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10.31
「準備オッケー、忘れ物なし!」
 私はしっかりと荷物を確認して家を出る準備をした。クリスマス。少しの雪が降る中、私はライブ会場へと…。
「千代乃。」
 お母さんが私を呼んだ。そして家族みんなが目の前に立っていた。
「……頑張ってきなさい。」
「ありがとう…。後で見に来てね!」
「もちろん!」
「ふぅ…。いってきます!」
 私は元気良く家を飛び出した。集合場所はまずメンバーで秋葉原。そして集まったら皆で…!

「おはよう。」
「おっはよー。」
「皆同時みたいね。」
「だって宇宙からこの時間に行けば皆そろうって。」
「それが今回本当みたいね。」
 私たちは皆集まったところで笑顔を見せ合った。そして私がこぶしを前にだす。それに答えるように楓、恭花さん、アリスとこぶしを前にだした。
「ライブ、成功させるわよ!」
「おー!」
 私たちは周りの目を気にせずに声を掛け合った。それだけ今日のライブにかける思いは強かった。ここにいる人たち皆を…笑顔にさせてみせる!
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10.31
「お…手作りのだよな。」
「もちろん。食べてみて。」
 俺は箱を開けて中身を確認してみた。綺麗に形が整えられたチョコレート、見た目だけでも美味しそうな雰囲気が漂ってきた。俺は一つ手にとって口に入れる。甘い味と六道の思いが詰まった味が…伝わってくる。俺は食べているうちに自然と涙が出てくる。
「美味しい……うん、美味しいよ。」
「ありがとう…。でもなんで泣いているの?」
「こんなに俺のために思ってくれているのに…俺は何も答えられなくて。」
「……いいの。私はいつでも待っているよ。」
「俺はそんなに待たせて傷つけて…このままじゃ六道がまた…。」
 俺は下を向いて答えた。それを聞いて六道も下を見る。俺はいったい何をしてやればよいのだろうか。
「ゴメンな六道。俺のせいで。」
「いいの…。私は…ずっと待っているって言ったから。」
「そうか。」
 俺は六道の頭を優しく撫でた。俺にできることは…これしかないのかよ…。いつもこればかり。どうしちまったんだよ俺。
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10.31
 ギィイイン!
卜部「(逆つかれた!)ちくしょう!」
 卜部先輩は完全にセカンドベースへと向かおうとしていたため、打球に反応することができなかった。そしてライトへと打球が転がっていく。ランナーは走るかどうか見極めている。
府中「(させるか!)」
下野「(無理だ。突っ込んだらアウトだ。)」
 シューーー バシン!
新天「ナイスライト! 日高、ドンマイドンマイ!」
友亀「(変化球を狙われているのか? だとしたらマズいな。)」
 変化球を捉えられてピンチが広がっていく。そしてワンアウト一二塁と広がっていった。空気が重い。何か変な気分だ。次のバッターが入っていく。二番の安芸がバッターボックスに入った。
安芸「(サインはバント。下野、いけるなら本塁こいよ。)」
下野「(おっけ。)」
 私はセットポジションに入り、サインを見る。ストレート、私がこのチームに勝つにはこれしかない…!
 シュッ
安芸「(一発できまってくれ。)」
新天「(バント!)」
 コッ
 バントした打球はサード線上へと転がっていく。サードの新天が素手でつかみ、ファーストへと投げる。
 シュッ
下野「(勝負!)」
 ダッ
栗山「走った!」
 私はハッと振り返る。サードランナーがホームへと全力で走っていく。ボールは池之宮のいるファーストへ向かって…。
 バシン! アウト!
池之宮「させるかっ!」
 シュッ
友亀「なっ!?」
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10.30
下野「お願いします。」
 ワンアウトになってバッターは九番下野。ストレートも投げたいところだけど疲れも出てきている。サインにはしたがっていかないと。
友亀「(もう少し様子を見る。ストレートだ。)」
 友亀からのサインはストレート。ストレートで抑えていけばなんとかなるのかな。思いっきり投げれば…あのストレートみたいになれば。
 シュゴオオオ
下野「(ここだ。)」
 ザッ コンッ
友亀「サード!」
 セーフティーバントをしてきた。私はダッシュで捕りにいくがサードの新天がとりにいく。
新天「っら!」
 シューー バシン!
 セーフ!
下野「っぶねぇ。」
新天「ちっ。」
池之宮「ドンマイドンマイ!」
 セーフティーバントを決めてきた。さすがは六実さんのいるチームだ。そして一番バッターへと打順が戻っていく。この場面でどうやって抑えていくのかが重要になる。
上野「(ナイス弟。狙うなら…ヒットエンドランだな。)」
 バッターボックスに入り、バントの構えをする。さすがにここは送ってくるのだろうか。
友亀「(よし、落ち着いていくか。ここは変化球だ。)」
 友亀のサインが来る。スラーブ、これなら抑えられる。
 ダッ
 シュルルルル
友亀「(走ってきた。)」
上野「(ここだ!)」
 ザッ
 ここでバットを引いた!? ここでヒットエンドラン!?
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10.29
「ねえ、明日だねいよいよ。」
「私は準備おっけー!」
「気持ちの準備は出来ているよ。あとは体調を整えていこう。」
「私も宇宙から連絡来て頑張ってって!」
 私たちは帰りながらそれぞれの意気込みを語っている。いよいよ…明日なんだ。

 アイリング
「よし、アイリングの代表として頑張るよ!」
「私、ついてきてよかったよ!」
「ここからは全力を尽くして頑張らないとね。」
「最高のライブにしましょう。」

 スノーフェアリー
「それにしてもすごい人たちが増えてきたわね。」
「うん。私たちもまけてられないわね!」
「アイドルのトップとして恥ずかしくないライブをみせましょう。」

 ルナ
「明日かぁ…。トップバッターとして…頑張ろう!」

 成田真由美
「さてと…喉の調子おっけー、体調もオッケー。明日に向けて頑張ろう!」
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10.29
「はい学、チョコレート。」
「おお! ありがとう。」
「竜太郎、早く受け取りなさいよ。ちゃんと作ってきたのだから全部食べなさいよ。」
「ありがとう。ちゃんと全部食べるからよ。」
 生田と目黒、藤浪と磯見はそれぞれチョコレートを渡して祝っている。バレンタインデー、この日をいままでずっと楽しみに待っていたのだろう。だけど…この曖昧な気持ちでのバレンタインデーは何だろうか。嬉しさと悲しさの混じった…。この曖昧な気持ちが嫌で嫌で仕方が無かった。
「拓斗。……こっち来て?」
 六道は俺を呼んでいる。もう学校は終わっているから後は帰るだけ。六道は何処に呼ぶのだろうか。
「はい…チョコレート。」
 六道は外に出るとチョコレートの入った袋を渡してくれた。これはプレゼントだろうか。
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10.29
友亀「六回! しまっていくぞ!」
六実「お願いします。」
 六実さんがバッターボックスに入る。この回は八番からの打順。落ち着いていけば普通に抑えることができるはず。だから…ここは思い切りなげて!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
六実「(勢いはあるみたいね。でも…少し高かったかも。疲れてきているのかな?)」
友亀「(ここからが正念場だぞ、日高。)」
 一球を大事に落ち着いていけば大丈夫。ストレートを投げれば六実さんなら打たれることはない!
 シュゴオオオ バシン!
 ボールワン!
亜弓「ふぅ。」
 ここにきて構えた所に少しずついかなくなってきた。もう疲れがやってきているのだろうか。この後も抑えていかなきゃいけないのに…まだまだ私は!
 シュゴオオオ ギィン!
六実「くっ。」
 打球はファースト真正面。完全に甘い球だったけど振りに来てくれた。そのおかげでアウトを取れそうだ。
池之宮「よっと。」
 アウト!
 これでまずワンアウト。なんとかして抑えていかないと…。
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10.28
「よし、それじゃあいくよ!」
 私たちはラストを飾るスノーフェアリーのライブ練習を見ていた。それは他のどのアイドルよりも輝いて楽しそうで…すごいものだった。私にアイドルという世界を教えてくれたのはアイリング、そしてアイドルのトップというものを教えてくれたピュアプラチナ。こんなすごいメンバーと一緒にライブが出来るのは一生のうちにあるかないか…無い方のが現実的かもしれない。でも今私たちはここにいる。アイドルが好きだからここにいる。
「こんなの見せられると…私たちも頑張らないとね!」
「うん。私たちにできることは全て出し切ろうね。」
「メイド代表として、がんばります!」
 私たちはスノーフェアリーの歌とダンスを聞き続けた。それは…私たちがもっと頑張って欲しいと訴えかけているかのような。
「千代乃。私たちも頑張ろうね。」
「紅音さん。がんばりましょう…。」
 私は紅音さんと共に見続けた。本当にすごい世界が…これから待っている!
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10.28
「おお、拓斗」
「生田か。おはよう。」
 俺は学校に到着するといつものように席に座る。だが周りの雰囲気はちょっぴり違った。皆が盛り上がっている。おそらくバレンタインデーだからだろう。男子も女子もキャッキャと騒いでいる。そんな中、俺と六道はただ、周りに合わせてお話しているだけだった。六道が俺に渡すことは分かっているのだろうが、記憶が戻らないと…何か変な気がする。それに六道の笑いも苦笑いにしか見えなくなってきた。なんのために俺は…。
「おいおい、そんなしょげるなよ。」
「大丈夫だよ。お前にはしっかりした彼女がいるし、お前だっていつか思い出せるって。自信持てよ。」
 周りが励ましてくれる。だけどその励ましが俺の心には何か突き刺さっていくような痛みを感じた。どうして俺はこうなってしまったのだろうか。
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10.28
亜弓「由紀、ゴメン。」
由紀「大丈夫だよ。亜弓はこの後のピッチングに集中して。点は私たちが必ず返すから。」
亜弓「ありがとう。」
 私はすぐにグローブを持ってキャッチボールの準備をした。だけど…バッティングでも貢献したい気持ちがある。六実さんから打って自分自身を助けたい。なのにあの人はそれを全くさせないピッチングをしている。私はストレートで力押しをしているけど、六実さんは考えて投げている。その違いがモロに出てしまっている。この差は歴然としている。本当に勝てるのだろうか…。私たちは…負けてしまうのではないのだろうか。
 バシン! ストライクバッターアウト!
六実「よし!」
淳和「ナイスピッチング!」
亜弓「ふぅ…。よし。」
 私は大きく深呼吸してマウンドへと向かっていく。そしてゆっくりと体を動かして前を向く。六回まだ負けていないから分からない!
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10.27
 私たちは曲に合わせて歌い始める。精一杯…私たちの気持ちをみんなに伝えるために…。楓と恭花さんとアリス…この四人で…!
「すごいね…。」
「紅音、私たちも負けてられないわね。」
「アリス…ここまでのぼりつめてきたのね。そして皆すごいね。」
「私はこの後に歌うのね…すごいクオリティーの高さね。」
「ねえ久美。これからはピュアプラチナの人気もどんどん上がってきそうだね!」
「そうね。って香澄。踊っているんじゃないわよ。」
「だって! 優衣もそう思わない?」
「私もそう思うよ。聞いていて、そして見てみて最高のパフォーマンスを見せていると思うよ。」
 私たちの歌に皆が聞き入ってくれている。そして…大いに盛り上がってくれている。手拍子やファンのように声を掛け合っている人たちまでいる。この舞台で私たちはもっと…アイドルを!
 ジャーン
 曲が終わるとものすごい拍手が沸いた。それはアイドルの人たちやスタッフの人たち皆が楽しんでいる顔だった。これが…私たちの歌!
「すごいね! 完璧じゃない?」
「訂正する部分なんて…ないよね。このすごいライブを本番でも見せてあげたいよね。」
「うん…! 皆さん! ありがとうございます!」
 私たちは手を振った。そしてさらに会場が沸く。私たちのめざす世界がみえた…!
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10.27
 あれから一か月ほど過ぎていった。あの後、いろいろと試してみたが何一つとも思い出せることがなかった。そして今日はバレンタインデーだ。六道はもしかして俺のためにチョコレートを用意してくれているのだろうか。六道には申し訳ないことばかりしていた。だから…こういうときだけでもいいからあいつを幸せにさせてやりたい。そして…思い出せることは思い出したい。
「おはよう。」
「おはよう六道。今日はバレンタインだね。」
「うん! …作ってきたよ。」
「ありがとう。」
 俺はすぐに学校に行くために着替えを初めて会談を降りていく。いつものようにおはようと会話が続く。でも六道にとってみるといつものことではないように見えてしまう。それが俺の記憶を失う前と後の違いだ。もう…こんなのはゴメンだ。早く思い出してくれ…。でないと俺…壊れてしまう。
「拓斗、いこう。」
「あ、ああ。」
 俺は六道と手を繋いで歩き始める。六道の手は少しだけ暖かかったが、心の冷たさが俺の心にドッシリとのしかかってきた。もうそれだけでも辛くて…どこか逃げたしたくて。
「どうしたの拓斗?」
「いや、なんでもないよ。」
「そっか…。」
 俺と六道はゆっくりと歩き続ける。いつまでもこれが…いや、もう…。このままでは俺も六道も傷ついてばかりになってしまう。どうにか…どうにかしないと。
「そうそう拓斗。今日のチョコレートはね…手作りだよ。」
「おお。チョコレート作れるのか。」
「そりゃ…拓斗のためだから。」
 六道は嬉しそうに答えている。その笑顔が俺の心を癒してくれる。その少しの癒しだけでも…俺は求めている。でも…これはお互いに必死な所もあるのだろうか。いや、そうに違いない。もう…俺の考え方が狂ってきているのかな。
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10.27
友亀「しっかりとボールを見ていけ。」
亜弓「分かってます。」
 私は友亀の声を聞いてバッターボックスへと移動していく。目の前には六実さんが気持ちをあらわにして私を見つめている。
亜弓「お願いします…!」
 私はバッターボックスに入るとお辞儀をして構える。六実さんから不思議なオーラが見えている。いや、これはすごい人にしか見えないようなこのオーラ。やっぱり六実さんはすごい。
由紀「亜弓…。ボール良く見てね!」
 由紀からもボールを見るように指示をされた。球筋のクセが分かれば…由紀も打てるのかもしれない。やれることは何でもやってみせる!
六実「(悪いけど…!)」
 ザッ
対馬「(んなバカな。)」
 私はセーフティーの構えをする。これで少しだけでも揺さぶりをかけることができるなら…。
 シュゴオオオオ バシン!
 ボールワン!
六実「(球筋を見にきたわね。)」
 私は初球を見送った。だけど六実さんは笑っていた。これは自分の考えていた作戦が完全にばれてしまったようだった。こうなってしまったらストレートは投げてこない。せっめてものの全てカットはしなければ。
六実「(バレバレよ。そう簡単にやらせないわよ。)」
 六実さんはしっかりとサインを確認するとすぐに腕を振り上げる。次は何が来る。
 シューーーーグッ バシン!
 ボールツー!
対馬「(あれ? これ入ってないか。)」
 カットボール。ギリギリのコースに投げてきた。それだけ集中して投げてきているということだ。だから…私も集中してボールを見なければ…!
 シューーーーグッ バシン!
 ストライクワン!
 ググググッ バシン!
 ストライクツー!
 今度はシンキングファストボール、遅いサークルチェンジと投げてきた。他には…あと三種類あるはず。それをカットしていけば…あの球を投げてくれるはず!
 シュッ グググッ
 ギィン! ガシャン!
 ファールボール!
六実「(あてることはできるのね。ならこれは…!)」
 ググググッ ギィン!
 ファールボール!
 よし、これであとあの球しか投げられなくなった。ドロップ、あの落差のある変化球をもう一度…見せて!
六実「……。」
 六実さんが気合を入れて腕を振り上げる。手はしっかりと握っている。よし…変化球が来る…!
 シュッ シュゴオオオオ
亜弓「(内角高めに…ここか…。)」
 バシーーン!
 ストライクバッターアウト!
六実「っし!!」
 ま…まさかのストレート。一度見せた球をもう一度…ここで投げるなんて。いや、これは私の読み負けだ。
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10.26
「もう少しライトの明かりを白っぽくできますか?」
「了解!」
 紅音さんもしっかりと指示をしていた。そして…今回の新曲。すごい。さすがはアイリング、今人気急上昇中なだけある。そして…私をアイドルの世界に連れてってくれたのだから本当にすごい人たちだ。私はその期待に答えていかなければいけない。重圧かもしれないけどしっかりとやっていかなければ…!
「おっけーです! ありがとうございました!」
 アイリングが終わってこちらに戻ってくる。
「頑張ってね。千代乃。」
「ありがとうございます。すごかったです!」
 私は紅音さんとハイタッチする。そして続々と他のメンバーもタッチしてくれる。後ろでは楓や恭花、アリスがハイタッチをしていた。この四人で…頑張っていくんだ!
「それではピュアプラチナの皆さん、よろしくお願いします!」
「はい!」
 わたしたちは走ってステージの真ん中に移動した。こんなに広いなんて…。ここ全体に私たちの声とダンスが響いていく。最高のパフォーマンスを見せるために本番さながらでいこう!
「皆さん! こんばんは!」
 私が声をだすと待っている人たちやスタッフの人たちがこんばんはと返してくれた。私はそれを聴いて落ち着くことができた。
「ピュアプラチナです! 今日。この舞台に立てたことがすっごく…嬉しいです! そして…アイドルが大好きで大好きで…大好きなんです!!」
 私が訴えかけると大きな拍手が沸いた。…すごく嬉しい。ちゃんと私の思いを分かってくれるなんて。頑張ってみせる!
「それでは新曲です!」
 私たちはポーズをとる。そして…曲が流れるのを待つ。ここからが本番だ…!
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10.26
「じゃあ明日ね。」
「ああ。またな。」
 俺は六道と別れて家に帰った。家に帰るといつもの何気ない日常がやって来る。それでも…俺の心は傷ついたままだった。部屋に戻り荷物をまとめる。俺は…いったい何だったんだ。俺は六道を守るためにやってきたことじゃないのか。それが今では傷つけてばかりで俺まで心が痛んできている。一緒にいて楽しかった。少ししか思い出せない記憶でも分かることは分かる。あいつと一緒に過ごしてきたということがわかる。だけど…このままだと本当に気が狂ってしまいそうだ。
「拓斗、ご飯だよ。」
 お母さんが俺を呼ぶ。俺は立ち上がったが前に進もうとする力が出てこなかった。何のためにいままでやってきたのだろうか。俺は病人みたいなものなのだろうか。これが六道の感じていた辛いことと同じことなのだろうか。こんな辛い思いをずっとしてきたのだなって。俺はドアにゴンと頭をぶつける。
「ちくしょう。」
 辛い思いがあふれ出て涙が出てきた。六道にごめんなさいと謝りたい気持ち、そして自分の情けなさ。もうどうにかなってしまいそうだ。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
 妹が声をかけてくれる。俺は涙を拭きドアを開けた。支えてくれる人はいるんだ…だからその人たちのためにも、六道のためにも。
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10.25
六実「ふぅ……よし。」
対馬「五回! しまっていくぞ!」
 相手チームのキャッチャーが声をかけて気合を入れた。五回の裏、もうそろそろ点を取っていかないとこちらとしても気持ち的に不利になってくる。だから私が打たなければ…。
友亀「お願いします。」
 そんな中、友亀がバッターボックスに入った。この回からは友亀からの打順。相手も気を抜かず、思い切り投げてくるだろう。だから…友亀の配球の読みなら…!
友亀「(おおよそ何を投げるかは分かる。しかしあの球を投げられたらおしまいだ。その前に片付けなければ…!)」
 友亀さんはどっしりと構えている。どんな球にも食いついていくつもりだ。
対馬「(考えて打つタイプならこちらは力でねじ伏せにいこう。ドロップでしとめるぞ。)」
 サインに頷いた六実さんは足を上げて腕を思い切り振る。
 シュッ シュルルルル
友亀「(やはり力で勝負かよ!)」
 ブシィ バシン!
 ストライクワン!
亜弓「友亀! 球種は分かっているなら打てるよ!」
 私は声をかける。しかしそれでもあせりの顔を隠せずにいる…。あの変化球を捉えることが出来ないのだろうか。
 シュルルル バシン!
 ストライクツー!
 シュルルルル ブシィ バシン!
 ストライクバッターアウト!
友亀「くそっ!」
 友亀が三球三振。球が分かっていてもあれだけの変化球は捉えることが出来ない。あんなに見せているのに何故打てないのだろうか…本当にすごい投手。だけど…私は諦めない!
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10.24
「おっけーです!」
 ルナさんが声をかけて音響と照明チェックが終わった。かなりすごい出来だった。それに新曲、あんなに盛り上がるなんて…。やっぱり選ばれる人たちはすごい人ばかりだ。
「次、アイリングお願いしますー。」
「はい!」
 ルナさんの次はアイリングの出番がやってきた。それに伴って私たちも後ろに移動して控え室に入る。
「化粧は無しで着替えだけだっけ?」
「そうだよ。」
 私たちは更衣室に入るとすぐに衣装に着替え始める。私たちの出番はすぐにやってくる。緊張という暇すらない。いや、集中してやらなければ。
「よし…。皆着替えた?」
「おっけ!」
「大丈夫よ。」
「準備万端!」
「よし、いこう!」
 私たちは控え室を出るとすぐにステージ裏へと移動していった。そして丁度よくアイリングの曲が始まる。この新曲も…やっぱりすごい! 紅音さんの声が胸に響いてくる。あの時より確実に良い声になっている。そして…ダンスは?
「……!」
 あまりにもすごいダンスに私は感動した。皆が揃ってきて輝いて見えている。真正面から見たらどれだけすごいのだろうか…。楽しみで仕方が無いぐらい…すごい!

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10.24
「姫宮さん…?」
「あ…白羽根くんと…六道さん。」
「どうも……です。」
 俺は挨拶をした。しかし挨拶を終えると六道と姫宮さんはお互いに暗い顔へと変わっていった。俺…何か悪いことでもしたのかな。しかし姫宮さんが六道へと近づいていく。
「ごめん…私のせいで白羽根くんが…。」
 姫宮さんは頭を下げて六道に謝っている。いったい何をやったんだ? 六道にそんなひどいことをしていたか? いや、まてよ。さっきにの話が本当なら姫宮さんを助けようとしたときに頭を叩かれたって言ってたよな。となると…謝っているのはそれが理由ということか?
「いいの…姫宮さんの責任じゃないし…。」
「でも……。」
「ううん…拓斗が戻ってくれればそれでいいの…。何があっても私はずっと拓斗と一緒にいたいと思っている。」
 六道はずっと俺と一緒にいたいと言っている。すごく…嬉しくて嬉しくて、たまらない。だけど…そのためには俺も思い出していかなければならない。そうでないと…六道の心がボロボロになってしまう。そうならないように…俺は守ってやらなければならない。それが俺のやるべき大切なことだ。
「大丈夫です姫宮さん。必ず記憶を取り戻しますので…。これは自分自身の責任です。六道を悲しませるわけにはいきません。」
「……そうね。私もできる限りの手伝いをするから何かあったら言ってね。」
「わかりました。」
 俺は姫宮さんと挨拶をしてその場を去っていった。自分自身でも本当にこの話をするたびに辛い思いしか残らない。どうすれば…。
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10.24
亜弓「っしゃあ!」
由紀「ナイスピッチング!」
 私は三振を奪うとそのままマウンドを降りていく。由紀がダッシュで私の所に近づいてきてハイタッチしてくれた。ありがとう由紀…!
日下部「ナイスピッチング。打撃もあるだろ? 水分捕球して準備だ。」
亜弓「はいっ!」
 私はすぐにグローブを置いてバッティングする準備を始めた。この回の先頭バッターは友亀から。塁に出たのならバントも考えられる…。状況に応じて対応していかなければ…。

暁美「1対0で御影大松戸が勝っているけど…試合の流れ的にまだ分からないかな?」
桜「もうかなり松江学園が劣勢だよ。歩みが何処まで持つかもよるし、由紀がさっき六実の変化球を空振りした。」
桃音「一番打率のあるバッターがあの場面で三振すると精神的に大きいと思うッス。」
瑞華「この状況なら普通に考えて厳しいわね。」
暁美「でも…まだ分からないかもよ。」
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10.23
「それでは最初にルナさんお願いいたします。」
「わかりましたー。」
 ルナさんはステージの上に立って準備を始める。他のアイドルはそれぞれ聞く場所を変えていた。どこから聞いても良いようにするためだ。そして確認しなきゃいけないのはダンスや歌だけではない。ここまでくると光などの調整や照明の流れ、PAの設定などを個別にやっていかなければならない。だからこそここでもミスすることがないようにやっていかなければならない。その中のトップバッターでルナさんが出ることになった。この大きな期待とプレッシャーの中でどのようなパフォーマンスをするのか。それも気になってくる部分になる。
「それじゃあいきます!」
 ルナさんが声をかけると皆が手を挙げて準備完了の合図をする。私たちも手を挙げて準備完了の合図をとった。そして音楽が流れ始める。
「みなさーん! こんにちはー!」
 本番さながらの声をかける。あたかも目の前に観客が目の前にいるかのように声をかけると私たちもそれに合わせて拍手をする。
「それではいきましょー!」
 ルナさんが声をかけ、歌い始める。…さすがといった歌声だ。よく響く声でハキハキとしている。さらには私たちの心をひきつけるかのようにかわいらしい声を出してくれる。さすがはルナさん、メイドアイドルのトップというべき人だ。
「やっぱりすごいね。」
「うん。私たちの胸にガツンとやってくるよね。」
 私たちは鳥肌を立たせながら曲を聴いていた。照明も曲に合わせて動き、音もかなりよく出来ている。さらにサビの盛り上がり方がすごい。私たちまで声を出してしまいそうなぐらいの盛り上がり。私たちにこんなことができるのだろうか。いや、しなければいけない。私たちは全国にいるアイドル代表の一グループとして出ることになっているのだからその期待に応えていかなければならない。
 ジャーン
 そして曲が終わった。私たちは大きく拍手をする。アイドルの人たちと会場を準備している人以外はいないのにまるで会場全体が大きな拍手で包まれているかのような盛り上がりを見せてくれた。
「すみませんー! 照明の方ですがサビの部分、もう少しライトの点滅を速めてくださいー。PAさん、エコーを少しだけ強めにしてくださいー!」
 ルナさんはそれぞれの人たちに指示をしている。自分の歌を客に伝えるためにさらに良い方向へと変えていっている。私たちも自分たちにあった照明と音響を決めていかなければならない。もちろんパフォーマンスがそれに伴わなければまったく意味がない。だから…頑張っていかないと。
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10.23
「ごめんな…六道。」
 俺は六道に顔を向けることができなかった。その六道でさえも辛い思いでこちらを向いてくれなかった。もう…どうすれば良いんだよ。俺にはどうすることもできないのかよ…。
「ん…。一番好きだと言っていたやつだ。」
 おじいさんが少しの量ながら食べ物を用意してくれた。それは俺がいつも食べていたというご飯ものだった。そこにはおいしそうなハンバーグがおいてあった。
「これって…?」
「わかった。たぶん…拓斗がよく頼んでいたスペシャルセットのハンバーグだよ。味付けと食べたときに口にとろける所が好きだって言ってたよ。」
「そうだったのか…。わかった、食べてみる。」
 俺は口にハンバーグを近づけて口を開く。そして閉じると独特の味と、とろけるような舌触り。口いっぱいにおいしい味が広がっていく。これもどこかで…でも…思い出せる…のか?
「うまい…なんか懐かしいけど…。」
「……ダメ?」
 いや…何かまたやってきている…。少しずつだけど…。

 チュッ

 ん…キス? 何だ? 夕方に歩きながら…頬にキス? 俺は六道にキスされたのか? でもいったいどういった経緯で? 付き合っているときだよな…。なんだ?
「六道…電車の通り道でキスしてた?」
「…うん。たしか…生田と目黒の告白から帰っていく時だったと思うよ。」
「そんな時だったのか? ダメだ、キスするところだけしか思い出せない。だけど…心なしか暖かい、胸の中が。」
「だって…好きだから。」
 六道は照れながら下を向いていた。確かに…俺も六道のことが好きだ…好きで好きでしょうがない。だけど…何が原因で好きになったんだ? 一目惚れか? だとしてもどうやって接点を持っていったんだ。俺は…六道に何をしていたんだ…?
「まず俺は…何が原因で記憶を失ったのか…。俺はその時何をしていたのか…。」
「倒れた時はクリスマスのデートの時だったよ。それに…原因は前日に姫宮さんを助けようとしていた時に頭を叩かれたのが原因だと思うよ。」
「うーん…ダメだ…。もう少し考えてみたい…。」
 俺と六道はゆっくりと立ち上がっておじいさんの方を向いた。
「ありがとうございます。少しは思い出せたかもです。」
「そうか…すまないねぇ、力になれなくて。」
「大丈夫です。何かありましたらまた来ます。では…お金はこれで。」
 俺はお金を支払ってお店を出た。そしていつもの帰りの方向へと歩いていく。
「あれ? …六道に白羽根?」
 後ろから俺たちは声をかけられた。振り返るとそこには姫宮さんの姿があった。
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10.23
伊勢「ちくしょう。すまない。」
日向「いいよいいよ。相手の投球が勝ってきてるってことだ。」
 次は日向さんがバッターボックスに入った。このバッターならストレートで抑えることができる。でも気を抜いてはいけない。相手は三年生。しっかりと対策を練ってきているかもしれない。
友亀「(変化球はここはなしだ。ストレートで勝負する。)」
 友亀からサインが来る。ストレート勝負。もうサイン交換はしない。だったらテンポ良くストレートを投げ込んでいけば!
 シュゴーー
友亀「(なっ?)」
日向「(うわっ!)」
 ブシィ バシン!
 ストライクワン!
 ど真ん中に投げてしまったと思ったのが高めに入っていった。自分の想像を超えるストレートを投げることができた。ここ一番でこの投球ができるなら…!
 シュゴオオオ ブシィ バシン!
 ストライクツー!
亜弓「っし!」
日向「(なんだよこのストレート。)」
友亀「(捕るのも苦労するんだぞ。)」
 ストレートが思い切り投げることができる…。こんなに気持ちよく投げられるなんて…!
六実「すごいね…。」
 シュゴオオオ バシーン!
 ストライクバッターアウト!
日向「(手が出なかった…。)」
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10.22
「おはようございます。」
「おはよう。」
 私たちは本番前日のリハーサル練習に参加し始めた。場所はこのドームの中。何万人と観客が入るであろう大きな会場だった。私たちはいつもドームに入る場所とは全く違う所から入っていく。そして…。
「うわぁ……。」
「すごい! 大きい大きい!」
「私たちはここで歌うのね。」
「アリス、燃えてきたであります!」
 私たちはその会場の広さと綺麗に装飾されているのを見て驚いた。これは…すごいライブになることは間違いないだろう。そして…たくさんの人たちがここで見ることになる…。
「あ、千代乃!」
「紅音さん…!」
「いや、本当にすごい会場ね。」
 紅音さんとも挨拶をした。その紅音さんも驚いた顔で開場を見渡す。この開場には誰もが驚くに違いないだろう。私たちはステージの上が見える場所まで移動する。
「もう少しライトはこっちがいいかな! そうそう!」
 ステージの上はさらに派手で綺麗なクリスマス装飾がされていた。そしてステージの上には優衣さんがそれぞれのライトや音響のテストを行っていた。さすがはトップアイドルなだけある。そして…いよいよこれから私たちはたくさんのアイドルの前だけで新曲を発表することになる…!
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10.22
「いらっしゃい。」
「いつものコーヒーって分かりますか?」
「どした? なんか突然の質問で。わかるけど…。それと六道……ちゃん?」
「あ、私もいつもので…。」
「わかった…。何かあったのかい?」
「まあ…実は…その…。俺、記憶失って…。それで何か思い出せることがあるかなってここに来たのですよ。」
 するとお爺さんは何か用意し始めた。コーヒーと共に料理をし始める。もしかして料理でも俺の大好きだったものを出してくれるのだろうか…。だとしたら思い出せることはまた増えてくるかもしれない…。もしくは思い出せないかもしれない。いや、思いださなきゃいけないんだ。
「おまたせ。」
 おじいさんは俺のテーブルの前にコーヒーを用意してくれた。そして俺はいつものように砂糖とミルクを入れ始める。
「その分量は私からみてもいつもの感じだね。」
「そうか? まあ砂糖とミルクは入れる派だからな。」
 俺は口に近づけて飲み始める。美味しい…しかもどこか懐かしいような…俺は…飲んだことあるのか…?
「………?」
「どうしたの拓斗。」
 なんだ…頭からまた…。

『拓斗は私の大切な彼氏だから! 一番失いたくない存在だから!』

「……ここでモカブレンドを頼んで…六道と飲んで。その後学校が見えた。」
「うん…。それで?」
「六道が泣きながら…生徒に訴えかけていた。俺が…一番失いたくない存在…って。」
「うん、あの時は一緒にイギリスに行くって言ってた時だよ。学校の生徒がコミケの時に私たちが問題になったことを問いかけてきた時なの。私はもし最優秀賞を取れなかったら引退するって…。」
「そうだったのか…。ダメだ、これだけしか思い出せない…。」
 それを言うと六道の口を閉じた。そして寂しそうな顔へと変わっていく。少ししか思い出せないなんて…何なんだ俺は…。
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10.22
茜「エヴリン?」
「ロシアからの留学生だよ。今日から野球部に入ることになったから。」
茜「そうなのね。ポジションは?」
エヴリン「私は、ピッチャーデス。」
「これからは…二人がダブルエースだ。二人の力を合わせて甲子園に是非つれてって欲しい。」
茜「エヴリン…。」
エヴリン「ヨロシクお願いシマス。茜さん。」
茜「……うん。よろしくね。甲子園…行こうね!」

 バシーン ストライクワン!
伊勢「(やはりこのストレートは厳しいな。)」
 ストレートが低めに決まる。だけれども…いつもの意識よりも低めに投げないと良い所に投げることができない。いままで低めだと思っていた場所が真ん中へと入っていく。それだけノビがよくなったのかもしれないけど…。それならそれに対応した投球をしなければ。
友亀「(変化球は狙われているな。ボール球になることを予測して投げるのがベストか。)」
 友亀からのサインが返って来る。変化球をボール球になるように。スラーブを外に…!
 グググッ
伊勢「(これか!?)」
 ギィン!
 ファールボール!
伊勢「(ボール球だったか。やはり良い球投げるな。)」
友亀「(カットするか。まあこれでいいか。ストレートで抑えていけば…!)」
 サインはストレート。追い込んでからのストレートなら…もう打たれることなんて無い…!
 シュゴオオオ ブシィ バシン!
 ストライクバッターアウト!
亜弓「っし!」
 唸りを上げてストレートがミットに収まった。このストレートなら…もう一度勝浦さんと当たっても大丈夫…! 三振を取れる…!
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10.21
「ピュアプラチナの代表、千代乃です。こんな大きなイベントに呼んでくれまして、ありがとうございます。私たちは今年始めたばかりのアイドルグループですが…。アイドルの情熱は誰よりもあります。だから…これからも最高の舞台を作っていこうと思います。皆さん、宜しくお願いします。」
 私が挨拶をすると楓や恭花さん、アリスがお辞儀した。そして拍手で迎え入れられる。私たちは…この中で多くの仲間たちと共にライブをする…!
「成田真由美です。宜しくお願いします。私は今年からソロ活動としてやっていくことになりましたが…。」
 真由美さんたちが挨拶をしていく。その後も個性的なアイドルやさっき言っていたティアラのメンバーの人たちも挨拶していた。そして…最後にスノーフェアリーの順番になった。
「こんにちは。スノーフェアリーの優衣です。皆さん、こうやって多くのアイドルたちと交流できる機会はそう多くありません。ここで皆さんの気持ちを一つにして、最高のライブにしましょう!」
 優衣さんの挨拶が終わると大きな拍手が沸いた。さすが一番のアイドルなだけあってすごく皆から慕われている。そして…これからこの人たちと楽しいライブをする。
「それでは…優衣さん。皆さんで声を掛け合いましょう。」
「はい。」
 その声で皆が立ち上がる。私も立ち上がった。
「皆さん、最高のライブにしましょう!」
「おー!!」
 私たちは元気良く声を出した。一週間後、いよいよライブ本番がやって来る!
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10.21
「それじゃあとりあえず今日は帰ろう。」
 弁当を食べ終えた俺たちはそのまま帰宅することになった。午前中だけだったからこのままの帰宅だ。しかし…俺はまだまだやるべきことがある。思い出せるようにこれから六道と一緒に出掛ける。行ったことある場所など、記憶を取り戻すために。
「六道。最初に何処へ行くんだ?」
「そうだね…最初は商店街に行こうと思うよ。よく私たちが一緒に行った場所だから。」
「そうなのか。デートでもよく行っていたのか。」
 俺は初耳だった。思い出そうとしてもそんなことしていたかさえ分からない。だとしても思い出さなきゃいけない。六道のために…皆のために。
「ねえ、何処に良く行ってたか分かる?」
「うーん、やっぱり思い出せない。だけど…どこにどの店があったかは覚えているんだ。」
 俺は歩きながら六道に説明した。でも…たしかに思い出せないんだ。もしかすると…食べ物を食べれば分かることがあるかもしれない。
「なあ六道。一番行ってた店って何だ?」
「えっと…喫茶店には行ってたね。コーヒーが好きだから。」
「ああ、あの店か。そんなに行っていたのか。それじゃあ六道。今日はその店で少しコーヒーを飲んで帰らないか?」
「……あ、いいね。うん。いいかもしれない。」
 六道は少しだけ希望に満ちた顔でうんうんと頷いて答えた。俺はそうこなくちゃと思い、歩き始めた。ここで思い出すことが出来れば、大きく一歩前進できるかもしれない。だけどそのためには一つ疑問点があった。もしかするとコーヒーにこだわりがあった場合、それを間違えずに選べるかどうかだ…。それが間違っていれば全く意味がない。だから間違えないようにしなければ。
「たしか…ここだよな。」
「うん。やっぱりいつもの道だから場所は覚えているのだね。」
「ああ。それじゃあ行こうか。」
 俺は六道と共にお店の中に入るお店の店主らしきおじさんは俺ににこっと笑っていらっしゃいと答えてくれた。そして六道はいつも座っていた場所へと誘導してくれる。そして俺はその隣にゆっくりと座った。
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10.21
亜弓「由紀…。」
由紀「ごめん、亜弓。でも…次は打てるよ。」
亜弓「うん、由紀ならできるよ!」
 私は由紀とハイタッチをして気合を入れなおした。まだ皆の目は戦いの気持ちが混みあがっている。大丈夫、私たちならこの状況を打破できる…同点、逆転することが出来る!
淳和「ナイスピッチング。」
六実「ありがとう。でも厳しいよ。これだけのメンバーがいるのだから投げるのにも一苦労だよ。」
武蔵「けどそんな中投げてきたのだから誇りを持っていいぞ。それにまだ試合は終わっていないからな。この後も頼むぞ。」
 私はマウンドから投球練習をしながら周りを見た。気合を入れて守っている。焦りを見せている人なんて全くいない。由紀も元気良く声をかけて守っている。これなら次に期待できる…!
友亀「しまっていくぞ!」
 五回の表、この回からは対馬から。そして伊勢、日向と続いていく。五番からでも十分なほどの重量打線。しっかりと攻めて行きたい所になってくる。だけど私も打たれるわけにはいかない。チームのために…全力でなげて抑えてみせなければ…!
 シュゴオオオ バシン!
 ストライクワン!
対馬「(先輩の言った通りだ。さっきよりストレートが伸びてくる。それに当てれば富んでいくなんて考えないほうが良いかもしれない。相当な威力もある。思い切り振りぬかないと外野までは持っていけない!)」
 シューーー
対馬「(カットボール!)」
 グッ ギィン!
 打球はファーストの頭上を襲う。ファーストの池之宮は大きくジャンプした。
池之宮「っら!」
 バシン! ドスン
 アウトー!
対馬「(でけーんだよあのファースト!)」
卜部「ナイス池之宮!」
亜弓「ナイスキャッチ!」
 池之宮は無言でボールを返してくれた。しかし顔には嬉しそうな表情が見えていた。やっぱりファインプレーをすると笑顔がこぼれるよね…。
伊勢「変化球なら合わせられそうだな。」
対馬「はい。ですがそれを逃したら…。」
伊勢「わかっている。」

 南北海道 純涼高校にて
初宿 茜(はつやど あかね)「すごいね…甲子園って。早く行ってみたいなあ。」
「おーい、初宿。お客さんだよ。」
茜「あ、はーい。」
 ドッドッド
茜「ん? これは?」
「今日から野球部に入る…。」
エヴリン「わたし、エヴリン・ブルースター。これからヨロシクね。」
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10.21


キャラクター紹介 
名前 エヴリン・ブルースター 高校一年生
誕生日 4月2日
身長167cm
左投げ右打ち
純涼高校 南北海道

ロシアから来た留学生の女の子。真面目な性格で馬が好き。馬のキーホルダーを持っていたり、ロシアの実家に馬を持つほど好きである。会話が苦手な部分があるが、なんとか伝えようと頑張っている。仲の良い友達とは上手く話せる。やや苦笑いが多く、苦労人でもあるが本当の笑顔は最高。野球としては速い速球もあれば魔球ナックルを投げる女の子。


7zu7さんに描いていただきました!ありがとうございます!
7zu7さんのpixiv
7zu7さんのツイッター
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10.20
「それでは全員集まりましたね。皆さんこんにちは。」
 クリスマスライブに出る人たちが皆揃うと企画者らしき人が声をかける。私たちはそれぞれの椅子に座って話を聞き始める。今回のライブは生中継、そして多くの人たちが目の前で応援、そして見てくれている。もちろん家族も誘われる。だから…最高のパフォーマンスを見せるのが私たちのやることだ。
「それでは皆さん、挨拶していきましょう。まずはトップバッターのルナ様から。」
「はーい!」
 私たちは自己紹介することになった。まず始めにルナさんの自己紹介が始まる。落ち着いていながらも面白いお話をしてくれる。誰もが絡みやすい人に思えた。
「それでは…アイリング様。」
「はい。アイリング、リーダーの紅音です。」
 今度はアイリングの名前が呼ばれた。そして紅音さんが答える。これだけの人たちがいる中で堂々と挨拶をしている。さすが多くのライブを経験してきただけある。私もこんな風に挨拶ができたら…。
「次はピュアプラチナ様。」
「はい。」
 私はしっかりと返事を返して立ち上がった。私のこれまでやってきたこと、全てをぶつける舞台が一つ、出来上がった…!
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reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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