line-s
--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

line-s
07.29
「あー、疲れた。」
「大変だったな。昨日は仕事が大忙しだったんだろ?」
「そうなのよ! 朝の6時から夜の11時までって人類労働法に定まっているの!? だからレヴィ、今日はパフェおごってね。」
「あいあい。しゃーねえな。500センのものまでな。」
「じゃあその500センで。」
「丁度を選ぶかお前。」
 ナオはげっそりとした顔でファミレスのテーブルに顔をつけていた。俺は水を飲みながらひじをつき、ナオを眺める。しかも今日は人魔交流会とかいうのに参加するんだっけ? しかも良く調べてみればこの前に会ったシンヤたちがいるのか。あいつらは…大丈夫かな。
「そうだ、ナオってクォーターだろ? どっちの部類に入るんだ?」
「私はグレーな部分。どっちの血を強く受け継がれているかによって分けられるらしいんだよね。でもハーフとかクォーターって皆魔法使えるから…魔法生物側の方になるわね。」
「ほう…いうてナオの魔法はそうそう見ないけどね。」
「そんな力を大量に使いたくないからね。なるべく自分の手で! 自分の足でっていうのがモットーだから。でも少しなら見せられるよ。ほら、このコップだって。」
 ナオは指の一本をコップの水にむけていた。そしてグルグルとやさしくまわすと同時にコップの中にある水が回転し始めた。氷がカランカランと音を鳴らす音が、とてもやさしかった。
「ほう、こういうのできるんだ。」
「人魚の血があるからね。水はお手の物よ。といっても魔法の基本はどの族も同じなのだけどね。」
 そんなことを言いながらナオは大きくため息をついた。相当疲れているのだろう。まあ今日は許してやらなければな。
「お待たせしました。トロピカルパフェです。」
「きたきたっ!」
 ナオがいきなり元気になった。まあ…それならよかったかな。
スポンサーサイト
line-s
07.29
「こんにちは。」
「ピュアプラチナ様、ようこそいらっしゃいました。」
 私たちは丁寧な挨拶で迎えられた。今回のテレビは私服で行い、宣伝のライブで衣装に着替える。そしてこの番組はクイズとトーク番組、頑張っていかなければ。
「ゲストのピュアプラチナ様ただいま入りました。」
 そのまま私たちが呼ばれると多くの人からも挨拶をしてくれた。そしてそのまま歩いていくと、目の前に見たことある人たちがいた。
「やっほー千代乃。」
「紅音さん!? どうしてここに?」
「実はアイリングとしても呼ばれていたんだよね。私もピュアプラチナって名前が聞こえてきた瞬間驚いたよ。」
「本当ね! 今日はよろしくね!」
「もちろん。それにもっと驚く人が…ほら。」
 私は紅音が指差す方を向くとそこにはスノーフェアリーのメンバーがいた。そして優衣さんが気づく。
「お、千代乃! 来ていたんだね!」
「こんにちは!」
 私達はスノーフェアリーのメンバーに挨拶をした。そして三人とも笑っていた。しかも色を見る限り、私たちを含めた三組は別々のチームになるみたいだった。これはなんというか…頑張らなければ。
line-s
07.29
 私と由紀、皐月は室内ブルペンへと入っていく。室内からのあの音はいったい何なのだろうか。私達はおそるおそるブルペンの見える位置まで移動する。
亜弓「あれって…新山?」
由紀「新山がいるの?」
皐月「受けているのは…千道?」
 マウンドには新山が上がっていた。しかしかなり疲れているようにも見える。もう何球もなげているのだろうか。
千道「四球目!」
篤史「…ああ。」
 まだ四球? だというのにあの疲れようなのだろうか。しかし新山はノーワインドで構え、大きく踏みだす。
亜弓「…!!」
 その瞬間、私達の体は震えた。見ているだけでのあの迫力、そしてあの一球にこめた思い。とてつもないものが感じた。そして球が放られる。
 シュゴオオオオ バシューン!!
千道「…ナイスボール! …やっぱりすげえや。これでブランクがあるのか。それに球の雰囲気は前より良い…。やべぇよ。足の震えがとまらねぇ。」
 千道の言葉通り、見ている私達でさえ足が震えていた。なんという球なのだろうか。こんなの…打てるわけがない。
篤史「…こっそり見なくてもいいよ。来るなら来てもいいよ。」
皐月「えっ!?」
 私達がいることに気づいていたのだろうか。私達は向こうへと向かおうとした。しかし足が震えて…動けない。なんだろうこれ、どうしてなのか。意識しているのに前へと…進まない。
由紀「えっと…お願いがあるのだけど。」
 由紀も震える足をなんとか踏み出して歩いていった。私もそれにつられて歩くことが出来た。いったい何を考えているのだろうか。
千道「海藤、いたのか。」
皐月「は、はい…。」
由紀「あの…バッターボックスに入ってもいいかな?」
篤史「あ、いいよ。それの方がこっちもありがたいし。千道、あと五球よろしくね。」
 あと五球…いったいどんな球を投げるのだろうか。さっきのようなすごい球を…また見ることができるのだろうか。
line-s
07.27
「ナーニャ、お疲れ様。」
「うん…お疲れ。」
 俺はナーニャに声をかける。しかしまだ暗い雰囲気を出しながらベンチから空を見上げている。俺とクレイナはナーニャの元へと近づいていく。クレイナは手に持っている飲み物をナーニャに渡す。
「ナーニャ。」
「ありがとうクレイナ。」
 ナーニャは真顔で渡していった。しかし…なんというか、あの時のことを思い出してしまうのが辛い。それにナーニャはその現実を突きつけられ、ひどく落ち込んでいる。どうしてあげればよいだろうか。
「どうしたの? 今日授業でも落ち込んでいたよね。」
「あ、レイチェル先生。」
 隣からレイチェル先生がやってきた。レイチェル先生は資料を持ちながらもナーニャの頭をやさしくなでていた。それでもナーニャは落ち込んでいる。
「いえ…大丈夫です。」
「そう。あ、シンヤくん。次の人魔交流会は参加できそう?」
「ああ、今度は大丈夫ですよ。前回はさすがに家庭の用事があったので。」
「人魔交流会?」
 ナーニャが俺とレイチェル先生の顔を見て気にしていた。気になるのだろうか。もしかして…立ち直るきっかけが出来るかもしれない。
「今回…来てみない? ナーニャ。それにクレイナも呼びたいね。」
「私達…ですか?」
「そう。今回はメンバーが増えるわよ。モデルさんも来るし、そういえば久々にナオさんが来るわよ。」
「ナオさん? あれ? もしかして。」
「あ、シンヤは会ったことないわね。新聞記者の。」
「いや、その人知っています。」
「えっ?」
line-s
07.27
「お疲れ様です!」
 私達はサイン会を終えて部屋へと戻っていった。私達は汗を拭きながら笑いあって座った。
「今日のサイン会たのしかったね!!」
「そうだね。私達も楽しんで出来たからね。聞くっていうのはこんなに楽しいのね。」
「今日、ファンの一人がとても面白いお話してくれてね! 私達が笑顔もらっちゃったよ!」
「私も皆がいろんなことを聞いてくれて。宇宙的な意見も出てきたからすっごく嬉しかったの!」
 私達はサイン会をとても楽しく行うことが出来た。聞くというのはとても重要なことであり、そして私達が笑顔を届ける手段でもあることに気づけた。
「もっともっと、いろんな人とお話してみたいね!」
「うん、きっとテレビのときでも役に立つと思うよ!」
「そうだね! 収録は明日、それに収録されてからすぐにテレビ放送だよね!」
「楽しみだね。でも仕事だからきっちりとこなさないとね。」
 私達は楽しみながらも明日のことに向けて気合を入れなおした。明日からはテレビの収録に入る。頑張らなければ。
line-s
07.27
亜弓「ええ、是非交換しましょう。」
由紀「交流は大歓迎だよ。私達も多くの女性選手とつながることができるから! きっと他の人たちも喜んでくれるはずよ!」
皐月「ありがとうございます。」
 皐月という人は私達と連絡先を交換した。なんだかやさしそうな人に見える。そして連絡先を交換すると私達の顔を見た。
皐月「あの、私そんなに他の人と比べて才能ないけど…甲子園に出れるように頑張りますね。」
亜弓「うん、頑張ろうね。」
由紀「それに才能が無いなんてことはないよ。否定的にならないでもっと自身もっていいよ。」
皐月「そうですか?」
由紀「コントロールも良くて変化球もキレも良く投げれてる。球が速い遅いじゃなくて、そのセンスは良い物を持っているよ。」
皐月「ありがとうございます…。」

篤史「俺が…離れていた理由ね…。まあ…事故だよ。」
千道「どうしてそれを言わなかったんだよ! それに何処にいってたんだ! 多くの報道陣がいろいろと聞き込みをして、野球界は本当に衝撃を受けたんだぞ! 事故って…それが本当ならまだ野球はやれるんだろうな。」
篤史「続けられるよ。ただ、体力も落ちたしブランクもある。というか体力に関しては負担をかけてきたことでちょっとやらかしたのもあるし…。まあ…事故が起きたときは二度と野球は出来ないって言われたけどな。」
千道「お前…それって!」
篤史「でも俺はいまここにいる。そしてプレーしている。まあいなくなった理由としては…アメリカで治療していたんだ。」
千道「アメリカ…行ったのか。」
篤史「ああ…。」
千道「頼みがある。」
篤史「どうした?」
千道「最後に…もういちどお前の球を受けたい。少しでもいいんだ。」
篤史「…10球だけでもいいか?」

亜弓「でも…すごかったよ。あんなに9回フルで投げられて、それもコントロールをしっかり安定したままでいられるなんて…。」
皐月「いや、そんなことないですよ…。でもキャッチャーのリードがあるからかもしれません。」
由紀「たしかにキャッチャーはすごかったわね。それでも二人とも良かったわよ。」
亜弓「これからも…よろしくね。」
皐月「こちらこそ…。」
 バシューーン!!!
由紀「!? なに…この音は。」
亜弓「ブルペンから? いったい誰が…。」
皐月「…行きますか?」
line-s
07.25
「さてと、すまないな。お時間もらって。今日は警察の車で送っていくから心配いらないよ。」
「ありがとうございます。何から何まで…。」
 俺はレヴィさんに声をかけて国際人類警察メルジ国支部を去った。車にクレイナ、ナーニャと共に車に乗るとナーニャは涙を流していた。
「どうした、ナーニャ。」
「私…あの人たちを守れなかった…助けたかったのに。」
「ナーニャ…。」
 ナーニャは服をつかんで大粒の涙をこぼしていた。服に涙が染み渡っていくのを見ると、俺も心がきつく絞められる感じがした。
「大丈夫、あなたは悪くない。」
「クレイナ。」
 クレイナはナーニャに声をかけていた。真顔ながら、声のトーンも一定だけれども…俺には気持ちが伝わってくるように見えた。あの人を助けるには…俺たちの力だけじゃどうしようもない。何か…出来ることは。
「私…助けたい。」
「私も。」
 ナーニャとクレイナは俺の顔を見て訴えかけてきた。そうだ、俺たちが助けなければ…。あいつらを助けなければ。
line-s
07.25
「お疲れ様でした。」
「お疲れ様です!」
 私たちは野外ライブを終えて控室へと入った。今日のミニライブはこれで終わった。けどこの後にCDの販売イベントが行われる。ファンに向けて一言ずつお話していかなければ。サインもしっかりと対応して皆が笑顔にできるように頑張らなければ。
「ねえ千代乃、サインのことなのだけどね。」
 楓が私に声をかけてきた。サイン会のこと、いったい何なのだろうか。
「サインのほかに何かお話するじゃない? なんだか最近ワンパターンすぎてね。受け身になって聞いていく方もよいかなと思っているのだけど、どうかな? いっつも私からしゃべっているから。」
「なるほどね…たしかに楓はそうだよね。でも楓らしいというか…。皆はどう思う?」
「私も今日は受け身にまわってみようかなって思う。だって私もお話するけど、なんだか理解してくれる人がいなくて…。」
 アリスは苦笑いで答えた。でも…アリスの言っていることは私達にも分からない時はあるよ。
「私は二人の意見には賛成だよ。私達が聞いていくのも、ファンにとってみれば嬉しいことだと思うの。」
 恭花さんは堂々と答えてくれた。恭花さんの話しを聞いていると納得できる。私も…受け身にまわってみようかな。でも私って…いつも受け身かな…。
「時間です。」
「はい! 皆、いくよ!」
 私達は笑顔でサイン会場へと向かう。目の前には楽しそうに待っている人たちがいた。よし、頑張らないと!
line-s
07.25
 バシン アウト! ゲームセット!
館川「っしゃあ!!」
 試合が終わった。後のバッターは館川しっかりと抑えて勝利することが出来た。私達は挨拶をして向こうの高校の人たちと共にグラウンド整備を行っていく。私と由紀はお互いに笑顔をかわしながら慣らしていく。
皐月「あの…あとでお話よろしいでしょうか?」
亜弓「え? 私?」
皐月「はい。それと…羽葉さんも。」
由紀「いいよー! それじゃあ整備が終わってダウンが終わったらね。」
 私と由紀は皐月に声をかけられた。あの人も女性投手…とても良い投手だった。それに不思議な感じがする。私達が一緒にすごした、暁美さんや瑞華さん、六実さんたちなどとお話した時のような…不思議な感じ。あの時のような。そして…右側ではあの捕手の人が新山に声をかけている。やはり昔の仲があるのだろうか。
千道「後で…お話がある。」
篤史「…わかった。」
 なにか新山はあまり良さそうな顔ではなかった。いったい何があったのだろうか。…あとで聞くべきだろうか。

皐月「亜弓さん、由紀さん。」
 皐月は私達のところにやってきた。そして丁寧にお辞儀をする。
皐月「今日はありがとうございました。」
亜弓「いえいえ、こちらこそ。」
由紀「それで…どうしたの?」
皐月「もしよろしければ…連絡先など交換いたしませんか?」
亜弓「連絡先…ですか?」

千道「来たか…篤史。」
篤史「うん…。」
千道「単刀直入に聞く。どうして…急にいなくなった。そして…もどってきた。」
line-s
07.23
「それで…侵入したわけだな。」
「はい。一応学校でも連絡をとろうと思って連絡している人はいまして…。」
 俺はシンヤの話しを聞いていると、噂だけによる好奇心によって見にいっただけではないかと思った。おそらく真相をつかみたかったのだろうと思う。シンヤの周りには、過去に起こっていた乱射事件の被害者、クレイナ…いや、本名で呼ぶべきか。しかしそちらの名前は死んだと報道されている。あまり深く考えない方がいいか。そして…。
「あの人たち…絶対に許せないです…。私は何もできなかった…悔しくて…。」
「その気持ちは分かるよ。今は怒りを出すのではなく、落ち着いていきましょう。」
 あのスフート族のナーニャもいる。あの怒りの出る気持ちは分かる。しかしそれで戦闘民族として相当な力を持つスフート族が戦闘状態になったら…。今はダジルのおかげでなんとか落ち着けている。なによりもこういう友達を持つシンヤがいるのだから…今回の侵入へと試みたのだろうと思う。
「シンヤ、君の連絡を取ろうとしていた人と、先生の名前を教えてくれないか?」
「はい、先生はレイチェル・シェヴァル先生です。」
「あの教授か…有名だものな。生徒は?」
「サスト・オルガバディ先輩、三年生のタクセス部の人です。」
「サストってこの前スポーツ雑誌に載っていたな。全国でも有名なタクセス選手だって聞くからな。同世代の人間選手の中では一番優秀なんじゃないか?」
「たしかに優秀な人です。でも…本当に目指しているのは…あなたたちのように…警察官になりたいと言っています。」
 シンヤの知り合いにもそういう人たちがいてくれて…良かった。
line-s
07.23
「それではピュアプラチナの皆さん、よろしくお願い致します。」
「わかりましたー!」
 私達はミニライブの出番がやってきた。今回のライブ会場は有名な音楽ショップの前の野外ライブ、たまたま見に来てくれる人たちにも笑顔を届けるために!
「こんにちは!!」
 キャアアアアアア!!
「すごいっ! …こんなにたくさんの人たちが!」
 楓が思わず声に出してしまうほどに私達は驚いた。目の前に見えているのは多くのファン、そしてたまたま立ち寄ってくれた人たちが集まっていた。私達が想像しているよりも多くの人たちが見てくれていて、そして新しく気づいてくれた人たちが立ち止まってくれている。
「今日は今度行われるソロライブとテレビ出演の宣伝に来ましたっ!!」
 アリスが声をかけると見ている人たち皆が大きく盛り上がってくれていた。こんなにも見てくれている人たちが喜んでくれるなんて…。
「それじゃあ…宣伝前にさっそく歌っていきましょう!」
 恭花さんが声をかけると同時に私達はポーズをとる。そして…いままでのようにライブの準備をする。それだけでもこの盛り上がり。それなら…笑顔をいっぱい届けなければ!
line-s
07.23
 バシーン! ストライクワン!
千道「(本当にすごい投手だな。テレビで見るよりもノビがすげえ。)」
亜弓「(見ている…けどなんだろう。この捕手にも不思議な感じが。)」
 私は大きく深呼吸してミットを見る。あのバッターはかつては新山の球を受けてきたバッター、それならバッティングも相当なものを持っている気がする…!
 シュゴオオオ
千道「(似ている…奴に似ている。でも違う。この投手にはこの投手のスタイルがある!)」
 ギィイン!!
新天「くっ!」
 ドッ
「っしゃあ抜けた!!」
「ナイバッチ千道!!」
千道「ふぅ…っし!」
 ストレートがとられられてしまった。でも…何かがむしゃらに振ったようにも見える。だとしてもこんなに簡単に打たれるわけがない。あのバッターは…。

 バシーン! ストライクバッターアウト!
 試合は九回まで進んでいった。あの後、由紀や海鳳が点を入れてくれて4対0、でも九回まで投げていた。あの精神力はそうとうな物に違いない。私は館川へとマウンドを譲って休憩していた。
篤史「監督…すみません。守備でもいいので出させていただけますか?」
日下部「自分から言うなんてな。それならライトに行ってくれるか。」
篤史「わかりました。」
 新山が自分から頼んで試合に出たいと言った。この試合が…復帰一試合目ということになる…。試合感覚に慣れるためなのだろうか。
深沢「無理はするなよ。」
篤史「了解です。」
 新山はゆっくりとストレッチをしてライトへと向かっていく。向こうはそれにはまったく気づいていなかった。
「すみません、選手変更で。ライトの沖田に替わって新山が入ります。」
「ああ、わかった。」
千道「…えっ。新山!?」
皐月「どうしたの?」
千道「アレは…間違いねえ…。どうしてこの学校に…いや、どうしていままでいなかったんだ。」
 館川が準備を終えて九回の裏の攻撃が始まる。バッターボックスには千道がいる。けど…さっきとはまるで雰囲気が違う。何かを…感じる。
千道「(あいつなら…きっと。気づいてくれているはず。そして…俺は動きを見れば本当にあいつか分かる…!)」
 シュゴオオオ
篤史「(ライン線上に…来る! 後ろ!)」
 ギィイイイイン!
友亀「ライトッ!!」
千道「(あの反応…やっぱりアイツだ!!)」
 ボールがバットに当たった瞬間、新山が後ろを向いて走っている。しかもその方向は落下点へと向かっていった。なんという反応なのだろうか。
篤史「(この辺り…ピッタリ!)」
 バシン! アウト!!
海鳳「ナイスライト!!」
千道「(アウトにされたか…まあアイツならそうだよな…。)」
友亀「(打った瞬間にあの落下点まで…普通ならヒットになる打球だぞ?)」
line-s
07.22
「レヴィさん、この奥でしょうか?」
「ああ、気をつけてくれ。とにかく安全が確認出来てからもう一度伺う。俺たちは車に乗って本部まで戻る。」
 レヴィさんが特殊部隊の人たちと声を交わしている。この人って…ものすごく上の人だったのか。
「さてと、三人とも一緒に来てくれ。」
「わかりました。」
 俺たちは車の中に乗って揺られながら移動していく。俺たちは大変なことをしてしまった。逮捕されて…裁かれてしまうのだろうか。
「すまないな…こんなことに巻き込んでしまって。今回のことは内密にしておく。事件としては公にしないつもりだ。だから…ここだけの話しにしておいてくれないか。」
「あ、はい…。大丈夫なのでしょうか。」
「私達、危ない行動や侵入行為という犯罪まで…。」
「ああ、問題ない。協力してくれるなら今回のことは無いことにする。」
 俺たちはその言葉を聴いてほっとしたと同時に何を手伝うのかが不安だった。何をすればよいのだろうか…。
「ああ、紹介遅れたな。ちゃんと自己紹介してなかったな。俺は国際人類警察の行動心理科に所属しているレヴィ・アストラルだ。」
「国際人類警察なのですか…。」
 国際人類警察って…あの人類に関しての多くの事件を取り扱っている人だ。だからといって魔法生物の事件も扱わないわけじゃない。さすが…警察トップの人たちなだけある。
「俺はダジル・オオミヤマ。メルジ国で捜査中心として警察官をやっている。」
「私はナオ・ラ・マエストリ、一応人魚のクォーターよ。アダム新聞の記者をやっているわ。」
「アダム新聞って…俺が頼んでいるところの。」
「あら、うれしいね。」
 こういう人たちが身近にいるなんて…。あ、俺たちもしなければ。
「俺はシンヤ・ツキカゼです。メルジ国出身、セレイン高校の二年です。」
「私はクレイナ、同じくセレイン高校二年。」
「あなたは…不思議な感じがするわね。」
「…ああ、君の事は知っている。助けられなくてすまないな。」
 ダジルが突然クレイナに声をかけた。助けられなくて…ということはあの事件を担当していたというのだろうか。
「いえ、大丈夫です。現に私は生きていますから。」
「私は…ナーニャ・スフート・エル…です。 セレイン高校一年です。」
「スフート族ね。知っているわ。全然気にしなくていいわよ。その紋章も隠さずに。私達は味方だから。」
 ナーニャのことを理解してくれている。この人たちは…本当に良い人たちだ。
line-s
07.22
「さてと…ライブの前にはミニライブもいくつか設定されていると思うけど、このライブで新曲を発表していこう。」
「そうだね。フルバージョンはメインライブでの公開をメドにしていこう。」
 私達は新曲の公開を考えていた。新曲を作ったので何処で公開すべきか、多くのミニライブの中でどこで公開すべきかが必要になる。
「ねえ、テレビ出演が決まっているからそこでもいいのじゃない?」
「たしかに、それの方が良いかもね。」
 私達はテレビで新曲を公開しようと考えた。たしかにテレビなら多くの人たちが見ることが出来る。それも一番人が集まりやすいゴールデンタイムのゲスト、でも…緊張しそうな気がする。けど…ここで公開できればきっと多くの人たちが私たちのことを知ってもらうことが出来る。何よりもテレビごしに笑顔を届けることが出来る!
「よし、それでいこう。」
「うん! 頑張っていこう!」
 私達は多くのことを決めていく。全部がうまく行っている。でも…それがちょっと怖かったりもする。だけど今は行くべき。おせおせなんだから…行くべき!
line-s
07.22
由紀「あれって…狙っているよね。」
千道「ワンアウト! 落ち着いていこう!」
篤史「千道はなんというか…勘が鋭い感じだね。投げていてはものすごく安心感があるんだ。たとえそこが打たれそうかな? と思っていても三振になったり凡退になったりする。どうしてあんなリードになるかはまだ分からない。でも…この投手のようにコントロールの良い投手だとその力は最大限に生かせると思う。」
 バシン! ストライクワン!
亜弓「確かに…コントロールがすごく良いね。」
由紀「たとえ捉えられてしまう状況であってもギリギリまで考えている所がすごいよね。でも…私に対しての内角からの外角攻めは考えていたように見えるよ。」
篤史「だからアレが勘なんだって。次の打席入ってみ? まったく違う攻め方してくるから。」
 ギィイン! バシン! アウト!!
沖田「(まじかよ…ど真ん中投げてきやがった。)」
海鳳「ドンマイ! 次があるよ!」
新天「でも…もう一つ気になるのがあの投手の投球の仕方…あんなゆったりとした感じはいままで見たこと無いね。」
亜弓「たしかに…あのフォームは独特だね。力が抜けているからしっかりとした球が投げられるのかな。」
由紀「しっかりじゃないよ。何か独特の雰囲気を感じる。」
 あの独特のフォームから出される球は変な感じがすると言う。バッターボックスに入れば分かるだろうか。にしてもあの力の抜き方は何なのだろうか。
 ギィイイン! バシン! アウト!!
皐月「な、ナイスセンター!」
千道「よし、こっちも三人で片付けたぞ!!」
 向こうも波にのってきている…。私はその波を断ち切るようなピッチングをしなければ。
line-s
07.21
「君…どうしてここにいるんだい?」
「いや、俺はただ…真実が知りたくて…。」
 俺はあの目の前にあったものが脳裏に焼きついて吐き気がしていた。ナーニャは表情が変わっていた。俺は…アレを見てよかったのだろうか。本当に…真実を知ってよかったのだろうか。
「あれを見たんだろ…。まさかこんなことになっているとは俺も思わなかった。」
「もしかすると…私の仲間も…。」
 ナーニャは悲しそうな顔をしながら、腕は力強く握っていた。俺は…なんて声をかければよいのだろうか。
「君は…スフート族だよね。」
「知っているんですか。」
「ああ、良く聞くよ。その気持ちは分かる。だけど、その気持ちは抑えておけ。これで問題が起こったら…君が大変だ。」
「そうですね…ありがとうございます。」
「(こういう時こそスフート族より怖いものはない。ここで抑えてくれたのは…本当に…。)」
「シンヤ…だよな。」
「はい…。」
「いますぐここを出なさい。私達もここにいるのは危険なのは分かった。そしてカメラでも状況は把握した。そして…なるべくこのことは他の人になるべく言わないようにな。」
「…わかりました。」
 俺はあの…魔法生物たちを助けることが出来なかった。あんなの…非道すぎるのに、俺は何も出来なかった。悔しくて…辛い。
「ナーニャ…すまないな。巻き込んで…。」
「平気だよ…。」
 俺たちは先ほど入った裏口から出るとすぐに道へと戻っていく。
「ナオ、いたか。」
「クレイナ…?」
 目の前にはクレイナと人魚の血を引いている人がいた。この人は…。
line-s
07.21
「よし、完成! お疲れ様!」
 私たちは完成したことで嬉しさが湧き出た。目一杯作業に打ち込んだことで嬉しさがいつもよりあった。楓も恭花さんも、アリスも皆が喜びあっていた。たしかに苦労してここまでやってきた。ライブも一ヶ月前へと近づいてきている。この喜びを…モチベーションを最後までずっと…続けていきたい。
「それじゃあ、完成ということでお疲れ様会しよう!」
 楓は嬉しそうに提案する。私たちは全員がうなづいて帰りの準備を始める。いつもこうやっていられるのがあるからこそ…。きっとアイドルを辞めたときもずっと一緒にいるのだろう。

「さてと、お疲れー!」
 私たちはファミレスでお疲れ様会を始める。私達は飲み物を飲みながら今回の苦労したところを話しあっていた。
「千代乃! お疲れー。」
「ゆ、優衣さん!? お疲れ様です!」
 スノーフェアリーの優衣さんが私に声をかけてきた。どうしてここにいるのかは分からなかったけど、横を見てすぐに分かった。他のメンバーもいるのに気づいた。向こうも楽しんでいるようだった。
「ライブ、頑張ってね。」
「ありがとう!」
 私達は優衣の言葉に勇気付けられた。ライブも…頑張っていかなければ…!
line-s
07.21
 バシーン! ストライクバッターアウト! チェンジ!
亜弓「っし!!」
 私は三振で一回を全て三振で切り抜けた。一週間前に名電学園との試合を行ったのと同じようなピッチングをすることが出来た。新山が来たことによってモチベーションがものすごく高くなっている。皆が負けないように…そんな感じが。しかもすでにベンチ入りしている。その才能はやっぱり…。でもまだ試合に出れるほどの体力は…あるのだろうか。
篤史「すごいね…あんなに三振を取れるピッチングが出来るのは。」
亜弓「いや、そんなことないよ。」
池之宮「でも似ているよな。全盛期の新山もあんな感じだったじゃないか? 全部全力投球でさ。」
篤史「いや、手を抜くのはあまり嫌だから。」
 今日の憲大義塾との試合もこの調子で投げていければ…なんとかなるかな。そういえばさっき…女性選手がいたように見えたけど…。
 バシン
皐月「ふぅ…。」
由紀「あれ? あの子…投手?」
友亀「えっと…俺たちと同じ一年生らしいぞ。それと…捕手の千道って人も一年生らしいね。」
篤史「千道? アレは…千道だったのか。」
池之宮「向こうも気づいては無かったな。なんだかんだで今までの女房役だからな。にしてもここにいるなんてな。」
 女房役ということは…いままで新山の球を受けていたのだろうか。そして池之宮が知っているということは…相当な実力を持っているはず。四番に座っているということは…そういうことになりそう。
皐月「(始めての女性選手との対決…千道のリードを信用すれば。)」
千道「(さてと…一番は羽葉だっけな。相当なミート力を持っているし、皐月にとってみれば相性最悪だ。だけどここは勝負だ。)」
 先頭バッターの由紀はゆっくりと構えて様子を見る。どんな投手なのだろうか…そして由紀は。
篤史「(まあ…アイツのリードはかなり信用できるからな。こっちにとってみれば経験したことのない感じになるな。あとは投手がどんな感じか。)」
 シュッ シューーー バシン
 ストライクワン!
由紀「(内角低めのコースギリギリ…かなり繊細な投球してくるね。)」
 勢いはそれほどでもない。球速も平均的、けど…何か違和感を感じる。あの投球スタイルはいったい何なのだろうか。コントロールを重視した投球だけど、何かゆったりしすぎた投球フォームというか…。
由紀「(さてと…次は打ちにいく。)」
 シューー グッ
由紀「(ここ!!)」
 ギィイイン!
皐月「(やっぱりこのバッターはすごすぎる! こんなに完璧に捉えるなんて!)」
千道「ファースト!!」
 バシーン!! アウト!!
由紀「およっ!!」
 打球は一塁線に鋭く飛んでいったが、ジャンプキャッチでとられてしまった。これは運がなかったとしか言いようがない。
由紀「(狙っていたのかな…あれ。)」
千道「(っぶねえ。もう少しでヒットになるところだった。これだけやるとは予想外だったな。)」
篤史「敵に回すとめんどくさいからねぇ…。」
line-s
07.17
「どうした?」
「侵入者がいることが確実になった。そいつは悪いやつじゃないが、救助しないと大変かもしれない。」
「…っておい、アレか?」
 二人が座り込んでいた。男性と女性、どちらも気分を悪くしているように見えた。俺はすぐに近づこうとするが、大きな部屋が見えていた。ゆっくり…音を立てずに。
「二人とも…大丈夫か。」
「あんな…そんな…こんなことがあるなんて…うっ…。」
 女の方がかなりパニック状態に陥っている。この状況だと正常な判断を出せずにいる。まず彼女を救助しなければ。
「ダジル、引っ張ってやってくれ。」
「わかった。こっちだ。」
 女はダジルに連れて建物の影へと隠れていった。しかし…あの腕の紋章はどこかで見たことがある。何かの資料に…。いや、思い出したかもしれない。あれはエルフのスフート族、いわば戦闘民族…。しかし何か悪さをしようとしているとは到底考えもつかない。男の方も助けなければ。
「君、大丈夫か。」
「平気です…ただ、アレが…。……あなたは。」
「君は。」
 俺はその顔に覚えがあった。つい最近、人類電子機器エキスポで会った…あの少年だ。しかし何故ここにいるのか。
「すみません…アレを見たせいで…気分が悪く…。」
「アレ?」
 俺は見ていたであろう方向に目を向ける。
「こいつは……! ……ダジル、写真の用意だ。」
「何があった。………なんてこったい。マジかよコレは。」
 俺はそれを見た瞬間、どれだけ恐ろしい状況かを把握することが出来た。あれは魔力を強制的に奪い、それを使っているものに違いない。それもここは実験場らしく、数はすくないが…とんでもなく残酷な姿ばかりだ。やせ細った体が見えていたり、無理やり食事を取らせ、その分のエネルギーを奪うという方法をつかっているみたいだった。それに…あそこにいるのは大きなドラゴン、まさかこんなものまで実験に使うなんて…。人体実験とかそういう問題じゃないぞこれは。
「とにかく、隠れるぞ。状況説明をしてからだ。」
 俺は男を物陰まで誘導する。男と女の心理状況から考えるに、この場に長期間いさせるのは危険かもしれない…。
line-s
07.17
「そうだ千代乃、この部分のところなんだけど。このダンスでよさそうかな?」
「とても良いと思ったのだけど、私たちのレベルで出来るかと思ったら…ちょっとまだ厳しいと思うの。恭花さんならこれぐらいのダンスはこなせると思うのだけどね。」
「楓、このデザインのことなんだけどね。もっと明るくした方がいいかな?」
「そうだね。ここをこうして…こうするといいかな。あ、でもCDにするんだよね…この部分がちょっと寂しい感じがするね。アリスのデザインは好きだからきっとここに付足すだけでも良いのができると思うよ。」
 私たちは新曲のそれぞれ確認すべき点について確認をしていく。私達がやるべきことは多くある。悩んで悩んで、最高のものを作るために。…もっともっと頑張らなければいけない。
「あ、皆。私のお母さんから差し入れもらったの!」
「本当!? アリスのお母さんって料理上手なんだっけ?」
「というかもう休憩時間だね。相当集中していたから時間忘れちゃったよ。」
 私たちは休憩時間を忘れて話しあっていた。アリスは鞄の中から弁当箱を取り出して空けた。それ以前に弁当箱がかなり豪華に見えていた。
「え、何コレ!? 蟹!?」
「すごっ! というかものすごくおいしそう!!」
 弁当箱の中にはまさかの蟹があった。しかもこれは毛蟹、相当おいしそうなものだった。私達は目を輝かせて蟹を手に取る。
「いただきます!」
 私たちは蟹を口に入れる。
「おいしっ!! これで今後も頑張れそうだね!」
 皆が笑顔で蟹を食べる。これで午後からも頑張れそう!
line-s
07.17
亜弓「こ…恋?」
瞳「だって、あの人と一緒にいて嫌な感じはする?」
亜弓「いや…そんなのはない。むしろあったかいというかやさしさというか…。」
真希「…一緒にいたいってこと?」
亜弓「……うん。」
 私は自分で言っておいて恥ずかしくなってきた。でも…そんな感じで話しているうちにだんだんと分かってきた。私はきっと…新山に一目惚れをしてしまったのだと思う。けど…この気持ちをどう伝えれば良いのか…。そして由紀にはどう伝えれば良いのだろうか。
真希「でも…あまり表にしない方が良いと思うよ。もし何かあるのなら亜弓から新山に伝えていくべきだと思うの。」
亜弓「表にしない?」
瞳「野球部で彼女がいる人はいると思うの。だけど、由紀はあまりそういう体勢は無いと思うし、それにもしそういうのがあったら…二人の距離が離れていく可能性もあるから…。」
亜弓「そっか…伝えるなら…新山にだけ…。」
 私にそんなことが出来るのだろうか。いずれバレる可能性だってあるかもしれない。けど…早く伝えないと、私の気持ちを分かってくれるかどうか。そしてあの人に彼女が出来る前に。
真希「でも…亜弓なら大丈夫だよ。ちゃんと思いを伝えれば。でも…段階は踏んでいこうね。」
亜弓「うん……ありがとう。」
 私はドキドキする胸を押さえながら笑顔で返す。そして由紀が戻ってきた。由紀…でも気になる。由紀は新山のことをどう思っているのだろうか。
line-s
07.16
「ということは…私はこっちに行けばよいのね。」
 私はレヴィとダジルから連絡が来たように、上の方に連絡をして至急集まるように連絡をした。私は歩きながら現在の周りの状況を確認する。ん? あそこで立ち止まっている二人がいた。何をしているのだろうか…?
「あの…大丈夫ですか?」
「…ああ。平気だよ。それより君、他の人たちとは不思議な感じがするね。」
「そうでしょうか。義手と義足があるぐらいでしょうか。」
「いや、もっと…。」
 何かお話をしている。ん? 片方は…義足? 何か困っているのかな。
「あの…すみません。どうされました?」
「いえ、特に何も。」
 私はその女の顔を見る。何か…無気力感に感じる…不思議な顔をしていた。もう一人は…薄いサングラスをしているから顔の全体図が分かる。顔に…傷?
「ただぶつかっただけなので…平気ですよ。」
 何か…話し方が独特だ。声の抑揚も通常じゃない。何か…いやな感じがする。
「そういうあなたは…クォーターですか。不思議なものですね。ほうほう…また…会う機会があるかもしれませんね。」
 そういって男は立ち去っていった。何を考えていたのだろうか。とにかく…女の子は無事のようだった。
「大丈夫?」
「はい、大丈夫です。」
 女の子は通信機を押しながら音を確認していた。
「あなた…名前は?」
「クレイナです。えっと…どちら様でしょうか。」
「あ、すみません。ナオ・ラ・マエストリです。その通信機器は?」
「これは現在地下にいる二人へとつなぐものです。」
「地下? まさか!?」
 私は急いでレヴィに通信信号を送る。まさかこの人たちの仲間たちが地下にいるのだろうか。
「レヴィ!? ちょっと聞いた情報だけど、本当に噂を聞きつけて侵入した人がいるみたいなの。早く救助してあげないと大変かも!」
「本当か? 分かった。急いで探す。」
line-s
07.16
「ねえ、紅音は受験の時はアイドル活動はどうするの?」
「うーん、状況によるかもね。そういう皆は考えているの? といっても二人は受験先だっけ?」
「ということはアカネとルナだけだよね。」
 紅音はルナの顔を見る。ルナは大きく息を吸って息を整えていた。
「私は…アイリングが終わるまでアイドル活動を続けようと思う。そして…もし解散する時期になったら…プロを目指す。」
「ルナ…本気なんだね。」
「紅音だって本気じゃない。」
 二人は笑いあった。それぞれが目指しているものが…もっともっと上にあることに…。

「皆、本気なんだね。」
「もちろん。私はこのグループを離れるつもりは無いわ。むしろこっちをメインでやっていくから。」
「私だって! そりゃ、ここまでやってきたやってきた仲間だもん!」
 優衣は久美と香澄と共に今後のことで話しをしていた。三人が笑顔で笑うと、手をとりあった。
「それじゃあ…スノーフェアリーとしての活動をメインに、これからソロ活動も頑張っていこう。」
「おー!!」
line-s
07.16
 ギィイイン!!
篤史「ありがとうございました!」
亜弓「すごすぎ…。」
 由紀と同じように二十球すべてを打ち返していた。あまりにもすごすぎて私は空いた口が塞がらなかった。周りの人たちも圧倒されていてただ、驚くばかりだった。
由紀「すごい…ですね。」
篤史「いや、マシンの球ですからね…。打ちやすいですよ。」
 マシンだからってこれだけ打てるのはすごすぎるに決まっている。それを淡々とこなしているのがさらに驚くべきところだ。だけど…驚きと同時に…なんだか好意が沸いてきた。もっといろんなお話をしてみたい…。野球の話とか…なんでも!

亜弓「お疲れ様でした。」
由紀「おっつかれー!」
 私達は練習を終えて着替えた後、真希と瞳の所へと向かっていく。二人とも手を振って待っていてくれた。
瞳「おつかれー! この後軽くご飯食べない?」
亜弓「多分大丈夫。親に連絡はしておくね。」
由紀「いいよ! …あ、ごめん! 着替えの一部、部室に忘れちゃった! とりに行くね!」
 由紀はバックを置いて走って部室へと向かっていく。由紀の走っている姿をみるとなんだか楽しい。
真希「そうそう、今日から入った…新山だっけ? すごかったよね!」
亜弓「うん…すごかった。」
 真希たちも凄さが感じられたみたいだった。けど…私はそれだけじゃない感情に迫られていた。これは…なんなのだろうか。
亜弓「ねえ真希、瞳。聞きたいことがあるんだけどね。」
瞳「なに?」
亜弓「私、あの人を見たときから…なんだか胸が締め付けられる感じがして。なんだかわからないんだけど。」
瞳「えっ。それって…。」
真希「もしかして頭の中であの人のことを考えていたりする?」
亜弓「う、うん…。」
 真希と瞳は目を合わせて顔を赤くさせていた。いったいなんなのだろうか。
瞳「亜弓…それね。」
真希「絶対…恋だよ。」
line-s
07.15
「いい、ここからはかなり危ないと思うわ。小声でのやり取りにしましょう。」
「ああ、広い部屋が見えそうな所まで来たからな。てかよく天井を使おうと思ったな。」
 俺たちは人が通るであろう道の上を通っていた。体を狭めながらも隠れる場所を確保しながら移動していく。途中で降りられるように横の柵はなくなっている。
「ここから降りるよ。」
 俺たちはゆっくりと天井から道へと降りていく。薄暗い道をたどっていくと、広い部屋のすぐ近くまでやってきていた。天井に明かりは無いみたいだが、なにやら黄緑色の発光が見える。いったいアレは何なのだろうか。
「ちょっと…覗くね。」
 ナーニャは覗こうとゆっくりと顔を影から見ようとする。そして除いた瞬間、ナーニャはすぐに隠れた。
「人がいるわ…。静かに…。」
 近くに人がいることを確認すると、俺は電子機器をつかって遠くの音を聞くように設定した。物理学で学んだことを使えば…。
「……だろ。……これ………の金に……。」
「お金…? これをつかえば莫大なお金になるということなのだろうか。」
 すると扉の開く音がした。そして閉じると同時に人の声が聞こえなくなった。
「ナーニャ、大丈夫そうだぞ。」
「そうね。」
 ナーニャは再び覗く。そして発光している物体を探すように見る。
「ここじゃ隠れて見えない。少し前へ移動するわよ。」
「ああ。」
 俺は震える脚を一生懸命動かしながら移動していく。ここで見つかれば…殺される可能性もある。万が一のことを考えてクレイナに連絡をしなければ…。
「……!!」
 急にナーニャが口に手を押さえた。そして吐き気をとめるかのように目を背ける。ナーニャの顔がこわばって、目が思い切り見開いていた。いったい何が…。……!!

「シンヤからの…連絡。何か起きる可能性がある。至急近くまで…。」
 ドンッ
「あっ…すみません。」
「……。」
line-s
07.15
「おまたせー!」
「おお、出来たんだね! ずいぶんと早いね!」
 私たちは家に帰った後、楓から電話がかかってきた。私たちはパソコンで音源のファイルを受け取り、私達はすぐにファイルを開いて音楽を聞く。……うん、間違いない。こっちの方がかわいらしさが出ていてとても良い。こっちなら…私達も納得できるものになっている!
「うん、すごく良いね! いい感じだよ!」
「私もコレは良いと思うよ。これで進めていこう。」
「いい感じ! 楓、やっぱりすごいよね!」
「ありがとう。皆のおかげだよ。」
 楓の声はとてもうれしそうな声だった。楓なら…今後も良い曲を作ってくれる。だけど楓に頼ってばかりじゃなくて…私たちも考えていかないと。
「あ、そうそう。私はダンスを考えて録画したの。見てくれる?」
「いいよ! 私も新曲の衣装のサンプルができたから見て欲しい。」
「私はステージの装飾! あとCDデザインも!」
 私達はそれぞれがモチベーションを高くしていた。これからが…もっともっと頑張るところになる!
line-s
07.15
篤史「ふぅ…。」
海鳳「マジかよ。」
 余裕のキャッチを見せた新山、こんなにもすごい人だなんて…。しかもそのままセンターへと走っていく? もしかして全てのポジションをこなそうとしているのではないのだろうか。でも…そうにしか見えない。どうしたらそんな判断力と瞬発力をつけられるのだろうか。天才…いや、鬼才。一生のうちに現れるかどうかというのは…今、目の前で起こっている。

「新山、日高、羽葉、あがってこい!」
亜弓「はい!」
 私達の打撃の出番がやってきた。それと同時に新山もあがっていく。そして二人の部分が空くと同時に新山が入っていく。隣には…由紀が。
由紀「お願いします。」
篤史「お願い致します。」
私は二人が終わると同時に次に上がる館川と共に打つ。その間に…後ろで由紀と新山の打撃を見ることが出来る。
 シューーーー コツン
 シューーーー コツン
 由紀も新山も難なくバントをこなしている。けど…新山がとんでもない。さっきから涙腺上の完璧なバントしかしない。そんなバント、あの沖田でさえ見たことが無いのに…。
篤史「ふぅ…。」
 バントが終わり、打撃体勢へと入っていく。いったいどんなバッティングを…!
篤史「(さあ…こい!)」
亜弓「…!!」
由紀「(やばい、とてつもない威圧感が隣で…。)」
 後ろで待っていてさえものすごい威圧感を感じた。あの暁美さんとはまったく別の、勝浦さんとも、他の人とはまったく違う。
 シューーーー
篤史「ふっ。」
 ギィイイイイイン!!!
海鳳「…えっ。」
 ガシャーーーン!!
新天「マジかよ。」
 とんでもない打球がセンターのフェンスに直撃した。誰もがその打球に反応できていなかった。センターにいる海鳳のすぐ横を通ったのに…海鳳はまったく反応できていなかった。本当に人間業なのだろうか。
line-s
07.14
「さてと…ここが例の場所か。」
「ああ、周りの様子を見て大丈夫そうなら例の場所へと向かうか。」
 俺はダジルと共に周りの様子を確認する。特に変わった様子は無い。これなら侵入しても問題はなさそうだ。
「よし、これなら問題ないな。ダジル、出入り口はどうなっている。」
「それがな…何故か分からないが、こじ開けられたような痕が残っている。」
「こじ開けられた?」
 俺はその出入り口を見る。たしかに鍵が真っ二つに切られている。そしてドアも簡単に開くようになっていた。魔力探知機の動きが反応している。この鉄格子を破壊したのは…魔法族の人間かもしれない? となると…まさか噂を聞きつけた魔法族の人間が侵入している可能性が…!?
「ヤバイぞ、早めに行くしかないな。」
「ああ、そのようだな。ナオ、聞こえるか?」
 俺は状況を把握したあと、ナオに通信を使いながら中へと入っていく。
「どうしたの? 何か見つけた?」
「一般人が侵入した痕跡を見つけた。念のためだが、特殊部隊を要請してくれ。お前なら警察の方にも顔が利いているだろ?」
「わかった。まかせておいて。それじゃあ連絡もしながらこちらの通信は常につけておくよ。」
 ナオからの通信を続けながら中へと侵入していく。足跡は特に無い。しかしなぜこんな所へ侵入を試みたのだろうか。危ないということを理解しての行動なのだろうか。
line-s
07.14
「ねえ、この曲なんだけどね。」
「あ、それってこの前の教えてくれた新曲だよね。どうしたの?」
「ちょっとアレンジしてみたの。聞いてみてくれない?」
 楓が新曲のアレンジを用意してくれていた。私達は全員で椅子に座って楓の曲を聞く準備に入った。楓が音楽を流し始める。以前聞いたよりも良いアレンジになっている。だけど、ちょっと歌詞とのイメージが違ったりしている。
「いいね。でもこれはもうちょっとやさしい感じが良いと思うんだけど?」
「ただ、それだとやさしすぎちゃうというか、アイドルらしさが消えちゃうかなって思って。」
「この曲のイメージはふわっとした綿飴みたいな感じだからね。難しいけど…、私は優しい方がいいかな。」
「なるほどねー。それならもう一度今日家に帰ってアレンジ変えてみるよ! それで良さそうだったらそれでいこう!」
 私達は全員が納得して声をかけあった。これから…もっともっと…いろいろと考えていかないといけないから、全員が納得する内容で頑張らないと。
line-s
07.14
栗山「打撃練習入るぞ!」
皆「はい!」
 私達はすぐに打撃準備と守備につき始めた。私はレフトへとグローブを持って走り始めた。由紀もすでに移動していて体を動かしている。
亜弓「ねえ…やっぱりあの人すごいよ…とんでもない雰囲気持っているし。」
由紀「そうだね。でも…なんだろうね、何もしていないときは何も感じない。いままでない感じ…、なんだろうね。」
 そんな話をしていると前から新山がやってきていた。え? レフト? まさか由紀と同じポジションなのだろうか。
篤史「ふぅ…。えっと、どんな感じでやっていくのかな?」
亜弓「え? 私?」
 新山は私の顔を見て聞いてきた。こうやって改めて聞かれるとなんだか…緊張する。というか胸がすごくドキドキする。
亜弓「えっと、打球が飛んできて動き終わったら後ろに回るといった感じです。」
篤史「あ、なるほど。ありがとう。」
 新山はお礼をいって後ろの列に並んだ。なんか…後ろにいるだけでドキドキする。

 ギィイイン!
由紀「っと!」
 由紀は大きい打球をダッシュで追いかける。そして落下地点に入り捕球体勢に入る。
 バシン!
篤史「ナイキャッチ! 足も速いし判断の早さもすごいね。」
由紀「私の得意分野の一つだからね!」
 すごい、由紀はもうすでに気さくに話しかけている。けど…由紀が男子にいきなり気さくに話しかけるのは珍しいかもしれない。最初は丁寧に話しかけたりするけど…なんだろう、女性っぽさがあるからかな?
篤史「これで…自分の出番かな?」
 新山は自分の出番が来るとゆったりと体を慣らしている。そして息を入れると同時に構える。
由紀「!?」
亜弓「何…?」
池之宮「…やべえだろ。ゾクゾクするぜ。」
 構えただけなのにものすごい雰囲気を感じた。こんな選手は初めてかもしれない。プロを探していたって…メジャーにもこんな選手はいないかもしれない。
海鳳「(だからこそ…あの場所に打ってみてえ!) っしゃああ!」
 海鳳が声をあげてバッターボックスに立っている。二箇所からバッティングのボールが放たれるが、海鳳はかなり意識をしているはず。そして…とんでもない集中で新山は構えていた。
 シューーー
海鳳「(これなら引っ張る!)」
 ギィイイイン!
 ダッ
由紀「はやっ!?」
 私は目を疑った。新山はボールがバットに触れ、打球が飛んだ瞬間に走り出していた。しかもボールからは目を切っている。この判断力と瞬発力は何なのか。
篤史「オーライ!」
 すでに落下地点に入っている。あんなに外野の深い位置だというのに。
 バシン!
line
プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
back-to-top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。