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10.31
 撫子が描き終えると、夕暮れが近づいてきた。もう少ししたらデートもおしまいだ。そして完成した絵をみるとなんと3Dであるかのようなすばらしい絵だった。
「やっぱり撫子ってすごいよな。」
「本当に? ありがとう。私、絵描いているときはいつも黙っちゃうんだけど大丈夫だったかな?」
「うん。見ているだけでもすっごく楽しかったぜ。」
 そういうと撫子は微笑んで俺の手を掴んだ。
「もうそろそろお帰りかな?」
「いや、撫子にもう一つ連れて行きたかった場所があるんだ。」
「なに?」
 俺は撫子の手を握って歩いていった。撫子は最初、どうしたんだろうという顔をしていたが、近づくにつれて笑顔に変わっていった。5分ほど歩くと観覧車の乗り口に到着した。
「ここからの景色綺麗だからさ。一緒に乗ろうぜ。」
「うん!」
 俺と撫子は観覧車に乗った。
「…」
「…」
 終始無言が続いた。俺は何とかお話しようと口を開いた。
「あのさ、今日のデート楽しかったか?」
「うん。楽しかった。」
「よかった。」
「私ね、拓斗といるとドキドキするの。」
「ありがとう…。」
「あっ、見て!」
 俺が撫子の向いたほうを見ると、綺麗な夕焼けと共に町が照らされていた。
「綺麗だね…。」
「うん。」
 なんてロマンチックな雰囲気なんだろう。思わず見とれてしまいそうだ。
「写真とっておこう。」
 そういって撫子は写真を一枚、パシャと撮った。もうそろそろ頂上だ。ここしかチャンスはない。
「な、なあ撫子。」
「なに?」
 俺はゆっくりと撫子の頭を抱き寄せるように触った。
「えっ?」
 俺は撫子の顔にゆっくりと近づく。前みたいに撫子は抵抗していない。良い…のだろうか。俺の行動に答えるように撫子も俺の背中に手をかけた。そして…………。

 綺麗な夕焼けと共に、俺は初キスをした。

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10.31
 ここで大きな追加点が入った。新天がゆっくりと回っていく。ここまでいくとかなり楽な展開に持っていける。ただ、相手にとってみれば最悪な展開だ。でもうちらは今戦っている。そんな感涙にふけている場合ではない。だからこそもっと点を取っていかなければ。新天がホームを踏んだ。これで4対0。4点の援護点をもらった。
新天「うってきたぞ! どうだ池之宮!」
池之宮「お、俺だって打ってくるぞ。」
海鳳「負け惜しみか?」
池之宮「ちくしょう! 今にみてろ。」
沖田「喧嘩してる場合じゃないだろ。」
米倉「こいつはこの怒りを力に変えるんだよ。」
友亀「似てるな、池之宮と日高って。そんなところだけだけど。」
米倉「そうだな。というか俺のことも気にしてくれよ…。」
亜弓「わ、私は気にしているからね。」
由紀「私もっ! あっ、ナイスバッティング!」
米倉「ちくしょう! みてろよ!」
 米倉がぷんすか言いながらバッターボックスへと向かっていく。そして相手ベンチの様子をみると外のブルペンで誰かが投げている。アレは…高野だ。出るのだろうか。そうだとしたら完膚なきまで叩きのめしてみせる。
 ガキィ!
 あっ、米倉がセカンドへのボテボテゴロだ。ファーストに送球してアウト。ワンアウトになった。それに私の出番も近づいてくる。準備しなければ…。
友亀「(バッティングが苦手だけど、なんとか克服しなければチームの迷惑になるし、スタメンさえ外れてしまう。なんとか打ちたいけど。)」
 シュッ
友亀「(くそ、このクセ球が難しい!)」
 ガキィ!
 また引っ掛けた。ファーストゴロになって難なくツーアウトになってしまった。ここで私か…少しは気楽に打つことができるだろうか。私にだって打てるはずだ!

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10.31
 私はニコニコした顔で戻っていくと監督もニコニコしていた。
日下部「ナイスだ日高! このままの調子で投げてくれ。」
亜弓「はいっ!」
由紀「着替えてきたら? 汗かいているし。」
亜弓「そうだね。」
 私はベンチを後にして更衣室に移動した。

由紀「ねえ、友亀。」
友亀「なんだ?」
由紀「かなり飛ばしてない?」
友亀「そうだな。でも止められないと思うぜ。」
由紀「あの件もあるからね…。」
友亀「でも日高はすごいんだ。その怒りを力に変えているんだ。普通なら投球に乱れが生じるはずなんだけど、日高は違うんだ。」
由紀「それは並外れた努力がいまここで開花してるんじゃないかな。」
友亀「その根拠は?」
由紀「わからない。でも雰囲気だけみてもそう感じられるの。」
友亀「なるほどな。」
海鳳「まったく、同感だ。」
池之宮「風格がついてきたよ、日高には。」
新天「そのために俺も打ってくるよ!」
池之宮「その子供っぽい見た目からは信じられない打球を期待してるぜ。」
新天「余計なお世話だ!」

 私は着替えて戻ってくると新天がバッターボックスに入っていた。ツーストライクツーボールだ。新天もパワーなら海鳳より勝っている。推薦組でないのに唯一の固定スタメン。相当な実力を持っているはず。彼ならあの人のボールをホームランに…。
 シュッ
新天「ストレート来たっ!」
 ギイイイイイイイイイン!!!
 内角低めのボールを叩いた打球は放物線を描いてレフト方向にとんでいった。
伊沢「よっしゃいけ!」
中山「これは入るぞ!」
栗山「いや、逆風だから心配だ。たのむ! 伸びてくれ!」
佐藤「レフト!! フェンス際だ! チャンスはある!」
矢沢「くそっ、なんで星田がこんなに打たれるんだよ!」
 ガシャ!
 レフトがフェンスにつかまり、ジャンプした。入って!
 ……ポーーン
新天「よっしゃあ!」
 三塁塁審が腕をグルグルと回す。やった、ホームランだ!!

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10.31
 これで十一人連続奪三振。もはや止まるところ知らずな勢いだ。いままでの努力の結果がこの最高の舞台で発揮できている。でももっとすごい舞台で戦いたい。そのためにはもっと強くならなければ!
 シュゴオオオオオ
 ズバーン ストライクワン!


 スタンドにて
 八潮中央高校
「どっちかが俺たちと戦うのだろ。どっちになると思う?」
「俺は松江学園だな。あの投手もすごいし。」
「140キロ台で埼玉明治があの連続奪三振、絶対何かありそうだな。」
 和光大学付属和光高校
「ありゃすげえな。この調子でいくと埼玉明治はここで消えるかな。」
「どっちにしろ、このブロックは死のブロックといわれてるからな。俺たちが当たるとしたら準決勝。楽しみだな。」
真田 太一(さなだ たいち)「大丈夫だ。俺が一人で投げきって見せる。」
「またはじまったよ、一人でやってるんじゃないんだぜ。」
 東光大付属越谷高校
萩 清和(はぎ きよかず)「おお、良い球投げてるな。」
「関心している場合じゃないぞ。ありゃ一年生だぞ。」
「お前だって二年生だが、一年生のときにあんなピッチングができたか?」
萩「わかってるさ。舐めているつもりはないから。」
「そうだな。決勝で当たれば辛い相手になりそうだな。」
 浦和成城高校
「また140キロだってよ。すげえな。」
「女だからって油断してはいけないな。」
「それにしても何で打てないんだろう、埼玉明治は。」
「おいみろよ。東光大越谷まで来てるぜ。」
「さすがにこの試合は偵察にくるか。でも俺たちが決勝で松江と戦うぜ。」

 バシーーーーン!
 ストライクバッターアウト!
亜弓「っらああ!」
由紀「ナイピ!!」
 これで十二人連続奪三振。なんて気持ちが良いんだ。

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10.30
「楽しかった!」
 撫子はふわーと歩きながら笑顔を見せていた。なでたい抱きしめたい。だけど今はそんなタイミングではない。次は時間が丁度よくなったので動物のふれあいコーナーに向かった。今日は羊とウサギのふれあいだ。
「私、ふれあいもいいなって思ったのだけど、どうしてもやりたいことがあるの。いいかな?」
「あぁ、かまわないよ。」
 そういうと撫子はふれあい広場に入った。一体やることってなんだろう。
「あははっ、かわいい!」
 そういって撫子はウサギと羊をなでていた。そして少し時間がたつと子供たちもたくさんやってきた。そうなると撫子は後ろに下がってベンチに座った。
「どうしたんだ。」
「あれを描きたいなって思って。」
「あれって?」
 すると撫子はタブレットを取り出して絵を描くための機能を開いた。
 ササササッ
 なんて早くて手際が良い描き方なのだろう。俺たちが考えて、見て描くよりも、撫子は対象物をずっと見続けて描いている。タブレットの方を全く見向きもしない。しかししっかり描けている。さらにはあの動く対象物をまるで動いているかのように描いている。子供たちの笑顔も精細に描写している。これが撫子。いや、無光闇無なのだろう。俺は改めて無光闇無のすごさを知った。

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10.30
関西大阪高校野球部専用練習グラウンド


安富桃音(やすとみ ももね)「ふぅ。」
葛西智弘(かさい ともひろ)「今日もかっ飛ばしますな、先輩。」
桃音「ええ、今年に入ってからたくさんホームラン打てるようになったよ。」
葛西「狙うは甲子園優勝ですものね。」
桃音「それにはあんたも投げきらなきゃあかんのよ。」
葛西「そうっすよね。……八幡の球は打てそうですか。」
桃音「彼女も今年MAX155キロでしょ。厳しい相手にはなりそうだけど私は打つよ。」
葛西「俺も山茶花たちを抑えなきゃいけませんからね。」
桃音「それ以外にも強豪校はたくさんあるよ。そんな中で頂点とることがどれだけ大変か。」
葛西「今年で最後ですからね。最後に花を添えてあげたいです。」
桃音「しゃあ!」
 ギイイイイイイイイイイイン!!!
「うへーーー。」
「一体今日で何本ホームラン打ってるんだよ。」
桃音「万全な状態で挑もうね。」
葛西「そうっすね。俺もピッチングいってきます!」
桃音「頑張って!」
 ………
桃音「待っててね、また対戦しに行くからね!」
 ギィイイイイイイイイイイイイン!!!!

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10.30
 ギャギャギャギャ
「飛ぶ! 飛んじゃうから!」
 撫子が叫ぶがお構いなしにドリフトを続けていく。そして立ち上がりで体制を戻す。
「な、何をやったの?」
 撫子が震え声になって俺に問いかけてきた。
「今のはドリフトって言う滑らせた走り方だよ。もう一回やろっか。」
「えっええええ!?」
 次のコーナーが迫ってくる。俺はサイドブレーキーを引き、わざと姿勢を崩す。
「う、うわあああああ!」
 撫子が俺の体をものすごく強く抱きしめて耐えている。俺は顔がニヤついたが、頭の中ではコーナーを抜けることで精一杯だった。ふたたびコーナーを曲がりきると撫子は俺の方を向いてニコニコとした。
「楽しいね! 私、なれちゃった!」
 撫子は楽しんでいるようだ。なんか悔しいというか嬉しいというか。でも乗ったのなら最後まで楽しんでもらいたい。俺は全力で攻めることに決めた。
「撫子、俺の体をしっかり抱きしめていて。今度は早くコーナーを抜けていく走り方をするから。」
「うん、気をつけてね。」
俺は右手でしっかりとハンドルを持ち、左手でギアの部分に手を添えた。下りがあり、上りがあり。ゆるいコーナーもあればきついコーナーでさえある。そんな中、撫子は楽しんでくれた。最初にびっくりさせてやろうという気持ちはもうどっかにすっ飛んでいってしまった。
 撫子はものすごく楽しんでくれたが、一箇所だけ本気で怖がっていた場所があった。ヘアピンを抜けたあとにまたヘアピンのコーナーだった。俺がそのままのスピードで慣性を利用し、カーブを曲がった。そのときの勢いがあまりにも大きく体が思いっきり引っ張られたときは撫子は目を丸くして声を出せないほど怖がっていた。あれは本当に申し訳ないことをしたと思う。

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10.30
 回は四回の表に入った。打者は一巡して一番の古川からだ。またあの人だ。この人だけには絶対にヒットを打たれたくない。そんな気持ちが私を後押ししてくれている。思いっきり投げて抑えてみせる!
古川「(絶対打ってやる!)」
友亀「(攻め方変えるぞ。初球変化球だ。)」
 サインはチェンジアップだ。低め、ボールになるところでも問題なし!
 シュッ
古川「ぐっ」
 ギィイン!
 当てた。しかしボテボテのファーストのファールゴロ。引っ張りすぎていてタイミングが一とたりとも合っていない。これなら問題なさそうだ。そして次はストレートのサイン。これで惑わしてみせる!
 シュゴオオオオオオ!
 ズバアアアアン!ブン!
 ストライクツウ!
 ミットの音が聞こえてから振っている。明らかにタイミングを見失っている。相手の顔色をみるだけでもわかる。これなら余裕に三振がとれそうだ。でも…全力で抑えなきゃ意味がない!
 シュゴオオオオオ
 ズバーーーーン!
古川「(ボールだ!)」
 ストライクバッターアウト!
古川「(えっ!?)」
友亀「(ナイスピッチング!)」
亜弓「っし。」
卜部「どこまで三振とれるか楽しみだな!」
古川「ちくしょう!」
 相手のバッターは悔しそうに俺をにらみながらベンチに戻っていった。ざまあみろと心の中で思いながらすぐに次の打者のことを考えた。
 次は二番バッターの箕島だ。勢いを止めずに最後まで投げきって見せる!
 シュゴオオオオオオオオ
 ズバーーン!
 ストライクワン!
 なんだろう、中盤になるにつれて腕が振れている気がする。いままでの気持ちを吹き飛ばしたかのようにすがすがしい。もう一歩レベルアップできたのだろうか。それならそれで嬉しい。だったら自分の力を最大限まで使って!
 シューーーー
 ブン ズバーーン!
 ストライクツウ!
 気持ちが良い。ここまでスカッとした気分は初めてだ。私はまた大きく振りかぶる。足をあげ、一度体の力を抜いてから踏み込み、全身を使って投げるように!
 シュゴオオオオオオ!
 ズバーーーン!ブン! ピッ143キロ
 ストライクバッターアウト!
亜弓「しゃああ!」
 私は思わずガッツポーズをとった。

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10.29
海鳳「っしゃああ!」
 海鳳が吼えた。力強い声だ。海鳳のこの力がチームの原動力にもなる。海鳳が一緒の学校で本当によかった。そして次は池之宮だ。
池之宮「(サイン…ヒットエンドランか。あんまり得意じゃないが、やるか。)」
海鳳「(全力で走って上手くいけばホームにいける。)」
 池之宮がヘルメットのつばを握る。サイン確認の合図だ。さて、ここからどうやって攻めていくのだろう。池之宮が構える。ピッチャーはかなりランナーを警戒している。
 シュッ パシン!
 セーフ!
 牽制だ。見る限り、牽制はとても上手そうだ。無駄が無くて綺麗だ。ただ、その分クイックが遅くなってしまうクセがある。そこをついて…。
 シュッ
黒木「走った!」
 ダダダダッ
 海鳳が全力疾走でセカンドベースに向かって走った。
池之宮「甘い球!」
 ガキィイイイイイン!!!
 ものすごい勢いで打球が飛んでいった。ショートの顔をかすめて左中間に抜けていった。ショートは「えっ。」と信じられない表情をして振り返った。打球は弾丸ライナーのままフェンスに届きそうだ。もしかすると入ってしまうのでは?
池之宮「海鳳! ホームまで走れ!」
 池之宮が叫ぶ。入らないのだろうか。
 バゴオオオン!
 フェア!
 フェンスに当たった打球はものすごい勢いで跳ね返った。海鳳はサードベースを蹴ろうとした。
佐藤「センター! バックホームだ! 中継高橋!」
高橋「こっちだ!」
箕島「たのんだぞ! っらああ!」
 センターから返球が帰ってくる。そして海鳳がサードベースを蹴った。
府中「外だ! 外に回りこめ!」
 中継のショートにわたってバックホームが帰ってくる。海鳳は一生懸命走っている。タイミングはきわどそうだ!
 バシン! ズザザア!
佐藤「アウトォ!」
 審判の判定は…。
 アウトーー!
 アウトだった。すこしタッチが早かったか。…って!?
石井「セカンド投げろ! 飛び出している!」
 それに気づいたキャッチャーは急いでセカンドベースに投げる。池之宮が大きく飛び出してしまった! 案の定足も遅い。急いで戻ろうとするが…。
 アウト!!!
佐藤「しゃぁあああ!」
星田「ナイス! 助かったぜ!」
 だ、ダブルプレーになってしまった。でもこの回で3点を取ることができた。後は…私が守り抜くだけだ!

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10.28
時槻「はぁ…はぁ…。」
田垣内「落ち着いたか…。」
 時槻はやっとの思いで平常心を取り戻した。すでに敵はほとんどいなくなっていた。そして残りもレシアたちが片付けてくれた。
ピリリリリ
 レシアのイヤホンから別部隊の連絡が来たみたいだ。精鋭の方だろうか。
レシア「はい、こちらレシア。」
渡辺「こちら……精鋭Aチーム……ぐふっ。」
レシア「どうした!」
 俺たちはレシアの声に耳を疑った。気になってレシアに近づいた。
渡辺「ロボットが五体いて……私たちは二体倒したけれど……全滅……です…。」
 ガシャアアアアアアアアアン!!
 突然イヤホンから大きな雑音が入り、連絡が途絶えた。向こうが…全滅した!?
ローレン「レシア、聞いたか。」
レシア「はい…。後は私だけでもやります。」
ローレン「いやそれは…あっ、待ってください!」
 突然ローレンが驚いた声をだした。
ローレン「一人、ロボット三体のもとにうちと同じグループの電波が! ナンバーは…00012R?こんなの見たことないぞ!」


帝沢「さてと、こいつらを倒さなければな。………ゆっくり休んでな。」
 俺は血だらけになった仲間をみて、ロボットの方をむいた。

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10.28
 撫子はニコニコとしながら俺の手を握ってついてきた。これからスリル満点の乗り物に乗るというのに。
「どうしたの? ニヤニヤして。」
「いや、とくに。」
 しかし撫子は俺の顔をみてフフッと笑うと腕をガッツリと掴んできた。
「もしかしてジェットコースター楽しかった? もう一回乗る?」
「勘弁してください。」
 撫子はまた笑っていた。この笑顔はかわいいんだけど、はしゃぐと手がつけられなくところがまた…。これが撫子だと思うとすごくかわいい。ほかの奴ならちょっと俺は引いてしまいそうだが。
 少し歩くとゴーカートについた。だけどここはただのゴーカートというわけではない。俺が選んだのには理由がある。
「すみません。今日はタイムの上級コースやっています?」
「はい、やっています。」
 俺が確認すると撫子の元に戻って聞いてみた。
「これからゴーカート乗るのだけど、一緒に乗ろうか。」
「うん! 楽しみだよっ!」
 すごくニコニコしている。可愛いなあ。でもこれからは恐怖が待ち受けていることにもかかわらず。
「二人の利用のレースマシンでお願いします。」
「わかりました。ではライセンス証明書を。」
 俺は財布の中からカートのライセンスを取り出して見せた。
「問題ありません。どうぞ。」
 そういって俺は撫子のバッグと一緒にロッカーの中に荷物をしまった。
「頑張ってね。」
 そういって撫子は俺のほっぺをツンツンした。ちょっと照れるけどようやくスタートだ。
 ヴォオオオン ボボボボボ
「うわっ。あれ? 拓斗。ゴーカートってこんな速さ出たっけ?」
「ここの特別車両はね。」
「そんな速さじゃカーブ曲がれないよ!」
 カーブがドンドン近づいてくる。
「い、いやああああああ! とめてええええ!」
 俺はすかさずサイドブレーキを利かせ、ゴーカートの体制をやや斜めに崩した。
「じ、事故っちゃううううううううう!!」
 そのまま俺はアクセルとハンドリングの調整を行いながら綺麗にカーブを曲がっていく。

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10.28
 そしてバッターボックスには海鳳だ。まだワンアウト。どんな作戦だってある。外野は奥まで下がっている。これは長打を警戒しているのだろうか。海鳳は普通に構える。しかし、いつもみたいなプレッシャーは全く感じられない。一体どうしたのだろうか。
 シュウウウウウ
 ズバーン ストライクワン!
 妙に慎重だ。ここまで打つ気が無い海鳳は見たこと無い。
 シューーー
 ズバーーン ストライクツウ!
 あれ? ここまできて全く打つ気が無いってどういうことなのだろう…。しかも追い込まれている。このままじゃ…。しかし投手が振りかぶると一瞬で威圧感が押し寄せてきた。星田「(なんだこいつら!?)」
 ゴゴゴゴ
 シュッ ドッ
佐藤「ぐっ!」
 ボスッ ボール!
 ボールはかなり手前でワンバウンドし、捕手の防具に当たった。ボールは手前に落ちる。完全に威圧で押している感じがする。こんなプレッシャーは並みの人ではひとたまりも無い。ファーボールになるか甘い球を投げてしまうかのどちらかだ。
 シュッ
 バシン! ボールツウ!
 今度は外に外れた。やはりこの状況はかなり辛いか。でもうちのチームとしては最高だ。海鳳、頑張って!
 シュッ
 ググググッ
 チェンジアップだ! 流れを変えてきた!
海鳳「ほいっ!」
 キィィイイイン!
 やった! 綺麗なセンター返し。しかも打球はセカンドショート、そしてセンターの間にポトンと落ちる、戦略的なヒットだ。由紀は悠々とホームに帰って来た。これでまた一点追加、3対0になった。

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10.28
 ゆっくりと府中先輩がダイヤモンドを一周していく。府中先輩の顔には笑顔が見れる。ホームインすると次のバッターの由紀と卜部先輩が待っていた。ハイタッチをして私たちのところに帰って来た。
府中「よっしゃあ! 打ってきたぜ!」
芦毛「ナイスバッティング!」
府中「日高!」
亜弓「は、はい!」
府中「点取ってきたぜ。あとは任せたぞ!」
亜弓「わかりました!」
 よし、点はとってもらった。これで私が抑えればチームは勝てる。甲子園に向けて大きな一歩が踏み出せる! やってみせるよ!
 その前に由紀がバッターボックスに入っている。由紀がどんなバッティングを見せてくれるのだろうか。
佐藤「(こいつにはさっき打たれた。厳しい球で攻めるか。)」
星田「(スライダーだ。)」
 ピッチャーが振りかぶる。由紀はタイミングを合わせるとものすごいプレッシャーともいえる威圧感が漂ってきた。
星田「(ぐっ。)」
 シュッ!
佐藤「(甘い!)」
由紀「よっしゃあああ!」
 バキイイイイイン!!!
 甘いところにやって来たスライダーは由紀でもいとも簡単に右中間に飛んでいった。
海鳳「よっしゃ! まわれ!」
 由紀はものすごく速く走っていく。ライトがボールを拾ったときには由紀はセカンドベースを蹴ってサードベースに向かっていった。中継をはさんでボールが帰って来たが悠々と由紀はサードベースに到達、スリーベースになった。
由紀「いえーーい! 亜弓! 打ったよ!」
 由紀はものすごいはしゃいでいる。それにつられてスタンドも、
優衣「元気なところかわいいよ!!」
 チアガールたちが可愛いというと、学校の女子の大半が「可愛い」という。そして由紀は案の定ワタワタしている。ごめんね、私からみてもそのしぐさは可愛いよ。
由紀「だっからあああああ!! 可愛いくなぁああああああああああいいい!!!」

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10.27
味方A「うわああああああああ!」
味方B「く、くるなああああ!」
 次々と味方が殺されていく。なんて残酷な光景なんだ…。俺はこんなものをいつまで見せられなきゃいけないんだ…。そうだ、これは夢だ。夢ならさめてくれ。
時槻「あっ…ああっ…。」
 時槻が体を震わせている。それはそうなるだろ。俺だってそんな光景は見たくない。敵もこっちに向かってくる。俺たちも殺されるのだろうか…。
時槻「………ぶっ殺す!!!!」
 突然時槻が前にダッシュしていった。敵が上に刀を構えたが、時槻が右手に光をためた。おいまさか。
時槻「死ねぇえええええ!!!」
 ブシャアアアア
 なんということだ。光を集めてその熱光によって相手の顔を跡形もなく焼ききった。顔だけ消えた敵はそのまま倒れていった。
時槻「らぁああああ!」
 次に手から太い光線を放った。一瞬にして六人が消し去られた。しかし後ろのビルまでにも被害がでていた。やばい、止めないと大変なことになる。
レシア「田垣内!!」
田垣内「は、はい!」
 俺は仲間に殺されても良いという覚悟で時槻を止めに行った。
田垣内「落ち着け時槻!」
 俺は両腕を押さえて止めた。
時槻「離して! ぶっ殺す!」
田垣内「落ち着くんだ!」
 俺は強引に引っ張った。そうでなければ時槻を止められなさそうだったからだ。しかしじたばたと動いている。
心音「聖奈ちゃん止めて!」
 雪代の声で時槻が平常心を取り戻した。俺が止めている間はレシアと瞬奏先輩が闘ってくれていた。

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10.27
 案の定乗せられた。すでに俺は40mぐらいの位置にいる。それでもまだ先が見える。いったいこの高さは何なんだ!
「な、なあ六道。」
「あっ、六道って呼んだ! 怖いからってわれを忘れないで。」
「なっ、撫子っ。俺は速いのは得意なのだが高いのは苦手なんだ。これ、一体高さドンぐらいあるんだ?」
「90m!!!」
 しんじらんねえ。そんな高さまで登ったら死んじまうじゃないか。
「私が守ってあげるよ。」
「それはこっちのセリフだ!」
「あれ? 怖がってるんじゃないの?」
 そしていつの間にか天辺まで届いていた。
「あはっ! 来た来た!」
「ひっ、止めてくれ、死ぬ死ぬっ!」
 重力が一瞬にしてなくなったかのような感じがした。そして落ちていった。
「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」
「いぇええええい!」
 撫子は楽しんでいるのかよぉおおおおお!!!


 その後のことは…あまり覚えていない。五回転していたときは完全に体が浮いているかのようだった。撫子がものすごくルンルンとした表情で歩いている。俺はゲッソリとしているだろう。
「じゃあ次は拓斗が好きなのに乗って良いよ!」
 そんな元気が俺にあると思うのか…いや、一つだけある。これなら撫子をびっくりさせることができる!
「ふふふっ、いいのか?」
 俺は不敵な笑みをうかべた。

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10.27
府中「羽葉。」
由紀「はいっ。」
府中「俺が打てなかったら後ろは任せたぞ。俺は勝負しにいく。」
由紀「まかせてください。その前に…ホームラン頼みます!」
府中「まかせろ!」
 府中先輩がバッティンググローブを調節しながらバッターボックスに入っていく。何か他の人にはない雰囲気がピリピリと漂ってくる。私が投手だったらどう感じるだろう。きっと気迫で押し寄せられそう。本当に味方でよかった。心強い先輩、そしてキャプテンである。
府中「(あいにく俺は粘って打つタイプではないのでね。けりをつけさせてもらうぜ。)」
星田「(ここは初球から勝負だ)」
 ピッチャーがセットポジションに入る。セカンドランナーには俊足の卜部先輩。外野の良い位置に飛べばホームまで帰って来れそうだ。
 シュゴオオオオオ!
 バシーーン!
府中「(初球から勝負してきたか。)」
 は、速い。明らかに勝負を仕掛けてきた。ここで流れを止めるつもりだ。頑張って、府中先輩!
 シュゴオオオ
 ギィン! ガシャン
 ファールボール!
 ストレートを二球立て続けに投げて追い込まれた。キャッチャーは外に構える。一球そとにはずすかな?
 シュゴオオオオ ズバーーーン
 ボールワン!
 あっぶない。ギリギリのコースをついてきた。けど府中先輩はピクリとも動かなかった。ボールが見えている証拠だ。
 今度は…高めに構えている。釣り球かな。
 シュゴオオオオオ ズバーーン
 ボールツウ! ツーエンドツー!
 これでツーストライクツーボール。平行カウントになった。ここから勝負をかけてくるだろう。先輩、頼みます!
 ランナーとバッターがサインを確認するとどっしりと府中先輩は構えた。相手ピッチャーもプレッシャーを目一杯打者とランナーにかけている。ピッチャーが足をあげる。
伊沢「ゴー!」
 ダッ!
 卜部先輩が走った。これは…ヒットエンドラン!
 シュッ ググググッ
 しかもストライクゾーンに入るカーブだ! サードはセーフになりそう。そして打てば帰れる! 府中先輩!
府中「ふん!」
 キィイイイイン!
 一呼吸ためて打った打球は左中間方向に綺麗な弾道で飛んでいく。これは余裕で帰れそうだ。
佐藤「センターレフトバックバック!」
星田「おいおい、うそだろ。」
箕島「打球が伸びる!」
 打球がグングンと伸びていく。風は無風だ。このままはいって!
 ゴーーン!
 グルッ グルッ
 わああああああああああああああああああああああああ
 やった! バックスクリーン左横にホームランだ! 入ったと同時に府中先輩がガッツポーズをした。
府中「っしゃあああああああああ!!!」

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10.27
時槻「なによこの数!」
田垣内「きりがねえ!」
 倒しても倒しても増えてくるような敵の数。レシアが一番奮闘している。皆は大丈夫なのか。
嶋沢「てりゃああ!」
 ズガガガガ!
瞬奏「嶋沢! うしろ!」
 嶋沢は後ろを振り向くとバットをもった敵が振り回してきた。とっさに左腕を出したが、力がまだ右手に残っていた。
 バキィ!
嶋沢「っぐぅ!」
 嶋沢は顔をしかめるがすぐに右手で敵を吹っ飛ばした。
瞬奏「大丈夫か、嶋沢!」
嶋沢「ちょっと左腕が持ってかれたかもしれない。」
瞬奏「お前は戦線離脱しろ! 汚したままではあぶない。」
嶋沢「わかりました。」
 嶋沢は敵の方を向いたまま後ろにバックするように逃げていった。
遊馬「うらああ!」
 目の前の敵を遊馬さんが切っていった。
遊馬「ぐっ!」
 しかし後ろから蹴りを入れて体制を崩してしまった。
レシア「遊馬さんあぶない!!」
 遊馬さんが振り向くと上から刀を構えた敵がいた。ダメだ、間に合わない。レシア!!
時槻「いやあああああああああああああああああああああ!!!!!!」

 ズバッ     ブシャアアァァァァァ…………

 俺はとんでもないものを見てしまった。今、目の前で味方が殺された。しかも上から真っ二つに…。血が俺たちの方まで飛び散っていく。遊馬が…死んだ。
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10.27
 もぐもぐとサンドウィッチを食べていると撫子がふとデジカメをとりだした。
「ねえ、ちょっと撮りたいものがあるのだけど良い?」
「あぁ、かまわないよ。」
 そういって撫子がカメラの電源を入れると俺に向けて構えた。
 パシャ
 え? 俺撮られた?
「えっ、え? 俺を撮ったの?」
「うん!」
 撫子は俺にデジカメを渡して撮った写真を見せてくれた。
「すごく綺麗でしょ。拓斗と後ろの風景がマッチしていたから撮ったの。」
 たしかに綺麗に撮れている。撫子って絵を描くだけではなく、写真も上手に出来るんだな。
「それに…拓斗がカッコよかったから。」
 そういうと撫子は自分のバッグで顔を隠した。照れるなら言うなよ。というか、可愛いから許す!

「さてと。」
 食べ終わって立ち上がると元気な声で、
「遊園地だぁ!」
 撫子がジャンプするように立ち上がった。おいおい、子供じゃあるまいし。
「拓斗! いっぱい遊ぼう!」
 撫子は一人でテクテクと歩いていった。俺を置いてかないでくれ。俺が走って追いかけると、撫子は目をキラキラさせて立ち止まっていた。俺は撫子の視線の先にあるものをみた。そこには…。
「おい、これって…。」
「そう! ジェットコースター!」
 まさかジェットコースターを選んでくるなんて予想もつかなかった。しかもかなりヤバいやつだぞ、これ。
「私、こういうの大好きなの!」
「へ、へえ。意外じゃん。」
 俺は声が震えていた。さらに裏返っている。足もガタガタしている。冗談じゃねえ、五回転もするジェットコースターなんて聞いたことねえよ。頭のネジがすっとびそうだ。
「もしかして拓斗、怖いの?」
「あ、ああああ? いや、全然全然。」
 撫子はクスっと笑って俺の手を掴んできた。
「ほ、ほら。さっき動物園の方にも動物たちと触れ合えるコーナーがあっただろ。あそこ行こうぜ。」
「さっきみたら3時からだったよ! さささっ、乗ろう乗ろう!」
 あ、悪魔だ。なんて怖いもの知らずなんだ。いつもの雰囲気とは全く違うじゃないか! はっ、もしかして。これが素の撫子なのか。これは俺がいままでの撫子を呼び覚ましたってことになるのか!? それはそれで嬉しいが…ちょっとこれは勘弁してくれ。

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10.27
亜弓「ごめんね、ヒットは難しかった。」
由紀「仕方ないよ。でもここからは一番からだよ。どーんと任せてね!」
 そういって由紀がバッティンググローブをはめていった。打順は一番にもどって卜部先輩からだ。
卜部「(クセ球があるって言ってたな。よし、それで狙っていこう!)」
 シューーー ズバン!
 ストライクワン!
卜部「(たしかに微妙に変化するな。バントで気づかなかったけど、改めてじっくり見てわかった。よし、これなら問題ない!)」
 グググッ バスン
 ボールワン!
 スライダーが外に外れた。でも卜部先輩はボールがしっかり見えているようだ。打てるかどうかまではわからないけれども…。
 ググッ トス パン
 ボールツウ!
 こんどはフォークボール。しかしまた外れている。警戒しているのだろうか。三年生ということもあって経験が私たちよりある。そうなると…。
 シュッ シューー
卜部「しゃあ!」
 キィイイン!
 卜部先輩は待っていたかのようにおっつけて打った。綺麗にはじかれたボールは勢い良くサードの頭を越えてフェアゾーンに落ちた。
佐藤「レフト! バックセカン!」
矢沢「了解!」
 卜部先輩は一塁ベースを蹴り、二塁ベースに向かう。レフトは回りこんで捕球すると、そのままの勢いでセカンドに送球した。球の勢いは走りの勢いと増して、矢のように放たれた。
府中「卜部、スライディングだ!」
 ズザザザ バシン!
由紀「セーフだ!」
海鳳「そうだな。」
 セーーフ!!
海鳳「ナイスバッティングです!」
栗山「よっしゃああ! ナイスです!」
中山「府中先輩! ここで一本頼みます!」
芦毛「お前ならいけるぞ!」
 やった、ヒットだ!しかもツーベースだ。これでワンアウト一塁、そしてここでバッターはキャプテンの府中先輩だ。

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10.27
 ストライクバッターアウト!
亜弓「やった!」
 綺麗に三球三振。九者連続奪三振をとった。私はグローブをポンポンと二回叩いて、「よし、よし。」と自分に言い聞かせた。
海鳳「ナイスピッチング。」
府中「安心するな。俺も打ってやるからな。」
亜弓「ありがとうございます!」
由紀「その前にバッターだぞっ! 頑張れ!」
亜弓「うん!」
 私は急いでバッティンググローブやバットなどを用意した。次はいよいよ公式戦初打席だ。

府中「羽葉、いるか。」
由紀「はい! なんでしょう。」
府中「日高って…バッティングはどうだ?」
由紀「そうですね…。当てることは上手いです。」
府中「なるほどな。」
由紀「あとバントは必ず決めてくれます。」
沖田「おっと、その言葉には俺も負けられないな。」
府中「お前には肩もあるだろ。」

 一打席目、当てられたらそれだけで大きな収穫だ。甘い球がきたら初球からいく!
佐藤「(バッターとしては未知数だ。様子見でいくぞ。)」
星田「(ただし、全力でな。)」
 振りかぶる。私は左足をゆっくりと引いてタイミングをとった。
星田「(ふん!)」
 シューーーー
 ズバーーーン!
 ストライクワン!
 インコースにズバッと決まった。目で追いきれないことはないけれど、いままで見てきた中で一番打ちにくい投手だ。甘いところにくれば当てることなら…できそう!
 シューーーー
亜弓「っ!」
 キィン! ガシャン!
 バットに当てることはできたが、バックネット裏にあたってファール。タイミングも合っているみたいだ。でも…前に飛ばせるかどうか…。ゴロを転がせれば何かあるはず! 当てなきゃ!
 シューーー
 キキイン!
 やった、当たった! だけどセカンドゴロ。強い当たりというわけでもない。私は一塁に走ったが、ベースがはるか遠くにある場所でアウトになった。初打席はセカンドゴロになった。

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10.26
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。






 優勝校の一角であった名古知多『名古屋理科大学付属知多高校』が三回戦で姿を消した。その理由は、勝った相手の投手がすごいということだ。
 名電学園の先発は真壁 直之(まかべ なおゆき)「1年」だった。右投げのサイドスローから放たれる七色の変化球に名古知多は1本のヒットしか打てなかった。さらに驚くべきは六回から。なんと左投げに変えて投げたのであった。そこからも七色の変化球を放ち、もうだれも打てなかった。終わってみれば6-0。この点差にはスタンドも騒然としていた。
 彼の活躍にはプロたちも注目していくかもしれない。

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10.26
森野「おい、戦闘準備はいるぞ。」
池谷「なんなんだよこの状況は。」
内田「なんだあのでかいのは!? 俺たちはアレをこわせってのか?」
渡辺「アレはロボットよ! しかも五台もあるわ!」
片井「くるぞ! 気をつけろ!」
 ロボットが手をこちらに向けてきた。
 ズガガガガガ
森野「うわっ!」
池谷「あいつ、マシンガンを装備してやがる。」
森野「うらあああ!」
 森野はナイフを30本とりだした。

 ハァハァ…
 なんでこんな状況になっているんだ。助けたい…でも能力が使えなければただのゴミ同然だ…くそっ、親父に連絡してやる!
 ピピッ ピピピピ
?「なんだ?」
帝沢「今の状況はわかっているはずだ。」
?「もちろん。」
帝沢「これ以上被害を増やしたくないんだ! たのむ! 能力を開放させてくれ。」
?「ダメだ。お前の能力は強大すぎる。それにお前の身元がばれたらどうするんだ。」
帝沢「そんな場合じゃないだろ! 今は! 頼むよ!」
?「……全ての能力開放でなくてもアレぐらいは倒せるか?」
帝沢「素で一台は倒せるとおもう。」
?「わかった。なら10%開放させてやる。いけ!」
 ピッ
帝沢「センキュ、親父。」

池谷「うわあああああああ!」
 グシャアアア
森野「池谷!!!」
渡辺「森野さん!! うしろおおおおおおおおおおおお!!」
 ドガアアアアアアアアン!
 ロボットの腕ごと森野がビルに叩きつけられた。

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10.26
「そろそろ昼飯食べないか?」
「そうだね。」
 俺と撫子は食事所がたくさんある場所に移動した。いろんなジャンルのお店がある。
「どうする?」
 俺が聞くと撫子はうーん、と考えて指をさした。
「これから遊園地でしょ? そしたら動くから軽い食べ物が良いな。だからサンドウィッチ!」
「おっけ。」
 俺たちはサンドウィッチ店にいくことにした。これまたショーケースに並べられた見本が見事に出来ている。そして上手そうだ。
「どれにする?」
「うーん。この前クレープ食べたときもそうだったけど、種類がたくさんあって選ぶのが難しいね。」
「じゃあ俺はツナサンドとカツサンドにしよう。」
「私は定番のハムサンドとたまごサンドで!」
 俺と撫子は財布を取り出してお金を払った。席は昼なだけあって込んでいた。
「うーん、どこか空いているかな?」
 撫子が悩んでいると隣のおじいさんとおばあさんが立ち上がった。
「もしよろしかったらどうぞ。私たちはもう食べ終わったので。」
「あっ、すみません。ありがとうございます。」
 そういって俺たちは座った。
「ほほえましいカップルね。私たちも昔はあなたたちみたいだったのよ。」
「ほれ、デート楽しんでな。」
「あ、ありがとうです。」
 そういっておじいさんたちは去っていった。
「ほほえましいカップルか…なんか照れちゃう。」
 そして照れてる撫子がものすごく可愛かった。

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10.26
由紀「(成長してるなあ、亜弓は。最初会った時はあんなにか弱くてで暗そうな女の子だったのに。今じゃ立派なエースだ。私も負けてられないな。お父さん、お母さん。私は頑張ってるよ。見ていてね。)」
 バシーーン
 ストライクワン!
 九番バッターに対してもストレートで押していく。これが私の投球スタイルだ。思いっきり投げて投げて、押さえ込んでみせる!

優衣「すごいね、亜弓ちゃんって。」
香澄「私、野球をあまり見ないのですが、すごさがわかります。」
久美「なにか人とは違う雰囲気がありますし、会ったときの性格とは真逆ですね。」
棚橋「私はいままで本当にすごい人達を見てきたけど、あんなタイプは初めてな気がするね。」
蓮沼「あら、そうなの?」
棚橋「はい。覚醒というか…雰囲気のあるオーラが見え始めたらもう手がつけられないような。」
蓮沼「ということは、まだ本当の実力は開放されていないということかな?」
棚橋「私には…鎖で縛られている部分があるように見えます。」
真希「すごいなあ、やっぱり。」
瞳「私も早く国体出たい!」
恵美「そ、それを言うなら海鳳の方がすごいじゃない。」
千恵美「あれ? その発言は海鳳のことが好きということかな?」
恵美「ち、ちがう!」

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10.26
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。





 北北海道の名門校、富良学『私立富良野学院高等学校』はここ3試合とも圧勝しているが、その中に目立つ一年生を見つけた。瀬棚快斗(せたな かいと)内野手だ。いまの富良学には無くてはならない存在になっている。ここまでバント成功率10割、出塁率も5割を超えている。二番バッターとして大きな役割を果たしている。さらに三番にはプロ大注目の山茶花「3年」や大エースで四番の、八幡「2年」もいる。もうここまでくると手がつけられなくなってしまうだろう。
 今年の富良学は全く隙がなくなっているように見える。もはやこの高校の連勝を止められる高校はあるのだろうか。

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10.26
ローレン「レシア! そこにまた200人ほど敵が来ている!」
レシア「わかったわ! あの爆発の場所はどうする!?」
遊馬「あの場所には精鋭のAチーム五人が向かう! お前たちはここに来る敵を倒していけ!」
 Aチームが来るのか!? それなら向こうは問題ないだろう。あの五人なら…Bランクが2人、Aランクが3人。こんな人たちに敵う者なんていないだろう。しかし帝沢だけが心配だ…。無事でいてくれ。
レシア「来るぞ!」
 前から200人超のテロリストたちがやってきた。レシアはすぐさまダブルセイバーをまわしてブーメランのごとく投げた。なるべく前線に出ないようにしないと、後ろに敵をまわしては被害が拡大する。なんとしても食い止めなければ。
 うわああああああ!
 ダブルセイバーがレシアの元に戻ってくる。その間には敵が近づいてきた。リレンは上にいる人たちを発見するとすぐさまスナイパーライフルを構え、連射した。
 ドドドドド
 ビルの上からテロリストたちが落ちてくる。全部当てたのかよ。
遊馬「くるぞ。」
 遊馬さんは大きな黒い剣を取り出して横に振った。
遊馬「うらああ!」
 ブゥン!!
 刃のような形が敵に迫っていく。触れた敵たちはズバズバと切られていった。見てる光景としてはすごく気分が悪くなりそうだ。人が死んでいく…。いくら悪い人であろうとも…死人を見るのはいやだ。
 そんな間にも敵は迫ってきた。仲間たちは能力を開放して戦い始めた。

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10.26
「あっ、綺麗にかけているね。」
「ほ、本当ですか?」
 撫子は目黒の絵を見て褒めていた。それもあの顔は本当に関心して見るときの目だ。目黒にも才能を感じたのだろうか。それを言われた目黒は涙を流し始めた。
「おいおい、どうしたんだ目黒。」
「いや…六道に綺麗な絵って言われるのって…すごく嬉しくて。」
「本当にすごい絵を描いていると思うよ。引き込まれるような、そんな絵だよ。」
 たしかに見るとすごい。林の中が立体的に見えて、今でも手を伸ばせばその中に入れそうなぐらいだ。そして鳥も色合いがすばらしい。
「ところで目黒ってコミケに本を出したことはあるの?」
「はいっ。いつもアニメ風の風景画を出しています。今日は構成のために描いているのです。」
「なるほどね…。そしたらね。」
 すると撫子は絵に指をさした。
「ここに光が足りていないじゃない。ここは光の入り具合の角度を考えて明るくするのが見栄えが良いわよ。」
「えっ、ええっ。」
 目黒は撫子が突然のアドバイスを言ったことにより、ペンを落としてしまった。しかしすぐに拾ってペンの色を変え、書き始めた。
「こうですか?」
「そうね。もっとなでる感じでも良いかもね。」
「うわっ…全然違う…。」
「細部も気をつけなきゃね。あとはぼかしも入れたいなら有効活用すると良いよ。」
「あ、ありがとうです!」
 なんと的確なアドバイスなんだ。俺には全く理解が出来ないが、絵を見ればわかる。先ほどの雰囲気より、いっそう良くなった。さすが撫子だ。しかしこれ以上お邪魔するわけにもいかない。俺は撫子を肩をツンツンと触って顔で合図を送った。
「それじゃあ私、もうそろそろ行かなきゃ。」
「あ、もうしわけありません。白羽根くんもデート楽しんでね!」
「お、おう。ありがとう。」
「それと…六道さん、学校でもまたお話ししてもよろしいでしょうか?」
「いいよ。でもやっぱりさん付けはなれないな。」
「あははっ、ごめん。じゃあ六道、また学校で。」
 そういって俺たちは目黒のいる場所から移動した。

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10.26
 どうだ、これなら誰も打たれない。サインもポンポンと出してくれる。構えた所に向かって投げれば必ず三振が取れる。どこまで行ってもなげてやるっ!
 シュゴオオオオオオ
 ブシィ ズバアーーーーン!
 ストライクツウ!
佐藤「(こんなん打てるかよ…)」
 シュゴオオオオオオオ
 ズドオオン!
 ストライクバッターアウト!
佐藤「(えっ!? 入ったのかよ!)」
友亀「よっしゃああ!」
 やった、また三振。七者連続だ。どこまでも三振を取り続けたい。私の武器はこれなんだ!

友亀「(それにしても日高はすごいな。普通はストレートだけで抑えるなんて小学生までというレベルなのだが、日高にはそれが高校でもできる。出所のわからないストレートは捕球する俺からみても怖いぐらいだ。)」
 シュゴオオオオオオオオ
 ズバーーーーン ストライクワン!
友亀「(さらに良い点でも悪い点でもあるけれど、こんなにズバッとした全力投球はいままで見たことがない。すがすがしく、気持ちが良い腕の振り方だ。おそらくプロ選手を見てきてもこんなすばらしい全力投球は見たこと無いだろう。)」
 シュウウウウウウウ!
 ブン! ズドオオオオン! ストライクツウ!
友亀「(そして今日さらに驚いたことが、怒りを投球にぶつけていることもだ。普通の場合は心に動きがあるとそれがピッチングに大きく現れてくる。怒りなどは冷静さを失って投球がバラつきやすいのだが…。日高はちがう。)」
 バシュウウウウウウ
 ブシィ! バジイイイイイン!
 ストライクバッターアウト!
友亀「(日高は怒りを良い方向に持っていく力がある!)」

 やった、これで八者連続奪三振だ。九人連続も…取ってみせる!

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10.26
 米倉はファーストベースに到達すると、ガッツポーズをとった。守備だけでなく打撃でも見せてくれた。次は八番の友亀。私も次はバッターだから準備をしなければ。私はヘルメットを探した。
 キィイイン!
 あっ、その前に打った。急いで準備を…だけどサードが綺麗に捕球し、ファーストに送球した。
 バシン! アウト!
 こんな守備に弱点なんて本当にあるのだろうか。私が見た限りでは全く攻められる場所はなさそうに思える。私は打たれないように投げることを優先させなければ…。よし、打たせてたまるものか!

横山「あいつ、生意気なほど良い球投げてるじゃねえか。」
岡本「くそっ、気にくわねぇ。」
横山「あんなに速い球は俺たちも一度しかない…そうだ。」
岡本「あいつに全力を投げさせないようにすれば良いんだ。」
横山「ヤジ…とばすか?」
岡本「遠まわしの表現なら問題ないだろ。あいつならすぐにガタつく。」
横山「俺は直接言ったほうが効果的だと思うぜ。」
岡本「よっしゃ。」

 ここまで連続三振が続いている。三回、ここも三振で切り抜けていこう。次は…七番の佐藤だ。下位打線だからといって油断はできない。いつも考えていることだけれども下位からの猛攻が一番怖い。だからここは攻めていかなければ。
横山「へいへいピッチャー、味方がエラーしてくれるぜ!」
岡本「そんな球すぐに打たれるよ!」
 あの人たちは私が今までの私だと思っているみたい。けどそんなに弱くない。私は強くなった。身体的にも精神的にも。そんな人たちに…負けてたまるか!
 シュゴオオオオオオオ!
 ズバアアーン!
 ストライクワン!
 ピッ 141キロ
 おおおおおおおおおおお!
 相手スタンドは無言になって、私たちのスタンドから声援が聞こえてくる。こうなってしまえば球場の視線や声援はこっちのものだ。絶対に抑えてみせる!
岡本「さっきより…。」
横山「速くなった…?」

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10.25
※注意……実際の出来事とは関係ありません。小説内の出来事のみです。





 昨年群馬代表として出場した群馬中央高校。ここに一人のプロ注目選手が二人がいる。四番を打つ真壁辰己(まかべ たつみ)選手「3年」とエース井口正春(いぐち まさはる)選手「2年」だ。真壁選手は地区大会一回戦でホームラン2本を放ち、そのうち一本はバックスクリーンに当てる推定140メートルとなる打球を放った。これで通算70本。プロ野球選手のスカウト人も目を光らせていた。
 もう一人の井口選手は夏に一度登板し、1年の秋からエース。球速は最速138キロだが大きく曲がり、キレの良いスライダーと綺麗に決めるコントロールが持ち味の投手。被安打率ははるかに低い。
 群馬中央の夏は始まったばかり。目指すは甲子園出場、優勝だ。

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プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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