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07.21
「君…どうしてここにいるんだい?」
「いや、俺はただ…真実が知りたくて…。」
 俺はあの目の前にあったものが脳裏に焼きついて吐き気がしていた。ナーニャは表情が変わっていた。俺は…アレを見てよかったのだろうか。本当に…真実を知ってよかったのだろうか。
「あれを見たんだろ…。まさかこんなことになっているとは俺も思わなかった。」
「もしかすると…私の仲間も…。」
 ナーニャは悲しそうな顔をしながら、腕は力強く握っていた。俺は…なんて声をかければよいのだろうか。
「君は…スフート族だよね。」
「知っているんですか。」
「ああ、良く聞くよ。その気持ちは分かる。だけど、その気持ちは抑えておけ。これで問題が起こったら…君が大変だ。」
「そうですね…ありがとうございます。」
「(こういう時こそスフート族より怖いものはない。ここで抑えてくれたのは…本当に…。)」
「シンヤ…だよな。」
「はい…。」
「いますぐここを出なさい。私達もここにいるのは危険なのは分かった。そしてカメラでも状況は把握した。そして…なるべくこのことは他の人になるべく言わないようにな。」
「…わかりました。」
 俺はあの…魔法生物たちを助けることが出来なかった。あんなの…非道すぎるのに、俺は何も出来なかった。悔しくて…辛い。
「ナーニャ…すまないな。巻き込んで…。」
「平気だよ…。」
 俺たちは先ほど入った裏口から出るとすぐに道へと戻っていく。
「ナオ、いたか。」
「クレイナ…?」
 目の前にはクレイナと人魚の血を引いている人がいた。この人は…。
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