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02.28
暁美「なんだか…いつもの気持ちでいくと遊びって感覚っす。けどデートって意識すると…すみません。なんか昔の言葉遣いのクセが…。」
小見川「いいよいいよ。」
 けっこう男口調な感じだな。まあ、いままで男子たちと野球してきたって言うから納得できる部分はあるが。とりあえず、八幡が楽しめるようなことを考えなければ。というかさっきから八幡はメモをチラチラと見ているが一体なんだろうか。
暁美「ええとですね…その一…。」
小見川「その一まで読んでるぞ。」
暁美「うわぉ! すみません! えっと、下の名前で呼んでください!!」
小見川「うわズバッと言った!」
 したの名前って…暁美って呼ぶのか? まあそれぐらいなら。
小見川「…暁美。」
暁美「おおぅ、なんだか新鮮だ。じゃあうちも…直幸さん。」
 おお、かわいい。いつもの男っぽさから一変した。可愛らしい一面もあってやっぱり女の子だってわかるなぁ。まあ失礼なこと考えている気がするが。
暁美「えへへっ。それじゃあ!」
 そういって暁美は俺の左手を握ってきた。これって手をつなぐってやつか?
暁美「いいですか?」
小見川「かまわないよ。」
暁美「っしゃあ!」
 ガッツポーズまで。そういうところは変わらないのだな…。やっぱり暁美はこういうのが似合っているのかもしれない。
暁美「それと…もう一ついいですか?」
小見川「おう、なんでも言ってくれ。」
暁美「じゃあ…野球やらない日があるとちょっと気分が変になるので…バッティングセンターだけ寄らせてください。いつもやっているので。」
 さすがは野球大好きっこだ。

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02.28
「お前無光闇無だろ? ジャンルを迷走して問題になってる張本人。」
「お前せいで俺たちの学校まで晒されているんだぞ? どう責任とってくれるんだよ」
 何でこいつらが撫子を叩くんだよ。問題起こしたといっても世間の荒らしたちが、ただ嫌なだけで晒してるだけだろ? 撫子には撫子なりの考えがあるって言うのに…。
「お前らまで何だよ! 叩いて楽しいのか!?」
 生田が怒りで声を震わせて言う。しかしそれにたいして舌打ちをするものや、机を蹴って怒っている奴もいる。何で生田達まで被害受けているんだよ。
「目黒って六道の絵仲間で、助けているんでしょ? 世間の意見の方が正しいのに何で六道の味方をするの? 無光闇無厨は怖いねー。」
 今度は目黒まで。何でこんなことになってるんだよ。これじゃあ数の暴力じゃねぇか。何で撫子たちだけがこんな目にあわなきゃいけないんだよ。
「いい加減別れて絵に集中したら?」
「別れないならこっちもそれなりの対応するからな。」
「あんたたちどうしたの!?」
 藤浪まで怒り出した。しかし今度は叩きの矛先が藤浪たちにもやって来た。
「お前らもこいつの味方するのか? ってかお前らなんで中途半端な付き合いしてるんだよ。」
「別に誰がどういう風に付き合ったっていいじゃない!!」
 クラス内はもう全てが喧嘩状態だ。撫子は俺の左手を思い切りギュッと握って震えている。頭も俺の背中に寄せて…。おそらく泣いているだろう。俺の彼女を泣かす奴なんて…許せない…!
「ふざけんなお前ら!!!」
 俺は思いっきり大きな声で叫んだ。その一声で一瞬クラスが静まりかえった。

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02.28
芦毛「ナイスキャッチ!」
由紀「えへへ! やりました!」
 由紀が笑顔でチームメイトに迎えられている。由紀は何をしていてもムードが良くなるなぁ。
府中「さて、あのピッチャーを打ち崩すために作戦考えるか。」
 バシーーン!!
早田「ナイスボール!!!」
萩「(俺だって良い立ち上がりを見せてやる!)」
 さすが決勝まで投げきっただけの実力はある。スリークォーターの投球フォームから140キロ台のストレート、スライダーにパームを持っていて、今年、落ちるカーブを取得している。来年のドラフト候補にもなっている。でも…攻めるならまず最初だ。あきらかに立ち上がり1・2回までは確実に点が取られている。それまでに点を取らないと波に乗られてしまう。なら最初に大量得点をとっていきたい!
ウグイス嬢「一番、セカンド、卜部くん。」
卜部「しゃあっす!」
 卜部先輩がバッターボックスに入った。この初回の立ち上がりはどんな投球を見せてくれるのだろうか。
 シュッ
 卜部先輩がセーフティーの構えをする。
 シュゴオオオ バシーン!
 ストライクワン!
卜部「(序盤なのにいい球投げるじゃないか。)」
 卜部先輩はバットを引いてボールを見た。ビデオで見ていた球よりいい球がきている。相手も絶好調らしい。ここにきて調子のピークを迎えるとは…厳しい相手になりそう。
 シュッ ググググッ
 バシーン!
 ボールワン!
 キレのあるスライダーが外に外れた。卜部先輩もなんとか踏みとどまって抑えた様子だった。
 シュッ
卜部「ちっ。」
 ググググッ ギィン!!
 たてに落ちるカーブに手を出してしまって弱いサードゴロ。いくら足が速くてもこれは間に合わなさそうだ。
 バシン! アウトー!!

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02.27
「おはよう。」
 俺は教室に入ると、すぐに挨拶した。しかし、誰も挨拶を返してくれる人はいなかった。無言で俺と撫子を見てくる。俺たち何か悪いことでもしたのか?
「おはよーって何この空気。」
「どしたの?」
 教室に生田と目黒が入ってきた。そして周りの目は生田と目黒にも鋭い目つきをみせてきた。生田のグループ男子はこちらに嫌な目を向けていないが…すごく嫌な予感がする。
「うわー、いきなりどうしちゃったの撫子。って…。」
「うーっす。………もしかしてヤバイ状況?」
 藤浪と磯見が入ってきた。二人は俺たちに嫌な態度はとっていない。しかし、二人に対してもクラスの皆が視線をあわせる。そして一人の男がたった。
「なあ、これを見てどういう状況かわかっているか?」
「何って…いきなりにらみつけられてもなんだか…。」
「いままでの行動で何か思い当たるところはないのか?」
 いままで思い当たること? たしかに一度、学校で問題を起こしたことはある。でもそれは藤浪と磯見の問題だから今は関係ないはず…。じゃあ何だ?
「ならこれを見てみろよ。」
 そういって出されたのはなにやらパソコンのページをコピーされたようなページだった。そこに映し出されていたのは俺と撫子の写真だった。
「どういうことだこれ?」
「学校まで晒されそうになっているんだぞ!?」
 クラスの皆が血相を変えて俺たちに言葉の暴力をふるってくる。撫子は俺の右手を強く握っては頭を背中に押し付けている。だからなんで撫子がいつもこんな目にあわなければいけないんだよ!

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02.27
 次は二番の梅岡。今大会ではバントがめちゃくちゃうまいという評判で有名だ。しかし今はランナーなし。バッティングとしてはどうなのだろうか。
梅岡「(絶好調で芦毛か。攻めるのは難しそうだな。しかしボールさえしっかり見れば!)」
 シュゴオオオ ギィン! ガシャン!
 ファールボール!
府中「(初球から当ててくるか。)」
 さすがは決勝で戦う相手なだけある。だれもが打てるバッターで、そして点がどこでもとれる。これ以上に怖いものはない。だけど、こっちも絶好調の芦毛先輩がいればそう簡単に点が入ることはない。
 シュゴオオ バシーン!
 ストライクツー!
梅岡「(アレはいるか!?)」
府中「(よし、これは大きい!)」
 追い込んだ。一球一球手に汗握る試合になっている。始まったばかりだというのに…なんて大きなプレッシャーなのだろうか。
 シュルルル ブシィ バシーン!
 ストライクバッターアウト!
梅岡「ちっ。」
芦毛「っしゃあ!」
 スクリューで空振り三振をとった。二番バッターを抑えてボールが内野に回される。そしてピッチャーにいきわたると味方スタンドから大きな拍手がおこる。そして次のバッターが左打席に入った。けっこう身長が高い。あれは…三番の富坂だ。
富坂「お前が二番だってな。そんなに下の奴らはすごいのか。」
府中「まあ俺がいられないぐらいな。」
富坂「そうかい…。なら俺も一発入れてみるか。」
府中「できるならな。」
 バッターは楽しそうに構えている。決勝で試合ができることがとても嬉しいのだろう。そしてキャッチャーの府中先輩も楽しんでいる。…何かあったのだろうか。
芦毛「(お前が一緒のチームだったらな。でも…敵なら敵で倒しがいがある!!)」
 シュルルル
富坂「(お得意のスクリューか!)」
 ギィイイン!
 いきなり当ててきた! でも打球はサードとレフト方面へのかなり強い当たりのファールボールになりそうだ。
由紀「よっしゃあ!!」
府中「いけるか!?」
 由紀が猛ダッシュでボールの落下点へと走っていく。いつのまにそこに!? 初めからわかっていて守備位置を取っていたのか? それとも反応の速さと足の速さがあるからか?
 ダッ
 バシン! ズザザザザ 飛びつくと同時にグローブにボールがおさまっている。落としていないだろうか。
由紀「イェーイ!!」
 アウトーー!!
亜弓「ナイスプレー!!!」
 とっていた。すぐさま左手を上げてアピールしていた。それも笑顔で。もっと大きなプレイが出てきた。これならこのまま波にのって点を取ってくれるだろう。

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02.26
 朝、俺は八幡の家の前であくびをしながら待っていた。朝9時、なかなか眠れなかった俺には早朝に思えた。八幡は一体いつ頃やってくるのだろうか。
暁美「お待たせでっす!」
 そういって八幡が出てきた。俺はまず八幡の姿をみてぽかーんとしてしまった。そして俺は指を指していう。
小見川「これ、私服か?」
暁美「はいっ!」
 そこそこ使い込んだジーパンに運動に適した上着、そしてバッグもスポーツバッグと来た。これは…なんといえばいいか…。
小見川「おしゃれってわかるか?」
暁美「ま、まあ…。」
 そういって八幡は目を逸らしている。やっぱり何も知らないな。
暁美「でも、着れるものがこれしかなかったっす。」
小見川「そういうことか…しゃーない、俺が服買ってやるよ。」
暁美「いやいや、そんな迷惑なこと…。」
小見川「いいよいいよ、きにするな。」
 というが、実際デートであんな格好は普通しないぞ? どっか公園でキャッチボールや適度な運動するのが目的なのか?
暁美「ありがとうっす。」
 そういって八幡はテレながら下を向いた。まあこの身長じゃなかなか女物って売ってないからな。どこに行けばあるか…。まあジーパンがあるだけマシだし、あとは上着やバッグを買ってあげればいいのか。
暁美「歩きましょう!」
小見川「ああ。」
 そういって俺と八幡は歩き始めたいよいよデートが始まった。

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02.26
 俺はすぐさま朝ご飯を食べ終えて、学校に向かうため家を出た。
「そうだ、ねえ拓斗。」
「なんだ?」
 靴を整えているところに撫子が話しかけてきた。俺は紐を結びながら話しを聞くことにした。
「明日って美術あったよね。たしか工芸品を作るはず。」
「どんなものを作るのだろう。自由? 指定されてるのかな。」
「そこはやってみないとわからないね。」
 そして俺と撫子は歩き始めた。しかし撫子が少しペースを落としている。一体何があったのだろうか。
「どうした撫子、具合でも悪いのか?」
 すると撫子は俺に軽く飛びつくように顔を近づけてきた。そして…。
「ん。」
「!?」
 暖かい唇が俺の口に当たる。ドキドキとした胸の鼓動が一気に押し寄せ、撫子の鼓動も俺の胸に響いていた。そして撫子は俺の手を握って笑った。
「勇気…出せたよ。」
「…ああ。」
 俺はまたテレながら手をつなぎ歩き始めた。こんな日々がいつも続いていくと嬉しいな。いや、撫子となら死ぬまで一生一緒にいられそう。
「撫子、ずっと一緒にいような。」
「うん。」
 撫子は嬉しそうにうなずいてくれた。俺も自然と嬉しくなってきた。

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02.26
 先攻 東光大付属越谷高校
一番 ショート 山下 3年
二番 セカンド 梅岡 3年
三番 ファースト 富坂 庄司 3年
四番 センター 近沢 秀喜 3年
五番 キャッチャー 早田 泰斗 2年
六番 ピッチャー 萩 清和 2年
七番 ライト 木村 3年
八番 レフト 青野 3年
九番 サード 古木 3年

 後攻 松江学園高校
一番 セカンド 卜部
二番 キャッチャー 府中
三番 センター 海鳳
四番 ファースト 池之宮
五番 サード 新天
六番 レフト 羽葉
七番 ライト 中山
八番 ピッチャー 芦毛
九番 ショート 栗山

山下「ほう。」
府中「ナイスボール!!」
 初球は137キロのストレート。芦毛先輩は今日も調子が良いみたいだ。でもやはり決勝となるとまた別のプレッシャーが迫ってくる。
 シュゴオオオ バシューーン! ボールワン!
 でも芦毛先輩も府中先輩も落ち着いている。三年生の経験から生まれたものなのだろうか。
萩「いい球投げるっすね。」
近沢「春はあの投手に負けているからな。夏はもっとパワーアップしてやがる!」
 シュルルルル ブン! バシン!
 ストライクツー!
海鳳「しゃああ! スクリュー決まってるよ!!」
 スクリューもキレが良く、手元で曲がっている。最後は何でしめるのだろうか。
 グググッ
 バシン!
 ボールツー!
府中「惜しい、惜しいよ!」
山下「(まともに打てる球がなかなか来ないな。手は出していくか。)」
 シューーーー ギィン!
栗山「よっしゃ任せろ!」
 打球はそこそこ強いあたりでショートへ。栗山先輩はガッチリと捕球してゆっくり投げた。
 バシン! アウトー!
池之宮「ナイスピッチ!」
新天「ナイスショートです!」
 これでワンアウト。最初は順調な滑り出しができた。でも試合は始まったばかり。これからどんどん強打者が出てくる。それをどうやって抑えていくのだろうか。

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02.25
暁美「お疲れ様でしたー!」
 俺と八幡は練習を終えたあとまたあの道に二人で帰っていった。
小見川「なあ、八幡はどんなところ行きたいんだ?」
暁美「初日はなるべく近くが…なれてませんし。」
小見川「そうだな…。じゃあ近くでいろんな場所をめぐるデートでもするか。」
暁美「はいっ!!」
 そういって俺と八幡はまたさようならをしてそれぞれの家に分かれていった。明日と明後日で八幡とデートか…大学生と高校生がデートって犯罪のにおいがプンプンするが俺は全くそんな気はない。むしろ純粋な女の子にそんな手を出すなんてできない。さて…どんなデートになるのだろうか。
小見川「ふぃー。」
 俺はご飯を食べたあとまた温泉につかっていた。上を見上げると今日も星が綺麗に輝いていた。こんなに綺麗に星が見えるところが東京にあるのだろうか。田舎に行けば可能性はあるか。
 バコン バコン!
 下からなにやら壁に当てる音が聞こえる。下をちらっと覗くと八幡が壁に向かってボールを投げていた。どうやら思いっきりではなく、フォームチェックのために投げているみたいだった。やっぱり努力は裏切らないというのはこういうことか。野球に関しては本当に熱心なんだな。でも…そんな女の子がデート出来るのだろうか。まあ俺がなんとかエスコートしなければならないな。

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02.25
「ねむ…。」
 これから毎日この時間に起きるのか。学校が始まると、いつも朝早くに起きなければいけないのが辛い。日本は時間に厳しいからな。畜生、目がしっかり開けられなくてヤバい。
「拓斗、おはよう。」
「おはよー。」
 でもなぜか撫子が来ると目が覚める。科学的な根拠は多分全くないと思うけど、心理的な問題だろう。撫子のことが好きでいると自然に目が覚めてしまう、もう条件反射のようになっているな。
「今日から授業だけどさ、夏休みぼけがありそうでちょい怖いが。」
「まあ仕方ないよ。私だってちょっと心配だけどね。最初の授業ならきっとお話して終わりになるんじゃない?」
「そうだな。そう思っておこう。」
 そういって俺は布団から起き上がって布団をたたんだ。そして制服を取り出して着替えようとしてロッカーを開けた。
「そんで、何故いつの間に撫子が部屋の中にいるのだ?」
「ダメだった?」
「悪くはないけど…寝ぼけて驚きすらできなかったよ。なんかもう俺の家にいることが自然になってきたな。」
「えへへ。」
 そういって撫子は俺の背中から抱きついてきた。
「………だーいすき。」
「ありがとう。」
 俺はそのまま何もせずにぬくもりの中へと…。
「寝ちゃった? 学校だよー!!!」
「びっくりした! 耳元でいきなり言われるとさすがに怖いぞ。それとこれから着替えるからそろそろ部屋から…。」
「わかったー。」

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02.25
府中「いくぞ!」
皆「しゃあああ!!」
 大きな声で挨拶をしてベンチから飛び出した。大きな拍手と共に両チームが整列する。目の前にはこれから戦う敵たちが。絶対に勝ってみせる!
審判「礼!」
皆「しゃあああっす!」
瞳「いよいよここまで来たね。」
真希「すごいよね、決勝なんて。」
千恵美「甲子園か、引退か…ね。」
恵美「三由先輩や美琴先輩も最後の高校野球だからねぇ。」
美琴「私より三由の方がプレッシャーあると思うよ。」

三由「うへ、男いっぱい。うへ。」
真希「ベンチから出てるのが三由先輩だとしたら…そんなことはなさそうですね。」
優衣「真希ちゃん、瞳ちゃん!」
瞳「優衣に香澄に久美。」
香澄「頑張ってもらわないとね。」
久美「テレビに出るチャンス。」
優衣「本音は亜弓と由紀に頑張って欲しいのだけどね。」
萌「私の方が亜弓を応援する気持ちは強いのに…。」
美和「ついにデレたわね。」
萌「ちがうっ!!」
美和「ふふふっ。」
涼香「どう、体の調子は。」
綾「どうもです。この通り、ビッシリ動きますよ!!」
涼香「そうね…あとは試合で怪我さえなければ最高ね。」
可奈「今日も来ちゃったね。」
レナ「そりゃあ面白そうな試合だものネ。」
佐奈「…さすが決勝だね。」
真菜「お酒の酔いはもう無い?」
佐奈「弱いからね…ちょっと残ってる。」

 挨拶が終わって守備位置に付いた。私たちは後攻で先に守備についた。これから試合が始まる。
三由「府中! 頑張ってね!」
府中「ああ!」
 大きな一声とともに投球練習が始まった。
 バシーン!
 今日の調子はとてもよいみたいだ。あと1分以内に試合が始まる。私まで緊張してきた。ベンチにいる間は大きな声で応援しよう!
府中「一回!! しまっていくぞ!!」
皆「しゃあああ!!」
ウグイス嬢「一番、ショート、山下くん。」
 一番バッターがバッターボックスに入った。そして審判のプレイがかかると府中先輩が振りかぶって投げた。
 シュゴオオオ バシーーーン!!
 ストライクワン!!!!

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02.24
 キィイイイン!!
小見川「うわーーー。やっぱり山茶花はすごいな。」
 朝起きてすぐに学校に行くとバッティング練習をしていた。山茶花は評判どおり、広角に強い打球を打っている。流しで柵越えもあってよほどのパワーとミートがあるのだろうと予測した。そして…。
 ギィイイン!
 八幡もすごい。体格に恥じない打球と力強さを感じられる。ピッチャーとしてすごいのは当たり前だが、バッティングも超一流だ。これはプロ野球に入っても打てる投手として活躍してくれそうだ。
暁美「あ、小見川さん!」
 そういってバッティング練習を終えた八幡がこっちに走ってきた。そしてヘルメットを取って挨拶してきた。
暁美「昨日はどうもです。」
小見川「いえいえ。こちらこそありがとう。バッティングもすごいな。」
暁美「いや、桜先輩と比べたらまだまだですよ。」
小見川「そうか。」
暁美「それと…ですね。」
 そういって八幡はいきなりもじもじと照れ始めた。いったい何があったのだろうか。昨日のことか?
暁美「昨日…ちょっと調べてみたんです。まさか恋愛やデートってそんなことをするのかと思って。」
小見川「ああ、調べたのか。」
暁美「その…私なんかでいいんですか?」
小見川「むしろ俺で良いのかい?」
 そういうと八幡は黙り込んでしまって下をむいていた。まあ無理もないか。と思っていたら。
暁美「……はぃ。」
 俺にしか聞こえないぐらい小さな声で返事した。こんな八幡は初めて見た。まあこれも初々しくていいものだ。
小見川「それじゃあデートするか。」
暁美「は、はい!」
 そういって八幡は大きな返事をした。そしてすぐにダッシュして守備に付き始めた。まあ…純粋な女の子だな。

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02.24
「じゃあ又明日ね! 今日は楽しかったよ!」
「ああ、またな。」
 コーヒーを飲み終えて帰っていた俺と撫子はいつもの曲がり角でバイバイした。最近撫子が楽しい気分になっているのが嬉しい。でもなんだろう、自分は素直に喜べていない。というのも家族に撫子とともに海外に行かないといけないということだ。でもさすがにそろそろ言わないといけないがすごく言いにくい。こっそりためたバイト代で何とかならないだろうか。とりあえず、今日は海外旅行はしてみたいかどうかを探って聞いてみることにしよう。
「ただいまー。」
「おかえりなさい。丁度ご飯できたから食べていいわよ。」
 俺はそのまま荷物を廊下においてリビングの椅子に座った。今日の夕飯は鳥の竜田揚げだ。ソースはいくつか種類があった。
「いただきます。」
 そういって俺は食べ始めた。すでに千春は先に帰ってきて食べていた。そういえば千春は今日塾か。
「なあお母さん。海外旅行って行ってみたいと思う?」
「そうねぇ、私は国内で十分かな。」
「どうして?」
「海外は言葉が通じるところしかいけなさそうだし、なにしろお金がかかるしね。それなら日本国内でいろんなところをめぐって楽しみたいわ。」
 そうか、母は海外にあまり行きたくない派か…なんか聞いたらさらに言いにくくなったなあ。
「おにいちゃん、何か考え事? 箸とまってるよ?」
「ああ、すまない。なんでもないよ。」

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02.24
萩 清和(はぎ きよかず)「決勝っすね。いよいよ松江学園と対決できるのか。うっひょー、楽しみだぜ。」
早田 泰斗(そうだ たいと)「まあ早まるなって。あと一時間もすれば試合が始まるんだからよ。」
近沢 秀喜(ちかさわ ひでき)「そうだ。今まで培ってきた練習をフルに発揮して松江学園を倒そう!」
富坂 庄司(とみさか しょうじ)「よし、準備はできたか? グラウンドいくぞ!」
皆「しゃあああ!!」

「がんばれ!!」
「優勝たのむぞ!!!」
 球場に入ると大きな声援がベンチから聞こえてきた。こんなにたくさんの人が見に来てくれるなんて…。部活でいない人たち以外は全員来ているのだろうか。OBの人らしきのも多数いる。なんかいつもとは全く違う雰囲気がする。
由紀「多いねぇ。ソフトボールのときとは全く違う雰囲気もあるね。」
亜弓「ソフトのときは人そんなにいなかったの?」
由紀「いたけど雰囲気が違うね。見に来てくれる人たちが全く違うのもそうだし。」
 そういって私と由紀はキャッチボールを始めた。昨日の疲れといっても全然投げれるほどの体力は残っている。でも今日は芦毛先輩と府中先輩のバッテリーだからあまり心配は無い。あの二人の先輩バッテリーなら…!
日下部「集合!!」
 監督の一声で私たちは集まった。みんなの目つきはもうすでに戦闘体制に入っている。いよいよ始まるのか…。
日下部「よくここまで来たな。……あとはお前たちに任せるだけだ。思いっきり野球を楽しめ!!」
皆「はい!!」
 私たちは大きな声で返事をして声を掛け合った。そして…いよいよ始まる!!

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02.23
府中「皆集まったか。いくぞ!!」
皆「はい!!」
 部員とマネージャーが全員集まったところでバスに乗り始めた。いよいよ決勝の舞台となる球場に向かうのか。いままで戦ってきた球場なのに何かおおきなところに行くような気分になって緊張が始まった。そんな中、バスの中で監督が声をかけてきた。
日下部「よし、今のうちにオーダーを発表していくぞ。最後の試合は本当の総力戦になるだろう。いままで練習してきたものを全てぶつけてこい!」
皆「はい!」
日下部「一番セカンド卜部、二番キャッチャー府中、三番センター海鳳、四番ファースト池之宮、五番サード新天、六番レフト羽葉、七番ライト中山、八番ピッチャー芦毛、九番ショート栗山。以上だ、呼ばれなかった奴もいつでも出れるように準備しておけ!!」
皆「はい!」
日下部「特に投手はいつでも出れるように準備しておけ。」
 投手も準備がある。私にも果たして登板機会が回ってくるのだろうか。もしまわってきたら…絶対に抑えてみせる!!
由紀「亜弓、もし何かあったら私が助けてあげるからね。」
亜弓「由紀? どうしたの急に。」
由紀「亜弓疲れているでしょ? だから…最大限に力を引き出せるように私が手伝ってあげるってこと。」
 そういって由紀は私の両手を包むように握ってまじまじと見てきた。
由紀「…絶対優勝しよう。」
亜弓「…うん!!」
 決勝の舞台までやってきたなら最高のプレーを見せて甲子園にいってみせる…。だから私たちは…負けない!!!

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02.23
「それではお疲れ様でした!!」
「ああ、明日練習見に行くからな。」
 そういって八幡は自分の家に帰っていった。俺は背伸びをして泊まる部屋に戻った。そういえば八幡はいままでどうやって育ってきたのだろうか。あの力はここですんでいるうちに培われたものなのだろうか。日々の日常がトレーニングになってあの球が生まれている。生半可な努力ではあの投球はできないだろうし、誰しもなれるわけがない。しかし八幡はすでにトレーニング以外にも、日常で体が鍛えられてきたのだろう。恵まれた身長も持っていて…本当に野球をするために生まれてきた女の子みたいだったなぁ。本当にそんな女の子が恋愛に興味を持つのだろうか? 俺とデートしたところで何も感じられなかった俺はけっこうショックな気がする。でも八幡にとっての疑問点が改善されるのであればそれはそれで嬉しい。

 あの後は温泉に入った。自家温泉と聞いていたので楽しみにしていたが、想像以上の良い温泉だった。二人がゆったり入れるぐらいのスペースだったが、これが露天風呂と来た。夜空の綺麗な星たちを見て癒された。そして風呂から出たあとは自分の部屋に入って布団を敷き、電気を消して寝ようとした。
「……ねれん。」
 なんでだろう。八幡のことを考えるとなぜか眠れない。彼女の投球に惹かれたのは俺だが、野球に対する好意だった。しかし…いまではどうだろうか。彼女自身に惹かれてしまっている俺がいる。まてまて。相手は高校生で俺は大学生。しかし…、彼女が本当に恋愛を知ってデートというものを知ったら…。果たして俺は付き合えるのだろうか。

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02.23
「そうか…生き残りだったのか。」
 そういってザングは近くの椅子に座って大きくため息をついた。そしてニッコリと笑い、口を開いた。
「もしよかったら俺らのギルドに入らないか?」
 俺とカリーネは見合わせた。今まで旅を続けてきたがこんな話は今まで一度もない。しかし…ギルドに入って何かあるのだろうかというのもあった。
「俺たちのギルドは他のギルドともお話しながら活動しているところなんだ。その中なら怪物の情報なんてわんさか出てくると思うぞ。ずっと旅をしていて探すよりは、どこか一箇所に拠点みたいなのが欲しいだろ? だから俺たちのギルドを利用していいからな。」
 なんて上手い話なのだろうか。しかし何か裏もあるのではないかと慎重に考えるのが普通だ。そんなとき、よこからカリーネが口を開いた。
「ギルドに所属するということは私たちもギルドの仕事を手伝うものですよね。」
「まあな。だがギルドは自分でやりたい依頼を選んで仕事をするものだからな。ほら、そこに依頼リストがあるだろ? まあ早い者勝ちというのもあるが好きなものを選んで仕事をするもんだ。」
「そうなんですか。」
 隣でカリーネが納得している。でも…これは良い話なのだろうか。俺は半信半疑ながらもその話をしっかりと聞くことにした。
「まあ、おおきな仕事とかは手伝ってもらうがあまり自由は奪わないようにするさ。」
 そういわれると俺は考え込んでしまった。カリーネもまだ決め切れてない気持ちの様子だった。相手のザングも仲間たちとしっかり話している。俺たちがギルドに合うかどうかの相談をしているのだろう。俺は仕事内容をチラッとみた。採取もあれば手伝いもある。やはりギルドといえるような討伐の依頼まである。一応俺とカリーネも戦闘経験はある。しかしあまり好んで戦いたいというものではない。
「そうだ!」
 ザングがひとりおおきな声を出して立ち上がった。
「俺たちのギルドに入ったら、俺も怪物に関して協力するぞ。」
「ええっ!?」
 俺たちよりも後ろの三人が先に驚いた。まさか思いつきで言ったことなのではないのだろうか。
「本当ですか?」
「ああ、俺は手伝ってやる。興味があるしな。」
 そういって男は右手でこぶしをつくり、左手の手のひらに向けてパンと叩き、笑った。
「それなら…ギルドに入ってもいいよね? ねっ、アベル。」
「まあな。」
 そういって俺とカリーネが言うとザングは肩をポンと叩いて笑った。
「そうか。これからよろしくな! そういえば名前を聞いてなかったな。」
「ああ、俺はアベル・カルヴァートです。」
「私はカリーネ・ヒュランダルです。」
 私たちは改めて挨拶をしてこのギルドに所属することになった。
「悪いけどその話には俺はお断りだ。」
 後ろで片目が隠れるほどの髪をした男性が座って言った。
「おいおいジェヴェ、こんなに良いやつらが入ってくれるんだぞ?」
「おい、そこのアベルという奴、さっきの怪物を持っていたところは見たか?」
「見ましたよ。」
「俺たちは別の依頼で仕事している途中にアイツに襲われたんだ。怪物の中ではかなり弱い方だと資料には書いてあった記憶があるがアレは嘘だ。俺たち四人がかりでもかなり苦労したんだ。死ぬ可能性だってあった。あんな奴と戦うなんてもうゴメンだ。」
 そういって男は奥の扉に入ろうとした。俺はその言葉に苛立ちを覚えて叫んだ。
「俺たちは本気なんだ! 両親も連れて行かれ、町のほとんどの仲間が死んで!! そうすぐに逃げるやつをみるといらだつんだよ!!」
「アベル、無理に押し付けることはないの! 落ち着いて!」
「だったらだ、お前たちの実力を見せてもらえないか?」

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02.23
「お待たせしました。」
 おじさんはコーヒーを四つもってきた。それぞれ注文した種類を個別においていってくれた。俺たちは砂糖とミルクをとろうとした。
「撫子は?」
「私はブラック。」
 そういって撫子はコーヒーを飲み始めた。ちょこちょこ飲む姿がなんとも愛くるしい。撫で回したいけどここでやったらアカンだろうなぁ。
「ほっ……うまい。」
 そういって撫子はふんわりとした顔をして、コーヒーの香りと味に満たされていた。目黒は砂糖だけを入れてのみ、生田はミルクだけ。そして俺は…。
「拓斗は砂糖とミルク入れるのね。」
 そういって目黒は俺のコーヒーをじーっと見つめてきた。たしかに俺はブラックは苦手だし、それ以外もあまり好きではない。とにかくミルクと砂糖があるとめっちゃうまい。
「じゃあ俺も飲むぜ。」
 そういって俺は暖かいコーヒーを口に含んだ。ああ、やっぱりこの独特の酸味がうまい。それにブレンドのおかげでコクがさらに出ている。こいつはうまいぜ。ストレートのが好きだったけど、これは揺れ動いてしまうかもしれない。
「私にも飲ませてくれる?」
「ああ、いいよ。」
 俺は撫子にモカブレンドを渡した。そして口に含むと目が見開き、ゴクゴクとのみ始めた。
「お、おい。俺の分が。」
 そういって撫子はプハーっという声と同時にそこそこの量を飲み干した。よっぽどおいしかったらしく、目をキラキラさせていた。
「私も砂糖とミルクいれようかな。」
 そういって撫子は砂糖とミルクをブルーマウンテンの中に入れた。俺も…ちょっとだけ飲みたくなってきた。
「撫子。俺にも飲ませてくれる?」
「いいよ。」
 そういって砂糖とミルクを入れたブルーマウンテンを俺に渡してくれた。俺は一口だけ口に含み、撫子に返した。ヤバイ、なんだこれはめちゃくちゃうまい。さすがはブルーマウンテンというべきだ。とにかく全体のバランスが良い。これだけおいしく飲めるコーヒーはあまりない。やっぱり一度知ってしまうとやみつきになってしまいそうな味だ。
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02.23
レナ・エプソム1



キャラクター紹介 
名前 レナ・エプソム 中学三年
誕生日 6月4日
身長153cm
アメリカ人とイングランド人のハーフ
投手 左投げ左打ち


アメリカの中学で野球をしている女の子。アメリカ野球で留学してきた秋葉可奈と共に野球をしている。日本にものすごく興味をもっており、日本で高校野球をやりたいと思っている。サイドスローの投手で、チームで主に守護神、たまにロングリリーフとして活躍している。秋葉と一緒にすごしてきたため、純粋に育った女の子でもある。



今回はMg栗野さんに描いていただきました!ありがとうございます!
Mg栗野さんのpixivページ
Mg栗野さんのブログ
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02.22
「おお、風情ある店だね。」
 そう撫子が言った場所は商店街にあるコーヒー店だった。俺たち四人は一緒に店の中へと入っていった。いかにもコーヒー屋らしい内装で、豆もかなり多くの種類が置いてあった。
「いらっしゃい。」
 奥からおじさんがでてきた。俺たちは近くのテーブルに座ってコーヒーをどれにするか、再度確認してみた。
「俺はやっぱりグアテマラかな。」
「モカブレンドあるらしいから俺はモカブレンド。」
 俺と生田はすぐに決めてメニューを撫子と目黒に渡した。二人はじっくりとメニューを見てどれを選ぶか再確認していた。
「私は今日のコーヒーにしてみようかな。」
 目黒は面白そうにメニューを見ていた。そして撫子は…。
「やっぱり、ブルーマウンテンかな。」
 やっぱりそうでしたかー。俺はおじさんを呼んで注文した。注文を終えると目黒が撫子に話し始めた。
「どんな絵を出展するの?」
「あ、見せてなかったよね。今から出すから待ってて。」
 すると撫子はいつものパットを出して電源を入れた。そして絵の入っているファイルを開いて見せてきた。
「うわ…。」
「すげぇ…。」
 そこに映し出されたのは全くもって説明ができないほどすごい絵だった。撫子の気持ちを全てぶつけ、絵自体から何かを訴えかけてくるような雰囲気を感じられる。
「これは最優秀賞とれると思うよ。」
 目黒がワクワクした表情で撫子を見た。しかし撫子は何か浮かばない顔をしていた。たしかにこの絵にこめられた気持ちのことを考えると…。
「大丈夫、何があっても俺が守ってやるから。」
「ありがとう…。」

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02.22
由紀「亜弓、おはよう。」
亜弓「おはよう。いよいよ今日だね。」
由紀「そうだね…昨日の疲れはどう?」
亜弓「ちょっとだけ疲れているけど大丈夫だよ。」
由紀「そっか。」
 私たちは学校に向かって歩き始めた。バスに乗って球場に向かう。なぜか今日に限って、道がものすごく遠く感じられた。決勝戦というプレッシャーがあるからだろうか。でも私たちなら大丈夫だ。あと一戦、全力を尽くして試合に臨むだけ!!
瞳「おはよう。」
真希「早いわね。」
 私たちが到着すると真希と瞳が待っていてくれた。どうやらマネージャーの仕事が終わったらしい。
瞳「ワクワクだね。」
真希「緊張しないの?」
瞳「うーん、柔道のときよりはって感じ。」
真希「そうよね。」
 そんな話を聞いて私たちもリラックスできた。瞳の笑顔に癒されて笑っていた。そして私は改まって口を開いた。
亜弓「甲子園決める試合だけど…。ここまでこれたのは皆のおかげだよ。」
由紀「私にとってみれば亜弓のおかげでもあるよ。」
亜弓「お互い様だね。よし、絶対に優勝しよう!」
由紀「だね!」
 そういって私と由紀はハイタッチした。真希と瞳もハイタッチを求めてきた。ハイタッチをして皆で笑った。
由紀「試合が終わっても笑っていようね!」
亜弓「うん!!!」

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02.21
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。




 三年連続出場も初戦突破できず、今年こそ初戦突破を狙って埼福高等学校が四年連続で甲子園への切符を手に入れた。4年連続9回目の出場となる同校は今年の5月、練習試合で富良野学院と戦ったことがある。そのときに惨敗してしまい、リベンジを果たしたいという気持ちが選手を後押しした。特に富良野学院から点を取った若森内野手「2年」や、途中まで好投を見せてくれた宮元投手「3年」。そして試合の際は怪我で出場できなかったものの、地区大会で圧倒的存在感を見せてくれた松田捕手「3年」がいる。まずは初戦突破を目指して、そして打倒、富良野学院を目標に山口代表の埼福高等学校の選手たちが燃えている。
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02.21
 恋愛を説明しろといわれても、なんといえばいいのか全くわからないしなあ。一体どんなことを考えているのかすら全くわからない。というより八幡は恋愛というものを知らないから考えることすら出来ない状態か。
小見川「恋愛をしてみたいといわれてもなぁ。」
暁美「えっと、相談があるんですけど。」
小見川「ん? なんだ?」
暁美「私とデートっていうやつをしてくれませんか?」
小見川「なぬぃいいいいい!?」
 俺はあまりの出来事におおきな声を出してしまった。それは富良野の町に響くかのようなおおきな声で言ってしまった。
小見川「それ、何言ってるかわかって言ってるのか?」
暁美「たぶん!」
小見川「たぶんってお前…。」
暁美「でも皆が言うんですよ。デートすれば恋愛というものがわかるって。なんか胸の奥が、キューン! ってなるって言ってました。」
小見川「まあ…あながち間違いじゃないな。先輩にしっかりそういうことは聞いたのか?」
暁美「はい! でも…桜先輩は私と同じく、へぇー。って感じでした。」
小見川「そうか、山茶花もダメか…。」
 俺はなぜか深く考え込んでしまった。こんな女の子が恋愛を教えてくれ? まあ教えてやりたいことには越したことないけど、俺は大学生で八幡は高校二年生。うわお、俺犯罪者じゃねぇか。
暁美「やってくれますか?」
小見川「まあ…いいけどさ。」
暁美「やったぁああ!!」
小見川「でも八幡、休みってあるのか?」
 その瞬間、八幡は固まった。ピクリとも動かず一時停止しているかのようだった。俺は顔の横で手を振って意識があるかどうかを確認したが、全く瞬きすらしない。そうか、休みはないのか。
暁美「忘れました! ちょっと桜先輩に聞いてみます!」
小見川「おい!」
 そういって八幡はすぐに山茶花に電話をかけた。八幡からはいっ、はいっ。という声がずっと聞こえていた。そして二分後、通話を切って笑ってこっちをみた。
暁美「明後日、明々後日と休みです!」
小見川「そ、そうか。じゃあ…デートしてみるか?」
暁美「はい、おねがいします!」
 八幡は本当に恋愛というものを本当に知らないのか。これはまた…。まあ田舎だからというのもあるし、いままで男子たちと野球をしてきたという取材結果もでてるし…。そう考えると本当に恋愛をしたことがなさそうだな。まあ…いいか。こういうのにも付き合ってあげないとな。

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02.21
「撫子っていつから海外に行くのだっけ?」
「私は九月の中旬から下旬までかな。」
 目黒が問いかけていた。確かその時期には学校行事は特になにもなかったはず。意外と楽な時に行けるものだな。しかし費用はどのくらいかかるのだろうか。海外だし、飛行機乗るとなるとかなり莫大な費用がかかるだろう。俺の小遣いって今どのくらい残っていたっけ。
「でも大変だよな。海外だろ? 体調も気をつけなきゃいけないし何よりも金が…。」
「大丈夫だよ、心配しないで。だって拓斗が付いてきてくれるもの。」
 撫子が俺の腕を掴んでそういった。目黒と生田は立ち止まってからもう一度近づいてきた。
「おい、マジでいってるのか!? お前一緒に行くとか! お土産頼むぜ!」
「いや、そんなために行くわけじゃないからさ。」
 生田はそっちかよ。でも目黒はかなり真剣な目をして撫子に問いかけている。
「撫子ちゃん、やっぱりあのことがまだ気になるの?」
「まあ…うん。でも拓斗がいるから大丈夫。」
「そっか。拓斗に助けてもらってね。」
 なんかますます行くか行かないかの相談が言いにくくなってしまった。やっぱり…親に相談した方が良いのだろうか。金のかかることだし…。
「そうだ。ちょっくら帰りにコーヒー飲んで帰ろう?」
「あ、いいねえ。拓斗は何が好きなの?」
「俺は…モカかな。」
「拓斗はモカか。俺はグアテマラコーヒーかな。」
「私はブラジルかなー。」
 さて、撫子は何を飲むのだろうか。
「ぶ、ブルーマウンテン…。」
「「「さすがっ!!!」」」
 俺たちはピッタリ声があって笑っていた。そしてあの商店街にあるコーヒー店に向かって歩き出した。

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02.21
皆「お疲れ様っしたぁ!」
 学校に到着して挨拶が終わると応援してくれた人たちがやって来た。
瞳「亜弓すごかったよ!」
真希「本当にすごかった。」
千恵美「お疲れ様、ゆっくりやすんでね。」
恵美「あとは明日の試合ね。」
美琴「甲子園、いこう!」
三由「おー! …あれ? 私だけ?」
 皆うれしそうな顔をして喜んでいる。本当に投げてみんなのためになってよかった。それに自分でも嬉しくなってきた。
綾「お疲れ様ー!」
優衣「優勝したらその場でライブしちゃおうかな!」
香澄「しちゃおうしちゃおう!」
久美「たぶん迷惑になるわよ。」
美和「お疲れ様。萌もほら。」
 そういって美和先輩の後ろから萌が出てきた。
萌「ん!」
亜弓「スポーツドリンク? ありがとう!」
萌「さっさと体休ませて甲子園つれていきなさいよね!」
亜弓「そうだね…ありがとう!」
萌「ありがとうは一回でいいの!!」
 そういってダッシュで帰っていった。萌もお礼してくれて本当に嬉しい。明日は投げることはないけれども…皆を応援することが私の仕事!
涼香「あなたが亜弓ちゃん?」
亜弓「はい…あなたは?」
涼香「私は定峰涼香。元松江学園のマネージャーよ。ちょっと右腕触ってもいいかしら?」
亜弓「そうだったんですか。腕…いいですよ。」
 そういうと涼香さんは腕を触り始めた。もむようにというよりは、何か腕の様子を見ている感じだったので嫌な気は全くしなかった。
涼香「すごいわね。あんな投げ方をしていても壊れない理由がわかったわ。すごい柔軟性を持った筋肉ね。」
 そういうと触るのを止めて私の方をもう一度見た。
涼香「私はスポーツ医学とかを学んでいて、体のケアとかいつもやっているの。今日は十分に体を休ませておいてね。ランニングもできれば控えて。」
亜弓「わかりました。」
 そういって涼香さんは美琴先輩のところにもどって話始めた。大人っぽい人だったなぁ。おそらく三由先輩とかとも縁があるのかなぁ。
理恵「あ、亜弓!」
 聞き覚えのある声に反応して振り返ると、隣のクラスでお話したことのある理恵がやって来た。
亜弓「理恵! 水泳どうだった?」
理恵「バッチリ! 全国大会の準備は出来たよん! おかげさまで胸もでっかくなったよー!」
亜弓「む、胸の話は大きい声で言わないで。聞いている私も恥ずかしいから。」
理恵「ごめんごめん。でも亜弓、すごいピッチングだったね。実はチラッと中継見ていて…。お疲れ!」
亜弓「ありがとう。」
由紀「理恵じゃん! やっほー。」
理恵「あ、由紀ちゃん!」
由紀「ちゃんはやめて!!」
理恵「可愛らしさがないよ、由紀ちゃん。」
由紀「やめてってばぁあああああああ。」
 ドドドドドドド
 由紀は全力疾走で私たちのところから離れていった。どんだけ可愛いのとちゃんと呼ばれるのがいやなんだろう。
理恵「にっしっし。じゃあ明日頑張ってね。」
亜弓「うん、理恵も頑張って!」
理恵「はいよー!」

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02.21
 私は勢い良く立ち上がってベンチから出て整列した。由紀はダッシュでこっちによってきてハイタッチを要求していた。私は左手でパチンと叩いてよろこんだ。
由紀「いぇい!!」
亜弓「やったね、決勝戦進出だよ!」
 私は喜びながら整列した。やはり私たちのチームは笑顔になって、相手のチームには涙が見えている。でもこれが勝負の世界。
審判「礼!」
 私たちは挨拶をして整列した。校歌が流れ始めて歌いだす。…勝てばまたこの校歌が歌える。あとは勝ち続けて優勝するだけ!
府中「よっしゃ、挨拶いくぞ!」
皆「しゃぁあああ!!」
 声をあげて私たちはスタンドに向かって走っていった。おおきな拍手と声援に迎えられた。私は嬉しさのあまり涙がうっすらとでてきた。いや、本当に泣くのは優勝したときにとっておかないと。
府中「ありがとうございました!」
「よくやった!! 決勝頑張れよ!!」
「日高も良く投げた!! ナイスピッチング!!」
 私の応援もあった。私は本当に野球をやっていてよかったと思えた。早く明日になって優勝したい!

倉持「……すまない、俺たちが打てなかったから…甲子園行きたかったなぁ…。」
真田「いや、俺の力不足が原因だ…。俺こそ…もうすこし投げきれていたら…。」
理嗚「それをいうなら…俺のリード力だって…。」
真田「お前は悪くない。来年、お前が甲子園にいくための原動力になってくれ。」
理嗚「わかりました……真田さん…。プロで待っていてください…!!」
真田「ああ…ありがとう。」

海鳳「明日だな、決勝。」
池之宮「相手は東光大付属越谷高校だったよな。」
 私たちは明日の試合に向けてのお話しをしていた。でも皆楽しそうにお話してリラックスしている。私も今日の試合、しっかり投げきれたからリラックスしなきゃ。
倉持「松江学園さん。」
 そういって相手チームから三人選手が近づいてきた。キャプテンらしき人は千羽鶴を両手にもってやってきた。
倉持「必ず甲子園にでて優勝してくださいね。」
府中「ありがとうございます。」
真田「府中さん、プロの舞台で会えるといいですね。」
府中「プロか。そうだな、そのときはぜひキャッチャーとして受けたいものですね。」
真田「それと…日高っていう投手いるか?」
府中「はい。日高!」
 私の名前が呼ばれた。何で呼ばれたかわからず、おどおどしてしまった。
由紀「挨拶だよ。」
 そういって後ろから由紀がポンと押してくれた。私は相手チームの投手のところに移動した。
真田「一打席目はすまないな。俺の力不足で。」
亜弓「い、いえいえ。怪我がなかったのが一番ですから。」
真田「そうか…。いい球投げるな。甲子園の舞台でもその投球見せてくれよ。」
亜弓「はい!!」
 私は大きな声で挨拶してお辞儀をした。…あんなすごい人からも応援してもらえるなんて…。よし、その期待に答えるように頑張らないと!
 亜弓、8回2被安打1失点 21奪三振で勝利投手!!

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02.20
暁美「ご馳走様ー!」
小見川「ご馳走様でした。」
 俺と八幡が食べ終えると八幡はすぐさま食器などを持っておばあさんの指定された場所に移動して片付け始めた。なんてえらい子なんだろうか。そして片付けが終わると俺のところに近づいて話始めた。
暁美「取材、いつでもいいですよ!」
 八幡はニコニコ笑って座布団に正座し始めた。俺は一瞬ポカーンとしたが、大事な取材だと気づいてメモを取り出した。
小見川「えっと、それではですね…。」
 取材は良いテンポで進んでいった。いままでの練習の量や目標にしている人物。私生活まで聞けて本当に良い取材になった。いや、まだこれから密着取材が始まるのだが…。特に良かったのが、いつもこんなことをやっているのかと聞いてみると、礼儀はしっかり覚えないと。と言っていて、手伝いは自分から率先して行っているらしい。そして今日、最後の質問にしようと思っていたことを口に出した。
小見川「最近悩んでいることとかあります?」
暁美「ありません!!」
小見川「直球に言われた!」
暁美「ど真ん中ストレートでーす!」
 そういって俺と暁美は笑っていた。しばらく笑っているうちにちょっとテレながら口を開いた。
暁美「まあ…ちょっとやってみたいなーって事がありまして…。」
小見川「というと野球とは全く別のこと?」
暁美「はい。単刀直入に言えば恋愛というものがしたいです!!」
小見川「れ、恋愛?」
暁美「はい! あれ? 恋愛ってものだっけ? 違うような…。」
 これってもしや…。
小見川「恋愛というものを知らないから恋愛ということをして見たいってことか?」
暁美「そうそうそれです! 全く知らないので…!!」

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02.20
 その後は、始業式が始まった。先生が来てからは今までと変わった部分は全くと言って良いほど何も感じられなかった。撫子の身にも何かあったわけでもないし、藤波や磯見、生田にだって変わった様子は無い。もしかしてと思って目黒のクラスを見て探してみたが、目黒も見つけて特に変わった様子はない。さっきは俺の勘違いだったのだろうか? 考えすぎか? この前一緒に生田と磯見でお話したときの考えがまだ頭の中によぎっているから…俺、疲れてるのかな? まあ、とにかく何もおこらなければよし。とりあえず、始業式が終わったらすぐに帰りだ。そういえば一緒に帰るといっていたが、磯見と藤浪の家ってどこだっけ? 一緒の帰り道を通っている記憶がないが…。
「さようなら。」
 先生の挨拶で帰りの会が終わった。俺たちは校門に移動しながら皆と合流して帰り始めた。
「まず聞く、藤浪と磯見って帰りの方面どっちだ?」
「あっち。」
「その時点で俺たち一緒に帰れないじゃん。」
 俺と撫子、目黒と生田は河川敷の道を通って帰る。しかし、磯見と藤浪はそれ以前の道で右折する。そうなればほとんどお話しながら帰ることなんてできないじゃん。
「間違えたぜ。」
「てへぺろ。」
「これからは気をつけろよ。じゃあまたな。」
 そういって磯見と藤浪とは別れて河川敷に向かって歩き始めた。
「なあ、教室入ったとき、視線感じなかった?」
 俺が問いかけると三人とも反応した。
「なんか見られてるって感じがした。」
「俺より撫子じゃない?」
「私は違うクラスだけどなんか変な視線はあった…。」
 目黒まであるのか…さっき考えていたのは間違いではなかったようだ。でもなんで俺たちを見たんだ?

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02.20
由紀「ナイスピッチング!」
亜弓「ありがとう!」
日下部「良くここまで投げてくれた。お疲れ様、今日はゆっくり休んでいいぞ。」
亜弓「はい。」
 私はゆっくりとベンチに座って大きく深呼吸をした。そして…。
亜弓「よしっ!!」
芦毛「おわびっくりした。」
 私は周りの目を気にせず、少しおおきな声でガッツポーズをとって喜んだ。それほど嬉しいことだった。ここまで投げれたなんて本当に嬉しい。それも全部全力で…。
芦毛「おい日高?」
亜弓「あ、芦毛先輩。すみません急に大声だして。」
芦毛「いいよいいよ。ナイスピッチングだった。ありゃすげぇよ。」
亜弓「ありがとうです。」
三由「はい、スポーツドリンク。」
 私は三由先輩にいただいたスポーツドリンクを口に含んだ。疲れきったからだが癒される気分になった。そして試合が再開された。私は試合を見ながら三由先輩にアイシングの道具を付けてもらって、ストレッチをしていた。
 七回は私で攻撃が終わったので八番の友亀からだった。すでにブルペンでは館川が準備をしている。八回の裏はパッとせず、三者凡退で打撃が終わった。そして九回、館川が私のところと代わってマウンドにあがった。この回は八番からの攻撃、館川ならきっと全員抑えてくれる。
理嗚「谷川先輩! たのみます!!」
「真田までまわせ!! チャンスはあるぞ!!」
 ベンチとスタンドからものすごい応援が聞こえてくる。しかし、館川は全く動じることなく投げる。
 シュゴオオオオ ギイン!
新天「オーライ!」
 バシン アウトー!
府中「あと二人だ!!」
館川「よっしゃ! 任せろ!!」
 ググググッ ブン!
 バシン ストライクバッターアウト!
友亀「あと一人!! しまっていくぞ!!」
 八番バッターをサードフライ、九番バッターをパームボールで三振。これであと一人になった。そして最後のバッターに一番の野宮が入った。
野宮「(俺で終わってたまるかよ!)」
 シュゴーーーバシン!
 ストライクワン!
 グググググッ
 ギィイン!
 弱々しい打球がサードへ。しかしランナーは全速力で一塁ベースへと向かう。新天はしっかり掴んでサードに投げた。
真田「突っ込めぇえええ!!!」
 ベンチからおおきな声とともにバッターがヘッドスライディングをする。
 ザザザザ バシン!
 ……
 アウトー!!!
館川「っしゃああああ!!!」
 試合が終わった。そして……勝った!!!

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02.20
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。




 香川県では初出場の高校が現れた。県立の讃岐高校だ。春夏通じて初出場の讃岐高校は部員が20名のチーム。ベンチ入りギリギリのメンバーながらも甲子園への切符を手にいれた。なんと言ってもこのチームの特徴は投手陣の層の厚さがすごい。6名が先発しており、チーム8人が試合での投球経験がある。さらに、一試合で3・4人の投手を使うのは当たり前、継投策で抑えていく特殊な高校だ。その中でも中心となるのが3年の長田投手。ノビのあるストレートは必見、球速表示では130半ばなのに体感速度がそれ以上になると対戦相手の選手たちは言う。香川代表の初出場校は甲子園の舞台で継投策が光るのだろうか。
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プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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