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05.31
「さてと、アルフレイヤ。そっちはどんな状況?」
「こっちはまだ動きはないぜ。ただ、そっちから見ても分かる通り、外を見ると人がすげえな。去年より多いのでは?」
「すでに去年の開始前整列人数を越えたらしいからね。わかったわ、とりあえずまた一時間後、開場してから連絡をとりましょう。」
 ピッ
 リーナが電話を切って大きく深呼吸をした。俺はその横でお菓子を食べながら回りを観察していた。こう見ると何を考えているかいろいろとわかってくる。警察官になってからさらにその力が磨かれた気がする。
「レヴィ、そろそろお菓子はやめなさい。」
「しゃーねーな。」
「そのような言葉遣いもやめなさい。」
 俺はしぶしぶポケットの中にお菓子をしまい、警備を続けた。特に周りに目立った動きは見られない。しかしずっと人間観察をしているのもかなり労力を使う。所々でスイッチを切り替えていかないときついものがある。だから集中力を切らさないためにも適度に気持ちを切り替えていかなければ。
「そうそう、今のところ不審な動きは無い?」
「特になし。こういう状況ではなかなか動きにくいと思うよ。逆に人が多くやってきた時のが動きやすいと思われる。人ごみにまぎれることが出来るからな。」
「たしかにそれもあるわね。では今のところ不審な動きはないのね。」
「ああ、そういうことだ。」
 もしかすると「見当たらない」だけなのかもしれない。どこかで何かが行われているのかもしれない。さらにいえば、この警備が「ばれている」可能性だって無くはない。どういう風に守っていくか、そして暴いていくかが必要になってくる。とにかく今回の本題は警備だ、その仕事をこなさなければ。
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05.31
「食べた食べたー!」
「おいしかったね!」
 私達はご飯を食べ終えた後、仲間たちで会話を続けていた。皆の笑顔を見ていると私も笑顔になってきた。本当にこういう仲間と出会えてよかった。
「特別企画! カラオケ大会を開催いたします!! 誰でも参加オッケー! 募集しておりますよ!」
「わぁあああ!!」
 突然ステージの上でなにやらイベントが始まった。こういうサプライズも用意されていたなんて。こういう所は盛り上げるのに良いイベントに違いない。
「ねえ千代乃。私達グループで出ない? 条件としてはお互いの曲を歌うの。」
「えっ、私たちが紅音さんの…アイリングの曲を歌ってアイリングが私たちの曲を歌うの? でも迷惑じゃないかな。私達が出て。」
「いいじゃん千代乃! ねっ。」
「楓…わかった。それなら出るよ。」
「負けたらバイキング代かな?」
「えー、それはちょっとね。でも今度アイスクリームおごるぐらいなら。」
「乗った!!」
 私達は皆でステージの方へと移動していく。私達を見て食べている人たちが目を丸くしていた。
「え、アレってアイリング?」
「ピュアプラチナだよね? ねえ!!」
 私達は受付の前へと移動してエントリーを告げる。
「ピュアプラチナ、アイリングの曲でエントリーします。」
「アイリング、ピュアプラチナの曲でエントリー、お願いね!」
 私達は皆でうなづいて笑いあった。そして会場は大きく盛り上がっていた。きっと…楽しくイベントを盛り上げることが出来そうかもしれない!
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05.31
瑞華「ツーアウト!」
 ツーアウトになってランナーは変わらず二塁、そしてバッターボックスには海鳳が入っていた。点を取るならここがチャンスかもしれない。海鳳ならきっとヒットを打ってくれるはず。
酒井「(こいつさえ抑えれば後は楽だ。)」
石出「落ち着いていこう。」
石倉「(このバッターはミートが上手い。他の選手と比べても格が違う。こっちに来たならホームは絶対に押さえる。)」
海鳳「お願いします。」
 海鳳はどっしりと構えて打つ体勢に入っている。どっからでも来いといったその気迫は相手投手にもプレッシャーを与えていると思う。
篤史「あのバッター…いいね。一点取れるね。」
「えっ?」
 ピッチャーが足を上げる。そしてミットめがけて投げる。
 シュッ
海鳳「(カーブ、これなら引っ張っていけば!!)」
 ググググッ ギィイイイン!!
由紀「よし、帰れる!」
酒井「んなっ!?」
瑞華「ライト! バックホーム!!」
 打球はライト方向へと力強く飛んでいった。ライトは長打を警戒していたため、やや後ろへと守っていた。これなら由紀は戻ってこれる!
糸満「なめんじゃ…ねぇええ!!」
 シュッ シュゴオオオ
 ライトからものすごい勢いで返球が来る。由紀は本塁に向かって思い切り走る。瑞華も捕球体勢に入っている。それを見た海鳳もセカンドへと向かっていく…!
由紀「(外…回り込む!)」
 バシーン!!

由紀「っらあ!」
瑞華「やぁあ!!」
 ズザザザザ バシン!
 かなりきわどいタイミングでタッチした。由紀は外に回りこんでタッチをかいくぐっていった。審判の判定は…!
審判「セーフ!!」
由紀「っしゃああ!!」
瑞華「ちっ…。」
 判定はセーフ、これで一点をもぎ取って同点へと戻っていった。由紀は笑顔でベンチへと戻っていく。皆とハイタッチをして戻ってきた。そして私のところでハイタッチした後に肩をポンと叩く。
由紀「一点は取ったよ。後は任せたよ。」
亜弓「ありがとう。絶対に抑えて見せるよ。」
 私は由紀に笑顔で返す。同点になったこの場面、まだまだつなげられるかもしれない。ありがとう由紀、海鳳。



今回は須賀達郎さんに描いていただきました!ありがとうございます!

須賀達郎さんのpixiv
須賀達郎さんのHP
須賀達郎さんのツイッター
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05.29
「お、来た来た。」
 俺は待ち合わせ場所で待っていると母親のシナナに乗せてもらった浮遊車がやってきた。
「おはようクレイナ。」
「おはようございます。」
 クレイナは浮遊車から降ろしてもらって歩き始めた。歩き方はぎこちなくとも、前に進もうと意識していた。
「娘をよろしくね。」
「はい、シナナさん。」
 俺はシナナさんに挨拶をした。確かに今日はほぼずっと一緒にクレイナとナーニャと一緒にいなければならない。俺がしっかりと守ってやらなければいけない。
「あとはナーニャが来るのを待つだけか。」
「そうね。」
「おまたせー。」
 そんな話をしたときにちょうど良くナーニャがやってきた。ナーニャはふんわりとした服を着てやってきた。しかも何やら新調してきたみたいだった。
「これ、お母さんが縫ってくれたんだ。似合うかな?」
「ああ、とっても似合うと思う。クレイナもそう思うよな。」
「すごくいいと思う。特に襟の部分が。」
 ナーニャは嬉しそうに笑っていた。ナーニャと食事に行くのは良くあるが、出かけるのは久々かもしれない。しかもナーニャのことだからいざというときは俺よりナーニャの方が守ってくれそうな気がするな。
「それじゃあ会場に行きますか。会場までの電車もいつもより混んでいると思うし、会場もすごく人がいるから迷わないように気を付けてね。」
「了解。」
「わかった。」
 俺たちはすぐに歩き始めて電車へと向かう。駅のホームにつくと電車がやってきた。俺たちはゆっくりと電車に乗り、手すりにつかまった。一席あいていたのでそこにはクレイナを座らせてあげた。クレイナは黙って俺に手を伸ばした。
「荷物。あるなら持つ。」
「おお、ありがとう。そんな重くないから大丈夫だよ。」
俺はクレイナに荷物を渡した。そして電車が動きだす。今では使われなくなったレールがここ最近になってキシキシといった音が聞こえるようになった。幼稚園の時に感じていた、あの独特な感覚が今では全くなくなっていた。その分、スムーズな動きで電車に乗っていられる。乗り物酔いをする人が減ったのが良いことだ。ナーニャが実際そうだったからな。俺は外を眺めながらイベントを楽しみにしていた。
「ナーニャ、行きたい所とか下調べしたか?」
「うん、一応このメモにまとめておいたから。あとでそのブース行ってもいいかな?」
「ああ、もちろんだよ。クレイナは?」
「ここ。」
 クレイナは俺の持っている地図に指差した。俺はうんとうなづいてその場所にチェックマークを入れた。クレイナは…楽しんでくれるのだろうか。でも思ったことはちゃんと口に出してくれる。声の抑揚は無く表情も無表情のままだが、その言葉通りの表現だというのは知っている。何か今回のイベントがきっかけになってくれると嬉しいが。
「あ、えっとね。私が行きたい所は…。」
 ナーニャは俺の地図に指をさす。二人のために何をしてあげられるか。笑顔のナーニャと無表情のクレイナを見て思った。
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05.29
「いただきます!」
「ちょっと、なにその量は。食べ過ぎじゃない?」
「ルナっていつもあんな感じなのよ。」
「皆すごい食べるね。私なんてこれぐらいだから…。」
「千代乃はいつもそんな量だよね。私も人のこと言えないけど。」
 私達はしゃべりながらバイキングへとやってきていた。会議の疲れからか、かなりの量を皆が食べている。私と紅音さんは他の人と比べたらそうでもない量である。だけど楽しめるから本当によかった。
「それじゃあミュージックビデオ成功するように、頑張っていきましょう! かんぱーい!」
 楓が声をかけて乾杯する。私達はジュースを飲みながらそれぞれ楽しそうに会話を続ける。隣では紅音さんが嬉しそうに周りを見ていた。
「そうそう千代乃、今回のはなかなか良さそうなイメージが出来そうね。私たちのはどうだった?」
「とても良かった。でもなによりも斬新、あんなのがあるんだってびっくりしたよ。やっぱりすごいね。」
「いやいや、皆で考えたのよ。千代乃だってそうでしょ?」
「うん。仲間の力があってからこそだよね…。」
 私達は仲間たちの顔を見る。こういう仲間たちがいたから…こうやってライブを続けられる。そしてミュージックビデオといった話までやってきている。これから先も…仲間は大切にしないと。
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05.29
亜弓「由紀、ナイスバッティング!」
 私は由紀に向かって声をかける。由紀のおかげで大きなチャンスが生まれた。ワンアウト二塁、バッターは二番の沖田が入る。相手投手もかなり集中している。だからこそここで打っておけば…流れがやってくる…!
 シューーー バシン!
 ストライクワン!
沖田「(球速は遅いんだよな。だけど打ちづらい。打つためには…ためてためていかなければ!)」
 シュルルル バシン
 ボールワン!
 沖田はしっかりとボールを見ている。じっくりと見ているおかげか、落ち着けている。この落ち着きがずっと続いていけば…きっとヒットも出てくるに違いない…!
 シュルルルル
沖田「(ここだ!)」
 ブシィ バシン
 ストライクツー!
沖田「くっ。」
瑞華「ナイスピッチ! 追い込んだよ!」
 瑞華のリードによってツーストライクと追い込まれている。それでも沖田は落ち着いている。落ち着いているなら…まだチャンスはある!
瑞華「(これで。)」
酒井「(よし、わかった。)」
 酒井が足をあげて思い切り腕を振る。
酒井「ふんっ!」
 シュッ
沖田「(なんだこれは…球が来ない。まだこないのか。ストライクゾーン、早く来いよ!!)」
 ギィイイン!
吉岡「おーらい!!」
 打球はファーストへの大きなフライ。なんという球なのだろうか。あそこまで遅い球がストライクゾーンに入るなんて。
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05.27
「おいレヴィ、またお菓子食べているのか。」
「だってこの新しいお菓子美味いんだもの。リーナも一口どうだ?」
「仕事中にそんなものはダメです。」
 俺は新商品のクリーミアチョコレート味を堪能していた。リーナは怒ってばっかりだがこれが俺のモチベーションになるんだって。それになんだか食べたそうな顔もしているし。
「ほら、遠慮せずに。」
「し、仕方ないわね! 一つだけよ!」
 リーナは袋の中から一つ取ると食べる。そして少し笑顔を見せた後にすぐに厳しい表情になった。
「大事な話があるからこのお菓子はまたあとで。」
「あ、勝手にとるなよ。」
 リーナは俺の言葉に耳を傾けずに正面にたった。俺は渋々隣へと移動し会議を始めた。
「明日は人類電子機器エキスポが始まる。その中で数人が特別警備に配置されることになった。私とレヴィ、アルフレイヤとジャルミー。この四人二ペアで行う。だがこれには潜入捜査というのも含まれている。ここ最近一部の業者で悪い噂を聞く。魔力の不当な摂取といわれているが実際の所わからない。そこで私たちは人間と魔法生物の動きを徹底的に調査と分析を行い、この噂の真実を掴む必要がある。」
「了解。質問だが俺たちはどこを行けば?」
「アルフレイヤとジャルミーは二階ブースを、私とレヴィは一階を担当するわ。」
「りょーかい。」
 ボリボリ
「こら! 別のお菓子食べる場合じゃないの!」
 俺はついついお菓子に手を伸ばしていた。でも…これが俺のモチベーションなんだって。まあやるべきことはわかった。警備と調査…調査なんて久々だよな、いつ振りだっけ。とにかくリーナがいるから守らなければな。
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05.27
「ではそのような形でよろしいでしょうか?」
「はい、お願い致します。」
 私達はミュージックビデオについてお話をしていた。私達のベースとなる形も、アイリングの形も決まっていった。いつもこのグループで一緒にいるけれど、そうなっていくと考えていることが似てくるものなのかな。
「ねえ千代乃、私達もあなたたちのテーマと一緒になっても大丈夫なの?」
「私は平気だよ。それにそうなってくれると私達も嬉しくなるから。」
「えへへ、そうだよね。お互いに頑張っていこうよ!」
 私達はまたハイタッチをして笑いあった。会議も順調に終わっていき、私達は外に出た。
「ねえ、これからご飯食べにいかない?」
「それいいね! 一緒にいきましょう!」
 私達は紅音さんの誘いに乗って、皆でご飯を食べにいくことになった。もっともっと、私達には足りないことがあるから聞いていくのもアリかもしれない。そして…お互いに良いものを作りたい!
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05.27
 沖田のレーザービームで見事にランナーを刺してくれた。これでスリーアウトチェンジ、なんとか一点で抑えることができた。でも一点を取られてしまった。しかもヒットといった形で…。
由紀「ドンマイ! 私達が点を返すから落ち込まないで!」
亜弓「うん、ありがとう。次塁に出なきゃいけないから頑張ってくるよ。」
 私はすぐにヘルメットをかぶりバットを握る。あの遅い球なら…私にだって対応できるかもしれない。あの感じならしっかりと待つことができれば。
酒井「(投手か…。打撃はそうでもないだろう。)」
 私はゆっくりとバットを構える。瑞華のサインは何を出すだろうか。遅い球が得意な投手…私にも…!
瑞華「(ここは…変化球から入ろう。)」
 シュッ ググググッ
亜弓「(来たっ!)」
 ギィイイン!!
 バシーン!
吉岡「あっぶねぇえ!!」
 打球は力強く飛んでいったが、ファースト真正面へと飛んでいってしまった。なかなか上手く捕らえられたと思ったのだけど…。なんだかとても悔しい。
由紀「(亜弓の代わりに私が…!)」
 ギィイイイン
酒井「んなっ!?」
瑞華「レフト!!」
 打球は三塁線へと抜けていく。そしてすでに由紀は二塁へと向かっていく。由紀の足なら問題なくいける…!
 ザザザザザ セーフ!
酒井「ちっ。」
由紀「いえい!!」
 由紀のツーベースヒット、これでまたチャンスは作れた。後は…由紀が帰ってくれば…!
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05.26
「クレイナ、帰るぞ。」
「はい。」
 俺は机の上にあるクレイナのカバンを持つ。クレイナは表情一つ変えることなく立ち上がり、歩き始める。階段を下っていくと同時にクレイナを見る。慣れてきたのだろうか、義足でも一人でスムーズに降りれるようになってくれた。俺はほっとため息をついて歩き始める。
「ツキカゼ、一緒に帰ろう。」
「ナーニャか。今日用事は無いのか?」
「うん、今日は…特に何もないから。」
 ナーニャはクレイナの隣につきながら歩き始めた。校門を出ると丁度良くバス停にバスが止まっていた。
「タイミング良いね。」
「でもいま止まったばかりだからすぐ出るはずだぞ。」
 ナーニャは走ってバスへと向かっていく。俺はクレイナの様子を見ながら早歩きで進む。ぎこちない進み方だが、クレイナも早歩きが出来るようになっていた。俺は前を向くとナーニャが手を振っていた。どうやら俺たちのために待ってくれているみたいだった。
「ありがとうございます!」
「いってことよ。それじゃあ出るぞ。」
 俺とクレイナがバスに乗るとすぐに発進した。体勢を崩しそうになったが、すぐに手すりにつかまった。クレイナは壁があったため、そこで体を支えることができたようだ。宙に浮いて進んでいるため、立ちながらでもゆったりできる。クレイナにとってみればかなり楽な方だ。
「そうだクレイナ、ナーニャ。明日俺、人類電子機器エキスポに参加するんだけど…一緒にいかないか?」
「あのイベント、いいけどチケット代いくら。」
「いや、俺が三つ手に入ったから誘おうかなって思っていて。」
「そうなんだ。なら私はいくよ。」
 クレイナは淡々と答えた。ナーニャは目をキラキラさせて俺の顔をまじまじと見る。これは聞かなくても大丈夫そうだな。
「ツキカゼは電子機器に興味あるの?」
「まあ、その中でも物理を使った物があるからこそ興味があるんだけどね。」
「勉強熱心ね。」
 そういってバスが止まるとナーニャはバスから降りた。
「それじゃあ後で時間教えてね! またね!」
 ナーニャはうれしそうに手を振って去っていった。それにしてもあんなに笑顔で楽しそうなナーニャを見るのは久々かもしれない。いつも大人しくしている感じなのに。クレイナも喜んでくれたらいいんだけど。
「クレイナ、うれしいか?」
「うん、嬉しい。」
 クレイナは真顔で答える。本当に喜んでいるのだと思うのだけど…なかなか表情が表に出てくれない。あの時から本当に変わったな。
「次はセレイン四丁目。」
 家の近くにあるバス停に付くと、俺とクレイナはバスから降りる。クレイナにとって地面についてくれることでノンステップになるため、かなり楽になる。バスから降りるとクレイナは俺の持っていたカバンを持ち、反対方向へと歩いていく。
「一人で帰れるか?」
「平気。」
 クレイナはそういって歩いていった。これでも…クレイナはクレイナだからな。さてと、明日に向けて準備をしなければ…。
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05.26
「ねえ紅音、私達もミュージックビデオはどうやって行く予定?」
「そうね、今までのコンセプトはしっかりと受け継ぎながら新しさも取り入れようと思うの。そのコンセプトはピュアプラチナの笑顔を取り入れようと思うの。」
「あ、それいいね! きっと喜んでくれると思うよ。」
「私もそれがいい。せっかくここまで皆で楽しんでやってきたのだから…。こういう時も楽しくいきたいね!」
「そうね。それじゃあ、明日はがんばりましょう!」
「おー!!」

「おはようございます。」
「おはよう。」
 私たちが集まった後、アイリングと合流した。今日は会議になるから運動着などは用意していない。そして会議が終わった後はアイリングとオフ会になる。こういった仲間たちとオフ会が出来るのがとてもうれしい。紅音さんたちとどんな会話が出来るのだろうか。
「それじゃあいきましょうか!」
「はい!」
 私達はビルの中へと入っていく。ここで…会議をすることになる…!
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05.26
石出「お願いします。」
 挨拶をしてバッターボックスに入る。このバッターは要注意しなければいけない。友亀も分かっているはず。守っている皆もわかっているはず…!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
石出「(ストレート投げるか。変化球も考えておくが…。)」
 一球一球に何かが伝わってくる。あのバッターは強い。そして打ってくるだけの実力がある。だからこそ…ここで勝負をしないと…!
 ググググッ ギィン!
 ファールボール!
由紀「いいよ、追い込んだ!」
 ツーストライクと追い込む。変化球が上手く入ってファールボールになった。次のストレートで…三振に!
 シュゴオオオオ
石出「(ここだ。いや、伸びる。振り遅れるがいけ!)」
 ギィイイン!
池之宮「うおぁ!」
吉岡「ナイバッチ!」
 打球は一二塁間を抜けていく。ストレートが…ここで打たれてしまった。
瑞華「よっしゃ!」
 瑞華がベースを踏んで戻ってきた。これで一点を取られてしまった。しかしセカンドランナーもホームへと帰っていく。
村瀬「らぁあああ!」
沖田「いかせっか!」
 シュゴオオオオオ
ライトからレーザービームのような送球が帰ってくる。しかしランナーも早い。きわどいタイミングになってくる…!
 バシン! ズザザザザザ!
審判「アウトォ!!」
沖田「っしゃあああ!!」
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05.25
「あー、おなかいっぱいだね!」
「食べている間にしっかりと内容も決めることが出来たからね。」
「千代乃、食べながら考えるのもアリっしょ。」
「そうだね、皆本当にありがとう。」
 私達は食べ終えて笑いあっていた。決めるべきところを決め、そして気合も入った。次の休日はそれに向けての詳しい会議、この会議で私たちの意見をしっかりと伝えなきゃ…!
「よし、それじゃあいこう!」
 私達は伝票を持ってレジまで向かう。その間に多くの人たちが私達を見る。
「ライブ、頑張ってね!」
「もっともっと笑顔届けてください! 新曲も作っていってくださいね!」
「頑張ってー!」
 突然お店の中から大きな拍手喝采が沸き起こった。なぜか分からないけど私達を見ている人たちは笑顔のままだった。こうやって応援してくれている人たちもいる。私達はそれに答えてあげなければならない。
「はい、がんばります!」
 私は周りの人たちに向けて笑顔で返答した。私達が…笑顔を届けるために、もっともっと頑張らないと!
「お会計お願いします…。」
「あ、すみません。」
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05.25
石倉「袴田、無理して突っ込むな!」
瑞華「わかっているよ!」
 瑞華は三塁で止まる、そしてバッターランナーは一塁で止まった。ツーアウト一三塁、ピンチの場面がやってきた。ここを乗り越えなければ…私は変われない。
由紀「落ち着いていこう!」
 由紀が私に声をかけてくれる。私はその声を聞いて大きく深呼吸をした。
阪戸「っしゃっす!」
 バッターは二番、このバッターがおそらくこの中で一番足が速いだろう。かといってこの一塁ランナーも油断はできない。だから…ここで抑えておけば…!
 シューーー グッ バシン! ボールワン!
友亀「おしいよおしいよ!」
村瀬「(抑えることに集中している。だったら!)」
 ダッ
池之宮「走った!」
 私がモーションに入ると同時に走った。私はバッターの方を見る。今はこの球を投げなければ!
 シュッ グググググッ バシン! ボールツー!
亜弓「ボール…。」
 ランナーは滑らずに二塁へと到達、二三塁へと変わっていった。だけどここで抑えてしまえば…抑えれば!
 シュゴオオオ バシン! ボールスリ!
 シュゴオオオ ズバン! ボールファ!
阪戸「よし。」
吉岡「良く見たよ! さすが阪戸!」
 ストレートのファーボールを出してしまった。意識しすぎたのが原因だろうか、それとも…。だめ、弱気になったら。
石出「お願いします。」
 ここでバッターは石出。このバッターは気をつけていかなければならない。大丈夫、私は抑えられる…!
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05.25
「それじゃあこれ、配達お願いね。一つは重要書類、もう一つはチケットになっているから、決して無くさないように。」
「了解。」
 腹のバックに手紙を入れ、背中の翼を大きく広げると力強く上へと飛び上がった。浮かぶ島はいつ見ても不思議な感覚がする。そして下に誰もいないことを確認すると小さくたたみ、急降下していく。ここからシノメイメン国を経由してメルジ国へと行くなら…20分はかかるだろう。風を切る音が速度を増すたびに大きくなる。そして急降下していくと大きな音が一つ増えていた。横を向くと隣にいつもの仕事仲間がいた。
「やあリザシア、元気にしているか?」
「どうもアゼさん。元気にしていますよ。今日はどちらまで?」
「シジリ国へ。この宅配物を届けに行かなくてね。」
 アゼさんは背中の大きな荷物を見せるように体を動かす。体長5分の1ほどの長さはある荷物を積んでいた。いかにも重そうな荷物だ。
「そうでしたか。もしよろしかったらお仕事終わった後に食事行きませんか?」
「おー! 久々だな。それじゃあまた後で連絡するからな。」
「はい、お気をつけて!」
 アゼさんは方向転換して自分とは別の方向へと向かっていった。そのまま急降下していくとビルが近くになってきた。すぐに翼を広げ、届けるべき場所へと移動していく。WPP本部はあのマークが目印。ビルの屋上で受け付けてくれる。近づいていくと係の人が立っていた。
「こっち! 降りていいぞ!」
 地面に着地するとバックから紙を取り出す。
「ただいま届けにきました。こちらで間違いないでしょうか?」
「確認します…。はい、問題ありません。ご苦労様でした。」
「いえ、ではこれで。」
 すぐに足に力を入れて大きく上へと飛び立つ。次は個人の家だ。マンションだから一度エントランスまで行かなければ。名前は…シンヤ・ツキカゼか。

「リーナさん、資料が届きました。」
「どうも。…これはあのイベントのね。構造図は…。よし、レヴィ!」
「ん? どうしたんだリーナ。」
 俺はほっぺにアメを含みながら返事を返した。
「はぁ…。」
 リーナは俺の顔を見るなりため息をついた。どうして俺の顔を見てため息をつくのだろうか。俺は何か悪いことをしているのか?
「そろそろ職場でお菓子を食べるのはやめていただけますか?」
「ああ、それぐらい許してくれよ。」
「いけないことはいけないのです。それより重要事項です。今度の調査に関してです。」
「ほいほい。」
 ガリッ
 すぐにアメを噛み砕いて飲み干す。調査に関してか…今度は何を担当するのだろうか。

「さてと。」
 もう一度地面にゆっくりと着地するとエントランスへと入っていく。この時間ならすでにいるはずだろう。
 ピンポーン
 部屋の番号を間違えていないかをしっかりと確認しながらインターホンを押す。すると声が聞こえてきた。
「はい。」
「チケットをお届けにきました。」
「あ、了解です!」
 男は嬉しそうな声でエントランスのドアを開けてくれた。階段を使い、三階へと上っていく。そして部屋の近くに着くと向こうからドアをあけてきた。
「待っていました!」
「ただいまお届けに来ました。こちらにサインお願いします。」
「はい、了解です。」
 男はサインをしてくれた。そして品を受け取るとウキウキ気分で部屋へと戻っていった。そんなに楽しみにしていたものなのかな。

「さってと。」
 俺はすぐに受け取った箱を開けた。目の前には三枚のチケット、自分が楽しみに待っていた…人類電子機器エキスポのチケット!
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05.24
「やっぱりおいしいね。」
「ファミレスだからといって思っているとびっくりするよね、この味は。」
「あ、それ私が取ろうとおもっていたやつ!」
「いいのいいのー! あーん。」
 私たちはファミレスのおいしさに笑顔がこぼれていた。その笑顔が出ている間にも私達はしっかりとミュージックビデオのことに関してお話続けていた。
「特に気になるのは私のセンター曲なんだよね…あの曲ってかわいらしさとカッコよさを出しているからどっちをとるべきか。」
「難しいと思うけどどっちもっていうのはどうなのかな。やろうと思えばやれるかもしれないものだし。」
「そうね、かわいさを生かした部屋でかっこいいアクセサリをしていたりとか、惹かれると思うんだけどね。」
 それぞれが意見を交わしあいながらお話を続ける。それを続けているうちに決まっていく所が決まっていく。なんというか、すごく流れが良い。私達と話あっていることがこんなにも上手くいけるなんて。よし、私ももっと頑張っていかなければ。もっといけるところはどんどん言って、最高のものを作らなければ。
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05.24
瑞華「ワンアウトね! バッターしっかり頼むよ!」
 瑞華が声を出してバッターに指示をしている。キャッチャーは司令塔みたいな形だからあのように声をかけていかなければいけないのだろうか。
由紀「ワンアウトだよ、ゲッツーも狙えるしバントもあるよ! 集中していこう!」
新天「よっしゃこい!!」
 しかし私たちも気合を入れているのがわかる。私たちにだって信頼できる選手がそろっている。その後ろを信じて私は投げれば…!
友亀「(とにかくあのヒットは偶然そうじゃないし、想定外だったな。だけどここで抑えれば流れが変わる。だとしても…バントだろうな。)」
 バッターボックスにはピッチャーの酒井が入っている。サインをしっかりと見て私を見る。私は落ち着いて深呼吸をし、サインを見る。最初はカットボール、低めにいくように!
 シュッ ダッ
池之宮「走った!」
酒井「(よっしゃ!)」
 盗塁!? バッターボックスではバントの構えをしている。盗塁のアシストか、それともバントしてくるのだろうか。
 シューーー グッ コツン
友亀「ピッチャー! (セカンドは間に合わない!)ファースト!」
 私はボールをもらうと指示通りにファーストへと送球する。
 バシン! アウト!
村瀬「ナイスバント!」
 ツーアウトランナー二塁、この場面で一番バッターは嫌な流れかもしれない。あのバッターはかなり気をつけなければならない。落ち着いていけば大丈夫かもしれない。
村瀬「(なめてもらったら困るぜ!)」
 シュゴオオオ ギィイン!!
亜弓「えっ!?」
 打球はセンターへと抜けていく。初球をいきなり叩かれるなんて…。それにあんなに簡単にカットボールだからって打たれるなんて。
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05.21
「さてと、ミュージックビデオについてなんだけど、私たちらしさ、ピュアプラチナっていうアイドルはこういうものだって見せることが出来るの。それでね、なにより大事なのはコンセプトだと思うの。」
 私たちは飲み物を飲みながらミュージックビデオに関して話始めた。私たちが決めなければいけないこと。それはミュージックビデオで何を伝えるかということだった。
「まずなによりも、ピュアプラチナといったら笑顔でしょ!」
「うん、それは賛成ね。千代乃が笑顔を届けたいという意味で始めたものだしね。」
「私もそれはいいと思う!」
 まず第一となるコンセプトはすぐに決まっていった。私が目指してきたもの、それが一つのコンセプトになっていった。
「でもね、それだけじゃなくてそれぞれの曲にも何か第二のコンセプトを入れたいなって思うの。たとえば…それぞれのセンター曲とか。」
「なるほどね、たしかにそういわれてみれば必要な所が出てくるよね。」
「それなら私の曲は…かわいらしさかな。でも…他にも良い表現って無いかな。」
 細かい部分になってくると皆が黙り始めてしまった。たしかに悩むべき所でもある。しっかりと決めないと、これが最終的にミュージックビデオへと変わっていく。だからこそ真剣に考えないと。
「お待たせしました。サラダになります。」
「ありがとうございます。とにかく、先にご飯食べよう! そうすればモチベーションも変わるし良い意見が出てくると思うよ!」
 楓が楽しそうな顔で私たちを見る。そうだね、まず…たべなきゃ!
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05.21
友亀「(このチャンス、物にするならここで打つしかない。そして次の球は…カーブが来る!)」
 次のバッターは友亀、友亀なら配球を読んで打ってくれる気がする。この投手のように遅いなら修正も聞くはず…!
 シュルルルル
友亀「(来た、カーブ!)」
 ギィイン!
友亀「(打ち上げた!?)」
新天「スローカーブにやられたな。」
 バシン! アウト!
 配球までは読んでいたみたいだった。だけれども、もっと遅いスローカーブを放ってきた。あの多彩な変化球をどうやって打ち崩していけば良いのだろうか。チャンスは…回ってくるのだろうか。
由紀「ドンマイ! 切り替えていこう!」
海鳳「守っていくぞ!」
 由紀が声をかけてくれる。大丈夫、またチャンスはやってくるはず。だからこそ…この回も抑えていかなければ。

 シュゴオオオ ブシィ バシン! ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!」
一条「やっぱりダメだったか…。」
 ストレートで空振り三振、これでまずワンアウト。そして…バッターボックスには瑞華が入っている。
瑞華「お願いします。」
 瑞華は典型的な中長距離バッタータイプ、でも…瑞華とは真正面から勝負してみたい。練習試合の今だからこそ、ストレートで勝負したいのもある。サインなら仕方ないけど…。
友亀「(初球ストレート。)」
 私は大きく息を吸ってはく。そしてミットめがけて思い切り腕を振る。
 シュゴオオオ ブシィン! ズバーン!
 ストライクワン!
瑞華「(すごいストレートね、さすがというべきかな。)」
 シュゴオオオオ ギィン! ガシャン!
 ファールボール!
 これでツーストライクに追い込んだ。そして…サインは外へのボール球になるスラーブ、一球変化球を見せてからストレートでしとめる形だろうか。それなら…!
 シュッ ググググッ
友亀「(よし、ボールになる。)」
瑞華「ふっ!」
 ギィイン!!
亜弓「えっ!?」
 ボール球になるはずの変化球を無理な体勢から振っていった。それもかなり飛んでいる。なんであの球をあそこまで運べるの!?
 ポーン!
瑞華「っし!」
 右中間へと打球は飛んでいき、すぐにフェンスへとぶつかる。それを処理した沖田がすぐにセカンドへと投げる。
沖田「っらああ!」
瑞華「おお、あぶない。」
 バシーーン!
米倉「ナイスライト!」
 ライトのすばらしい送球のおかげで単打に終わってくれた。でも…あのボール球をもっていくなんて…。
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05.20
「お疲れさま。」
「楓、お疲れ様。恭花さんとアリスは学校の行事が終わってから来るって。」
 土曜日、私たちは学校を終えた後に皆で集まる約束をした。ライブの余韻と疲れが少し残っていたので練習は休み、日曜日にお話してから復帰する形で決めていた。私と楓は先に席を確保するためにお店の中に入った。
「いらっしゃいませ。二名様でしょうか?」
「いえ、後から二人来るので四人です。」
 私たちは空いている席へと移動していき、ゆっくりと座る。しかし周りの目線がすこし気になる。なんだろう、この見られている感は。
「あれって…ピュアプラチナの千代乃だよね、そうだよね。めちゃくちゃかわいくない?」
「それに楓もいるよね。うそ、サインもらおうかな。」
「でも今は食事中でしょ? ゆっくりしたら?」
 なんだか…私たちの名前がかなり知られてきたみたいだった。なんというか、うれしいというか恥ずかしいというか。でも周りも考えてくれていて…本当によかった。
「遅れてごめんね、こんにちはー。」
「やほやほー。その様子だとそっちも店に入ったばかりみたいだね。」
「恭花さん、アリス。こんにちは。」
 私たちは全員そろった時点でメニューを見始めた。まず食べ物を頼まなきゃ…。それからミュージックビデオの話をしなきゃ!
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05.20
 バシーン ストライクバッターアウト!
糸満「(ちっ、なんだこのストレートは。)」
 六番バッターを三振にしとめてスリーアウトチェンジになった。とにかくここまで無失点で投げていられる。これなら問題なく抑えられる。
篤史「あの投手って女性でしょ? でも…こんなスタイルじゃなかったはず。もっと勢いがあって…。でも良い感じで投げているよね。」
「そうね。甲子園で戦っていけるメンバーだと思う?」
篤史「そうだね。俺がいなくても甲子園で勝てるメンバーだと思うよ。むしろ今の状態では自分が戦力になれるかどうか…。」
 ギィイイン!
新天「ちっ。」
 バシン! アウトー!
 ガキィッ
米倉「(やべ。)」
瑞華「サード!」
石出「っし!」
 シュゴオオオ バシン! アウト!
吉岡「ツーアウトな! ツーアウト!」
村瀬「ここ抑えて次につなげていこうぜ!」
 すでにツーアウトでバッターは七番の伊沢。正直期待できるほど良い場面とは言えない。私もそろそろ準備しないと。
海鳳「そういえば伊沢ってこういう投手は得意だったな。」
亜弓「えっ。」
海鳳「試合を観戦してたときなんだけどさ、遅い投手に限ってめちゃくちゃ打つんだよ、あいつ。」
 ギィイイイン!
伊沢「っしゃあ!!」
酒井「うっそだろ!?」
瑞華「レフト、センター! (さすがに予想外すぎる。まさかここで打たれるなんて。)」
石倉「俺は間に合わない、阪戸頼む!」
阪戸「おっらああ!」
村瀬「(こいつ、もう二塁まで向かってくるのかよ!)」
 ズザザザザ バシン! セーフ!
伊沢「ったあ!」
池之宮「マジかよ。」
沖田「ナイスバッティン! 伊沢!」
 伊沢がこの場面でヒットを打ってくれるなんて。それもツーベース、この回にも先取点を取れるチャンスはある…!
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05.19
「お母さん。」
「どうしたの千代乃。」
 私はご飯を食べながらお母さんに声をかける。テレビでは丁度良くミュージックビデオが流れていた。
「私たちね、ミュージックビデオを作ることになったんだけど。お母さんはミュージックビデオは見る?」
「そうね、たまには見るわよ。急にどうしたの?」
「あのね…ミュージックビデオでいかに良く見せるかって考えていたんだけど、なかなか思い浮かばなくてね。専門用語とかは多分ビデオとって行くと同時に教えてもらえると思うし、そのパターンも分かると思うんだ。だけど私たちにでも出来ることってあるのかなって。」
 私の話を聞いたお母さんは箸を置いて考えていた。そして私の顔をもう一度見る。
「基本普段通りよ。皆に笑顔を届けたいのでしょ? だからこそ普段どおりやればいいと思うわ。ミュージックビデオだからすごいのみせなきゃ! とか、そういった考えはいらないと思うわ。普段どおりやることがすばらしいミュージックビデオになると思うわ。あとは信じることね。」
「なるほどね…。ありがとう、お母さん。」
「いいえ、頑張ってね。」
 私は笑顔でうなづき、お皿を片付けて部屋へと入っていった。私たちができることは…いつも通り最高の笑顔を届けることかもしれない。
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05.19
石倉「お願いします。」
亜弓「(このバッターが石倉…。)」
 バッターボックスに入った石倉を見て私は思った。何か…人とは違う感じがする。それぞれ個性はあると思うけれど、この人は何か嫌な感じがする。他の人には無いものがありそうな気がする。
友亀「(落ち着いていくぞ。初球ストレートだ。)」
 私はゆっくりと腕を上げて足を踏み出す。いつものように思い切りストレートを!
 シュゴオオオ
石倉「(振りゃ当たる!)」
 ギィイン!
亜弓「サード!」
 初球からストレートを当ててきた。高く上がったボールはゆっくりと降りてくる。新天がすでに落下点に入っていた。
 バシン アウト!
新天「ナイスピッチ! ツーアウト!」
 なんとかツーアウトにすることができた。でもここまでヒット一本も打たれていない。落ち着いていけばこれだけ簡単に、それに体力を使わずに投げることが出来る。もっと…もっと上手くならなきゃ。

「ここかしらね。すみません、ちょっとよろしいでしょうか?」
瞳「あ、はい。なんでしょうか?」
「学校の者に許可を頂いて観戦しに来たのですが、どちらで見てよろしいでしょうか?」
瞳「あ、どこでも大丈夫です。好きな所で問題ありません。」
「ありがとう。…どこで見る?」
篤史「…日差しが暑いから屋根のあるバックネット裏の奥かな。お母さん炎天下の中ずっといるのは辛いでしょ。」
「気にしなくていいのに。でもいいよ、そこにしましょう。」
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05.18
「ミュージックビデオ、ですか!?」
「ええ、是非お願いしたいと思っているわ。アイリングと一緒に同時発売で行おうと思っているのだけれども…どうかしら?」
「はい! 是非やらせてください!」
「わかったわ。それじゃあ今週の日曜日によろしくね。」
「はい、よろしくお願い致します!」
 私は電話を切った。そして大きく右手を上に突き上げた。私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。そしてすぐに携帯をとって楓たちの連絡先に電話をかける。
「どうしたの千代乃。」
「こんばんは。皆もいるみたいだね。」
「どもどもー!」
 皆の声が聞こえてきた所で私はドキドキしている胸を押さえながら声を出す。
「皆、ミュージックビデオを作ることになったよ!」
「え、本当に!?」
「私たちのミュージックビデオ!?」
「やったね! これで宇宙にも知ってもらうことがさらに出来るね!」
 私たちは全員が喜んでいた。こんなにうれしいことは無い。だからこそこのミュージックビデオは最高の出来にしなければ…!
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05.18
池之宮「しゃっす!」
 バッターボックスには池之宮が入っている。ここで一発が出ればいきなり二点も入る。ヒットだとしても一点が入る場面、池之宮ならきっとやってくれるはず。
新天「ちょっとこの場面ばヤバイよね…。」
亜弓「そうなの?」
 ググググッ ブシン! バスン
 ストライクワン!
酒井「(やっぱりな!)」
海鳳「くそっ、ライナーだったか…。すまん、この回は点取れそうにないよ。」
新天「池之宮は変化球に弱いのは知っているだろ? ああいうタイプは苦手なんだ。球速が遅くて、さらに遅い変化球をもっている。それがどうやら武器らしいし、池之宮はヒット今日は無いかもしれないな。」
 ブシィン! バスン
 ストライクバッターアウト!
酒井「っしゃ。」
瑞華「ナイスボール!」
 あっという間に三球三振に終わってしまった。なんというか…池之宮の弱点が思い切りさらされてしまったような感じだった。
吉岡「ナイスピッチ!」
酒井「次はお前からだろ? しっかりたのむぞ。」
吉岡「っしゃ! 俺がホームラン打ってやりますぜ!」
羽計「(三振な気がする。)」
石出「(きっと三振だな。)」
羽計「(絶対に三振だな。)」
村瀬「ワンチャンあるんじゃね?」
阪戸「んなばかな。」

 ブゥウン!! バシン
 ストライクワン!
亜弓「(……えっ。)」
友亀「(こいつ池之宮と同じタイプなのか?)」
石倉「これはダメすぎるだろ。」
海鳳「(三振な気がする。)」
 ブゥン! バシン
 ブシィン!! バシン
 ストライクバッターアウト!
亜弓「(スイングはものすごかったけど…。変化球で簡単に三振がとれた。)」
 私はほっと一息入れることができた。なにはともあれ三振を一つ奪うことができた。これで流れに乗って後続を抑えていく!
池之宮「ワンアウト! 簡単にしとめたな!」
米倉「お前が誇らしい顔してるんじゃねえよ。」
池之宮「さあ、次だ。」
米倉「だからって急に冷静になるなよ!!」
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05.17
「おーふぁい!」
「おーー!! ふぁい!!」
 私が声をかけるとファンもそれに応えてくれる。そして疲れなんて感じることがなかった。楽しくてもうそれ所ではなかった。このライブにいられることが…幸せであった。もうライブを楽しむ時間も少ない。最後の曲だからこそ思いっきり盛り上がっていきたい。だから見ていて、皆。
「千代乃、本当に出会えてよかったよ。これからもずっと…その笑顔を見せ続けて欲しいよ。ピュアプラチナが解散するまでは…私たちも解散しないよ。」
「私の娘がこんな風になって表舞台に立ってくれるなんて。体も弱かったし心配していたけれど…本当によかった。家族の誇りよ、千代乃。」
 私はライブしている途中にお母さんの姿を見つけた。私はその顔を見てさらに笑顔を見せた。だけど同時に涙も出てきた。うれしくて…ここまで育ててくれて。体の弱かった私を…。それに私だけじゃない。楓も恭花さんもアリスも皆涙目になっていた。もう…ライブが終わる。だけど…これが終わったとしても最高のライブはもっと続けていきたい!
 ジャーン!!
「ワァアアアア!!」
 最後の曲が終わった。私たちは観客の大きな声に目を輝かせていた。うれしくてもう涙が止まらなかった。続けていて…本当によかった。
「皆、ありがとう!!!」
 私たち四人はお辞儀をして手を振る。すると大きな拍手と同時に手を合わせて叩いていた。
「アンコール! アンコール!」
 アンコールが流れてきた。こんなことがあるなんて。私たちは見合わせて腕を大きく上げてジャンプをした。
 バァアアアン!
「キャアアアアア!!!」
 ジャンプと同時に小さな花火が打ちあがる。そして…私たちのデビュー曲が流れてきた。そして…さらに歓声が沸いた。
「千代乃!!」
「紅音!」
 後ろから紅音が戻ってきた。すごくうれしそうな顔でこっちにやってくる。
「千代乃、一緒に歌うよ!」
「は、はい!! ぜひ!」
 私は紅音の所に近づいた。そして手を挙げて…。
 パチン!
「いくよ!」
「はい!」
 声を掛け合って歌い始める。アイリングとピュアプラチナで…!
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05.17
由紀「ナイスピッチング、さすが亜弓だね。」
亜弓「ありがとうね。打たせて取るピッチングもうまくいけるみたいだったから良かった。」
友亀「だけど日高、次からはいつも通り、三振を取りに行くピッチングに切り替えるぞ。なんといっても日高の持ち味はその奪三振なんだから。」
亜弓「わかりました。」
 私は返事をして水筒に手をだした。そして口に含みながらマウンドの投手を見る。
由紀「いってきます。」
海鳳「おう、先頭からぶちかましてくれよー!」
 バシン!
瑞華「ナイスボール!」
 急速は高校生にしては…平均なのだろうか。120台の直球に見える。だけど…何か不思議な感じがする。このピッチャー、何かありそうな気がする。
由紀「(スロータイプのピッチャーね、しっかりとひきつけて叩ければいつものようにヒットを打つことができる。)」
瑞華「セカン!」
 シュゴォオオ バシン!
一条「ナイスキャッチャー!」
沖田「おいおいやべーじゃないか、あのキャッチャーめっちゃ肩良くないか?」
 たしかにあの瑞華の送球は尋常ではない。だけどキャッチャーは肩が良いだけではやっていけない。どんなリードと守備を見せてくれるのだろうか。
由紀「お願いします。」
由紀がバッターボックスに入る。最初は左打席、由紀は深呼吸をして投手を見る。由紀の集中力はやっぱりすごいものだった。
瑞華「(とにかく厳しいコースをついていかないとこのバッターは抑えることができない。まずコーナーギリギリを攻めていくよ!)」
 サインに頷き、投手が足を上げる。あの酒井投手はどんなピッチングを見せるのだろうか。
 シュッ グググッ
池之宮「スローカーブ!」
由紀「(限界まで…ひきつけて。無理に引っ張らずに。)」
 由紀がしっかりとタイミングを合わせてボールを見ている。いや、もしかしてボールは見ずに足でタイミングを計っているのだろうか。
石出「(なんだこのバッターは…。)」
 ギィイイン!!!
由紀「っしゃ!」
 打球は三遊間を軽く超えてレフト前へと飛ばしていった。いきなりヒットを打つなんて…なんて人なのだろうか。いや、もうこれは由紀だから当たり前のようにこなしてくれる。さすが由紀だ。
line-s
05.17
「こっち! まだ片付け終わっていないからしまって!」
「わかりました!」
 私たちは片づけを行っている所をステージの上から眺めていた。最高のライブを最高の形で終わらすことができた。それに最後はアイリングとピュアプラチナ、二グループで一つの曲を歌うことができた。私たち四人とアイリング四人はただ、その余韻に浸っていた。
「私たち…成功して終わったんだよね。」
「なんだか実感ないというか…まだライブしている感じってね!」
「いままでのライブで感じたことのない感覚、陸上の時にもこんなことはなかったよ。」
「宇宙に私たちの魅力を伝えることができたのかな。いや、できたよね!」
 私たちは成功して終わらすことが出来て、それぞれが嬉しさを実感し始めていた。紅音さんたちもそれぞれお話している。本当に…一緒にライブが出来てよかった。
「千代乃。」
「紅音…。」
 紅音さんが私のところに近づいてきた。ゆっくりと、そして顔には涙を流しながら。
 ギュッ
「えっ…。」
 紅音さんが突然私に抱きついた。とても暖かくて、やさしい感じがした。いつもの紅音さんではない感じがした。
「ありがとうね…。本当に今日のライブはよかったよ。嬉しくて…私涙が止まらなくて。ありがとう…。」
「それはこっちのセリフですよ。それに…泣かないでください。私まで…泣けてきちゃうじゃないですか…。」
 私は優しくながらも強く抱きしめる紅音さんの気持ちにやられて涙が出てきてしまった。だけど…なんだかこの涙はとても嬉しかった。
「もっと…これから良いライブを作っていきましょう…!」
「もちろんよ。」
line-s
05.17
酒井「(カーブ持っていかれた。なんだあのバッターは、女性選手ってこうも皆すげえやつらなのか? まあ、だとしても次のバッターを抑えてやるけどな。点は取らせない!)」
 次のバッターは沖田、サインを見ると始めからバントの構えをしている。バントが得意な沖田はしっかりとバントを決めてくれるだろう。
由紀「…。」
 ザッ
吉岡「ランナー走った!」
酒井「わってるよ!」
 由紀が初球から盗塁を仕掛けてきた。最高のタイミングで走ってきた!
 シュッ
沖田「(はずした。だけど羽葉の足なら!)」
 バシン!
 だけどピッチャーもわかっており、外にはずす。そして瑞華が投げる体勢に入った。
瑞華「っし!」
 シュゴオオオオ ズザザザ バシン!
審判「セーフ!」
由紀「あぶぶ…。いえい!」
 タイミングがギリギリだった。だけどセーフはセーフだった。そして由紀は私に向けてVサインを送った。ナイス盗塁、由紀。
 コツン
瑞華「ファースト!」
 バシン! アウト!
吉岡「ワンアウト! ランナー三塁ね!」
阪戸「こっちにも打たせてくれよー!」
石倉「そっちにフライでも打たされたら犠牲フライになるだろー!」
 向こうも結構落ち着いているみたいだった。さすが甲子園に出場しているチームは違う。だけどこっちも三番の海鳳がやってきた。
海鳳「よっしゃ、俺に任せろ。」
 ピッチャーはすぐにテンポ良く投げ始める。まるで相手に考える隙を与えないぐらいに。
 シュッ グググググッ
海鳳「(いきなりカーブかよ。)」
 ギィイイン!!
一条「(こっち来た! お願い、入って!)」
 バシーン!
海鳳「うそん!」
 打球は勢い良く飛んでいったが、センターへは抜けず、ショートがジャンプキャッチでライナーに終わってしまった。それにしてもあの反応速度は何だろう。怖がって捕っているようにも見えたけど…。それだけじゃあのボールは捕れないはず…。
line-s
05.12
 シュゴオオオ ギィン!
阪戸「(セカンドゴロか…。だけど走れば!)」
 変化球を打った打球はセカンドへと転がっていく。しかしバッターランナーはものすごい勢いでファーストへと走っていく。
米倉「っと!」
 バシン! ドッ アウト!
池之宮「ナイスセカン!」
海鳳「(アレでギリギリかよ、ずいぶんとやばいのがそろっているじゃねぇか。)」
 なんとかセカンドゴロでアウトにしとめてツーアウト、そして次のバッターは三番の石出がバッターボックスに入った。キャッチャーの情報によるとこのバッターがこのチームの中で一番気をつけるべきバッターらしい。いったいどんなバッターなのだろうか。
石出「しゃっす。」
友亀「(風格あるな。)」
由紀「(このバッター…いいね、楽しみ。)」
 目の前に立つ石出というバッターから不思議な感じがする。あの人たちとはまったく別物の…だけどすごくピリピリとした雰囲気が。とにかくまずカウントを稼ぐ。初球のサインは変化球。
 シューーー グッ バシン!
 ストライクワン!
石出「(変化球…だとしたら次はストレート。)」
 ピクリとも動かずにじっくりと見ていた。これだけじっくり見られるとすこしやり辛いかもしれない。
 シュゴオオオ バシン!
 ボールワン!
友亀「いいコース来てるよ!」
石出「(たしかに…ヤバイな。だけど次もストレートならいける。ストレートのタイミングで振る。)」
 私はボールを受け取りサインを見る。ストレート、高めにボールになってもいい高さで!
 シュゴオオオ
石出「(高いな。だが!)」
 ギィイイン!
由紀「(こっちにくる!)オーライ!」
 打球はレフトへ高々と上がっていく。しかしかなり高い。ボールの下を叩いてくれたおかげで楽にアウトが取れそう。だけど…ここまで飛ばすなんて。
 バシン! アウト!
石出「(あそこからまたノビてきたか。だけど次は打つ。)」
 私は由紀がキャッチしたのを見てマウンドを降りていく。三振を奪う投球前提ではなく打たせて捕る形にしてもなかなか上手くいく。この調子で次の回も抑えていく!
line
プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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