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04.28
 八者連続三振、今の感じならいくらでも三振が取れる気がする。三振が気持ちよくなってくる。三振を取るためにはもっと、もっと全力で投げなきゃ。もし仮に打たれたとしても後ろには仲間たちがいる。だからこそ、ピッチングに集中する。
 次はラストバッターの池田先輩だ。ラストバッターだからといって手加減しない。思い切り投げれば私の球は打てないんだ。
 シューーーズバン!
 ストライクワン!
 良い流れに乗れているからかもしれないけど、コントロールよく投げれてる。いままでで、こんなに構えたところに投げれるようになってるのは始めてだ。それならその良いところを最大限に使えば抑えられる!
 バシン! ストライクツゥ!
栗山「野中! タイミングだ。タイミングをとれば打てる。」
 たしかにストレートばかり投げてるからタイミングはとられてくるかもしれない。けれどもまだまだ振り送れてるように見える。これなら三振を…取れる!
 シューーバシン!
 ストライクバッターアウト!
池田「ックソ!!」
 私は声には出さなかったけれど、右手でガッツポーズを取った。先輩たちに私の球が通用している。私はこのチームでエースになってみせる。
由紀「ナイスピッチ! 九者連続三振なんてすごいね! かっこいいね!」
亜弓「そんなことないよ、だって由紀が声をかけてくれなかったら、私いまごろ大量失点してたかもしれないもん。」
由紀「そう?」
亜弓「ありがとう、由紀ちゃん。」
由紀「あ、あわわ///」
亜弓「…あ。」
由紀「ほ、ほら。可愛くないよ! 可愛くないから! やめてよもう!!」
沖田「羽葉って照れ屋なのか?」
由紀「違う! 言われ慣れてないだけ! それと恥ずかしいの! うわあああん、亜弓のばかあああ!」
 由紀は顔を赤らめながらベンチの端に座ってしまった。口に出さないように気をつけなければ。それにしても…純粋だなぁ、由紀は。
 そして四回の表、一年生チームの攻撃は海鳳からだ。先ほどの打球を見たからだろうか、外野はフェンス近くに守っている。こんな中海鳳はどんなバッティングをするのだろうか。
 シューーバシン! ボール!
 芦毛先輩の球が前の回より早くなっている。エンジンがかかってきたのだろうか。それでも海鳳は全く動じず構えている。
 グググッ キーーン!
海鳳「よっしゃ!」
 カーブを捕らえ、流した打球は海鳳が声を上げるほど手ごたえは良かったのだろうか、スタンドに入りそうな勢いだ。
中山「任せろ!」
 中山先輩がそういうと、フェンスによじ登った。そして…。
 ガシャン! パシン アウト!!
 普通はホームランのはずなのにジャンプキャッチでアウトにされてしまった。恐ろしい。
府中「ナイスキャッチ!」
 そういうと守ってる人たちが拍手をした。海鳳もさすがと思ったのだろうか、拍手をしていた。
海鳳「すまねえ、でもあれは敵ながらアッパレだ。」
米倉「しかたないよ。」
 たしかに仕方ない。これが先輩たちの意地というものなのだろうか。さすがだ。
 ワンアウトランナー無しで池之宮に回ってきた。彼はボールは見えてると言っていたので、今度こそヒットを打ってくれるだろう。守備の真正面に飛ばなければ。
 グググッ ブシィ! パシン
 ストライクワン!
 とてつもないスイングと風切り音だったが、空振り。しかも変化球に全くタイミングが合っていなかった。大丈夫なのだろうか。
 シューー
 今度はストレート。
 ギィイイイン!!
海鳳「うわいった。」
 ボールではないかと思うぐらい低いストレートを完璧に捕らえた。弾道は低いが弾丸のごときの勢いで左中間を飛んでいく。
池之宮「入れぇえええ!」
 池之宮が叫ぶ。どんどんスタンドに向かって飛んでいく…が、しかし。
 ガシャン!
池之宮「だぁああああ!」
 あともう少し高ければホームランという当たりになってしまった。池之宮は一塁ベースを蹴り、二塁に向かって全力疾走した。しかし…遅い、遅すぎる。しかも不運なことに外野はフェンス近くまで守っていたのですぐにボールを拾った。
池田「うらっ!」
 センターから返球がかってくる。池之宮が滑り込み、セカンドの卜部先輩がタッチする。判定は…。
 セーフ!!
 ギリギリの差でセーフ。あぶなかった。野球にはこういう怖いところもある。でもそれがあるからこそ面白いのだと思う。やっている方の身になってみれば精神を削るようなものだけれども。

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04.21
みなさんこんばんわ。レザです。
今自分はドクターK少女を投稿していますが、実は昔作っていた小説と新しい小説がありまして。
昔作っていた小説は文をリニューアルしながら投稿していき、
新しい小説はどんどん書いていこうと思います。

そのため、小説の投稿はもしかすると、一作品、週に一・二回のペースで投稿する形となります。
ドクターK少女は今までどおり投稿させていただきますので。よろしくお願いします。


小説家になろうの方もよろしくおねがいいたします
小説家になろうマイページ
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04.21
 これで七者連続三振。みんなのおかげもあるけれども、私の実力に自分自身が驚いている。私はまだまだ投げられるんだ。
 八番はサードの野中先輩。下位打線だからといって気を抜いてはいけない。思いっきり投げるだけ!
 シューーーズバーン! ストライクワン!!
 球の勢いは戻ってる。これなら大丈夫。私がしっかりと投げれば自然と空振ってくれる。

二・三年チームベンチ内
芦毛「すまねえ、一回当ててピッチャーの調子を崩したと思ったんだが。面目ない。」
栗山「しかたないっすよ。あのピッチャーは本物ですよ。」
芦毛「ちくしょう! 俺たちのやってきた練習は何だったんだよ!」
卜部「おい、おちつけよ…。」
栗山「黙ってられるかよ、卜部。お前は悔しくないのか!? 俺たちはここまで七人全員三振してるんだぞ! それに俺なんか一年生たちに三回で三本ヒット打たれて一失点、他の抑えたやつらだって当たりはよかった。俺は三年間一体何をしてきたんだよ! 春の甲子園の経験は何だったんだよ!」
卜部「たしかに俺だって悔しいさ。でも今年の一年生たちはすごいやつらばかりだ。」
芦毛「じゃあ俺たちは負けるってことか!?」
卜部「まだ負けたわけじゃないだろ! でもあいつの球をどうやって打つのか…。」
府中「俺が打つ。」
卜部「府中キャプテン、あの球を打てるのか?」
府中「俺はあいつの球は打てると信じてる。さっきの打席で分かったことがいくつかあった。」
中山「本当ですか!?」
府中「あいつの球が何故あんなに速いのか、スピードガンで調べたら140キロはでていた。普通なら俺たちは140キロの球なんかバッティング練習のマシーンで何度も体験している。今分かる限りでバッターボックスに入ったとき、140キロ以上に思える理由は二つある。一つはあのノビ。そしてもう一つは…、たしか栗山、さっき『投げたのか全く分からない。』といったよな。」
栗山「はい、そうっす。」
府中「球の出所がわからない。どうしていつ投げたか分からない現象に陥ってしまうのは、あいつは胸を張って腕を振ってるところで手が頭に隠れてしまうぐらいだ。あいつはとてつもなく腕が柔軟なんだ。そしてリリースポイントもかなり前だ。だからあそこまで速くなってしまう。」
芦毛「でもそれだと相手の良いところを言ってるだけじゃないか。」
 シューーーバシン! ストライクツゥ!
芦毛「ほら、野中だってタイミング合ってない。このままじゃ俺たち一点もとれねえぞ。」
府中「今のまま何も考えず打席に入れば一点も取れないだろうな。でも点を取る方法なら考えてある。」
芦毛「なに?」
府中「黒木、スコアブックを見せてくれないか?」
黒木「あいよ。」
府中「ありがとう。」
卜部「なんでスコアブックなんだ?」
府中「実は二回から日高の球速をスピードガンで計測して、その球速をスコアブックの余白に毎球書いてもらうように黒木に頼んでいた。よく見てみろ。」
卜部「これって…。」
中山「139キロ、140キロ、138キロ、139キロ…。」
芦毛「ほとんど球速変わらないじゃないか!」
府中「そうだ、いままでストレートしか投げていない。それならタイミングを合わせるだけだ。ノビのあるボールは当たれば飛ぶ。」
栗山「でもキャプテン、それだけでは日高の球を打とうにしても…。」
府中「だからタイミングは早めに取ればよい。一呼吸早くステップするんだ。それと、もし俺の勘が合っていればだが…。」
卜部「なんだ?」
府中「日高はもしかして全部全力で投げているのかもしれない。芦毛、お前だって全てが全力というわけではないだろ?」
芦毛「そうだ。」
府中「普通、全部全力で投げるものではない。しかもストレートのみで。日高はおそらく全力以外が投げれないのだと思う。」
卜部「となると…。」
中山「スタミナはそう持たないってことっすか?」
府中「そうだ。四・五回ぐらいでコントロールや球威が落ちてくるだろう。もしかするとフォームも崩れてきて打ちやすくなってくるだろう。」
芦毛「そこもねらい目ってことか。」
卜部「それならこっちにだって勝ち目はある。」
府中「そうだ。この回入れて、あと三回しかない。なんとしても打ち崩すんだ!」
中山「よっしゃああああ!」
芦毛「俺もこれ以上点を許すわけにはいかない。絶対抑えてやる。あとはキャプテン、リードたのむぜ。」
府中「おう、まかせろ。」


 シューーーーズバーン! ストライクバッターアウト!


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04.15
海鳳 龍一



キャラクター紹介
名前 海鳳 龍一(かいほう りゅういち)
誕生日 12月24日
身長170cm 体重63kg
右投げ両打ち メインポジション 外野(センター)

大阪から特待生来た、あだ名が天才打者。軟式野球で全国ベスト8まで行く。優勝校相手に4連続HRを打つほどの実力。プロスカウトも注目の大型新人。伊沢とは面識があり、共に4打数4安打という結果から仲良くなった結果、共に野球をやりたいという考えで松江学園に特待生度を貰った。周りを楽しませるムードメーカーでもある。

今回はmocaさんに描いてもらいました!ありがとうございます!
mocaさんのpixivページ

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04.11
友亀「大丈夫だ、気にするな。ストライクゾーンに投げればどうってことはない。」
 そういわれるが、私のせいで負けてしまう。後ろで守ってる人たちがいるけどヒット性の当たりだったらバックも何も関係ない。怖い、何とかしたいけど…どうすれば…。
 シュッ
友亀「うおっ。」
 パシン ボール!
友亀「どうしたどうした?」
 ダメだ、全力で投げれない。しかもボールをとんでもないところに投げてしまった。友亀だって困っているに違いない。
海鳳「日高、おちついて!」
伊沢「そうだそうだ、まだ一回もランナー出してないんだぞ。自信もって!」
由紀「リラックス! 亜弓なら大丈夫だよ!」
 皆に励ましてもらってるのに腕の震えはおさまらない、周りに迷惑かけるだけだ。なんでいきなり恐怖を覚えてしまったのか自分にも分からない。ただ、体が言うことをきいてくれない。なんで…。
 シュッ トッ パシン ボール!
 今度はかなり手前でワンバウンドしてしまった。変わってほしい、マウンドから降りたい。二回目となると回りもカバーしてくれない。やっぱり私は…。
池之宮「ここまでかな…。」
 池之宮の独り言が聞こえてきた。やっぱり私はここまでの人間なんだ。帰りたい、恥ずかしい。なんでこうなってしまうのだろう…。

由紀の心の中「どうしちゃったの亜弓。やっぱり前に自信をつけさせるために言った言葉は長続きしなかったのかな。アレだけすごい球投げれるのに体と心のつながりに関しては治りきってないみたい。応急処置的な言葉をかけたいけど、完全に体が言うことを聞いてくれないように見える。きっと亜弓もそう思ってると思う。でもどうすれば…、ダメだダメだ! ネガティブになっちゃだめ。いつだって私は皆を笑顔にしてきた。私にしかできないことなんだ。亜弓が一番辛いんだ。私たちがカバーしなくてどうするの!」
 バシン、 ボールスリー!
由紀「よし、審判! タイムお願いします!」
審判「タイム!!」

 ボールスリーになって由紀がタイムをかけ、私のところに向かってくる。友亀や内野の人たちも寄ってくる。怒られる、そうに違いない。先に謝っておかないと。
由紀「亜弓。」
亜弓「ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい…。」
 涙が出てしまう。恥ずかしくてたまらない。やっぱり野球なんか…。
米倉「別に俺たち怒ってないよ?」
亜弓「でも…。」
友亀「元のピッチングができるようにはげましに来たんだよ。」
亜弓「でも手の震えが…。」
伊沢「後ろには俺たちがいるから安心しろって。」
亜弓「でもさっきの当たり見たでしょ…。うっ…、完璧に…。」
新天「どんな打球でも捕ってみせるよ。」
亜弓「でも…!」
 次の瞬間、由紀がうつむいていた私の顔をつかんで、私と由紀が見つめあうように向けた。そして、
由紀「うりゃ!」
 ぷにーーっ
 由紀はいきなり私の両頬を人差し指でおしつけてきた。
亜弓「な、何!?」
由紀「アハハハ! 見てこの顔、アハハハ!!」
友亀「ふふっ。」
伊沢「なんじゃこの顔! ハハハ!」
池之宮「…………プッ」
 私は由紀の腕をつかんで押し付けてくるのをやめさせた。
亜弓「い、いきなり何するの!」
由紀「笑顔笑顔! 笑っていこう! そしてポジティブにいこうよ! 亜弓の球なんてそう簡単に打たれないよ。」
亜弓「でもさっき…。」
池之宮「あれは偶然だ。」
亜弓「えっ。」
池之宮「こっちから見ていたが、当たった瞬間目をつぶってたぞ。」
亜弓「そ、そうなの?」
 私はキョトンとした。
池之宮「そう簡単に日高の球は打たれないよ。」
 そういって池之宮は自分のポジションに戻っていった。
友亀「かっこつけやがって。」
伊沢「でも手の震えはとまったみたいだね。」
亜弓「えっ?」
 わたしは思わず自分の右手を見てみた。本当だった。
新天「さっき羽葉がほっぺたを押し付けた後にはもう治っていたよ。…ぷっ、やべっ思い出しちまった…ぷぷっ。ツボった。」
亜弓「そうだったんだ。……というか最後のひどいよ!」
由紀「でもよかったね。」
亜弓「ありがとう。また助けられたよ。」
由紀「気にしないで。亜弓は仮に打たれても後ろには私たちがいるから。絶対亜弓を負け投手にはさせないよ。だから投げることだけ集中して。」
亜弓「うん、わかった。」
由紀「それじゃあ頑張ろう!……ぷぷぷっ。」
亜弓「あっ、笑わないで!!」
 そういって由紀は自分のポジションに戻っていった。ほかの人も自分のポジションに戻っていき、試合が再開した。
海鳳「おーい、もう一度140キロ出してくれ!」
亜弓「変なプレッシャーかけないで!」
沖田「頑張れ!!」
 私はこれだけ皆に支えられている。だからこそそれに答えるピッチングをしなきゃ。思いっきり投げる…。思いっきり!!
 シューーーーーズバァン!!
 ストライクツウ!!
 また…全力で投げれるようになった。これならまた抑えられる。三振も…取れる!
 シューーーブン ズバーン!!
 ストライクバッターアウト!
芦毛「ックソ!」
亜弓「よし!!」
 私は思わずガッツポーズをとった。


皆さんの感想、お待ちしております!!
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04.10
五番の田辺先輩を三振にとってここまで五人の打者に全部三振、三番の府中先輩に一度だけバットにあてられただけでそれ以外は空振り。完璧な内容といって良いほど投げれてる。逆に怖くもなってくるけれども…。
 ツーアウトランナー無しで六番ファーストの杉地先輩だ。ここから下位打線になっていくが、油断してはいけない。思いっきり投げれば絶対に抑えられる。
 シューーーバシィ!ストラーイク!
 投げるのが気持ち良い。こんな風に思えたのは初めてだ。もっと投げたくなる。
 シューーーーーブン バシン! ストライクツウ!
 また空振ってくれた。私は…レギュラーを取る!
 シューーー ズバーン! ストライクバッターアウト!
亜弓「よしっ。」
 また三振で、これで六者連続三振。
海鳳「ナイスピッチング! やるじゃん!」
池之宮「すごいな、今度俺と一打席勝負させてくれ。」
亜弓「えっ?」
由紀「いや、最初は私がやるの。とりあえずナイスピッチ。」
亜弓「ありがとう。」
深沢「ナイスピッチング。だが、次は日高からだぞ。」
亜弓「あ、はい。」
 私は急いで準備した。
 私は投球練習を横から見ながら素振りをしてるが、芦毛先輩の球は速い。こんなのを当てることができるのだろうか。いや、狙うはヒットなんだ。やってみせる。そして投球練習が終わっていたので、私はバッターボックスに入った。芦毛先輩が投げる。
 シューーーー バシン!
 ストライク!
 低めにストレートが決まった。芦毛先輩はボールを受け取るとすぐにセットポジションに戻った。とにかく振らなければなにも始まらない。
 シューーー キン! 
 当てた! けど…。
 パシン アウト!!
 ボールの勢いに押された打球はファーストライナーに終わってしまった。ライナーというには弱い打球だったが。私の初打席はファーストライナーだった。
由紀「ドンマイドンマイ。はい、これスポドリ。」
亜弓「あ、ありがとう。」
 私はヘルメットとバットを置くと由紀から手渡しされたコップを持った。
 キーン! 
府中「サード!」
野中「あいよ。」
 パシン アウト!!
 その間にも一番に戻った米倉はサードフライに倒れてしまった。
 私はスポーツドリンクを一口、二口と口の中にふくんでいった。
友亀「日高、ピッチングだけに集中しちゃっていいよ。今バッティングのことを悔やんだりしてたらピッチングに影響するぞ。」
亜弓「ありがとう。」
由紀「そうそう、亜弓。」
亜弓「なに? 由紀。」
由紀「今のところ全部ストレート、そして全力投球だよね。腕の疲れや握力とか大丈夫?」
亜弓「いまのところ大丈夫だよ。」
由紀「そっか。今はいいけど、大会までには投球ペースとか考えながら投球できるようにしてね。このままじゃ亜弓がつぶれそうで心配だよ。」
亜弓「心配ありがとう。やさしいね、由紀って。」
由紀「そ、そそそ、そんなことないよ! やめてよもう、試合中なんだから///。」
 由紀が照れてしまった。試合中でも照れ屋は隠せないところがまた「かわいい」。でも口には出さないでおこう。
 バシン! ストライクバッタアウト!
 そんな間にも二番の沖田が三振でスリーアウトチェンジとなってしまった。この回の打撃はすぐに終わってしまった、でもこれで私は投げることができる。私はグローブを持って「よしっ」と心の中で言うと、駆け足でマウンドに向かった。
 三回の裏からは芦毛先輩からだ。打撃もそこそこ良いと聞いたので、甘い球が行かないように注意する。私はそのために思いっきり投げるだけ!
 シューーーー 
 キィーーーーン!!!
サードコーチャー「うおっと!」
 サードコーチャーがよけるとものすごい打球はサード側席に飛び込んだ。今、私は完璧に当てられた。完璧に…。
芦毛の心境「ま、まぐれだけどおもいっきり振ったら当たった…。」
友亀「完璧にとらえられるか普通…。」
 私はその打球を見ておびえてしまった。次は確実に当ててくる。ヒットを打たれてしまう。私のせいでチームが負けてしまう。そんな負の連鎖が頭の中をめぐっていった。かき消したい気持ちがいっぱいなのだが、腕にまで震えがきてしまった。私は……。

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04.08
由紀「どんまい! いまのはしょうがないよ。切り替えていこう!」
友亀「そうだな、ありがとう。」
米倉「よっしゃ、俺たちもしっかり守ろうぜ!」
 バックが頼もしいとどれだけ楽なことだろう、これなら私もバッターに集中して投げれる。私はヘルメットとバットを一番分かりやすいところにおいて、グローブをつかんでマウンドに向かった。
 私は一回はストレートだけで抑えてる。この回からは変化球も使っていくのかな。とりあえず今は、キャッチャーのサインのとおりに投げて投球に集中することだ。
 投球練習を3・4球終えると二回の裏が始まった。バッターはパワーがすごい中山先輩だ。あたれば飛ぶが、あたらなければ何も怖くない。今の私なら…抑えられる!
 シューーー ブン! ズバーン
 一球目のストレートを思いっきり振ってきた。なるほど、スイングスピードは池之宮と同じぐらいの速さがある。でもボールとバットは離れていた。これならまた三振を…。
 シューーー ズバーン!
 シューーー ブシィ! バシン!
 ストライクバッターアウト!!
友亀「ナイスピッチ!」
伊沢「いいよ、これで四者連続三振だ!」
 また三振。とてもうれしくて私のテンションが上がっていく。でも落ち着かないとどこかできつい一発を喰らってしまうかもしれない。私はボール回しから帰ってきたボールを取ると、深く一回深呼吸をした。落ち着いて、私ならできる。と心の中でつぶやいた。

 マネージャーたち
三由「さーて、男たちの戯れを見に行きますか。うへへへ。」
真希「あの、三由先輩っていつもこんな感じなんですか?」
美琴「ま、まあね…。」
恵美「一言で言うなら…変態。」
千恵美「先輩じゃないね、もう。」
三由「ちょっと、ひどいよそれ!」
美琴「あ、そうだ。真希ちゃんと瞳ちゃんって野球のルールは知ってる?」
瞳「ルールなら。」
真希「私は野球は良く見に行くので、どれが上手い下手とかも大体分かりますよ。」
瞳「私はそこまでは…。」
美琴「なら心配いらないね。」
千恵美「やーい、これで恵美の仕事がなくなったね。」
恵美「うるさい、ちっちゃいの。」
千恵美「なによ、ツンデレ。」
恵美「それはそっちでしょ。」
千恵美・恵美「むぐぐぐぐ…。」
三由「また始まった…。あ、そうそう。真希ちゃんと瞳ちゃんは今日初仕事があるから頑張ってね。」
瞳「頑張ります!」
真希「何をやるんですか?」
三由「おにぎりを作るのと、スポーツドリンクを作るためのお水運び。」
瞳「あっ、お水運びなら任せてください! 力仕事は得意なので。」
美琴「頼もしいね。」
瞳「へへーん。」
三由「そしたら、真希ちゃん。おにぎりは作れる?」
真希「もちろんです。」
三由「そしたらおにぎり担当よろしく。」
真希「はい。」
瞳「先輩たちは何やるんですか?」
千恵美「私は球場や周りの掃除。」
恵美「おにぎりを一緒につくる。」
三由「私は道具のお手入れ。ボール拭いたりするよ。」
美琴「私は怪我した人たちの治療とか。無かったらおにぎり一緒に作るよ。」
瞳「さすがですね。」
千恵美「ふふふん。」
真希「ここが野球部専用グラウンドか~。本格的ですね。」
美琴「設備すごいもんね。」
三由「たしか今日は紅白戦みたいだよ。一年生対二・三年生の。」
瞳「本当ですか!? そしたら由紀ちゃんとか亜弓ちゃんとか試合にでてるのかな。」
千恵美「さっき言っていた野球をやってる女の子のこと?」
瞳「そうです!」
恵美「さてと…、やってるやってる。ほら、ピッチャーとレフトにいる人が女の子だよ。」
瞳「あ、本当だ! 二人とも出てる!」
真希「亜弓さんはピッチャーなんだ。」
千恵美「試合はどんな感じかな…。ってあれ? 二回の裏で1対0だ。」
三由「しかも一年生チームが勝っているね。」
恵美「へー、今年の一年生すごいね。」
瞳「あ、亜弓ちゃんが投げるよ。」 
 シュゴーーー
 バシーン!! ストライクツゥ!!
千恵美「って速い! めちゃくちゃ速いじゃん!」
真希「なんだか亜弓ちゃんかっこいい。」
美琴「亜弓ちゃんってすごい人なの?」
瞳「全然しらないです。」
 バシーン! ストライクバッタアウト!!
由紀「ナイスピッチング! 亜弓!」
恵美「あ、三振。」
瞳「すっごーい!」
友亀「これで五者連続三振だぞ!」
真希・千恵美・恵美・三由・美琴「五者連続三振!?」
瞳「え?それってそんなにすごいんですか?」
真希「すごいに決まってるよ!」
千恵美「相手先輩だよ!」
恵美「先輩なのに連続三振なんて…。」
三由「すごすぎるよ。」
美琴「いまのところ全員三振かあ…。」
皆「す、すごい。」

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04.06

最近ブログと同時に「小説家になろう」 というサイトで同時更新を行っています。
もしよろしかったら小説家になろうの方もみてくださるとうれしいです。
URL→http://ncode.syosetu.com/n3083bm/
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04.06
 二回表の攻撃は五番の新天からだ。彼からも力強そうな気持ちが見える。どんなバッティングをしてくれるのだろう。
 新天が右バッターボックスに入ると大きく肩をまわして構えた。芦毛先輩がセットから投げた。
 シューーバーン! ストライク!
 いきおいのあるストレートが低めに決まった。ボールを受け取るとすぐに足を上げ、投げた。
ググッ ブン! パシン!
 ストライクツゥ!
 カーブを空振りはしたが、キレのよいスイングだ。ボール一個分ずれてたという感じで、ボールが見えてないわけでもなく、タイミングも合っていた。そして三球目
 ググッ キーーン!
 快音のこしてセンターに打球が飛んでいった。しかし打球は真正面。
 パシン アウト!!
海鳳「あっ、おしい。」
 たしかに惜しかった。真正面でなかったら確実にヒットだった。
 それにしても皆、最初から先輩の球に対応している。やっぱり皆の方がすごい人ばかりなのではないか…。
 ワンアウトランナーなしで、六番伊沢の出番が来た。伊沢はどんなバッティングをするのだろうか。ピッチャーが投げると伊沢はバントの構えをした。
 コツン
 三塁線への絶妙なセーフティーバントだ。しかし少し強かったようにもみえる。が、しかし。
 ダダダダダ…
 は、早い。それもとてつもなく。サードが素手でとって投げるが間に合わず。
 セーフ!
海鳳「はやいっ!」
米倉「やるじゃんあいつ。」
味方ベンチ「ナイスセフティ!!」
 伊沢もすごい人だ。あんなに足が速いなんて。やっぱり私よりすごい人はたくさんいる。私にも今は自信がもてるところがあるけど、打たれたら…、それで終わりなんだろうなあ…。
池之宮「日高。打撃の準備してきな。」
亜弓「あ、はい。」
 池之宮に呼ばれた私はヘルメットをとりにいった。
 そして次は七番由紀の出番が来た。
由紀「お願いします!!」
 お辞儀しながら大きな声で挨拶すると左バッターボックスに入ると広いスタンスをとって構えた。しかもよく見るとバッタボックスの前に立っていた。打撃はさっき見てすばらしかったが、由紀はソフトボール出身で上手投げになれていないはず。それなのにいきなり前側に立つとは。私はわくわくしてきた。
 芦毛先輩は府中先輩の出したサインに一回、二回と首をふりうなずくとランナーを全く見ずに投げた。
 グググッ
 大きく曲がるシンカーだ。
 キーーン
亜弓「えっ。」
芦毛「なっ。」
府中「うそっ!?」
 由紀の打った打球は一・二塁間を破ってライトに飛んでいった。
味方ベンチ「ナイスバッティング!」
 それだけでは終わらなかった。打った後に走ったのにもかかわらず伊沢は二塁を蹴って三塁に向かった。
府中「ライト! とったらサードだ。」
 府中先輩が指示をした。
中山「うりゃ!」
 ライトの中山先輩から好返球がやってきた。伊沢はヘッドスライディングをし、サードの野中先輩がボールを取るとタッチしにいった。判定は…。
 セーフ!
 セーフ、手の方が早かったみたい。
味方ベンチ「ナイスラン! 伊沢!」
 二人ともすごい。伊沢は打った瞬間に走ったのにもかかわらず、サードまで行ってセーフになる。由紀も初球のシンカーをたたいてライト方向へ引っ張った。あんなこと、普通にできるようなことなのだろうか…。やっぱりすごい。
 次は八番の友亀だ。友亀がバッターボックスに入る前に素振りをしてると、
海鳳「おーい、打たなきゃどうなるか分かってるよな!」
友亀「勘弁してくれよー。」
 そんな会話をしながらバッターボックスに入った。リラックスした構えだ。
 芦毛先輩が足を上げると由紀は走った。
 パシン! ストライク!
 投じた球はカーブ。もちろんキャッチャーはセカンドには投げず、由紀は盗塁成功。これでワンアウト二・三塁だ。芦毛が足を上げ思い切り投げた。
 シューーキン!!
 低めのストレートをたたいた打球はサードへ…。
 パシーーン! アウト!
 野中先輩ががっちりとライナーを捕球した。サードランナーの伊沢は急いでサードに戻る。しかし、
 アウト!!
友亀「うそだろ!?」
味方ベンチ「ああ~…。」
府中「ナイスサード!」
芦毛「さんきゅ! 野中。」
 アウトになってしまった。あまりにも早い打球だったので、伊沢は戻れず。これでスリーアウトチェンジになってしまった。
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04.05
 三振を取ると気持ちが良い。守っているみんなからも笑顔が見える。次のバッターも三振を取りたい。そんな気持ちが少しずつわいてきた。しかし次のバッターはバッティングが良いキャプテンの府中先輩だ。ここで三振を取れれば、正真正銘私の球が高校球児たちに通用することになる。やってみせる。
府中「よっしゃああ!」
 先輩が大きな声で気合を入れる。打つ気がありふれてくるが私も負けてられない。私にだって打たせない意地がある。声には出さないが、気持ちだけだったら府中先輩にも負けない。思いっきりなげるんだ。キャッチャーも打たせないためのサインも出してくれる。初球は高めにストレート。思いっきり!!
 シューーーズバァーン!
 ストライク!
 高めのストレートを思いっきり振ってきた。しかし、ボールの下を振っている。それに府中先輩でさえも振り遅れている。これなら抑えられる!
 シューーーズバーン!
 ボール。
 今度は外角低めにストレートを投げたが、これはボール。しかしサインもストライクかボールかのきわどいところに投げろいう指示だったので、これで十分よかった。
府中「しゃああ!」
 また府中先輩が気合を入れる。気合が入ってるってことは、思いっきり振ってくれる。当たればよい打球が飛んでくるが、三振も狙いやすいということだ。これならもう一度高めのストレートで空振りが取れる! 私は大きく振りかぶってミットめがけて投げた。
 シューーキンッ ガシャン!
府中「おっと。」
審判「ファールボール!」
相手ベンチ「ナイスカット!」
 当ててきた。振り遅れていたが、ボールには当ててきた。少しずつ目が慣れてきているのだろうか。私は始めてボールを当てられたので少しあせってしまったが、よく考えればこれでツーストライクと追い込んだ。次ストライクゾーンに投げて空振りしてくれるか見逃せば三振が取れる。次のサインは…真ん中低めにストレート。思いっきり!
 シューーーズバーン!
ストライクバッターアウト! チェンジ!
 ドンピシャと構えたところにストレートが決まった。バットは空を切った。
亜弓「やった!」
 私は思わず声に出して、グラブをポンッと一回たたいた。三者連続三振だ!
友亀「ナイピッチ!」
由紀「さすが亜弓!」
海鳳「いいね。やるじゃん!」
 みんなからほめられながらベンチに戻っていった。ベンチに戻ると深沢コーチが声をかけてきた。
深沢「ナイスピッチング!よかったぞ。」
亜弓「ありがとうございます!」
深沢「じつはスピードガンで球速を測っていたんだが、140キロってめちゃくちゃ速いな。」
伊沢「マジで!?」
亜弓「ほ、本当ですか?」
深沢「ああ、まあバッターから見たら150キロは出てるかもしれないけどね。」
亜弓「えっ?それってどういうことですか?」
 私には分からなかった。なんで140キロの表示なのにバッターから見ると150キロに見えるのだろうか。私自身、140キロと聞いただけで驚いている。女子でそんな球投げれるのだろうかと思ってしまったが、私自身がそれを実現させた。私は…。先輩たちを三者連続三振できてうれしい気持ちもあるが、それと同時に私は何故ここまで実力があるのだろうか。池之宮さんみたいな体格もないし、海鳳さんや由紀のようなセンスがあるわけでもないと思ってる。なのに何故…。私は自分自身がすこし怖くなってきた。
「ナイスピッチング、亜弓。」
 由紀が声をかけてきた。
「それにしても三者連続三振、しかも140キロも出すなんて。150キロに見えるってのは分かる気がするけど、全部全力投球で抑えたって所もすごいね。」
「そうかなあ?」
 私は照れ笑いした。こんなに褒められるのは初めてだ。でもやはり怖い。ここまで上手く行き過ぎてる私が怖い。
 その後由紀は心配そうな表情をしてたずねてきた。
「でも全部全力で大丈夫なの?」
「え?」
「だってさ、それだけ腕に負担かかるから回数もつかなって思うこともあるし、同じように全力投球してたら相手だってタイミング合ってきちゃうんじゃないかなって。」
 全力投球。たしかにそうだ。けど…。私は小さな声で言った。
「私、全力投球じゃなきゃ抑えられないような気がするの。少しでも力抜いたら棒球になって打たれちゃいそうだし…。」
「そかそか。じゃあそれでいいと思うよ!」
「ありがとう、由紀。」
 由紀が私のことを理解してくれると、打撃の準備をしに行った。
 由紀はヘルメットの置いてあるところに行くと、防具をはずしている友亀に話しかけた。
由紀「ねえ、友亀。」
友亀「お、えっと…羽葉だっけ?」
由紀「そそそ。えっとね、亜弓ずっと全力投球してるみたいだから、何か疲れとか異変に気づいたら配球の仕方とか変えてみて。亜弓、制御できないでいるみたいだから。」
友亀「ああ、知ってるよ。日高がどこまで引っ張ってくれるかによって試合の流れも、もちろん配球も考えていかなきゃいけないから。とりあえず今は安心しておいて。」
由紀「わかった。」
 そういって由紀はヘルメットをかぶり、バットの感触を確かめ始めた。

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04.04
 そして…私の出番がやってきた。マウンドに向かってるが、手の震えがとまらない。どうにかこの震えを止めようと腕を回したりしたが、おさまらない。怖い。私のせいでチームが…。
「亜弓! まえに言ってたこと、思い出して! 亜弓ならできるよ!」
 由紀が後ろから声をかけてきた。そして近づいて、
「一点取ってるから、気持ちは楽にいこう。投球に入ったら周りは気にせず投げていいから。後ろに打球が飛んでいったら、私たちがちゃんと守るから。」
 そういって私の背中をポンポンと二回グローブでたたき、自分のポジションに向かって走っていった。そうだ。私が自信を持たなくてどうするのだ。思いっきり投げれば通用するって言われてる。私は大きく深呼吸をし、マウンドの感触を確かめながら投球練習をした。先輩チームのベンチからは、
「本当に女かよ。」
 と声が聞こえてくる。でもマウンドに立てば私が投手なんだ。今やることは自分のピッチングをすることだ。
 そして…一番の栗山先輩がバッターボックスに入った。足が速いバッターだ。でも私はキャッチャーの構えたところに投げるだけ。私は投球に集中すればいい。最初のサインは真ん中にストレート。大きく振りかぶって…思いっきり!
 シューーーズバーーン!
 ストライク!!
相手ベンチ「おおっ。」
友亀「よっしゃ。」
 全力で投げた球はど真ん中。構えたところに入った。これなら…大丈夫! 次は…内角高めにストレート!
 シューーーズバーン!!
 ストライクトゥ!!
栗山「何だこの球は!?」
 私の球をみて栗山先輩が口に出すほど驚いている。私の球は…、通用する!
 シューーーズバン!
 ストライクアウト!
相手ベンチ「おおお。」
 栗山先輩は始めて手を出してきたが、高めのボール球を振ってくれた。しかも、振り遅れてかなりボールの下を振っていた。三振だ。
亜弓「よしっ。」
 私は思わず声を上げ、右手を握った。
友亀「ナイスピッチ!」
伊沢「球走ってるよ!」
由紀「いいよ亜弓! その調子。」
 ボールをまわしながら皆が声をかけてくれる。私もこの一年生チームの一員として認められたのだろうか。それなら私はなおさら頑張らなければ…。
 二番は卜部先輩だ。彼も足が速い。でも当てられなければ怖いことはない!

二・三年生チームベンチ内
栗山「あいつ、やべえよ。」
中山「おまえ、めっちゃボールの下振ってたぞ。」
栗山「いや、あいつ本当にすげえ。一球目は低めのストレートかと思ったらど真ん中、次は内角かと思ったら内角高めに伸びてきたし、最後にいたっては打ちごろの高めかと思ったらめちゃくちゃ高めだし。」
芦毛「ようするにノビがとんでもないってことか? それだけじゃあんなに振り遅れたりしないだろ。」
栗山「ノビもすごいんだけど、いつ投げたのか全く分からないっす。球の出所が分からないというか。だからとてつもなく速く見えるのかもしれないけれども。」
 シュゴーーバシン!! ストライーク!
中山「おい、卜部先輩まで振り遅れてるぞ。」
芦毛「このままじゃ本当にヤバイぞ。」

亜弓
 卜部先輩もボールの下を振ってくれてる。これなら打たれない。まだストレートだけしか投げていないが、これでも十分通用する。もっと思いっきり!
 ズバーーン! ストライクツゥ!
 内角低めにストレートが決まった。コントロールも良いみたいだ。これならまた三振をとれる!
 シューーズバーン! ストライクバッターアウト!!
 また三振、これで二者連続三振だ。先輩たちは私の球に目が追いついてないのか。これなら勝てる!
 
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04.03
 私たちは先攻だ。私は試合が始まる直前に友亀に相手チームのオーダー表を見せてもらって、注意する選手を教えてもらった。まずキャプテンでキャッチャー、三番の府中戸井(ふちゅう とい)先輩。一番バッティングセンスが優れていて、守備も上手い。そして一番のまとめ役として活躍してる人らしい。ほかにもセカンドの卜部康吾(うらべ こうご)先輩とショートの栗山剛史(くりやま たけし)先輩。二人の守備はチーム内で鉄壁と呼ばれているぐらいすごいらしい。打撃に関しても足が速いとの話だ。さらには圧倒的パワーが持ち味といわれてる中山亨(なかやま とおる)先輩。そして先発の芦毛和歌屋(あしげ わかや)先輩。スクリューボールがすばらしいらしい。こんなにすごい先輩たちを相手に私たちは試合をするのだ…。私の球は何処まで通用するのだろう…。
「プレイボール!」
 試合が始まった。一番は米倉、この学校のエースに何処まで攻められるのだろう…。
 芦毛はセットポジションから大きなステップで投げた。
 パシン
「ストライク!」
 スリークォーターから力強く投げたストレートはインハイに入った。球は走っているように見えるので、調子はよさそうだ。早いテンポで投げた。
 バシン
「ボール。」
 今度はアウトローにストレート。きわどい感じだがあのコースはボールらしい。
米倉「よし…、次で打つ!」
 そう米倉が言うと、ベンチ内からは皆が「いけいけー!」と声をかけていた。今日知ったばかりのチームメートなのにもうまとまっている。すごい…。
 そして三球目。
 キーン!
 低めに入ったストレートをたたいた打球は三遊間へ。
「よし、ぬけろ!」
 ベンチにいた私たちはいっせいに立ち上がって声を上げた。
「うおっ。」
 サードが飛びつくが届かずボールは後ろへ。
「ナイスバッティング! 米倉!」
 レフト前ヒット。先輩たちを相手にいきなりヒットを打った。本当に今年の一年はすごい人ばかりだ…。
「さーて、盗塁かバント、どっちかな。」
 海鳳がヘルメットをかぶりながら言った。米倉は足が速いと聞いたので、足を絡めた作戦をしてくるだろう。二番は沖田。どんな攻め方をするのだろう。私の予想だが、中学時代も一番と二番は二人だったらしいので、そのときに良くやった戦法をしてくるだろう。
 芦毛が足を上げると同時に米倉が走った。
 コツン
 沖田はサードに絶妙なバントをした。二塁には間に合わないのでサードはファーストに送球した。その時、
府中「ファースト!とったら三塁に向かって投げろ!」
 府中先輩が指示をした。米倉はサードが投げたのを確認しながら三塁に向かって走っていった。
 パシン アウト!
 沖田はアウトになりファーストは三塁に投げようとしたが、投げれず。ショートが三塁のベースカバーに入っていたが、そのころには米倉は三塁に到達していた。二人はこれを狙っていたのだ。
「ナイスバント! ナイスランナー!」
これでワンアウト三塁、サードランナーは米倉で、バッターは海鳳。これなら確実に一点は取れるだろう。
「池之宮!俺が一転とったるから、うしろはまかせたぜ!」
 海鳳が池之宮に叫んだ。
「はいはい。」
 池之宮は落ち着いて返事を返した。
 海鳳は左バッターボックスに入った。ライトを守っている先輩が下がった。海鳳がゆっくりと構えた時、私はあることに気づいた。
 「…バッティングフォームが練習のときと違う。」
 私は思わず口に出した。先ほどまでバットをねかせて構えていたのが、今ではバットのヘッドを右バッターボックスに軽く向けるぐらいバットを立てている。しかも腕もゆったりとして、胸の前においている。これは…神主打法だろうか?しかも海鳳から不思議な雰囲気を感じる。ピッチャーの芦毛先輩も解放に集中している。まるでサードランナーがいないかのように。ピッチャーが全力で投げた。
 グググッ パシーン ストライク!
 低めに決まる良い球だ。しかも、ものすごい曲がるスクリューを使ってきた。あんな球を打てるのだろうか?
 ククッ パシン
 こんどはボール球。しかし全く同じ速さでカーブを投げてきた。これではカーブかスクリューかを見分けるのも大変そうだ。しかし、そんな不安を打ち消すかのように海鳳は、
「よっしゃ。」
 と声を上げ、自信満々な表情でゆったり構えた。打ちにいくのだろうか。
 そして三球目
 グググッ キーーーン!
 あのシンカーをとらえた。響きの良い金属音が聞こえたころには打球はセンター方向へ。しかし、上がりすぎてるようにも見える。センターは深めに守っていたので、すでにフェンスの近くまで来ている。それでも打球は粘り強く伸びている。
「タッチアップだ!!」
 海鳳が叫ぶ。米倉は急いでサードベースに戻る。入らないのか?よく見るとボールが落ちてくると同時に少しずつ打球に勢いがなくなってるように見える。海鳳が言ったとおり、センターが深い位置でとった。米倉はタッチアップする。もちろん余裕のホームインだ。あっという間に先取点をとった。いとも簡単にレギュラーチームから一点をとるなんて…。
「ナイス海鳳!」
 ベンチからは喜びの声が聞こえてくる。しかし、
「どうせなら、ホームラン打てよ。」
 池之宮が素振りをしながら、文句を言う。
「うっせえな。打てるならとっくに打っとるわ!」
 この二人は仲が…悪いのだろうか? それともライバル心を持っているだけなのだろうか? そういっている間に、ツーアウトランナー無しで池之宮の出番が来た。
 芦毛先輩は鋭い目つきをして全力で投げた。
 キィーーン!バシーーン!
 ものすごい金属音が聞こえたが、打球はショートの真正面。いくら打球が早くても真正面ではとられてしまう。これでスリーアウトチェンジとなった。
 池之宮は悔しそうな顔をしながらベンチに戻ってきた。ドンマイとの声が聞こえてくるが、
「あれー?俺よりひどくないっすか?」
 と海鳳はちょっかいを出すように近くに寄って言った。
「うっせ。」
 と小さな声で言った。
 もっと悔しがっているのは相手の芦毛先輩だろう。私たちの一年生チームにあんなに初回から打たれたのだから。…私も同じように二・三年生に打たれていくのだろうか…。
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reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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