FC2ブログ
line-s
--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

line-s
02.28
テスト期間にて、小説の更新が遅くなります。大変申し訳ありません。
スポンサーサイト
line-s
02.14
 ブルペンにつくと既に二人がアップをしていた。といってももうすぐキャッチャーが座りそうなぐらいエンジンがかかってるように見える。そろそろアップは終わりになるのだろう。
 シューーズバン!
 一番右で投げている人が館川という人らしい。まだ全力ではなさそうだが、それでもとても良い球を投げている。
 真ん中にいるのがあの海鳳だ。ピッチャーもできるのか。
 バシン。
 こちらは館川ほどの勢いは無いが、キャッチャーの構えてるところにボールが吸い込まれていくようなコントロールの良さだ。
「亜弓。アップするよー。」
「あ、うん。」
 私たちもアップを始めた。
 パシィン。
 由紀のミットから良い音が聞こえる。これは私の推測だが、由紀は何でもできそうな気がする。なぜなら、メインポジションでもないのに何年もキャッチャーをやっているような構えだ。しかも良い音を続けて出すということは、それこそキャッチングを知り尽くしていないとできないことだ。それをいともたやすくできる。これは由紀の本当の凄みなんだと思う。
「すわるぞ。」
 館川がキャッチャーに指示した。これから本気で投げるだろう。私は横目で見た。
 シュゴーーパアァン!
 サイドスロー気味のスリークォーターから放たれたボールは力強い勢いでミットにおさまった。しかも速い。130キロ半ばは出てるだろう。
 ある程度私もなれてきたので力を入れていった。その間に隣の海鳳もキャッチャーを座らせて投げていた。やはりコントロールがすごい。この人もメインのポジション以外もこなせる人なのだろうか。
 シュゴーーーズバーン!
 相変わらず館川は良い球を投げている。私はすごいなと思いながらも、レギュラーを取れるかどうかの心配もでてきた。いや、ベンチ入りすら危ういかもしれない。
「亜弓、まだうちはたってるけど、八割ぐらいの力で投げて。」
 由紀が大きな声で私に伝えた。八割…。私がモーションを始めるとブルペンにいる人たちが私を見る。緊張する。でも…。私は由紀のミットめがけて投げるだけ!
 シュゴーズバーン! 
「おおう、はえぇ。」
 となりにいた海鳳がつぶやいた。あの海鳳が私の球を見て速いといってくれた。うれしい。本当に私の球は高校野球で通用するのか、と少し期待した。そのあと五・六球投げた。
 そしていよいよ由紀が座る。
「おもいっきり投げてね!」
 由紀が大きく構える。体は小さいはずなのに、なぜか大きく見える。これも由紀の力なのか。これなら私も思い切り投げれる。
 腕を上げ、左足を上げる。踏み込んで、思い切り…投げる!
 シュゴーーズバーン!
深沢「なっ!?」
海鳳「はやっ。」
館川「まじかよ…。女性でそんな球なげれるのかよ。」
 思い切り投げた球はものすごい勢いで由紀のミットにおさまった。私の見た限り館川と同じようなスピードで投げれていた。私にもこんな力があるなんて…。周りの人も私自身も驚いた。
 その後もストレートを十球ほどなげた。さすがに海鳳や館川は自分のピッチングに集中していたが、コーチは私の球を見ると毎回のように驚いていた。
「亜弓、変化球投げてみて。」
 いきなり由紀が輝いた目をして言ってきた。投げれる球…。
「じゃあ、まず…カットボール。」
「あいよ!」
 由紀が構える。私はそこに向かって投げるだけ!
シュッークッパシーン!
「いいよ!いい感じで曲がってる!」
 由紀がほめる。コーチも私の球を見てうなずいている。そんなに私の球が良いのだろうか。
「ほかにどんな球投げれる?」
 由紀が聞いてきた。
「えっと…スラーブと、チェンジアップと、サークルチェンジ。」
「変化球四つも投げれるの!?」
 由紀が驚いた。しかしすぐに目つきを変えて構えた。私はストレートと変化球をまぜて三十球ぐらいなげた。
 ダウンを終えるとコーチがよってきた。
「いやーすごいね、いい球持ってるよ。三振の取れるピッチングができるわけだ。」
 そういって私の肩をポンッとたたくとコーチはグラウンドに戻っていった。
「な、言ったとおりだろ?」
 と由紀が言った。
「私にはどんな武器があるの? おしえて!」
 私は自分では考えられないようなハイテンションになってなって由紀に聞いた。
「うーん、帰りに教えてあげるよ。」
「えー?教えてくれたっていいじゃない。」
「だって…いいじゃん!」
「なにそれ~。」
 そういって二人は笑いながらグラウンドに戻っていった。

line-s
02.14
伊沢 裕也


キャラクター紹介 
名前 伊沢 裕也(いざわ ゆうや)
誕生日 2月7日
身長166cm 体重62kg
右投げ左打ち メインポジション 遊撃手

負けず嫌いで怠けるのが嫌いな熱血系男子。挨拶が大好きで大きな声で挨拶をする。
中学時代に亜弓と面識があり、そのとき投げたすごい球をもう一度みたいという気持ちで野球部へ入部。ほかにも部活に入る理由は多々あるようだが…。 とてつもない俊足の持ち主。それだけではなく。盗塁においてのスタートダッシュの早さ、ベースランニングを最短距離で走る技術は光るものがある。


今回はmocaさんに描いてもらいました!ありがとうございます!
mocaさんのpixivページ


※画像をブログにしっかり入るようにしたかったのですが、設定方法やバグでできませんでした…。もうしわけありません。
line-s
02.11
ブログの装飾を借りさせていただきました。
line-s
02.11
 キャッチボールを終えると打撃練習とともに守備練習を行うことになった。二ヶ所でバッティングを行い、守備はポジションについて守る。良くある守備練習だ。まず、最初にピッチャーとキャッチャーに打たせる。そして打ち終わったらブルペンに入る。そのような流れだった。私もピッチャーなのだが、なぜか一年の中で打つ順番が最後になった。自分もピッチャーだっとコーチに言ったが、こう答えてきた。
「私は一年生の打撃を全部見てからブルペンに行く。亜弓の球をじっくり見たいからわざと遅くした。」
 私の球をじっくり見る? そんなに私のピッチングに興味があるのだろうか。それだけの実力が私にはあるのだろうか。しかし……。私は期待と不安が一緒に募っていった。
 「亜弓は中学のとき、ピッチャー以外どこ守ってた?」
 由紀がグローブを持って私に聞いてきた。
「えっと…レフトかな。」
「うちもレフトだよ。」
「あ…そうなんだ。」
「どうしたの悲しい顔して。まあ大丈夫。うちはどこでも守れるし、由紀はピッチャーでレギュラー取れるよ。」
「本当かな…?」
「本当だって。あ、始まるみたいだよ。」
「うん。」
私と由紀がレフトのポジションにつくと、バッティング練習が始まった。バントを五球行い、二十球打つ。それを私たちは順番に行う。
 最初のピッチャーとキャッチャーがバッティング練習を終えると由紀が私に声をかけてきた。
「あ、海鳳と池之宮が同時に打つよ。」
 由紀は指をさした。その方を見ると、あの伊沢と由紀が話していたときの二人だ。バントを終えた二人はバッターボックスで構える。何か二人から威圧感というか、ほかの人にはない、特別なオーラのようなものをまとってるように見える。
 まず池之宮からだ。右バッターボックスに入り、ゆったりと大きく構えた。そして打った。
 カキーーーン!!!
 引っ張った打球は私のところに飛んできた。…が、見上げるとこしかできなかった。ボールは私たち頭上を越えていって、…場外へ。あの人は本当に高校生なのか?しかし、間違いなく、あれは高校生なのだ。
 次は池之宮と同じように右バッターボックスに海鳳が入った。バットを寝かせて構える。ボールが放たれると、海鳳は大きく足を振ってタイミングよく打った。
 キーン!
 流した打球はライトへ。伸びる、伸びる… 入った。それもポールに当たるかどうかのギリギリのところで。きれいだ。さすが二人とも有名なだけある。
 キィーーン!!
 池之宮が力いっぱいに打った打球はセンターへ、しかもバックスクリーンに当てた。一ヶ月前まで中学三年生と思えないような、プロ顔負けのスイングスピード。打ったときの音。そして高校生らしからぬ打球。アレだけ恵まれた体格だからこそできるものなのだろうか。
 カキーン!
 それに続いて海鳳が打った打球は、右中間へ飛んでいった。…これもギリギリ入った。池之宮とは違う。海鳳は力ではなくバッティングコントロールだけでホームランが打てる。力が無いわけではないがホームランの打てるスイングスピードもある。ここまで狙って打てるのはバッティングセンスの塊だろう。すごい。
 その後、ポンポンと二人とも撃っていた。十球目を終えたころだろうか、海鳳は左バッターボックスにスイッチした。両打ちだ。
 キィーン!
 左になってもバッティングコントロールは変わらない。すばらしいセンスだ。
 二十球を終えて海鳳が十七本ヒット、池之宮が十五本ヒットを打った。ヒットの中にはホームランも含まれている。
 その後にもほかの人たちが打っていたが、七・八本が妥当という感じだった。
 しかし、その中にもかなり良い結果をだした人もいた。たしか…新天流戸という人が十二本ヒットを打って、そのうち五本がホームランという結果だった。池之宮のような豪快さは無いけれども、スイングスピードは負けず劣らずとても速い。
 私たちはそろそろ順番なのでヘルメットとバットを取りに行こうとすると、上級生らしき人が球場の中に入ってきた。
「ちわーっす!」
 たくさんの人たちが挨拶してきた。私たちも大きな声で挨拶する。そして上級生たちは外野の深くでアップをし始めた。
 いよいよ私たちの順番が回ってきた。しかも先輩たちがキャッチボールしてるのにもかかわらず、私たちの方をちらちらと見てくる。よりによってこんなタイミングに…。
 最初はバントだったが私は、中学時代にバントは良くやっていたので、五球とも全部成功させた。由紀も危なげなかったが、五球とも決めた。そしてバッティング。最初に由紀が打つ。由紀は足場を慣らしてバットをマシンの方に向けると、
「おっしゃーーーー!」
 大きな声をだしてゆったりと構えた。目つきが変わった。とてつもない集中力だ。バッティングマシーンからボールが飛び出された。
 キーン!
 ショートの頭を抜けた。きれいな打球だった。初球から打っていくことは、打てるという自信が無ければできないことだ。
 そして私の一球目。絶対打ってやる。そう思いをこめて打った打球はセンター前へ。やった! 私も初球から打てた! 私は心の中でよろこんだ。
 由紀は二球目もヒット。今度はサードの頭を抜けるあたりだ。不思議なことに由紀の打ち方を見ると、ノースッテップで打っている。ミートにとても自信があるのだろう。
 私も二球目を打ったが、ショートゴロ。当たりはそこそこ良かったが、そんな簡単にヒットは打てないか…。
 その後、由紀はどんどん打っていった。私はゴロが多かったが、フライやファールボール、空振りとかはしてない。しばらく打ってから私はあることに気づいた。由紀が一度もアウトになるような打球を打っていない。つまりパーフェクトで打っているということになる。すでに海鳳の十五本のヒット数を越えていて、今は十八球目、由紀は淡々にこなしていく。
 キーン
 またヒット。これでヒットは十八本目だ。単打しかないが、こんなことって普通できるのだろうか。あの海鳳でさえ十五本なのに。すごすぎる。私は今、六本ヒット。平均的だが、由紀を見ると私なんてダメダメすぎると思ってしまう。
 キーン!
 キーン!
 ついに二十球すべてヒットを打った。私はこのとき知った。由紀が天才だということを。
「ありがとうございました!」
 由紀が大きな声で挨拶した。
 私も最後の球をなんとかヒットを打ち、合計八本のヒットを打った。挨拶をしてヘルメットをはずしバットを片付けていると、後ろでコーチと監督の会話が聞こえてきた。
「さすが由紀ですね。ソフトボールでの成績は本物だったな。」
「ああ、でも亜弓も良かったぞ。足腰がしっかりしていたからな。ピッチングが楽しみになってきたな。深沢、しっかり見ておけよ。」
 由紀が言われるのは当然だろうけれど、私まで期待されてしまった。本当にレギュラーになれるほどの実力があるのだろうか。
「おい亜弓。」
「はい。」
 コーチに呼ばれた。
「お前、ピッチャー志望だろ?ブルペン行くぞ。用意しろ。」
「は、はい!」
 ついにブルペン入りすることになった。
「えっと…キャッチャー志望は二人しかいないからなあ。友亀は館川と、中島は海鳳と…、ほかにできるやついるか?」
 コーチがつぶやくと、由紀が横から入ってきた。
「うち、キャッチャーやります。」
「えっできるのか?」
 コーチは少し驚いた様子だ。
「うち、外野志望ですけど、どこのポジションでも守れます。それもうちのアピールポイントですから。」
「そうか……よし、二人でブルペン行ってこい。俺も後で行くからな。」
「はいっ!」
 由紀は大きな返事をするとすぐにキャッチャー防具をつけ始めた。由紀は本当に何者なんだろう。そう思えるということが天才になるのだろうか。そんなことを考えてるうちに由紀は防具をつけ終えていた。
「さ、行こう。」
 由紀はブルペンへ走っていった。私もそれについていった。
line-s
02.10
 グラウンドの入り口につくと部員の人が私たちに声をかけてきた。
「入部希望者ですか?」
「はい。」
 すぐに伊沢が返事した。
「あなたたちもですか?」
 その部員は私たちの方をむいて聞いてきた。
「はい、そうです。」
「申し訳ありませんが、マネージャーは別の場所で集まることになってます。」
 どうやらその部員は、私と由紀を見てマネージャー希望者だと思ったのだろう。私たちは女性なのでそう思われても仕方がない。普通は女性が男性と混ざって高校野球なんてしない。すると、雪が力強い声で、
「いや、うちらは選手としてです。」
「はぁ?」
 その部員は疑っているような様子だが、由紀は真剣なまなざしだ。その部員はすこし戸惑っていたが、
「…わかった。そしたら入ってまず看板が目印になっている部屋に入ってくれ。」
 なんとか入れた。やはり女性が野球をやることはおかしいことなのかな…。
 部屋に入ると紙を渡された。ここに名前や希望ポジションを書くように支持された。私たちは紙に書いてある質問を書いていった。なんなくこなしていったのだが、最後の記入欄を見てペンがとまった。
「アピールポイントを教えてください。」
 アピールポイント…………思いつかない。どうしよう。何を書けばよいのかわからない。私が考え込んでいると、隣の席に座っていた由紀が紙の端になにやら書き始めた。
(三振の取れるピッチングです。)
 これは私にこう書きなと言ってるのか? え? 私にそれだけの実力があるのだろうか。書いただけで実際そうでもなかったらどうしよう。私は心配な顔をして由紀の顔を見たが、由紀は私の顔を見るとにっこりとわらった。由紀は「大丈夫だよ。」と言いたいのだろう。何でだろう。由紀にそう思われるとなぜか自信がわいてくる。私はその由紀が書いてくれた文をそのまま自分の答えとして使った。
 書き終えると、着替えてグラウンドに集合といわれた。私たちには、別の更衣室を用意してくれた。私は練習着に着替えながら由紀にさっきのことを聞いた。
「ねえ由紀、さっき書いてくれたこと、本当にそう思ってくれてる?」
「まあね。本当はマウンドに立ってから自分で実感してほしいなって、思ったけど。」
「そうなの?」
「うん。」
 そういうことだったのか。でも本当にそうなのだろうか?私には自信がない。でも由紀が自信を持って言ってくれると、自然にできる気がする。
「あ、そうだ。」
 着替え終わった由紀が、私のほうを向くと、胸の辺りをグローブでポンと叩いて言った。
「自信持ってな。」
 そういわれるとさらに自信がわいてきた。由紀には何か特別な力があるのだろうか。
 グラウンドに行くと、たくさんの入部希望者が集まっていた。20人…いや、30人はいるだろう。この中の人たちとレギュラー争いをする…。いや、この学校の野球部員全員と争うことになる。私は本当にレギュラーを取れるのだろうか。そう考えてると私たちをみてざわつき始めた。
「あれ女性だよな。マネージャーじゃないのか?」
「どんな実力か気になるな。」
 いろいろと聞こえてきた。その言葉がプレッシャーになってのしかかってきた。しかし由紀が私の肩を叩いてこういった。
「大丈夫。亜弓なら絶対大丈夫。うちは絶対に負けないから。レギュラーとって見せるよ。」
 レギュラー…。由紀が取れるなら私も取れるのだろうか…。
 数分すると監督とコーチらしき人がやってきた。
「集合!」
 その一言で私たちは、
「はい!」
と、一斉に声をあげて集まった。
「私がこの学校の監督をやっている、日下部青井(くさかべあおい)だ。さっそくだが一人ずつ名前と出身校、希望ポジションを言ってくれ。顔と名前を一致させるためにだ。」
 監督がそういうと監督の右隣の人が、自己紹介を始めた。伊沢だ。伊沢は最初の自己紹介のときと同じように、すらすらと大きな声で言った。「さすが。」と、言いたいぐらいだ。私と由紀も、簡単な自己紹介だったのでなんなく言えた。
 自己紹介が終わるともう一人の男性が監督に代わって言った。
「私はこの野球部のコーチをやっている、深沢祐大(ふかざわゆうだい)だ。何かわからないこととかあったらいつでも声をかけてくれ。それではこれから各自アップをしてキャッチボールまでやってくれ。」
 と監督が言うと一斉に皆が、はしって外野に向かっていった。
 ランニング中に由紀が声をかけてきた。
「キャッチボール、一緒にやろうね。」
「うん。」
 私たちはランニングを終えて柔軟体操をしてキャッチボールに入った。

 そのころ、監督とコーチは…
深沢「日下部さん、今年の新一年生たちはどうですか?」
日下部「お、深沢さん。正直なことを言うと…一年生だけでも甲子園にいけるような選手がそろいましたね。」
深沢「そんなにですか?」
日下部「ああ、先ほど新一年生に書いてもらった紙がここにあるから、それを見ながら期待できる選手を確認していこう。」
深沢「そうだな。」
日下部「まずは、特待生でとった池之宮一仁(いけのみやかずひと)は…説明する必要もないな。」
深沢「あんな体格と身長をもった人なんて滅多にいないですからね。新しく入った人たちを入れても、ひときわ目立ちますからねえ。」
日下部「それと同じく特待生の海鳳龍一(かいほうりゅういち)だな。あいつはセンスがとんでもないからな。バッティングもすばらしいものを持ってるからな。」
深沢「となると、海鳳は三番、池之宮が四番か。」
日下部「そうだな。二人ともホームランの打てるバッターではあるが、確実性のある海鳳を三番におくのが妥当だろう。」
深沢「たしかに。海鳳はセンターで、一塁手は池之宮で決まりですね。」
日下部「それと捕手も友亀で決まりだな。一年の中で一番まとめられそうだからな。」
深沢「そしたらキャプテンのあいつはどうするんですか?あいつも捕手ですよ?」
日下部「ああ、あいつは外野に回そうかと考えてる。」
深沢「外野…ですか。」
日下部「そうだな。そして今日から来たやつらの中にも良いやつらがいるな。」
深沢「どいつだ?」
日下部「まず埼玉の福一シニアの四番サード、新天流戸(しんてんると)だな。」
深沢「確か前に試合を見に行ったとき、ホームラン打っていたやつでしたっけ?」
日下部「そうだな。彼もセンスは良いものを持っているからな。五番を任せてもいいかもしれない。さらに守備もいいからな。」
深沢「でも、いきなりレギュラーを任せられるようなやつですかね?」
日下部「あいつはそれだけの実力はあると思うぞ。」
深沢「ほう。」
日下部「それと新天と同じチームにいた一・二番も来たな。」
深沢「ライトとセカンドでしたっけ?」
日下部「そう。1番セカンドの米倉太一(よねくらたいち)、米倉はは守備と足が良い選手だな。2番ライトの沖田修吾(おきたしゅうご)、沖田はアピールポイントのところにバントが得意と書いてあったが、肩が一番だな。何回か見てきたが、あの送球は高校生の中では良いものを持ってるな。」
深沢「のちのレギュラー候補ですね。」
日下部「それと…一度見たことあるやつでかなりいいやつがいたような…。」
深沢「だれだ?」
日下部「伊沢裕也ってやつだ。とにかく足の速さがすごい。タイムは調べてないからわからないけれども、盗塁と走塁のうまさと速さをみると惚れ惚れするものがあるぞ。二・三年生を入れても、一・二番目に速いかもしれないぞ。」
深沢「そんなやつもいたんですか?」
日下部「ああ。」
深沢「へえ。それと投手はどうですか?」
日下部「まあ順当に館川真申(たてかわまさる)だろうな。」
深沢「たしか、関東大会でベスト4の投手でしたっけ?」
日下部「そう。サイドスローぎみのスリークォーターで中学三年で130キロ中盤をだしているからな。」
深沢「エース候補ですね。」
日下部「そして…だ。あの女性二人だ。」
深沢「あの二人ですか?」
日下部「おう。一人は…ん? 羽葉由紀? ちょっとまて、羽葉ってあのソフトボールをやっていたやつか?」
深沢「記入欄には中学はソフトボールだと書いてありますね。知ってるんですか?」
日下部「そしたら本人か…。すごいやつが来たもんだ。」
深沢「そんなにすごいやつなんですか?」
日下部「中学のソフトボールでの通算打率八割、最後の全国大会で九割だぞ。あんなやつが来るなんて…。」
深沢「それは…すごすぎだな。」
日下部「それと…日高亜弓か。聞いたことないな。」
深沢「彼女、ピッチャー志望ですね。」
日下部「本当だ。『三振のとれるピッチング』か…何か武器でもあるのだろうか。」
深沢「さあ…未知数だな。しかし、キャッチボールを見ると、肩強いものだな。」
日下部「ああ、しっかり見てみたいものだ。」

line-s
02.05
「おっはよー!」
 由紀が元気よく教室に入ってきた。その挨拶は校舎内にこだまするほど大きな声だった。…しかし教室には私一人しかいない。由紀は赤面しながら、
「おはよう…」
 と小さく挨拶した。確かにこれはとてつもなく恥ずかしい。なぜか聞いてしまった私も恥ずかしくなってきた。私はこの恥ずかしさを紛らすために、何か話題をふった。
「き、今日はいよいよ野球部の体験入部だね…」
「そうだね…うん。」
「…」
「…ぷっ」
「…ははっ」
「ぷっははははは!」
「ははははは!」
 恥ずかしさを超えて、私たちは涙がでるほど大爆笑した。
 そんな中一人の生徒が教室に入ってきた。
「ははっ…あ。」
「あ。」
「あ。」
 三人とも声をそろえていった。私は入ってきたクリーム色の髪をした女性と目が合った。
「…おはようです…。」
 その女性はペコリとお辞儀すると、なぜか顔を赤らめながら席へ移動した。しかし、途中でとまってこちらを向き、私たちに話しかけてきた。
「えっと、すみません。確か自己紹介のときに野球とソフトボールをやっていたとか、言っていた人でしょうか?」
「あ、はい。」
 私は思わず返事をした。
「野球部に入りますか?」
「はいるよー!」
 女性の質問に由紀が元気に答えた。先ほどの赤面や恥ずかしさはどこへいったのやら、切り替えがはやい。そんなポジティブシンキングはどこからでてくるのだろう…。
「よかった!私、野球部のマネージャーをやりたいなって思っているの!私以外に女性で野球部入る人いるかなって心配してたの!」
そう聞いた私は目を丸くした。私と由紀以外にも野球部に入ってくれる人がいるなんて。 しかもマネージャー。私も昨日同じことを考えてた。よかった。
 すでに由紀は飛び上がって、その女性と喜びあっていた。
「そうだ!名前は…」
 由紀がまた大きな声で聞いた。
「あ、ごめんなさい。私、湯野沢真希(ゆのざわまき)といいます。」
「うちは羽葉由紀、よろしく。」
「私は日高亜弓だよ。よろしくね。」
「よろしくね、由紀さん。亜弓さん。」
「いやいや、さんなんてつけなくていいよ。」
 由紀はテレながら言った。すると真紀は笑顔で言った。
「そしたら…ゆきちゃん?」
「あっ…」
 思わず私は「ちゃん」という言葉に反応して声を出してしまった。そして由紀は私が言ったときと同じように赤面した。
「ち、ちゃんなんてつけないで!はずかしいから!!」
やっぱり照れた。由紀は「ちゃん」と呼ばれるのが恥ずかしい。なぜ照れるのか、私にはよくわからないけど。でもそんなところが「かわいい」。口にだして「かわいい」と言いたいぐらいだが、さらに照れるだろうから言うのはやめておこう。

「おっはよーございまーっす!」
 しばらくするともう一人の女性が教室に入ってきた。
「おはようございます、瞳さん。」
「あっ、まきちゃん!おはよう!」
 その黒いポニーテールの女性と真紀が挨拶する。そして真紀はこっちをむいて女性を指差しながら言った。
「あ、そうだ。この人も野球部のマネージャーやりたいんだって!」
「ほんとう!?」
 また由紀が元気になってその女性に聞いてきた。
「うん!私、森田瞳(もりたひとみ)、よろしくね!」
「うちは羽葉由紀、よろしく!」
「それとこっちは…」
「私は日高亜弓、よろしくね。」
「よろしくね!由紀ちゃん!亜弓ちゃん!」
「は…うわあぁぁぁ////」
 由紀はあまりの恥ずかしさにプツンと吹っ切れた人形のように赤面しながら座り込んだ。
「えっと…私、何か悪いことした?」
「いや、由紀が恥ずかしがりやさんなだけだと思うよ。」
 私はそう説明した。
「あははっ、まるで頭から湯気が出てるみたいに見えるよ!かわいいねっ!」
 真紀ちゃん、それは不意打ちだよ。
「…………。」
 由紀はあまりの恥ずかしさに何もいえなくなってしまったようだ。その様子は本当に湯気が出てるように見える。
 由紀、撃沈。 南無。

 授業がすべて終わった。いよいよ体験入部の日が来た。しかし、由紀は机に突っ伏している。寝ているわけではないが、授業疲れでこうなってしまったのだ。
「あ~つかれた~。」
 由紀がため息をつきながら言った。私は心配に思って由紀の顔を覗き込んで言った。
「大丈夫? 今日体験入部の日でしょ?」
「おお! 大丈夫だよ!」
「きゃあ!」
 突然大きな声を出したので私は驚いた。
「あ、おどろかせてごめんね!」
 と、由紀はさっきまでの疲れがどこかに飛んでいったかのように元気になって、立ち上がった。私も由紀みたいにすぐに元気になってみたいものだ。
「ゆきさん。私たちは集まる場所が違うからまた後で会いましょう。」
 私と由紀が教室を出ようとしたとき、真紀が手を振っていた。私たちも手をふると真紀のとなりにいた瞳も手をふった。
「おーい、そろそろいくぞ。」
 後ろから伊沢が声をかけた。いよいよ部活動が始まる。



line
プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
back-to-top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。