフを取り出した。
「おま…ナーニャ、本当にいくのか!?」
「大丈夫、それよりクレイナをよろしくお願い。」
「ああ、わかった。クレイナ、いくぞ。」
 そういうとクレイナは立ち上がって走り出す。俺とレイチェル先生で逃げていく。
「シンヤ!」
「どうした。」
 ナーニャが突然声をかける。俺は振り返りナーニャの顔をみると目が変わっていた。何だ…この目は。まったく見たことがない…。
「ある程度…自我はあるけど。この状態のときはあまり視界の入らない所にいて。下手したら…。」
「もしかして…戦闘民族特有の戦闘状態ってやつか。」
「そういうこと。それじゃあ…いってくる。」
 そういって声をかけるといきなり目の前から消えた。なんだ、もしかして飛んだのか!?
「ふんっ!」
 ガギャン!!
 聞いたこともない音と共に数10メートル先のポールが倒れてきた。まさか…ナーニャが切ったのか!?
「シンヤ!」
 俺はレイチェル先生の声に気づき、走り出す。後ろを見ながら走っていくと…一瞬だけど…ナーニャの姿を捉えることが出来た。壁に…張り付いているだと!?
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