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12.26
「本当に…皆すごいね!」
 私達は発声練習を終えて新曲を練習していた。一味違う歌を歌えるようになった私達ははっきりと、そして力強い歌が歌えるようになっていた。
「でも…やっぱり楓はすごいよ。」
「うん、誰よりも歌にかける情熱がすごいのだもの。やっぱり音楽をやってきたことだけはあるよね。」
「私、楓みたいに歌上手くなりたい!」
「そんな、私なんて…。でも…そういってくれるのがすごく嬉しいよ。だから…もっと私も頑張る。歌としては誰よりも引っ張っていけるぐらいに!」
 楓はすごく楽しそうに答えてくれていた。だからこそ私達はもっと頑張らないといけない。あともう少し…もう少しでフェスティバルが始まる。だから…この曲をしっかりと完成させなければ…!
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12.26
 バシーーン!
暁美「っしゃ!」
 ギィイイイイン!
桃音「っし!」
亜弓「うわ……。」
由紀「すごいね…やっぱりこの人たちは別格だよね。」
 私達は試合を終えた二日後、まだ甲子園にいた。監督からの指示で二人で決勝まで見ること、そして練習することを指示された。二人だけでは危ないと思ってくれて瞳や真希と共に残ることになった。でも途中で瞳は帰ってしまう。瞳も瞳で大会があるからなぁ。そんなことを考えながら私と由紀は練習をしていた。瞳の携帯からここまでの甲子園のダイジェストが流れている。
真希「それにしてもすごいわよね。ベスト8のメンバーがこんなにもすごいだなんて。」
瞳「私達に勝った御影大松戸に圧倒的強さの富良野学院、関西大阪も桃音さんがいるからね。」
亜弓「そして三年生ですごい投手がいる武士山高校、ナックルボーラーのいる東向洋高校…。」
由紀「東光三島に名電学園もいるからね。小鹿野義塾福井は東向洋に負けちゃったからね。」
 一息入れた私達は自動販売機の所へと向かっていく。暑い中練習していたから飲み物が不足してしまう。
 ギィイイイイン!!
由紀「あ、そういえば今日は…富良野学院が練習しているのだっけ?」
 私達は自動販売機の前で飲み物を選びながら後ろを振り返る。フェンス越しに見えるのは山茶花桜さん、そして八幡暁美さんもみえていた。
亜弓「二人とも…やっぱりすごいよね。」
 私達は飲み物を買い終えると練習を見たくなって近くによった。動きがキビキビしている…。すごい人たちなのがすぐに分かる。だけど…部員が少ない…?
桜「あれ? 亜弓じゃない。」
暁美「由紀もいるんだね。どもー!」
亜弓「あ、こんにちは…。」
由紀「ちはっす! 練習ですか。」
桜「まあ軽くだけどね…。あ、…一つ無理な頼みかもしれないけどいいかな。」
 突然桜さんが私達に問いかける。私はなんだろうと思いながら無言で頷く。
桜「一打席…勝負しよ?」
亜弓「……えっ。」
真希「えっ。」
瞳「勝負…。」
由紀「……。」
 私はあまりの言葉に意表をつかれる。そして由紀の顔を見る。由紀は…真剣な表情でいた。
由紀「やるよ…亜弓。それと暁美さん。」
暁美「私?」
由紀「私と勝負してください。」
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12.25
「おはよう楓。曲はできたの?」
「千代乃! うん、出来たよ。すっごく良い曲が出来上がったんだから!」
「お、来た来たー!」
「さてと…私達も聴く準備をしなければね。」
 楓がピョンピョンとはねるように歩きながら練習場所にCDを持ってきた。そして音楽を流し始める…。
「さてと…じゃん!」
 そして音楽が流れてくる…おしゃれで…ちょっぴり昔っぽい。だけど…私達には分かる。楓の思いがぎっしりと詰まった一つ一つの音。それがものすごく胸に響いていた。この曲なら…フェスティバルでも…!
「すごくいいよ! 本当にすごい!」
「ありがとう! えへへ。」
「それじゃあ私達も発声練習しましょう。」
 私達はすぐに歌えるように準備をし、声を出す。それを聞いた楓が目を丸くする。
「あれ…いつの間にそんなに上手くなったの?」
「えへへ、実は特訓していたから…! 楓のために!」
 それを聞くと楓はすぐに笑顔になって私達の隣に立った。そして一緒に発声練習をする。これなら…楓に負けないほど…!
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12.25
府中「さて…試合も終わったことで宿舎にも戻ったことだし。皆で景気良く食べよう。」
卜部「ああ、ここまで皆で頑張ってきたんだ。」
芦毛「甲子園に出れたことが本当に最高だぜ。」
府中「それじゃあ、乾杯!」
皆「乾杯!」
 私達は食事会を始めた。先輩たちを送る甲子園での食事会、でも…私はその場には入られないような…胸が締め付けられたような気がした。私がもっと頑張って投げることができれば…いやだ、ここにいたくない。
由紀「さてと…亜弓。かんぱ……あれ?」
海鳳「日高どこにいったんだ?」
由紀「……ちょっと探してくる。」

亜弓「はぁ……。」
 私は河川敷へと移動して草むらに座り込んだ。私は右手を前に突き出す。空は星が点々と光っている。私の力が足りないから…こんなにも大きな差が。私が点を取られずにいたら、あせることなくバッティングに集中できて点を取ることができたかもしれない。もっと点頑張っていれば…。
由紀「ここにいたんだね、亜弓。」
亜弓「由紀…。」
 いつの間にか由紀が私の隣に立っていた。風に吹かれて由紀の髪は少しなびいていた。由紀も悲しそうな顔をしている。
由紀「誰も亜弓のことを攻めていないよ。自分を追い詰めなくていいよ。」
亜弓「でも…負けたのは事実だよ…。」
 由紀はそれを聞くと私の肩をポンポンと叩いて笑顔になってくれた。
由紀「ならもっと強くなろう。私も思い知ったから…。もっと上手くなって…六実さんの変化球を次こそは打つから…。」
亜弓「うん…そうだよね。頑張るよ。」
 私は星空を見上げた。流れ星が一つ流れる。今日の試合は…絶対に無駄にはさせない…。
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12.22
「さてと…一気に歌いましょうか!」
 私達はそれぞれ好きな曲を歌いながら練習を続けた。楓の新作に劣らないほどの良い歌を歌えるように…ならなければ。そうして…もっといろんな人に聴かせていきたい!
「さてと…もう少し歌いましょうか。」
「というか千代乃ってそんな曲を歌うんだね。珍しいね。」
 私が歌ったのは洋楽、私の好きなアーティストの曲。カラオケに来たからにはこういう曲は歌っておきたいものだから…。
「ヴぁあああああ!!」
「恭花さん!? デスメタル!?」
 まさかのデスボを出している。え、それで喉を壊さないのかな…。もしかしてこれは慣れているのかな…。でもいきなりなぜ…。
「あー、ストレス発散!」
「そういうことだったの!」
「私は電波曲いきまーす!!」
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12.22
府中「……さて…。皆、お疲れだ。良く頑張った。」
亜弓「……。」
 何もいえない…私のせいで…私と変わっていればきっとこんな試合にならなかったはず…。私が未熟だったから…。
府中「ここまで良い試合ができた。そして…最高のメンバーと戦えることができた。確かにここで終わってしまった。甲子園にいけたがこれ以上勝つことができなかった。お前たちはこの悔しさをバネにしてさらに良い成績を出して欲しい。」
卜部「ここまでこれたことが本当に幸せだ。ありがとう。」
芦毛「そうだ…日高。誰も君を攻めないよ。最高のピッチングができていた。俺たちじゃもっと抑えられなかっただろう。」
亜弓「はい………。」
館川「(来年こそは俺も先発で…! 悔しくてたまらないのは俺もなんだよ…!)」
 三年生たちはもう覚悟を決めて泣かずにいる。しかし二年生や私達一年生は皆泣いている。悔しくて…悔しくて。
府中「そして…次のキャプテンはもう決めてある。……栗山、お前に任せたぞ。」
栗山「……! は、はい!」
卜部「責任重大だからな。だがお前ならいける。松江学園の野球部を強くしてくれ。」
栗山「わかりました……!」
芦毛「そして副キャプテンだが、中山。頼むぞ」
中山「はい! 頑張ります!」
 先輩たちは泣きながらその責任を受け入れた。これからは…三年生たちは引退…。新チームになっていく。でも…もっと私が頑張っていたら…。マネージャーの人たちもそうだ…。

三由「これで私達は役目は終わったわ…。」
美琴「でも心配しないで、私達も顔を出しに行くから。」
瞳「はい…。」
真希「お疲れ様でした…。」
三由「それで…千恵美、これからはマネージャー部長として頑張ってあげて。生徒会長もやっている恵美は支えてあげてね。」
千恵美「わかりました。」
恵美「はい。支えます。」

六実「……私、頑張れたよ。」
淳和「うん、頑張ったわね。それにすごいピッチングだった。さすがだよ。」
武蔵「さて…ここからはもっと厳しくなる。優勝目指していくぞ!」
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12.18
「カラオケかぁ、私何歌おうかな?」
「なんでもいいと思うよ。でも途中から練習っぽい感じでしっかりと歌おうね。」
 私たちは荷物を置くとすぐに曲を探し始めた。そういえば前に私たちの曲がカラオケに入ると言っていたけどもうあるのだろうか?
「ねえ、ちょっと調べてもいいかな?」
「どうしたの千代乃、大丈夫だけど。」
 私は恭花さんにカラオケの番号を入れるものを借りた。そしてボタンを押して「ピュアプラチナ」と調べる。すると私たちの項目があった。
「あ、私たちの曲が入っている!」
「うっそ! もう入っているの?」
「本当に!? それだったら練習も十分にできるじゃない!」
 私たちはそれをみて少し嬉しそうに笑った。私たちの曲がいろんな人に歌ってもらえる。それがどれだけ嬉しいことか。はやく楓にも伝えたい。そうすればきっと…楓のモチベーションも上がってくれるはず。だから…私たちも上手くならないと。
「じゃあ最初は自分の好きな曲歌おう。そしたらそのあとにいつもの私たちの曲を入れて歌いまくろう。」
「賛成。さてと…私はいつものように…。」
「わーい! 私は萌え萌え的な曲を入れるよ!」
 三人とも気合が入っている。これなら…楽しくできそうだ…!
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12.18
「ありがとうございました!」
六実「ったあああ!」
淳和「これでベスト8入りだね!」
 私達は相手高校の御影大松戸高校の校歌を聞いた後、すぐにスタンド前へと移動した。涙を流しながら皆の顔を見る。先輩たちは泣き崩れていたり、拍手していた。そして…近くにはお母さんとお父さん、そして弟がいた。
府中「ありがとうございました!!」
皆「ありがとうございました!」
 私達は今ある力を振り絞って大きな声で挨拶した。そして大きな拍手が沸き起こる。
「いい試合だったぞ!」
「日高! ナイスピッチングだよ! 御疲れ様ー!」
 皆が検討をたたえて応援してくれていた。もっと…皆の笑顔を見たかった。
亜弓母「御疲れ様! 感動したわよ!」
亜弓父「自慢の娘だ! 頑張った!」
弟「おねーちゃん! おつかれー!」
 家族が大きな声で私の名前を呼んでくれた。私はその声を聞いて涙ながら笑顔で手を振った。…でも、この顔が笑顔の方が良かった。喜んでいる姿を…見たかった。
友亀「日高……キャッチボールだ…。」
亜弓「はい…。」
 私はクールダウンのために友亀とキャッチボールを始める。私達が負けるなんて…信じられない…。もとはといえば…私が打たれたから。
府中「日高…ナイスピッチング。誰もお前をせめないさ。次は…負けないピッチングを俺たちにみせてくれ…。」
亜弓「キャプテン……はい…。」
 私は涙ながら謝るようにして返事をする。そして…府中先輩の前には三由先輩が…。
府中「ごめんな…もっと甲子園の舞台に立ちたかったよな。」
三由「ううん…。頑張ったよ、見ていてかっこよかった。御疲れ様…。」
 府中先輩が三由先輩を抱きしめる。二人は泣きながら思い切り抱きしめている…。先輩たちの夏が終わった…この試合で…。
卜部「イチャイチャうらやましいぞ! さっさと片付けだろ!」
府中「いけねっ。」
芦毛「はやくいくぞ。」
 先輩たちは最後までしっかりと役目を果たしていた…。これが…現実というものなのだろうか。
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12.17
「どう? 楓。」
 私たちは楓のいる元へと戻っていく。しかし楓がバッと手をだして私たちを止める。目をつぶって…真剣に聞いている。何か…つかめたのだろうか。ジャンルは…昔のアイドル曲。それに片手にはジャズの音楽。これを…融合させるのだろうか。でもこれはかなり難しいのではないのだろうか。
「うん…うん。そうか…これかな。」
「なになに! 出てきた!?」
「うん。出てきた。これは…いける!」
 楓はCDを手に持つとすぐにレジへと向かっていった。楓のキラキラした顔が…戻ってきた気がする。
「ごめんね三人とも、これしっかり聞いて家で作りたいから今日はこれで帰るね!」
 楓は全力で手を振ってお店から出て行った。私達はキョトンとしたがすぐに笑顔に変わった。また…楓の素晴らしい曲を…歌えるのだから…!
「さて…。私達もそのすごい曲に負けないような歌を歌えるように練習しよう!」
「となると…この後は…。」
「カラオケだ!ワーイ!」
「こら、店の中ではしゃがないの!」
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12.17
六実「ったあああ!!」
淳和「勝ったよ! 六実!」
武蔵「よく投げきった! ナイスピッチング!」
 由紀が…空振り三振…。試合が…終わった。負けた…。府中先輩たちの最後の夏が…終わった…。
卜部「…くそ…くそっ。」
芦毛「う…うぅ…。」
府中「…皆、整列だ…!」
 府中先輩は涙声になりながら声をかける。目には大粒の涙がぼろぼろと流れ出ている。私はあふれ出てきそうになる涙をこらえながらベンチから出る。そして前を見ると由紀が一人、バットを片手に持ったまま…うつむきながら立っていた。私は誰よりも早く由紀のもとへと走っていく。
亜弓「……由紀。」
由紀「ごめんね……私のせいで負けちゃった。…打てなかったから…。」
亜弓「いいの……私が…ぐすっ、打たれなければ…。」
 由紀はうつむいた顔を上げて帽子を取る。そして振り返り、私の顔を見た。
由紀「亜弓は…悪くないよ。」
 由紀の顔は笑顔だった。だけど…その笑顔から涙が流れている。…由紀。私は…。
亜弓「ごめんね…由紀!」
 私は強く由紀を抱きしめた。由紀は私の肩辺りに顔を押し付け、大きく泣いた。私も涙をこらえきれず、泣いていた。球場全体から大きな拍手が沸き起こる。健闘をたたえる大きな拍手。でもそれは…私たちの方からは悔しい拍手にも聞こえた…。
美和「ううぅ……。」
萌「先輩…。」
美琴「負けた…ぐすっ…。」
千恵美「(負けたから…先輩たちは…。)」
 私たちは整列する。目の前にはユニフォームが真っ黒になった相手チームの姿があった。目の前には…六実さん。
審判「礼!」
皆「したぁ!」
 私たちは挨拶をして前へと歩いていく。そして六実さんが目の前にいる。
六実「ナイスピッチング…すごかったよ。試合としては私たちが勝ったけど…もしあの場面で打たれていたら…。」
亜弓「いえ…六実さんたちの力が何枚も上でした。良い経験が出来ました。でも……悔しいです。」
淳和「すごいバッティングだったわね。御疲れ様。」
由紀「私の力がまだまだでした……。……ありがとうございました。」
府中「優勝しろよ。頼むぜ。」
武蔵「ああ、もちろんだ。あ、それと府中。」
府中「なんだ?」
武蔵「次は…プロの舞台で戦えるといいな。」
府中「……そうだな。」
 私たちはベンチの方へと戻っていく。その中で…一人、由紀だけが途中で立ち止まった。
由紀「六実さん!」
六実「ん?」
 六実さんのことを呼んだ。いったい何を話すのだろうか…。
由紀「次は負けません!」
 由紀は涙声で大きく叫んだ。六実さんはニッコリと笑って私たちを見る。
六実「その悔しさをバネにして…もっと強くなって勝負しよう。でも…その時も負けないからね。」
由紀「約束…です!」
 由紀は悔しそうな顔をしてベンチ側へと戻っていく。私も…悔しい…そして…ごめんなさい。私のせいで…先輩たちの夏を…終わらせてしまった…。

松江学園高校、3点差で御影大松戸高校に敗北。
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12.16
「ねえ、私たちがこれから目指していくもの。トップアイドルなのは変わらないけど…その先って何があるのだろう。」
 私はヤングアイドルフェスティバルのポスターを見ながらふと思ってつぶやく。常に疑問に思っていたことだ。自分が変わるために始めたアイドル活動、それがここまで大きくなっていった。恭花さんもアリスもポスターを私と同じように眺める。
「それはいってみないと分からないと思う。もっとすごいものが広がっているのかもしれないし…。でも…きっとすごいものだよ。」
「私もそう思う。その舞台に立ってみないと分からないものがあるはず。だから私たちはそれを目指して頑張っている。そしてそれは私たちの想像を超える素晴らしいものだと思うの。」
「私たちが…分からないもの。」
 二人は夢を持って語ってくれた。私には…そうか、私が見てみたいものは…。
「三人とも! ちょっと時間かかるかもしれないけどいいかな?」
「あ、うん! 大丈夫だよ。」
 楓はいくつかの曲を聴いている…楓にも夢が見えているはず。私の見たい世界…そう。
「皆の笑顔が…見れるのかな。」
「きっとそうだよ…。しかもそれだけじゃないと思うよ。」
「もっと、世界スケールで、宇宙スケールでドーンと! でかいものが広がっているはず!」
 二人とも笑顔で私に答えてくれる…。私の目指す世界が…その先には。
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12.16
亜弓「由紀! 頼むよ!」
 由紀は私の声に反応して私の顔を見る。そして笑顔でグーポーズをとる。そしてバッターボックスへと入っていく。ツーアウト、もう後がない…。私のせいでとられてしまった三点、ここでひっくり返さないと…。
府中「羽葉! 頼むぞ!」
卜部「お前なら打てるぞ!」
三由「頑張れ! 由紀!!」
美琴「声出していこう! まだ終わっていないよ!」
瞳「いけ! 由紀!」
萌「私たちも応援するわよ。」
「羽葉! 羽葉!」
 ベンチやスタンドからは大きな羽葉コールが巻き起こる。大会の中でもかなりの注目バッターだから…ここは意地でも打ちたい。私たちの…夢を託しているのだから。
六実「(ふぅ……ツーアウト、うん、大丈夫。私ならいける。由紀を抑えて本当に勝ったということを見せてやる。暁美、待っていてね。)」
淳和「最後だよ! 思い切りいこう!」
武蔵「さあバッチこい!」
上野「っしゃああ!!」
「あと一人! あと一人!」
 相手チームからも大きな声援が聞こえてくる。負けられない気持ちは相手だって同じであろう。だけど…私たちだって負けられない!
対馬「(もうここはカーブで勝負だぞ。)」
由紀「(あの球が来る。それを叩く!)」
桜「やはりあの球を投げそうね。」
桃音「それしかないでしょう。」
 六実さんが腕をあげる。ツーアウト…この場面で打つには!
 シュルルルル ブシィ バシン!
 ストライクワン!
由紀「(当たったはずなのに…こんなに曲がるなんて…。)」
六実「(あぶない…あと少し曲がりが弱かったら…。)」
 初球カーブを空振り。ワンストライク…由紀が三振になるわけがない。これだけチャンスがあるのだから…当ててくれるはず!
六実「(私が…勝つ!)」
由紀「(打って…亜弓を負け投手にはさせない!)」
 シュルルルルル ブシィ! バシン
 ストライクツー!
武蔵「あと一球!!」
亜弓「頑張れ! 由紀!!」
府中「まだいけるぞ!」
 私たちは必死になって声を出す。ツーストライク、もう後がない。でも由紀ならやってくれる。そう私たちは信じている。スタンドからも大きな声が聞こえてくる。終わりたくない…。私たちの夏は…ここで終わるわけには行かない…!
由紀「ふぅ……。(もう軌道は分かった。次来ても打てる…!)」
六実「(最後も得意球で…抑える。)」
 六実さんが足を上げる。由紀はバットを引いて打つ体勢に入る。こっから…打つ、由紀は打つ!
六実「っし!」
 シュルルルルル
由紀「っらああ!!」

 ブシィ!!
 バシーーン!

 ストライクバッターアウト! ゲームセット!!
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12.15
「うーん、いろんなジャンルをとにかく聞きまくらないと。」
「とりあえず、そこにあるスノーフェアリーの曲を聴くところから始めたら?」
 アイドルとして最高のポジションを確立しているだけあって聞くだけでも何かつかめる可能性もある。そこからまた別のものを探してみると上手くいくかもしれない。まずは何かつかむことからだ。
「そうそう、今人気の歌手と急上昇中のものを聞くといいと思うのでは?」
「うん、いくつか聞いてみることにするよ。」
「よし、それじゃあ私たちはジャマにならないようにアイドルコーナーを見ることにしよう。」
 私たちは楓といったん別れてアイドルコーナーへと移動する。見渡すとグッズやCD、チケット情報などある。その中には私たちのグッズや今度やるヤングアイドルフェスティバルのチケットもある。そのチケットもあと数枚微妙な席のみ。もう完売に近い状態だ。しかも高い。それだけの人気のあるものだから…私たちも頑張らないと…。
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12.15
海鳳「そんな…池之宮がこの場面で。」
 池之宮が三振、大事な場面ではものすごく強い池之宮が…。ワンアウト、バッターは新天。意地でもヒットを打たないと…。
池之宮「すまない……。」
新天「大丈夫だ、相当相手もすごい奴なのはわかっている。」
 池之宮がベンチに戻ってくると悔しそうにヘルメットとバットを置き、壁に手をたたきつけた。
池之宮「くそっ!!」
卜部「池之宮…。」
府中「まだ終わってないよ! 気合いれていけよ!」
 新天は真剣な顔で前を向く。しっかりと構えてピッチャーを見る。それを見て六実さんも大きく深呼吸をする。ここから…。まだ終わるわけにはいかない。
六実「っし!」
 シュゴオオオオ
新天「(ストレートか!? いける!)」
 ギィイイン!
上野「っと!」
 強い打球を打ったがセカンドの上野が飛びついて捕球した。新天は思い切り走り、一塁へと向かっていく。
 バシン ズザザザザザ アウト!!
武蔵「よし! ツーアウト!」
新天「くそ…くそっ!」
 新天のヘッドスライディングも空しくツーアウト。もう後がなくなってしまった。そして…ここでバッターは…。
ウグイス嬢「六番、レフト、羽葉由紀。」
 由紀に…託すしかない。
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12.11
「うーん。」
「どうしたの楓。」
休憩中、楓が悩み始めた。この前スノーフェアリーの皆に色々と聞くことが出来たから当分心配事はないと思っていた。だけど楓が頭を抱えるほどの悩み…。
「何かあるなら協力するよ。」
恭花さんも声をかける。アリスも自然に近づき、話を聞こうとする。
「最近ね、新曲のよいフレーズが浮かばなくて。どうしても曲調が単調になったり今まで作ってきた曲と似ているものばかりが出てきて。」
「つまり全く新しいタイプの曲を作りたいの?」
「そう。それになにかインパクトのある…。ただ違う曲調だけじゃよい曲が作れないから…。」
作曲する人での悩み、しかも普段のアイドル活動もこなしていかなけばならない。私たちが協力できること…。何があるだろうか。
「それだったら…一緒にCDショップに行かない? あそこならいろんなジャンルの曲が聞けると思うから!」
アリスが大きな声で楓に聞いた。意外にもまともな返事が返ってきたことにまず驚いた。少し間が空き楓が反応する。
「それ、いいね!」
 楓が嬉しそうな顔をしている。これならなんとか解決できるかな?
「それじゃあ食べ終えたらお店に行こう!」
 恭花さんが声をかけて行くことが決まる。いい結果になるといいな。
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12.11
 ツーアウトにすることができた。あと一人。ここであと一人抑えることができれば最後の九回の裏の攻撃に望みをかけることができる。バッターは日向さん、ストレートで勝負だ!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
日向「(まだ問題ない。振っていけ!)」
 シュゴオオオ ブシィ バシン!
 ストライクツー!
由紀「追い込んだ追い込んだ!」
府中「っしゃあ思い切り投げろ!」
新天「ばっちこーい!」
 ツーストライク、これなら…問題なく。思い切り…ストレートを。私の渾身のストレートを!
亜弓「っし!」
 シュゴオオオオ バシューン!
 ストライクバッターアウト!
亜弓「っしゃあ!」
日向「(て、手が出ない。)」
友亀「ナイスピッチング!」
 私は最後のバッターを三振に抑えてスリーアウトチェンジになった。後は打撃陣…池之宮から…。
新天「さてと…。」
由紀「私も回ってくるのね。よし…。」
池之宮「それじゃあいってくる。」
 池之宮がどっしりとした態度でバッターボックスへと向かっていく。九回の裏、向こうだって疲れているはず。この回に全てを託すしかない…!
ウグイス嬢「四番、ファースト、池之宮君。」
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12.10
「私たちがトップアイドルになれるのですか?」
「ええ、それはもうすごいアイドルになれると思うよ。あのアイリングと共に。この二つのグループはもっとこれからすごくなっていくと思う。」
 私たちがトップアイドルになれるほどの素質がある…。だとしたら…これからもっと精進しないといけない。
「楓、恭花さん、アリス。これからもっと頑張りましょう。」
「もっちろんだよ!」
「私たちもレベルアップして指導のレベルももっと上げないといけないわね。」
「そしてかわいらしさもアピール!」
 私たちはそれぞれ気合を入れていく。これからもっともっと…上を目指していかなければならない。最終的にはスノーフェアリーと一緒なぐらいまで…。
「さて、もっと練習しましょうか。」
「はい!」
 私たちはスノーフェアリーと共に練習することにした。もっと…上を目指すために。私たちは…。

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12.10
対馬「しゃっす。」
 先頭バッターは五番の対馬。もうここまできたらストレートで勝負するしかない。私が思いっきり投げれば抑えることができるはず。もうコントロール良く投げることは難しい。だから攻めて思いっきり投げることだけでも!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
対馬「(もうストレートしか投げないのか? だとしたらワンチャンスある。)」
 友亀がサインも出さずにしっかりと構えてくれている。少しでもあのミットに近づけるようにストレートを思いっきり!
 シュバァアアア
対馬「(いけ!)」
 ギィイイン!
亜弓「ファースト!」
 打球は大きく上へと上がっていく。池之宮は大きく手をあげて捕球体勢に入る。
 バシン アウト!
池之宮「っし! ワンアウト!」
 完全に打ち取った。まだ…私は投げられるんだ。思いっきり抑えていけば。
伊勢「よし、いくか。」
 バッターボックスには伊勢、まだ…終わらない!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
伊勢「(構えた所にはいかないが、ストライクは入るみたいだな。)」
 ストレートがしっかりとストライクゾーンへと決まっていく。これなら…!
 シュゴオオ ブシィ バシン!
 ストライクツー!
 追い込んだ…。ここで…三振を取る!
 シュゴオオオ ブシィ! バシン!
 ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!」
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12.09
 私たちは音楽が流れると同時に歌を歌い始める。優衣さんたちはしっかりとその様子を聞いてみて、たしかめていた。私たちの音楽は、ダンスは三人に認められるのだろうか。でも…あの時のライブのことを思い出そう。そうだ、私たちは褒められたのだから…後はもっと細かい部分になってきそうだ。
「うんうん、そうね…。」
 私たちは歌い終わると前を向く。優衣さんは私の顔をじっと見る。
「えっと…なんですか?」
「うん、とても良い感じだと思うよ。後は…そうね…。細かい部分かな。やっぱり個々の能力が上がっていけばよいと思うよ。」
「そうですか。」
「でも…うん、三人ともすごいと思うよ。これからはトップアイドルとしてふさわしい活動をしてくれると思う。」
「えっ?」
 と、トップアイドル? 私たちが? 始めたばかりである私たちがトップアイドル? 本当に…なれるのだろうか。
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12.09
海鳳「嘘だろ…。」
池之宮「海鳳……。」
 海鳳が…三振。それもあっけなく。あの変化球にかすりもしなかった。六実さんはここにきてなお…あの球を投げることができるのだろうか。
六実「よし、よし!」
淳和「ナイスピッチング! あと一回、頑張っていこう。」
武蔵「さて、いきましょうか。」
 私たちは…あと一回しか攻撃のチャンスがない。同点にすればまだあるし、逆転した時点で試合終了。そのためには私がなんとしても抑えなければ…。
由紀「まだ終わっていないよ。」
府中「そうだ、これから九回。まずはこの表をしっかり守っていこう。」
卜部「っしゃあ! 勝って終わろうぜ!」
新天「諦めてたまるかっての!」
栗山「声出していくぞ!」
 皆が気合を入れて守りに入る…私も…終わったわけじゃない。諦めて…たまるか!
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12.08
「よし、トレーニング一通り終わったから…千代乃。」
「うん。優衣さん、これからお見せしますのでこちらにお願いいたします。」
 恭花さんに声をかけられて私はうなづく。これから三人にお見せしなければならない。私たちの歌とダンス、そして団結力を見せるチャンスなはず。今ならかなり良いパフォーマンスを見せることができそうだ。
「楓、そういえば今回の曲も楓がメインで作ったの?」
「今回はいろいろと協力してくれたのだけどメインで音とかは私だね。」
「いいね、私たちは曲を作ってもらっている身だからそういう人がいてうらやましいよ。」
 楓と香澄が仲良く会話している。そういえばそうだ。私たちは楓が作ってくれている。しかしスノーフェアリーのメンバーはどうなのだろうか。
「そうかな? でもスノーフェアリーは誰に作ってもらっているの?」
 楓が聞いてくれた。すると優衣さんがそれに対して携帯を取り出して写真をみせてくれた。
「これが私たちの曲を作ってくれている人。本間春香さんよ。」
「あ、私知っている! この人のソロで活動していた公開作曲ライブに参加したことあるの。とっても良い曲を作っていて雰囲気が良かった! 今ではもういろいろと引っ張りだこだし有名人だよ。」
「へぇ、やっぱりそんなすごい人が手掛けているんだね。」
「でも私たちと同じ学校だったというのと昔からの知り合いで。本当にお世話になっているし、実は私たちが初めてアイドルやり始めたときからずっと作ってくれているのよ。」
 こういう出会いってやっぱり重要なのか…。私は本当に楓に出会えてよかったと思う。そしてダンスを教えてくれる恭花さん、アイドルとしてのかわいらしさを教えてくれるアリス、出会ってくれたことが本当に感謝したい。
「よし、それじゃあやろっか。」
 私たちは曲が始まる前のポーズをとる。スノーフェアリーの三人に…見てもらうんだ。私たちのダンスを。
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12.08
府中「(いけ、伸びろ。)」
 ライトの淳和さんとセンターの下野がボールを向かっている。このまま伸びれば…!
 ガシャン!
府中「(フェンスか。)」
 打球がフェンスへと当たっていった。跳ね返った後は転がらず、フェンスにとどまっていた。それを見た府中先輩はセカンドまでダッシュする。三塁を狙うか迷うかのところで淳和さんが送球する構えを取った。
府中「(無理だ。)」
淳和「っし!」
 シュゴオオオオ バシン!
六実「ナイスライト!」
 淳和さんの送球がなければサードまでいけたかもしれない。だけどチャンスには変わりない。ここで…海鳳の出番がやってきた。
海鳳「しゃあ!!」
対馬「(……もうこっからは出し惜しみできないな。)」
 海鳳がバッターボックスに入ると六実さんはサインを見る。大きく頷き、セットポジションへと入る。海鳳ならきっと。
六実「っし!」
 シュルルルルル
海鳳「(これは!)」
 ブシィ バシン!
 ストライクワン!
由紀「来た。ここでやってきた。」
 あのドロップカーブ、分かっていても打てない落差にキレ。でも海鳳ならまだ望みがあるはず。
 ググググッ ブシィ! バシン!
 ストライクツー!
海鳳「くそ、これは普通のカーブかよ。」
 普通のカーブと混ぜ合わせて投げてくる。なんて嫌な投球なのだろうか。でも…海鳳が打ってくれないとこのチャンスを物に出来ない…!
海鳳「(絶対打つ!)」
六実「っし!」
 シュルルルルル
海鳳「(ここだ!)」
 ブン! バシン!
 ストライクバッターアウト!!
六実「ったああ!!」
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12.06
「あだだだ。」
「もっとやわらかくならないと。ほらアリスみてごらん!」
 私たちは柔軟体操をしていた。前よりは良くなったけど私と楓は二人と比べてまだ少し体が硬かった。恭花さんがやわらかくなっているのが目に見えて実感できるのとアリスが元々柔軟が良かったのもある。そしてその隣でもスノーフェアリーの三人が柔軟をしている。三人とも体がとても柔らかく、平然とこなしていた。やっぱり基礎はしっかりしている。それがあるからこそのパフォーマンスを発揮できるのだろう。
「ふぅ…。」
 柔軟体操を終えた私たちはそれぞれのメニューをこなすことにした。全体的に他の三人とは筋持久力が劣っているからそのメニューをこなさなければ。そして練習を始めると久美さんが隣で同じ練習を始めた。
「私も、もっと長い時間動けるようにならないといけないから。」
「久美さん。頑張りましょう。」
「ええ。」
 私と久美さんは共に練習を続けた。これからもっと…上手くなるために。
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12.06
卜部「(終わったわけじゃない。思い切りいけばまだ望みがある。)」
 ワンアウトになってバッターは卜部先輩。これだけ回ってきているのだからきっと捉えてくれるはず。当たって飛んでいく場所が悪くなければ…。
六実「ふぅ…。(体力もそろそろ限界に近いけど…まだ投げられる。)」
 六実さんだって同じはずだ。私と同じマウンドで投げているのだから疲れているはず。そこを狙っていけば…。
 シューーー ググッ バシン!
 ボールワン!
卜部「(球は見れる。後はしっかりと当てないと。)」
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
対馬「ナイスボール!」
 シューーーー
卜部「(振れ!)」
 ギィイン!
下野「オーライ!」
 センターへ高いフライ。これは簡単に捕られてしまいそうだ。打てそうで打てない。この状況は何なのだろうか。
 バシン! アウト!
武蔵「よし、ツーアウト!」
 これでツーアウト。府中先輩が打ってくれないと…次に繋げるのは難しくなってくる。
府中「ふぅ…。」
卜部「すまない…たのんだぞ。」
 府中先輩がすごい集中力でバッターボックスに入る。ここから…ここからだ。まだ終わらない。
六実「落ち着いて…。ふっ!」
 シュゴオオオ
対馬「(やべっ、甘い!)」
府中「いけっ!」
 ギィイイイン!!!
芦毛「よっしゃ! 伸びろ!」
 打球は右中間へとグングン伸びていく。これは…入るか!?
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12.05
由紀「ナイスピッチング!」
武蔵「(やるな…。これが気迫のピッチングというものか。遠江と同じ雰囲気を感じるな。)」
 勝浦さんを三振で終わらすことができた。私のストレートは…まだ通用するんだ!
栗山「よっしゃ、次は俺だな。」
海鳳「ナイスピッチング! このピンチよく切り抜けたな。」
芦毛「よくやった。ナイスピッチング。」
 この回を乗り切ってベンチでは大盛り上がり。この勢いがあればこの回で点を取り返すことができるかもしれない。この回からは栗山さんの打順。これからが問題になってくる。
六実「ふぅ…よし。」
 六実さんが深呼吸をしてマウンドに立っている。ここからだ…気持ちで抑えていかなければいけない回は。
栗山「(ふぅ。)」
 栗山さんがしっかりと構える。この回から一気に攻めていかないと厳しい部分がある。
栗山「らぁあ!」
 シュゴオオ ギィイイン!
武蔵「(正面!)」
 バシーーン! アウト!
栗山「っだああ!!」
 勢いは乗って打球も良いのに…飛んでいく場所が悪くなる…。厳しい部分がありそうだ。
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12.04
「ふぅ…。」
「千代乃って疲れやすい体質なの? 結構つらそうに見えるから大丈夫かなって。」
「あ、はい。昔から体が弱くて…。自分を変えたいと思ったのもアイドルがきっかけで。」
「凄いわね。相当な苦労と努力があったからこそなんだね。体が弱くてここまで体力をつけたのは凄いことだよ。」
「ありがとうございます。」
 優衣さんが優しそうな声で誉めてくれた。トップアイドルにはこんな何気ない日常でも安らぎと安心感、そして笑顔にしてくれるような所がある。私たちも見習わないと。
「恭花さんはまとめ役とダンスの振り付けをしているみたいね。新曲のダンスはかなり良かったわよ。」
「ありがとうございます。久美さんの歌も素晴らしかったです。胸に突き刺さるようなあの力強くて響く声、感動ばかりでした。」
「香澄さんのダンス良かったですよね。それに歌も良くて!」
「いやいや、私はまだまだだよ! 楓も良い曲作るし、アリスもかわいらしさがあってよかったよ!」
「えへへ。なんたって宇宙一可愛いのだもの!」
 私たちは楽しみながら練習をし続けていった。さすがトップアイドルなだけあって体力も皆しっかりしている。こんなにすごい人たちと練習できて、そして実感ができる。これほど良い経験はない。
「そうそう。もしよかったら後でもう一度あの時の曲を歌ってくれるかな?」
「え、私たちがですか? えっと…皆いいかな?」
 優衣さんが私に問いかけていた。私は振り返ってみると三人ともうんうんと頷いていた。もう皆見せる気が満々なのだろう。なら…最高のパフォーマンスを見せないと…!
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12.04
友亀「タイムお願いします。」
 友亀さんがタイムをかける。内野の人たちがマウンドに集まる。この大事な場面…どうしていけば…。
亜弓「すみません、私のせいで…。」
友亀「いや、大丈夫だ。それより次だ。一応塁は空いている。ここをどうするか…。」
由紀「勝負でしょ!」
 外野からやってきた由紀が私に声をかけてきた。由紀が…自信満々の顔で私に問いかけてくる。
由紀「勝負だよここは。それだけでも心の強みがあるし…。なにしろここを抑えて勝つのが私たちでしょ!」
池之宮「そうだな…。」
新天「こっちに打たせていいからな。」
卜部「絶対後ろにはいかせない。」
栗山「よっしゃ! いこうか!」
友亀「…自信持っていけ。」
 私は皆に声をかけられて守備位置へと戻っていく。これだけ信頼されていて…打たれても良いから勝負してと言っている。そしてなによりも…私が抑えてくれること皆は願っている。だから…私は…。
新規キャンバス1 (1)
亜弓「負けない。」
 私は自分に言い聞かせるように言う。そして目の前に迎えている勝浦さんを見た。絶対に…抑えてみせる。
武蔵「(最初の雰囲気が見えるな。思いっきり来るな。)」
 私はサインに関係なくワインドアップで腕を上げる。もちろんながら淳和さんは走る。それでもいい…。思い切りなげて抑えれば!
 シュバァアアア ブシィ バシン!
 ストライクワン!!
六実「空振り…。」
武蔵「いいねえ。」
 とんでもないスイング。当たれば簡単にホームランにされてしまいそうだ。だけど…私だって簡単に打たせるつもりはない。ここまでこれたのも仲間たちと…由紀のおかげだから!
 シュバァアアア ギィイイイン!!!
由紀「(切れる!)」
 打球は完璧なホームラン。しかし引っ張りすぎていてファールゾーンへと入っていく。今は大丈夫。ここまで飛ばされるのは覚悟している。だけど…当てさせなければ。
由紀「亜弓!」
 由紀の声が聞こえる。私は深呼吸をし、前を向く。あの…ミットめがけて…私のストレートを…!
武蔵「(雰囲気が…いや、なんだこれは!?)」
暁美「(おお。)」
 シュバァアアアア
友亀「(真ん中!? いや、伸びる!)」
武蔵「らぁあ!!」
 ブシィ!!! バシン!
 ストライクバッターアウト!!
亜弓「しゃあああ!!!」



けんたうろすさんに描いていただきました!ありがとうございます!

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けんたうろすさんのブログ
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12.04
上野「(よし、頼むぞ。)」
亜弓「ふぅ…。」
 一番の上野にヒットを打たれてしまった。でも落ち着いていかないと…この後も連打を浴びてしまう。だとしても…ストレートでないと打たれる可能性が高い…。
館川「(頼むぞ日高。何かあったら俺たちがマウンドに向かうが…いまのままだと止められないぞ。)」
安芸「お願いします!」
 二番の安芸がバッターボックスに入る。ここからでも…抑えていかなければならない。ワンアウト。アウトは一つとっている。だから…。
友亀「(諦めるなよ。)」
安芸「(バントなら…!)」
 私はセットポジションに入り足を上げる。走らない。ならストレートで!
 シュゴオオオ コツン!
友亀「サード!」
 簡単に送りバントをされてしまった。サードの新天が突っ込んでボールをつかむ。
新天「(セカンドは間に合わない。ファーストだ!)」
 新天はしっかりと体勢を立て直してファーストへと投げる。
 シューーーバシン! アウト!!
淳和「ナイスバント!!」
武蔵「さあ、吉祥寺頼むぞ。」
 ツーアウトランナー二塁。ここでバッターは淳和さん。外野は一点を取られないために前進守備になっている。落ち着いて…落ち着いて!
 シュゴオオオ
淳和「(甘いよ! 落ち着いてないね!)」
 ギィイイン!!
亜弓「あっ!」
 打球はライト前へと飛んでいく。ライトの府中先輩が捕球してホームへと返す。
府中「らあ!」
 シューーー バシン!
 セカンドランナーはホームに突っ込んでこなかった。しかし…ツーアウトランナー一三塁。そして…ここで迎えるバッターは…。
ウグイス嬢「四番、ファースト、勝浦君。」
六実「勝浦さん。」
武蔵「ああ、確実にしとめてくる。」
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12.02
「おはよう。」
「今日も練習頑張ろうね!」
 私は楓と共に恭花さんのいる練習場へと向かっていった。アリスは少し遅れてくるみたいだけど…何かあったのかな?
「おはよう、アリスは?」
「今日は少し遅れてくるみたいだよ。でもあまり遅いと困るけどね…。」
「大丈夫だよ!!」
「アリス! いつの間に!?」
 恭花さんの練習している所に入ると同時にアリスがやってきていた。アリスと挨拶をして練習場所へと向かっていく。今日は体力をつけるためにランニングマシーンとかを使っていかないと。
「今日は、たくさん練習しないとね。」
「でも千代乃は無理しすぎないようにね。」
 私たちはたわいのない話をしながら練習場所へと入っていく。目の前には三人の女子が練習していた。あれ? どこか見たことあるような…。
「あ、千代乃。おはよう。」
「え、優衣さん!?」
「本当ね、おはようございます。でもどうしてここに?」
 何故かはわからないけど目の前にスノーフェアリーの優衣さんがいた。それだけではない。久美さんも香澄さんもいた。ランニングマシーンを使って練習している。でもどうしてこの場所にいるのだろうか。でも…一つわかることがあれば…ここにいることは練習しに来ているということ。
「それじゃあ隣で一緒に練習させてもらうわね。」
「あ、もちろんです。」
 私たちはランニングマシーンの上に立って起動させる。そして電源を入れて走り出す。体力は…しっかりとつけておかなければ。そしてスノーフェアリーの三人にしっかりと練習しているところを見せなければ。
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12.02
 私はマウンドで大きく深呼吸をして前を向く。バッターは九番バッターの下野からの打順。ここからどうやって抑えていけば良いのだろうか。いや、そんなものは決まっている。ストレートで押していかなければ…!
 シュゴオオオオ バシン!
 ストライクワン!
 ストレートが見事に決まる。疲れていても…投げていけばこのストレートで抑えることができる…!
下野「どうにかして一点取ればさらに楽になる。だから俺が決めるんだ!
 私は大きく振りかぶる。そして目の前のミットめがけて思いきり…!
 シュゴオオオオオ バシン!
 ストライクワン!
下野「(やはりやるな、球の勢いが全く衰えていない。)」
 ストライクはなんとか入る感じ。しかし構えている所にはなかなか投げにくい。だけど…思い切り投げれば!
下野「(甘い球なら対応ができるか…!)」
 シュゴオオオ ギィイン!
卜部「っと!」
 バシーン! アウト!!
 打球は卜部先輩の真正面。かなり厳しい状況ながらもしっかりと投げて抑えることが出来ている。仲間たちに助けられての試合。一人じゃない、皆が…。
上野「ドンマイだ。だけど捉えてきている。これならしっかりと塁に出ればまだ望みはあるな。」
下野「兄貴、頼むぜ。」
 ここで一番バッターに回ってきた。ここからかなり厄介になってくる。だけど…私は…まだ負けられない!
 シュゴオオオオ
友亀「(ど真ん中は厳しいぞ。)」
 ギィイイン
上野「っしゃああ!」
 打球はセンター前へと抜けていく。またヒットを打たれていく。なんとか…なんとかしないと。
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reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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