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11.30
「あの…大事な話しがあるんだ! いや…です。」
「は、はひっ!」
 ふたりともものすごく緊張している。頑張れ、二人とも!
「なんだか私まで緊張してきた。」
 撫子が俺の手を掴んでプルプルしている。どんな返事と告白をするのだろう。
「俺さ……高校に入って本当に好きな人が出来てさ。」
「うん。」
「それで…なんていうのかな……運命の人だって感じてさ。」
「…うん。」
 二人とも少しずつ声が涙声になってきている。そして目からは本当に涙が見えてきた。生田は目をこすっている。そしてふたたび声を上げる。
「俺な…そのために…うぐっ…ものすっごい努力したんだ。」
「…うんっ。」
「だからさ…その…うぐっ…ひぐっ。」
「やめてよ…男なのに…うっ…かっこ悪いよ…。」
「仕方ないだろ…うっ…ソレをいうなら目黒も泣いてるじゃないか。」
「やめてよ…もっと泣きそうになるから…ひぐっ。」
 二人ともかなり泣いている。そして俺たちも貰い泣きしてしまいそうだ。ものすごい泣き告白になるのだろうか。
「だからさ…俺さ…。」
「…うん。」
「目黒のことが……ひぐ…大好きなんだ。」
「……!!……。」
 目黒がこくっとうなずく。泣きながらでもしっかり聞いてくれている。
「だからさ…その…うぐっ…付き合って…。」
 ガシッ
 その瞬間、目黒が生田に抱きついた。顔を生田の体に寄せ付けるように思いっきり抱きしめていた。
「もう…これ以上言わないで……泣き壊れちゃうから…ひぐっうぐっ。」
「………あぁ。」
「生田くん………。」


  「大好き。」

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11.30
 私は家のすぐ横にある、室内練習場に入った。私の両親がお金をかけて立ててくれた私たち専用の室内練習場。両親には本当にお世話になっている。いつか私と姉で親孝行しないと。
 シュルルルル バシィイイン!
 何も言わずに姉が投げてきた。相変わらず姉にしかない球筋だ。いままでいろんな人とキャッチボールをしてきたけど、姉みたいな球筋は見たことがない。一体何回転しているのだろうと思うぐらいだ。キャッチボールなのにキャッチャーで受けているような感覚になる。
 シュルルルルル ズバァアアアン!
 異常なまでの風切り音、意識よりも上にグローブを構えないといけないほどのノビ。そして何よりも投げるまでの風格が信じられないほどビリビリ伝わる。いつもキャッチボールをやっていて怖いと思っている。でもその経験が私の実践に役立っていく。このおかげでいままで投げていて怖いと思ったことはない。たった一度、姉の学校との練習試合の時を除いては…。
 シューーー ズバーン!
 私もらしくなってきた。球筋が安定してきている。それでも姉にはまだ劣らない。そして最大の違う点は私は左投げ、姉は右投げ。
真菜「…なかなか良い球投げるようになったね。」
佐奈「ありがとう。」
真菜「…5球だけ8割ぐらいで投げるわね。」
 そういって振りかぶる。私はしっかりと構える。姉の8割は他の人の全力投球に値する。そんな球を8割かという気持ちで受けようとすると大変なことになる。全集中をフォームとボールにむけて…
 シュバァァァアアアア
 ズバーーーーン!
佐奈「いたーっ。」
 ものすごい球だ。8割で投げていても十分抑えられるほどだ。球の速さで言うなら私の全力と同じぐらい。そう思うと私は…。

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11.30
三宮「せ、センター!」
小島「また俺かよっ!」
 センターに勢いよく打球がとんでいく。弾道は低いものの、バックスクリーンに向かって風を切る勢いだ。あの重い球を軽々とあそこまで飛ばせるというのか?
 シューーー
小島「ぐっ!」
 センターがジャンプする。グローブにとどきそうでもある。入って!
 ズドーーーン!
 バックスクリーンにボールが当たって鈍い音が聞こえてくる。やった、ホームランだ! そして逆転だ!
中山「しゃああ!」
 中山先輩がガッツポーズを取る。私たちのチームのムードは最高潮だ。応援団も笑顔になっている。あ、橋風だ。心なしか少しだけ楽しんでいるようにも見える。やっぱり応援できるのは楽しいことなのだろう。
 中山先輩がホームベースを踏んで2対3、逆転に成功した。
中山「しゃあ!」
芦毛「よくやった!」
 ネクストバッターサークルに控えていた芦毛先輩と中山先輩がハイタッチする。固い友情で結ばれたハイタッチだ。先輩と後輩の壁を越えた仲だ。そして芦毛先輩がバッターボックスに入る。
芦毛「(ここまで仲間に恵まれたことは今まであっただろうか。いままでは自分の力だけで戦ってきたが今はそうじゃない。後ろには力強い仲間がいる。俺はそいつらに答えるために投げるという一つの道が出来た。そいつらのためにも俺は…!)」

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11.30
渡良瀬 綾香(制服案) (1)


キャラクター紹介 
名前 渡良瀬 綾香(わたらせ あやか)高校二年生
誕生日 12月22日
身長162cm
名電学園

愛知県の名電学園のマネージャー。真壁の彼女もある。真壁とは普段から幼馴染でお姉ちゃん的な存在になっている。曲がったことが大嫌いで、真面目で優しい女の子。チームの雰囲気を観察するのが得意で、今が攻め時か、守り時かが指示できる頼もしいマネージャー。ムードを良くするために、試合前にベンチには花を置く。


今回はMg栗野さんに描いていただきました!ありがとうございます!
Mg栗野さんのpixivページ
Mg栗野さんのブログ

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11.30
 これでツーアウト、バッターは八番の本田だ。それにしてもすぐに立て直すところがすごい。さすが三年生なだけあって、メンタル面の部分はかなわないや。テレビから見てるけれどもまったくあせっている表情はみせていない。こういうところも鍛えなきゃいけないのか…。試合終わったら私も練習…しよう!
 シュゴーーー バシン! ストライクワン!
本田「(くそっ、ストレートとカーブとスクリュー。狙いだま絞っても当たらないし、予測も外れる。)」
 シュルルルルル ブン バシーン!
 ストライクツー!
友亀「(よし、ボール球振ってくれた。)」
本田「(それにこのキャッチャーだ。俺たちの心理をことごとくはずしてきやがる。本当にこいつは一年かよ!)」
 シュルルルルル
本田「ぐっ。」
 ガキィ!
友亀「ピッチャー!」
 バットに当てたものの弱い打球がピッチャー前に転がる。軽く芦毛先輩が取って、ゆっくりと投げる。
 バシン!
 アウトー!
芦毛「っし。」
 芦毛先輩は小さくガッツポーズをとってベンチに帰っていった。これでスリーアウトチェンジだ。序盤の乱調を忘れさせるようなピッチングを見せてくれた。
 次は中山先輩だ。中山先輩もチームの中では1・2を争うパワーヒッターの持ち主だ。もしかすると中山先輩ならホームランを打てるかもしれない。バッターボックスに入りがっちりと構える。
 シュゴーーー ドスン!
 ボールワン!
 どちらかというと相手には少し余裕が無いように見える。これが練習と経験の差というものだろうか。私もピッチャーで投げているときに相手の表情が少しわかると、私のメンタル面はどうなのかというのも丸わかりになる。相手を知ると自分もわかるということだ。
 シュゴーーー ドズーン!
 ストライクワン!
中山「(それにしても重そうな球だ。こんなのは簡単には打たせてくれなさそうだな。よし、次で決める!)」
 シュッ
 シュゴーーーー
中山「(外角、いける!)」
 ギィイイイイイイン!!

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11.29
 さて、二回の表になって相手のバッターは六番の能登が入った。これまたホームランを打ちそうなバッターだ。でも、リズムさえ取り戻してくれれば芦毛先輩は…。
 シュルルルルルル
 バシーン!
 ストライクワン!
 キレの良いスクリューが決まる。これだけキレていればバットに当てるのは至難の業だろう。
 シューーー バシン!
 ボールワン!
 ボールだったけれどもストレートも伸びている。
 シューーー ブン バシン!
 ストライクツー
 ツーストライクに追い込んだ。さて、ここでスクリューで三振を取りにいくのだろうか…。
能登「(ここはスクリューが来るはず!)」
 シュッ
能登「(この遅さは…スクリューか!)」
 グググッ ブシィ! バシン!
 ストライクバッターアウト!
能登「何っ!?」
友亀「よっしゃ! ナイスピッチングっす!」
 あの遅い球は私にもスクリューに見えた。けれども途中で軌道が違うことに気づいたときにはもう遅い、カーブで裏をかきしとめたという感じだ。芦毛先輩はしてやったりの顔をしている。それはそうだろう、ここまで上手くきまるなんて。
 そして七番には辻田が入る。七番であっても外野を越えそうなあたりを思わせるような素振りを見せている。でも…いまの芦毛先輩なら
 ググッ バシン!
 ストライクワン
 シュルルルル ブン! バシーン!
 ストライクツー!
 二球続けて変化球を投げて、しかもツーストライクと追い込んでいる。ここでどっちを投げるのだろう。
辻田「(くそっ、どっちだ!)」
 シュルルルル  バシーーン!
 ストライクバッターアウト!
辻田「(手が出なかったっ。)くそっ!」
芦毛「しゃあああ!」
 これで二者連続奪三振だ。完全にリズムを取り戻した!


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11.28
 目黒はキョトンとした表情になる。そしてやっと何を言っていたのかを理解すると顔を赤らめた。
「わ、私はっ! 恋なんて…一度もしたことないから。どんなのが恋なのかわからないの。」
「そ、そうか…。俺もさ、恋ってどこからが恋なのかわからないんだよ。こう…ドキッって来るのが恋なのかな。」
 撫子と俺はドキドキしながら見ている。見ている側というのもけっこうドキドキ来るものだ。
「撫子。告白していた時ってこんな感じでドキドキしてたか?」
「私は…怖いって気持ちが大きかった。」
「そっか。あの時はまだ…。でも今は俺がいるから安心してな。」
「ありがとっ。後は見守ってあげないとね。」
 生田は下を向いていったん落ち着こうとしている。そしてもう一度落ち着くとまた話しかけた。
「でもさ…今恋をしてみたいって人は…いるんだよ。」
「そ、そうなんだ。」
 お互いに緊張の糸が張り詰めている。一言に重みが感じられる。
「私もね…恋…なのかわからないけど。そんな気持ちになるときがあるの。」
 目黒も恥ずかしがりながらも答えていく。もう少し、もう少しと俺は念じて見ていった。
「あの…目黒さん!」
 突然生田が大きな声で目黒を呼ぶ。そして改まった姿勢で立ち上がった。威風堂々としたその姿は俺からみてもかっこよかった。
「は、はいっ!」
 それにつられて目黒もビクンと立ち上がる。ここで…告白だろうか…。

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11.28
佐奈「ということで、今回はここまでで。ありがとうございました。」
下北(しもきた)「おっつかれー。佐奈ちゃんそろそろ大会でしょ? 頑張ってね。」
小田(おだ)「そうだね! 応援してるよ! 私も試合見に行くから!」
佐奈「みんなありがとう。今年は神宮大会に出てみせるよ。」
 そういって私はテレビ通話を切った。もうそろそろ大会。国立でもすごいんだぞというのを見せてあげなければ。そして…勝って勝って…。姉と一緒に…。
 運動着に着替える。春だけれども夜はまだ少し冷え込む。ウインドブレーカーを着て私は自分の部屋を出た。
 ガチャ
 姉も同時に出てきた。階段を下りて鍵を取る。靴を履いている間に姉はすぐに外に出て行った。
佐奈「私もついてきていい?」
真菜「…ついてこれるならね。」
 私は靴を履き終えると外にでて鍵を閉め、軽い体操をした後に姉の後ろを追いかけ始めた。いままでもこんな感じ、ずっと姉の後ろを追いかけている。野球をやっている姉はすごくかっこよかった。わたしも姉みたいになれるよう野球を始めた。姉にいろいろと教わってスタメンに選ばれるほどにもなった。いつしか姉はあんなにすごくなって…。私は追いつこうとひたむきに努力してるけれども…。
 離れていく。
真菜「…疲れてるなら休みな。」
佐奈「はぁはぁ…私は…大丈夫だよ。」
 ペースがものすごく速い。付いていくだけで精一杯なのに姉は余力を残している。あきらめたくない。姉に追いつきたい。その一心が私の体の支えにもなっている。私は最後まで……。

真菜「キャッチボール、できるか?」
 私は家に戻ってきたころには息が切れていた。それでもキャッチボールという言葉を聴くと、疲れていても体が動く。唯一姉と一緒に練習できることだ。受けるほうとしてもすごく怖いけれどもこんなことは私にしかできない特権だ。私は大丈夫だよという表情を見せてグローブをとった。


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11.28
 池之宮がゆっくりとホームにかえってくる。しっかりとベースを踏んでホームイン、2対2の同点に追いついた。これぞ私たちの打線の強さというところを見せることができた。
池之宮「っしゃ。」
 パチン。
 池之宮は戻ってきて、皆からハイタッチの嵐にあっている。すごくうれしそうな笑顔だ。そしてムードはイケイケムードだ。そして五番の新天がバッターボックスに入る。新天はバッターボックスに入るとバットをクルクルと回してからバットを立てるように構える。落ち着いたバッティングフォームだ。見た目以外は本当に長距離砲の風格が見える。さて、どう打ってくるのか。
 シュゴーーー ズドーン!
 ストライクワン!
 相手投手も同点だけでは崩れてこない。でもここで攻め立てればリズムを崩して大量点を取れるチャンスともなる。ここは駆け引きとの勝負だ。
 グググッ バスン
 ボールワン!
三宮「(ストレートや変化球の勢いは落ちてない。あいつは迷いを見せると球がばらつく。でもまだまだ大丈夫、立て直すチャンスはいくらでもある!)」
 シューーー
 ギィン!
 バットに当てた。引っ張ったがやや打球に押されぎみのファールになった。さすがに池之宮でないとあの重い球をとばすのは至難なのだろう。
 シュゴーーー
新天「(打てるけど!)」
 ギィイイイン!
新天「(くそっ、勢いがない。)」
 打球はセンター前にフワフワと上がった。高いフライのため、センターも余裕で追いつき、捕球体勢に入った。
小島「オーライオーライ。」
 バシン アウト!!
 センターがガッチリとキャッチしてスリーアウトチェンジになった。一回で両者とも二点を入れた。これは打撃戦になるのだろうか。それともこの後立て直して投手戦になるのか…。一度振り出しに戻った。ここからが勝負どころだ!
友亀「芦毛先輩。」
芦毛「ああ、わかってる。こっからが勝負どころだ。」
友亀「見た限り全ての球の切れは良いです。」
芦毛「そうか。実はな、全部全力で投げているように見せてるが、まだもう一段階ギアを残してあるんだ。」
友亀「まじっすか。さすがに…気づかなかったっす。」
芦毛「でもこの試合で使うつもりはない。今は一つ前のギアでどこまで戦えるかも含めて投げたいんだ。」
友亀「わかりました。でもくれぐれも今日の試合、勝たなきゃ意味がないので。頼みますよ。」
芦毛「ああ。」

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11.28
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キャラクター紹介 
名前 泉 久美(いずみ くみ)高校一年生
誕生日 7月2日
身長157cm
松江学園

電気会社の社長の娘である女の子。いたって真面目で学校内でも成績は優秀。アイドルグループ、スノーフェアリーのメンバーでもある。三人の中で一番歌が上手く、歌で盛り上げることが多い。メンバーの中ではいつもサポート役として働いている。歌に関してはプロの歌手からは「なぜアイドルなのだろう。」といわれるぐらいの才能を持っている。


今回はしろにいさんに描いていただきました!ありがとうございます!
しろにいさんのpixivページ
しろにいさんのブログ
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11.27
レシア「大丈夫、私なら心配いらないよ。なにかあっても自分で対処できるよ。」
レオナ「私みたいに強いやつが現れたら?」
 レシアは一度黙るが、凛とした顔に変えた。
レシア「絶対に私は死なない。大丈夫だよ。」
 その言葉には不安なことが詰まっていたが、なぜかレシアの言うことには説得力があった。俺はすこし落ち着いた表情でホッとした。母のセーラさんも安心した表情だった。
帝沢「ご馳走様でした。」
 俺は食べられる分だけ食べ終えると、食器を流しのところに持っていった。
レオナ「帝沢、後で見せたいものがある。ちょっと上に来てくれないか。」
帝沢「ああ。」
 俺はレオナの後ろを付いていった。その後ろからはレシアもついてきていた。階段を上りきると、レシアやレオナの部屋と書かれた部屋があり、他にもたくさん部屋があった。そして何も書いていない部屋の前でレオナが止まった。
レオナ「ここよ。」
 レオナがゆっくりとドアを開ける。暗くて何も見えない。
レオナ「電気つけるわね。」
 パチン
帝沢「うわお。」
 そこには大量の本や資料のファイルなどが並べられていた。

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11.27
 俺はゆっくりと生田たちの後を付いていくと変化が現れた。公園の前にいくと生田が止まったのだ。俺と撫子は壁にソソッと隠れた。一体何をするのだろう?
「なあ、目黒。すこし公園でお話ししていかないか?」
「公園で? …いいよ。」
 そういって二人は公園の中に入った。俺と撫子はそれを確認するとゆっくり公園の方に向かっていった。
「ねぇ、こっち向いてたらどうしよう。」
「大丈夫、俺が先にそっと見ておくから。」
 俺の予想が間違っていなければこっちに向くようなベンチや遊具は無かったはず。チラッと覗く感覚だったらばれないかもしれない。俺はそっと覗いてみた。
「ブランコ乗ってみるか。」
「そうだね。」
 生田と目黒はゆっくりとブランコに座った。ゆっくり、小さく二人はブランコを揺らしていた。
「目黒ってさ、今まで友達とかはどうしてたんだ?」
「私は自分の趣味を曲げたくない性格だから…あまり私の性格や趣味に合わない人が多くて…。」
「そういうことか…。」
「でもね…この学校で生田と一緒に撫子ちゃんとも友達になれたんだ。」
「そ、そうか。」
 二人は何かしら話しているように見える。
「何を話しているんだろうね。」
 撫子が俺の耳元で言う。
「さぁ…でも告白に入る前の余興みたいなもんじゃないのかな?」
 そういうと生田はブランコを止めた。
「め、目黒。」
「何?」
 生田はごくりとつばを飲んだ。
「目黒ってさ、恋ってどう思う?」

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11.27
 私が家に帰るとすでに姉が帰ってきていた。私は荷物を置いて洗面所に行き、手洗いうがいをしてからリビングに向かった。
真菜「ご飯できているわよ。」
佐奈「ありがとう。」
 そういって私と姉は一緒に座って食べ始めた。今日はシャケのムニエルと味噌汁、野菜炒めだ。今日は姉の手料理。いつ食べても味付けがしっかりしていておいしい。そして何よりも、私と姉の栄養をしっかり考えて作ってくれている。
佐奈「真菜 姉(ねえ)は今日早かったね。」
真菜「…一昨日試合があったからね。ノースローよ。」
佐奈「そうだね。……今日はキャッチボールやるの?」
真菜「…少し。」
佐奈「わかった。」
 テレビの音がむなしく響く。姉の淡々とした返事しか返ってきてくれない。大会前なのはわかるけれども、ここ最近冷たい。四年生と二年生、姉にとってみればプロの準備をするか、就職の準備をしなければいけない時期。それが原因なのだろうか…。
芸能人『デートといえば…。』
真菜「そういえば。」
 久々に姉からの会話を聞いた気がする。何を聞くのだろう。
真菜「佐奈って彼氏いるの?」
佐奈「!?」
 私は食べていたものを喉に詰まらせそうになった。すぐに目の前のお茶を飲んだ。いきなり何を聞いてくるの!?
真菜「…喉に突っかかって死なないでね。」
佐奈「死なないよ!」
真菜「それで、彼氏はいるの?」
佐奈「私はいないよ。そういう真菜姉はいるの?」
真菜「興味ないわ。」
 そういってもぐもぐとおかずを食べていった。一体なんなのさと思いながらも私はおかずを口に入れていった。
 食べ終わると食器を洗って自分の部屋に戻った。パソコンの電源を入れて、これから講義仲間と一緒に研究会議の時間になる。一時間という短い時間だけれども、有効活用していろいろとお話ししていかなければ。それが終わったらランニングとキャッチボールもしなければ。

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11.27
池之宮「(さっきの当たりを見る限り、海鳳ではホームランはきついということがわかった。だが、俺ならいけるって伝えたかったのだろう。ホームランを打てば相手の精神的なダメージを与えることができる。なにしろさっき海鳳の当たりを含めれば自信が壊されて大きなものになるだろう。よし、まかせろ。)」
 池之宮の威圧感はテレビからでもひしひしと伝わってきた。相手の選手たちは多少の余裕がある表情を見せているが、外野は目一杯ギリギリまで下がっている。やはり長打を警戒しているのだろう。
 シュゴオーーー
 ズドーン!
 ボールワン!
 一球見た。しっかりと見てきた。池之宮のしてやったりの顔が私には見えた。もう一度ストレートを投げたら…ホームランだ。
海鳳「お前は大振りしなくてもホームラン打てる! 狙いだま絞っていけ!」
府中「池之宮ならやれるぞ!」
池之宮「(わかってるよ。)」
 ピッチャーが大きく振りかぶって投げる。
 シュゴーーー
 ストレートだ!
 ガッ
 池之宮が地面にしっかりと踏み込み、打つ体制を作る。体全体を使ってバットを出していく。ボールをインパクトの瞬間までしっかりと見ていく。
 キィイイイイイイイイイイン!!!!
新天「あ。」
日下部「うわっ、飛ばした。」
中山「おっけー、いった!」
 打球がセンター方向に飛んでいく。センターは動くそぶりを見せない。
アナウンサー『いったあああああああああああ!!』
飯島『うわー。』
 アナウンサーや解説者からも驚きの声が聞こえる。それもそのはず、あんな打球なんて私たちが練習でさえ見たこと無い打球だ。バックスクリーンに当たるかと思いきや、バックスクリーンを超えて場外に消えていった。
池之宮「っしゃああああ!!」
スタンド「ワアアアア!!!」
「池之宮くーーーん!」
「ナイバッチー!!」
 池之宮とスタンドが一体感で声を出していた。池之宮の高々と上げた右手を見て、他にはない風格を見せ付けていた。

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11.26
稲本「なっ!?」
三宮「センター、ライト! バックセカンだ! ホームは間に合わない!」
 ライナー性の打球が右中間に飛んでいった。すぐさま卜部先輩はホームに向かって走っている。これは確実に一点返せる!
スタンド「ワアアアアアア!!!」
 一気に歓声が沸きあがる。皆のムードが高ぶっていく。
卜部「よし府中! ナイスバッティング!」
 余裕の表情で卜部先輩がホームを踏んだ。これで一点を返して2対1と一点差に変えた。そして府中先輩はセカンドに向かっていく。
石山「上原! カットなしだ! お前ならさせる!」
上原「らぁああああ!!」
 シュゴーーー
 ライトから矢のような送球がセカンドベースカバーに入ったショートへと飛んでいく。
バシーン!
辻田「アウト!!」
府中「セーフだ!」
 アウトーー!!
 審判はアウトと声をあげ腕を上げた。あと一歩が遅かった。
辻田「ナイスライト!」
上原「おっけ! ワンアウト!」
 さすがに府中先輩でもあの送球には勝てなかったか。でもアレは相手が良すぎただけだ。まだワンアウト、しかも点も取っている。そして三番は海鳳だ。
海鳳「(一打席目は様子見で打ってみるか。次から球絞って振りぬく。)」
 シューーーー ズドーン!
 ストライクワン!
 重いストレートがミットにおさまる。手がしびれるのではないだろうか。キャッチャーも捕るの大変そうだが、キャッチャーも体つきが良い。だからこそドッシリとしたストレートが投げれるのだろう。
 シューーー バズーン!
 ボールワン!
 グググッ  バシン!
 ストライクツー!
 ワンボールツーストライクとなって追い込まれた。ここまで一度もバットを振っていない。どういうことなのだろう。
海鳳「(球筋はわかった。後は打ってみて重さがどれだけあるかだ!)」
 シュゴーーー
海鳳「この球!」
 ガキィイイイン!
 鈍い音と共に打球がレフト方向へと飛んでいった。これはレフトフライになりそうだ。定位置で守っていたレフトがそのまま捕った。
 バシン! アウト!
三宮「よし、ツーアウト!」
 これでツーアウトになってしまった。しかし海鳳はニヤニヤと笑っている。何があったのだろう。
海鳳「(なるほど…確かにこれは重いわ。ヒットまでが限界だが…池之宮、お前ならいつもより遠くに飛ばせるぞ!)」
 そして四番の池之宮がバッターボックスに入った。

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11.25
私の小説で恵美・沖田・アイコンにもなっている亜弓の挿絵を描いてくださっているyukijiさんが
このたび、コミックマーケットに受かりました。








場所は3日目【西地区 ゆ-42b】
本編のサイドストーリーを出す予定です。
作者 毅
絵師 yukiji

ぜひ購入して読んでみてください!
自分も購入させていただきますw

yukijiさんのHP
yukijiさんのツイッター
毅さんのツイッター
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11.25
堀近哲三(ほりちか てつぞう)「さあ、ここだ!」
 私は振りかぶって右足を上げた。ミットから一度目線をはずして、もう一度みてそこに向かって!
 シュゴォオオオオオオ
 バシィューーーン!!
堀近「ナイスピッチング! もう一球だ。」
 六大学大会に向けての調整は万全になってきた。早く…試合で投げたい!
 シュバァアアアアア
 ズバァアアアアアン!!
堀近「よし! お疲れ!」
椎葉佐奈(しいは さな)「お疲れ様です。」
 私は軽いダウンのキャッチボールをした。今日も構えたところに投げることができた。私は少しほんわりとした気分になっていた。
佐奈「早く試合で投げたいです。」
堀近「おいおい、それで成績落としたらまずいぞ。一応奨学金貰っているんだから成績落とせないのわかっているだろ?」
佐奈「大丈夫です! 講義も毎日出ていますし、今まで 『秀』しかとっていませんから。」
堀近「ふん、良くいうぜ。」
佐奈「それを言うなら堀近さんもそうですよ。」
堀近「俺は一度『優』とったことあるぞ。」
佐奈「そうなんですか。」
 私はキャッチボールを終えて、帽子を取ってお辞儀をした。
佐奈「あっ、今日は少しだけ早めに帰らないといけないので。ランニングは姉と一緒にやっておきます。」
堀近「そうか。じゃあ又明日な。」
佐奈「お疲れ様でした!」
 私は急いで更衣室に移動した。今日は自宅に帰って、同じ講義仲間と宿題の話し合いをネットでする約束がある。だからちょっと早めに帰って準備しなければいけない。
 大会まであと二週間。去年は二位という結果で春と秋、神宮大会に出れることが出来なかったけれども、この一年間で大きく私たちは成長した。堀近さんは今年が四年生。春はラストチャンスでプロにアピールできるのも最後のチャンスかもしれない。そして最大のチャンスでもある。だからその舞台に堀近さんをたたせてあげたい。そして…姉と勝負がしたい。
 私は急いで自宅に到着するとすでに電気がついていた。鍵はかかっているけれども、姉が帰ってきているようだ。
 ガチャ
佐奈「ただいま。」
椎葉真菜(しいは まな)「……お帰り。」

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11.25
日下部「いいか、初の先取点を取られたぞ。こういうときこそ落ち着いて、冷静に点を返していこう。大丈夫、お前たちの打力ならいける! ただ、気合は入れていけよ!」
皆「しゃあ!!」
卜部「府中。」
府中「なんだ?」
卜部「俺が足でかき回して相手のペースを乱す。後はお前が返してくれ。」
府中「わかったよ。」
アナウンサー『さぁ、二点取られてからの一回の裏。一番は三年生の卜部選手からです。』
飯島『しかし今日の稲本選手、ピッチングを見る限りよい球を投げていましたよ。調子はよさそうですね。』
 相手投手は左投げのストレートで押すタイプだ。球こそ速くないけど持ち前の力強さで球に重みがある。さて、どうやってうちらは打つのだろう。
 シュゴーーー ズドーン!
 ストライクワン!
 ミットの音が違う。明らかに重い球、そして調子が良いという証拠になる音だ。
 シュゴーーー ズドーン!
 ボールワン!
卜部「(俺の場合、普通に打とうとしたら球に押されるな。バントもしにくいとしたら…スイングをわざと遅くしてバントのようなバッティングで! 一か八かだ!)」
 シュゴーーーー
 ガキン!
 あぁ、ボテボテのゴロ…かと思いきやサードが急いで前進してくる。
 ダダダダダダッ
三宮「サード急げ! 足速いぞ、ファーストだ!」
徳川「ぐっ。」
 ボールを掴んだ。しかし、明らかに送球しても間に合わない。
 ダンッ
 セーフ!
卜部「っしゃああ!」
 やった! 足を上手く利用した打ち方だ!
 パーパーパーパッパパッパパー(ヒットテーマ)
 吹奏楽部と応援の声が聞こえ、優衣たちも映し出されている。みんな、とても嬉しそうな顔をしている。これでノーアウト一塁、次は二番のキャプテン府中先輩だ!
日下部「(ここは盗塁だ。慎重かつ積極的に、いけるならすぐにいけ。)」
卜部「(了解っす。)」
府中「(よし、頼むぞ。)」
 卜部先輩がやや大きなリードを取る。ピッチャーも気にしている。足を上げた。
ランナーコーチャー「ゴォ!」
 足が重なった瞬間、卜部先輩は走った。府中先輩がバントの構えをしているが、すぐにひく構えだ。
 バシン! ストライクワン!
三宮「セカン!」
 キャッチャーから送球されるが、もうすでに卜部先輩は到着していた。盗塁成功! チャンスが広がった。
府中「(よし。サインは…打てと。勢い強いから、その分こちらも力入れないとな。)」
 府中先輩が集中力を高めている。次、打ちに行くのだろうか。
 シュッ ググググッ
 カーブだ! ここにきて変化球だ。
 ギィイイイン!!!

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11.24
この作品は東方の二次創作です。あらかじめご了承ください。
さとりとこいしの物語になっています。


「ふぅ…。」
 パタン
 本を読み終え、私は立ち上がった。そろそろお昼の時間。火車や地獄鴉などがやってきているみたい。私はペットにえさを与えるためにすぐそこの袋をとりだした。
「さとり姉ちゃん! 私、お昼ご飯を作ってみたのですが、食べてみます。」
 私がペットえさを与えているとこいしがお皿を持ってこちらにやって来た。湯気がでている。なにやら温かい食べ物を作ってくれたらしい。ただ、こいしのことだから何か思いつきで作ってみたのだろう。
「はい、パスタっ!」
「パスタ?」
 私はその言葉をしらなかった。「パスタ」とは一体何なのか。本当に食べ物のことなのだろうか。こいしはテーブルの上に皿を置いた。皿の中には細くて小麦色をした麺があった。
「へぇ。これが食べ物なの。」
「はいっ! たまたま発見して、つい作っちゃった。」
 見た目は至ってシンプル。麺のほかには具も何も無い。こういう料理なのだろうか。
「ささっ、食べてみて! さとり姉ちゃん。」
 私は言われるがままにその「パスタ」というものを口に含んだ。細い麺を噛んでいく。……味がしない。いや、そんなわけがない。料理なのだから味がしないわけがない。今度こそ。……ダメだ。味が全くない。
「こいし…どうやって作ったの?」
「えっと、パスタというものをお湯で沸かして…。茹で上がったものを取り出して食べるってやつ!」
 ソレを聞いた私はまさかと思った。いくら私でもこいしの心を読み取ることはできない。閉じてしまっているので心が無いような状況だ。だから私が唯一言葉で聞かないとわからない。
「それって…味付けはしないの?」
「味付け?」
 私は大きくため息をついた。もしかするとこの「パスタ」というものには味付けが必要なのかもしれない。
「自分でも食べてみて。」
 私はフォークでだらんとしたパスタをこいしの口に近づけた。こいしはちゅるちゅると「パスタ」をすすっていくと、なんともいえない表情をした。
「味…ないね。」
「でしょ…。その前に味見してみなさいよ。」
「えへへ、毒味だよ、姉ちゃん。」
「私を毒味に使わないの。」
 これで確信づいた。この「パスタ」というものには味付けが必要なようみたい。といっても味付けはどうすればよいのだろう。
「ねぇ、さとり姉ちゃん。私、味付けしてくるね。」
「こらこいし。」
 私の声を無視してパスタを作りにいった。こいしは私と違ってあのような良いところがある。でも今回みたいに何も考えずにすぐ好奇心旺盛すぎる行動をしてしまう。特にここ最近多くなってきている。私は心配だ。何か…こいしの中で変わってきているものがあるのかもしれない。…でも私には…。

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11.24
 テスト最終日の帰りの会が終わり、俺と撫子は一緒に帰ることにした。
「ねぇ、アレ見て。」
 撫子が指を差すと生田が目黒と話しているのが見えた。
「テスト終わったからさ、一緒に帰らない?」
「うん! いいよ。」
 そういって生田と目黒が一緒に帰っていった。
「ねぇ、見守ってあげようか。」
 撫子が俺の袖をツンツンと引っ張って言った。たしかに、アイツはもしかすると告白するかもしれない。そんな雰囲気が漂ってきた。でもテスト終わってすぐに…本当に一か八かの勝負なんだろうなぁ。その雰囲気に持っていけるかが勝負だぞ、生田!
 俺と撫子は後ろから二人の様子を見ながら帰っていった。二人とも仲良くしているようにみえるが、おそらくテストの会話だろう。生田がところどころで落ち込んでいる様子がある。それでもすぐに立ち直って会話している。
「上手く…いくかな?」
 俺はボソッと言った。撫子は軽くうなずきながら俺の方を見た。
「私は…成功すると思うよ。良い関係になれそう。」
 撫子が言うなら間違いないはず…。たしかにいままでに二人とも好意を寄せているかのような表情がある。でも…後一歩が踏み出せずにいる。その一歩が出れば…お互いスキだという気持ちを伝えられるはずなのに。俺は行けよ、そこで言えっと念じながら歩いていった。
「拓斗も最初は言うの恥ずかしかった?」
 撫子が俺に聞いてくる。
「俺か? 一目ぼれだったからなぁ…。」
「そういわれちゃうと恥ずかしいよ…。」
 撫子は顔を隠す。
「でも…スキって気持ちがものすごく強かったし、覚悟決めていたからすぐいえたってのもあるよ。アイツは…心の準備が難しいのだと思う。」
「そうだね…。でもっ、今回は上手くいく気がする。」
 撫子がニコニコと笑顔を見せた。その間にも前の二人はドンドン歩いて行く。俺たちは遅れないように遠くから見守っていた。

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11.24
 打球が高くライト方向へ向かっていった。打球がドンドン伸びていく。
亜弓「ああっ!」
 私は思わず声を上げた。
アナウンサー『これは入るか! 入るか!?』
府中「ぐっ。」
 ポーーーン
徳川「しゃああああああ!!」
 入ってしまった、ツーランホームラン。芦毛先輩がいきなり打たれるなんて…。波に乗っている学校がいかに怖いかがわかった。それよりもあのバッターの打ち方だ。低めをすくい上げるように振った。そしてスイングスピード。間違いない、このチームは強敵だ。バッターがホームを踏んでホームイン。2対0と先制されてしまった。
上原「しゃああ! ナイス徳川!」
徳川「おもいっきり打ってやったぜ!」
本田「続け! 三宮!」
 そしてまだまだパワーヒッターが続く。次は五番の三宮。これまた体つきがよい。甘い球を投げてしまったらまたホームランを打たれそうだ。
 だけど…なぜかと芦毛先輩は余裕の表情を見せてる。こんな状況に至っても大丈夫だということなのだろうか。皆も余裕の表情を見せている。さすが強豪校なだけあってメンタル面は強い。私はこの状況だったらてんぱっていただろう。
 シュゴオーーーー
 ズバーーン! ストライクワン!
 さっきよりも球の勢いが増しているように見える。でも思いっきりのストレートではない。何か…何かあるはず。
 シュルルルルル
三宮「ぐっ!」
 ブン! バシン!
 ストライクツウ!
三宮「(んだこりゃ。)」
 すごいスクリューだ。あんなの普通打てっこない。しかもキレが一段と増してきている。そしてストライクが入るようになってきた。もう一度あの球をなげられたら…。
 シュルルルルル
三宮「(ストライクゾーン! 振らなきゃ!)」
 ブシィ!
 バシン!  ストライクバッターアウト!チェンジ!
芦毛「っしゃああ!!!」
 空振り三振だ! スクリューが全く相手のバットに寄せ付けなかった。これでスリーアウトチェンジだ。さぁ、今度はこっちの番だ!

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11.24
 私には二つ上の姉がいる。

 野球がすごく上手で、スカウトやプロのコーチ、監督までもが声をかけに来ている。

 そんな姉がかっこよかった。

 妹の私にもいろいろと指導してくれた。

 そのおかげで私のところにもスカウトが来るようになった。

 真菜の妹という名で有名になった。

 最初は複雑な気持ちだったけれども、姉は本当にすごく有名になっていった。

 すごく誇らしげに思うこともありながら、

 いつしか姉を超えてみようと思えるときがあった。

 そして真菜の妹ではなく、佐奈という一人の選手として見られるように…

 私はそのために姉と違う学校にいった。

 初めて姉の学校との練習試合。先発して完投したけど負けた。

 悔しかった。

 私はどうすればあんな球が投げれるのか姉にきいた。

 でも姉はそれ以来冷たい口調でしか話さなくなっていた。

 アドバイスは教えてくれない、自分で探して掴み取ってみろ。

 もう大学生なのだから、それぐらいやってみろ。

 と。

 私は一生懸命努力した。

 姉に負けないほどの実力をつけることもできた。

 そして大学二年生。真菜姉と大学で公式な勝負ができるのは春と秋の二回だけ。

 私は…姉を追い越してみせる。

 そして…昔のように…。

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11.24
 次は三番の上原だ。身長が大きい。表示に183cmと書いてある。でもこれの方がストライクが捕りやすいはず。
 シューーー バシン!
 ボールワン!
 あっと、力が入りすぎてる。高めに浮いてしまっていた。次は低めに構える。変化球だろうか?
 シュルルルルル
 ブン! バシン!
 ストライクワン!
上原「(この球は打てねぇな。)」
友亀「(よし、キレはいつもより良い。)」
 さすがに変化球には全く合っていないみたいだ。わたしたちが練習試合をしたときよりも曲がるようになっている。調子は良いみたいだ。後はストライクが…。
 シューーーバシン ボールツー!
 ググッ バスン ボールスリー
 またボール三つ出てしまった。こんなにコントロール悪かったっけ。人と比べたらコントロール悪い気がするけれども、ストライクが取れないわけではない。力が入りすぎているようにも見えるけど…。
 シュルルルルル
 バシーン! ボールファア!
 あぁ、またファーボール。これで二つ目だ。本当は調子が悪いだけなのだろうか? それともあせっているだけなのだろうか。テレビからだと問題ない表情に見えるけど…実際どうなんだろう…。
友亀「(ツーアウト、まだ初回。大丈夫だ。まだ攻めていく投げ方で問題ない。)」
府中「(友亀、落ち着いていけよ。冷静に考えてリードすれば普通に抑えられるからな。あと芦毛、あわてることはないぞ。)」
 そして四番の徳川だ。体つきがすごい、いかにもホームランバッターのような体格だ。下手な球を投げてしまったら打たれるだろう。左バッターボックスに入った。
芦毛「(初球ストレートか。よし、思いっきり!)」
 シュッ! シュゴオオオオオオオオ
徳川「(低めっ、打ちごろ!)」
 ギイイイイイン!!
友亀「なっ!? ライト!」

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11.24
 次のバッターは二番の石山だ。おそらく送ってくるか、盗塁してくるだろう。うちのチームはどんな守備を見せてくれるのだろう。テレビで見るとまた違った視点から見れる。芦毛先輩、頑張って。
 シューーー ズバーン
 ストライクワン!
アナウンサー『盗塁やバントの仕掛けはやってこないですね。』
飯島『まだ仕掛けてこないだけじゃないでしょうか。なんといっても八潮中央は打力が売りですから。』
 となるとヒットエンドランか? でも初回からは厳しいものがある。守備としてはしっかりここで立て直していきたいものだ。
 ググッ バスン
 ボールワン!
 カーブが外れた。走られてもおかしくないタイミングなのに遅い球を投げた。一体どんなリードをしているのだろう。
友亀「(次だ、打ってくるとしたら。思い切りのストレートをここに!)」
芦毛「(よっしゃ。)」
 セットポジションに入る。クイックモーションに入った。
ランナーコーチャー「ごぉ!」
 ダッ
 ランナーが走った。キャッチャーがセカンドで刺す構えをしている。
石山「(ヒットエンドラン!)」
 キィイン!
 鋭い打球がショートの定位置を狙った。
石山「はぁ!?」
 バッターが驚いた理由はショートの守備位置だ。盗塁なら普通セカンドベースに行くはずなのが、すでに定位置で守っていたのだ。さすが栗山先輩!
 バシン!
栗山「ゲッツーっす! 卜部先輩!」
 捕球してすぐにセカンドに投げる。卜部先輩が捕球してベースを踏む。
 アウト!
卜部「池之宮!」
 そのままサイドスローでランニングスローのように投げた。正確な送球が池之宮のミットにめがけて飛んでいった。
 バシン!
 アウト!!!
栗山「しゃああ!」
芦毛「ナイス栗山!!」
府中「一気にツーアウトとったぞ!」
友亀「こっからですよ!」
 鮮やかなものだ。簡単にツーアウトを捕ってしまうとは。これで流れが変わってきた。芦毛先輩、頑張って!

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11.23
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。





 埼玉にプロが注目する投手がいる。和光大学付属和光高校の真田太一投手だ。今日の試合で今期最速の147キロを叩き出して三振を奪った。ただ、早いだけでなく威力、ノビ共に合格点以上だった。監督は「球の威力やノビに関しては日によってそれぞれ。そこのばらつきが無くなれば十分甲子園優勝も狙える。」とコメント。
 当の本人も自覚しており、「次の試合でも絶対に負けません。後はいかに自分の球がよいか悪いかだけの調子を確認する程度で問題ないです。」と最初から勝つという発言。強気の裏には考える部分もあり、実力もある。果たして甲子園は行けるのだろうか。

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11.23
田垣内「……。」
時槻「…。」
 俺たちは任務を終えた後、家に戻らず、会議室にこもっていた。レシア以外の今日戦ったメンバーが集まった。下を向いたまま何も喋らずにいた。俺たちは目の前で見た。敵も味方も死んでいく姿が。そして無残な姿が。
 戦いを終えた後、無くなったメンバーたちの家族たちが駆けつけた。皆泣いていた。とくに…リーダーの方は…。
リレン「これも現実よね…。」
瞬奏「そうね…。私たちはそういう経験があるといっても…辛いものがあるわね。」
リレン「特にそのような光景を見てない人たちは…味方も亡くなっているし。」
 その場には心音と嶋沢もいた。集中治療のおかげでもう怪我は大丈夫みたいだが、戦闘の精神的ダメージは大きいみたいだ。俺も…辛い。
若丸「…はぁ…。」
瞬奏「このような気持ちにさせてすまなかった。もうしわけない。」
田垣内「いえ…俺たちもどうしても助けたかったので…。」
時槻「私は……うわあああああああああああんん!!!!!」
 時槻が大泣きし始めた。それもそうだ。目の前で真っ二つに切れてなくなったリーダーの姿を鮮明に見ていたからだ。俺は慰めたかったが、そんなことも許されないかのような空気の重さを感じた。声が出ない。体が動かない…。
 もう…二度とこんなことには…。

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11.23
 次の日、テスト最終日となった俺たちは最後まであきらめずにテストと戦いぬいた。一教科を除いて俺もすごい良いできだった。そして…。
「テスト終わったああああああああ」
 クラス中がテストを終えたことにより、喜びに満ち溢れている。俺もやっと終わってぐでーんと机に突っ伏した。
 テクテク
「えっと…なでなで。」
 そういって俺の頭をなでてきた。誰かは見なくてもわかる、撫子だ。俺は伏せている顔を利用して思いっきりにやついた。すっごく嬉しい。でもなんだか…女子になでられるのって何か違和感を感じる。でも正直嬉しかった。
「恥ずかしいだろ。」
「あははっ。」
 そう思うと撫子のこんな笑顔って最近よく見せてくれるようになった。最初のころは暗いイメージしかなかったけれども、きっとこれが素の撫子なのだろう。そう思うと…やっぱり撫子は天使のように見えてくる。
「テストの結果、勝負するか?」
 俺は撫子にわざと言ってみた。
「いいよ、でも負けたらご飯おごってね。」
「財布が空になっていく……。」
 そういって雑談をした。
「そう…生田はどうかな。」
 最初の日と比べてどうなっているだろう…。
「真っ白な灰になっているように見える。」
 撫子が生田を見てすぐに言った。完全に屍だ、あれはまずい。
「おいいいいいいいいいい!!! 生田ああああああ! 戻ってこおおおおおい!!」
 俺は生田の肩をもってブンブンと上下に振る。しかし返事が無い。
 ピクン
 一瞬動いたそして口が動く。
「……死ぬぅ。」
「死ぬなあああああああああ!!!!!」
 俺と生田は変なやり取りを続けた。なんだよ、これは。

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11.23
アナウンサー『さて飯島さん。この試合のキーポイントは何処になるでしょうか。』
飯島『そうですね。おそらく乱打線になりそうな予感がしますね。お互いの打撃力の調子がキーポイントになりそうです。そしてもう一つは芦毛投手の調子ですかね。彼によってこの試合の流れが大きく変わっていくといっても過言ではありません。』
 芦毛先輩がキーポイントなのか。でも爪が戻ってきた芦毛先輩なら問題ないはず。きっと良い球を投げてくれるはずだ。

芦毛「友亀。」
友亀「はい、なんでしょう。」
芦毛「なるべく強気なリードで頼む。今日の調子を探り出す感覚も良いが、押していきたい。相手に打たせるかという気持ちを見せ付けたいんだ。」
友亀「わかりました。」

 友亀が戻っていく。そしてそろそろ試合開始だ。
 プレイボール!
 試合が始まった。先頭バッターは小島。特攻隊長でもあり、長打力もある。芦毛先輩がセットポジションを取る。足を上げて、踏み込んで投げた。
 シュルルルルル!
 バシーン!
 ボールワン!
 ああっ、惜しい。綺麗なスクリューでキレも良かったが、ギリギリ入らなかった。でも芦毛先輩の目には自信に満ち溢れている。先輩、頑張って!
 バシーーン! ストライクワン!
アナウンサー『球は走っているようですね。』
飯島『しかし、要求しているコースからは少しだけずれていますね。』
 テレビから見るとそれがすごくわかる。ミット一個分ぐらいという感じだろうか。爪が伸びてからあまり投球していなかったはず。そこのブランクがあるのだろうか。
 シュゴーーー バシン!
 ボールツウ!
 シュルルルルル バシン!
 ボールスリー!
芦毛「ちっ。」
 ワンストライクスリーボールだ。なかなか強気に出てるピッチングだが、ストライクが入っていかない。難しいところだ。でも芦毛先輩はあきらめる様子なんか全く見せていない。
 シューーーー
 バシン!  ボールファア!
小島「っしゃあ!」
上原「ナイス小島! 石山、球荒れてるからな! 良い球だけを絞っていけ!」
 ファーボールだ。でも友亀も芦毛先輩はわかっていたかのような顔をしている。何か確認しているのだろうか…。球の感触だろうか。でも、この表情を見る限り…大丈夫そうだ。

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11.23
 テスト当日。さて、勉強の成果を出すときだ。最初は古文だ。古文なら前より自信が出た。きっとできるはずだ!
「テスト……初め!」
 ガサガサ
 とじた紙を開く音が一斉に聞こえた。そして問題が見えてくる。
問一
 次の下線部①、②、③の意味を答えなさい。
① けしうはあらぬ女
 来た、授業でやったところ。これは「悪くはない女」で大丈夫なはず。よし、ドンドン答えていくぞ。
 ……………
 キーンコーンカーンコーン
「はい、テストやめ!」
 よし! 上手くいった! 俺は終わると同時に撫子の方を向いた。撫子も右手で親指を立ててガッツポーズを取っていた。俺も同じように返した。生田は…問題なさそうだ。笑顔が見えている。これならきっと…。
 その後は現代文、世界史、英語と続いていった。全て上手くいった気がするが、英語だけ一部難しかった。でも悪い点はとらなさそうだ。俺は大きく背伸びをした。その横に撫子が来た。手を差し出してハイタッチを待っていた。俺は軽くパチンと叩いた。
「やったぜ。」
「よかったね! 私も良い点数が取れそうだよ!」
「おお! それで…生田はどうだろう。」
 俺と撫子で生田の方を見る。
「あ~~~~~~。」
 口をポカンとあけて、そこから魂が抜けていくかのような体制をしていた。目も輝きが失われている。出来たっぽいと思いたいけど…たぶんアレは…疲れやプレッシャーでどっかあの世にいってしまいそうな様子だった。
「疲れてる…だろうな。」
「そっとしておこう。」
 俺と撫子はニコニコと生田を見ながら戻った。それは悪意のある笑顔ではなく、アイツの頑張っている姿にニコニコしていた。

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11.23
 三塁側敵ベンチ
上原「相手は松江かあ。強敵だけどさ、俺たちもここまで打撃で勝ってきたからな。」
徳川「負けられないよな。今日もホームラン打ってみせるぜ。」
三宮「でも相手も打撃に関してはすごいぞ。とくにあの一年生三人は気をつけなきゃな。」
辻田「でも先輩、そんな強敵から俺たちも勝ってきたんですよ。」
稲本「バカやろう。次の相手はとんでもなくヤバイやつらなんだぞ。まあそんな気持ちは必要だかな。俺だってエースだからな。最小失点で抑えてみせるさ。」

 味方スタンド
香澄「私たちだけのチアは今日でおしまいだね。」
優衣「そうだね。これからは現役の人たちと頑張らなきゃね。」
久美「そうだね。最高の応援にしよう。」
優衣「皆さん! 松江学園の勝利を願って、大きな声で応援しましょう!」
 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
美琴「すっごい応援ね。」
恵美「私たちにはこんな大きな声は出せないわね。」
千恵美「本当にね。声がかれてしまいそう。」
真希「でもこの子は別みたいだよ。」
瞳「皆!!! 頑張って!!!」
美琴「すごい大きな声よね。」
蓮沼「今日は亜弓ちゃん来ていない見たいよ。」
橋風「うそん!!」
蓮沼「そんなに驚くの? あっ、もしかして。気にかけているとか?」
橋風「そんなことない!!!!」

審判「集合!!!」
 そろそろ試合だ。皆、がんばって。
皆「しゃあああっす!!」

 先攻 八潮中央高校
一番 センター 小島 3年
二番 セカンド 石山 3年
三番 ライト 上原 3年
四番 サード 徳川 3年
五番 キャッチャー 三宮 3年
六番 ファースト 能登 3年
七番 ショート 辻田 2年
八番 レフト 本田 3年
九番 ピッチャー 稲本 3年

 後攻 松江学園高校
一番 セカンド 卜部
二番 ライト 府中
三番 センター 海鳳
四番 ファースト 池之宮
五番 サード 新天
六番 レフト 中山
七番 ピッチャー 芦毛
八番 ショート 栗山
九番 キャッチャー 友亀

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reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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