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08.11
※注意 この作品は東方の二次創作です。あらかじめ、ご了承下さい。



「妖夢、そろそろ時間よ。」
「あ、咲夜さん…。」
 仮眠から目が覚めた私は起き上がろうとして重い眉開けると、5cmと離れていない距離に咲夜さんの顔があった。
「う、うわあああああ!」
 私は驚いて腰が引けてしまった。
「あははは、可愛いな妖夢。おはよう。」
「も、もう! からかわないでください!」
 私はあまりの出来事に怒った。
「でもからかって良いって言ったのは妖夢の方だよ?」
「あっ。」
 私は前に言った言葉を思い出した。そうだった。私はからかっても良いといってしまったんだ。あぁ、ここに来てそれが穴となってしまうとは…。
「そろそろ始まるわよ。妖夢は幽々子のところに行きなさい。」
「はい。」
 私は急いで起き上がり、走ってパーティー会場へと向かった。
「幽々子様!」
「妖夢。しっかりやった?」
「はい!」
「そう、それはよかった。今日は楽しませていただかないとね。」
「人の食べ物を勝手に取ったりとかはいけませんからね。」
 幽々子様と会って、いつもの会話が始まった。こう幽々子様が近くにいると何かと自然と力が抜ける。やっぱりいつもいるっていうのがとても大切なことも知った。
「それでは、これから紅魔館大パーティー会を開きたいと思います。」
 司会者の咲夜さんが声をかけた。いよいよパーティーが始まろうとしていた。
「それでは長ったらしい挨拶は抜きにして、パーティーを楽しみましょう! 乾杯!」
 え、咲夜さん!? そこは丁寧にいろいろと挨拶するところではないんですか!? 私は少々戸惑ったものの周りの楽しい雰囲気にながされてパーティーが始まった。妖精さんたちは壇上で演奏を披露している。幻想郷の皆が集まって楽しんでいる。私と同じ席には魔理沙さんや霊夢さん、レミリアさんフランさんがいた。
「いっやあー、今日はありがとうな。レミリア。」
「いえいえ。招待したのは私の方ですから。」
「所で何故急にパーティーなんかを?」
 霊夢さんがレミリアさんに問いかけた。
「え? たまにはみんなで仲良く交流しましょうってことよ。」
「あなたがそんなこと思い浮かぶなんて、珍しいわね。」
 そういって霊夢さんはお酒を一杯、二杯と飲み続けていった。
「あっ。」
 私はあることに気づいてしまった。幽々子様がテーブルの上の食べ物を容赦なく食べつくしていた。
「幽々子様!食べすぎです!」
 私は止めようとした。けれどレミリアさんは笑いながら言った。
「おかわりはたくさんあるから遠慮なくいいのよ。」
 それを聞いた幽々子様はニッコリと不敵な笑みを浮かべ、ガツガツと食べ始めた。ものすごい豪快さだ。まるでいつも見ている幽々子様とは別人のようだった。
「妖夢。」
 そんな時、咲夜さんが横から声をかけてきた。
「あっ、咲夜さん。」
「見た目の評判がとても良いと聞こえてね。妖夢のおかげだよ。」
「いえいえ、私はただ咲夜さんに言われた配置をしただけであって、元々の構造を作ったのは咲夜さんですから咲夜さんがすごいのですよ。」
「でも妖夢が手伝ってくれなかったらここまで綺麗にできなかったのよ。妖夢には本当に感謝しているよ。」
「あ、ありがとうございます。」
 私は照れを隠すことができなかった。それを見逃さなかった咲夜さんは、
「照れているでしょ。かわいいなあ妖夢は。」
 といって抱きついて頬をすり合わせてきた。
「ちょっと、人前ですよ! いけないですって!」
「あら、人前以外ではこんなことしていいの?」
「あ、いや、えっと、その!」
「戸惑っている妖夢もかわいいよ。よしよし。」
 だ、だめだ。周りに変な目で見られているに違いない。とてつもなく恥ずかしい。どうすればこの状況を打破することができるのだろうか。
「あ、そろそろ別の報告しなくちゃいけないから妖夢、また後でね。」
 そういって咲夜さんはテトテトと壇上へと移動していった。何か報告があるのだろうか。右手にマイクを持った咲夜さんはニコニコとしながら会場にいる人たちに右手に持っているものを見せながら言った。
「さてさて、そろそろデザートタイムといきましょう! その前に皆さんにぜひ食べてもらいたいものがあります。こちら、自作のプリンとなります。まず先にこのデザートをお食べください。」
 あ、アレは私の作ったプリン。しかし私は一度も味見していない。そんなものを本当に出してよいのだろうか。周りの人たちは遠慮せずに口に一口含んだ。
「うわ、これうまいぜ。」
 第一声を上げたのが魔理沙さんだった。それから食べた人たちからざわざわと声が聞こえてきた。
「本当に上手いわね。」
「口の中でとろけるわね。」
「ん~おいしい~。」
「舌が溶けそうだよ。」
 食べた人たちからものすごい好評をもらっているみたいだ。私も目の前にあったプリンを食べた。私はうれしさから涙が出てきた。涙がプリンにもついてしまい、私が一口含んだ部分は涙のしょっぱさも混じっていた。そのしょっぱさは悲しさによるものではなく、嬉しさによるものだった。そして咲夜さんが口の横にプリンの一部がついたまま言った。
「実はですねこのプリン、パーティーのお手伝いに来てくれた妖夢が作ったものなのです。」
 私の名前が呼ばれた。皆が驚いた表情でこちらを見た後、拍手が沸き起こった。
「妖夢、こっちきて。」
 咲夜さんが壇上に来るように呼んできた。私は咲夜さんの隣にいくとマイクを渡された。「ほら、何か言ってみて。」
 咲夜さんに言われた私は、目にたまった涙を拭ってマイクを使って言った。
「みなさんとてもおいしく食べていただけたようでとても嬉しいです。ありがとうございます。」
 かすれた声でお礼を言った。皆が拍手してくれている。私は嬉しさで涙と一緒にニコニコした。こんなに嬉しいことは初めてだった。
「良かったわね、妖夢。」
 咲夜さんも褒めてくれている。私は咲夜さんにも最高の笑顔を見せた。
「ん~、やっぱり妖夢はかわいいなあ!!!」
 そういって咲夜さんは私の頬と咲夜さんの頬をすり合わせてきた。
「や、やめてくださいよ!」
 私は言葉では否定しながらも嬉しさで一杯になっていた。

これにて いじられるのは、いやなんです! byみょん は最終回となります。
皆さんここまで見てくださってありがとうございました!!!

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08.04
※注意 この作品は東方の二次創作です。あらかじめ、ご了承下さい。


「咲夜さん!」
 私は息を切らしながら咲夜さんを呼んだ。咲夜さんはナイフを使ってリンゴの皮をむいていた。
「お帰り妖夢。紅魔館の中を散歩して落ち着けた?」
 咲夜さんはナイフをこちらに向けながらニコニコと聞いてきた。
「な、ナイフこっちにむけないでください。ものすごく怖いですよ。」
「あら、ごめんね。」
「はい…、落ち着けました。」
「そう。仕事は続けたい?」
 咲夜さんは全く怒る様子もなく私に尋ねてきた。
「私のこと、怒らないのですか?」
「怒るわけないじゃない。やるかやらないかはあなた次第ですし。それにこんな可愛い女の子を怒れるわけないじゃない。よしよし。」
 また咲夜さんはなでてきた。正直恥ずかしいけれど、何かすごく良い気分にもなれてきた。嬉しい。やっぱり咲夜さんは何か不思議な力がありそう。尊敬できる人だ。あんな人に私もなってみたい。
「信頼してるよ。」
「…っ。」
 咲夜さんの言葉が私の胸に突き刺さった。とても嬉しいことを言ってくれた。私は恥ずかしがりながらも、心の中で「ありがとう。」と言った。まだ言葉に出して伝えることは無理なところもある。でもいつか…。
「それじゃあ、まずここのテーブルとかにテーブルクロスを敷いてちょうだい。」
「はいっ。」
 咲夜さんはすぐに私に仕事を頼んできた。こんどこそしっかりやって褒められるんだ。しわがつかないように、綺麗に、見栄えが良いように。私は一生懸命働いた。咲夜さんのためにもあるけれども、これはパーティーなんだ。皆にも良い気分でパーティーを楽しんでもらいたい。だから頑張る。
「終わりました!」
 全てのテーブルクロスをしき終えると私は、咲夜さんの元に報告した。咲夜さんは片手にカップアイスを持って食べていた。
「お疲れ様。それじゃあ確認するわね。そうそう、このアイス食べていいよ。」
 そういって咲夜さんはカップアイスを私の手にポンと置いていった。バニラアイスクリーム、とてもおいしそうだ。私はバニラアイスを口に含んだ。…これはおいしい。冷たくて、口いっぱいに甘さが広がっていく。…あれ? これってよく見たら食べかけだった。しかもこのスプーンは咲夜さんが口づけたもの…。
 うわああああああああああああああああああ
 私、咲夜さんと間接キスをしてしまった。声にはださなかったけれども私はパニックと恥ずかしさでアタフタしてしまった。
「……なに可愛い動きをしているの、妖夢?」
「…えっ!? いや、なんでもないですよ!」
 私は絶対に隠し切れていない嘘を言った。
「ふふーん、なるほどね。なんでもないか。」
 咲夜さんは絶対分かっている、確信犯だ。最初の言葉のじてんでもう分かっているかのような発言をした。私は恥ずかしさで頭の中がまっしろになった。
「妖夢ちゃーん。」
「は、はひっ!」
 変な返事をしてしまった。もうだめだ。私、お嫁にいけない。
「なに可愛い声だしちゃって。」
「そ、そんなことないです!」
「ふふっ。それより、テーブルクロスの向きが間違っているよ。」
「あっ、しまった!」
 また間違えてしまった。私は完璧にこなしたつもりなのに、どこかで間違えてしまう。どうしてだろう…。
「妖夢って意外とドジっ子なんだね。完璧にやろうとしすぎて細かいこと何かひとつを忘れてしまう。それが原因なんだろうね。」
「そ、そうなんですか…。」
 私は少々落ち込んでしまった。
「そんなところが可愛いんだよね。」
 ナデナデ
 咲夜さんはまた私の頭をなでてきた。恥ずかしくて顔が赤くなってしまう。
「顔赤くしちゃって~。可愛いなあ~。」
「か、可愛くないですっ!」
「よしよし、いつまでもドジっ子でいてね。」
「い、いやです!!」
 私は否定する言葉を言っているけど、こんな会話ができるだけでもとても嬉しい。咲夜さんは私を頼りにもしてくれている。こんなに嬉しいことはない。幽々子様、私は帰りたくありません。

「妖夢、ちょっとついてきなさい。」
「はいっ!」
 私は咲夜さんに呼ばれ、ついていった。たどり着いた先は調理場だった。
「妖夢は料理できる?」
「できます!」
「それじゃあ、プリン作って欲しいのだけど。ソースはこちらで準備はしたから良いかな。」
「はいっ! 任せてください!」
 私は元気な声で返事した。料理なら一番得意だ。ここで咲夜さんをびっくりさせよう。ただのプリンではなく、口の中でトロトロに溶ける甘いプリンを作ろう!
 まず牛乳と生クリーム、バニラビーンズを温めて。卵黄とグラニュー糖を混ぜて…。あれ? ちょっと少ないかな。あれれ? もうちょっと多くかな。そうだそうだ。ここをもう少し暖めて…。
(45分後)
 やった、完成した。パーティーに来る人の分を考えたら量がたくさん必要になってしまった。こんなに使って大丈夫なのだろうか。それと…冷やし終えないと味見が出来ない。これはどうしよう…。
「咲夜さん、出来ました! あとは冷やすだけです!」
「お疲れ様、頑張ったね。よしよし。」
 ナデナデ
 咲夜さんからなでてもらった。このナデナデが私にとってはすごく嬉しかった。やり遂げて褒められるのはやっぱり嬉しい。それに咲夜さんと一緒に仕事ができたのが嬉しい。
「まだ味見できてないのですが…。」
「問題ないわよ。妖夢ならきっとおいしいプリンを作ってくれるから。」
「あ、ありがとうございます。」
 嬉しさとプレッシャーが一緒にのしかかってきた。

「さてとっ! これで準備完了。当日にしっかり出来れば問題なし!」
 咲夜さんは一仕事終えて、さわやかな笑顔を見せた。
「妖夢。」
 咲夜さんは私に近づいてきた。
「なんでしょうか。」
「お疲れ様。」
 その言葉はとても心にこもっていた。私も咲夜さんも、安らいだ顔になった。

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07.26
※注意 この作品は東方の二次創作です。あらかじめ、ご了承下さい。



 なんで咲夜さんは私をなでくりまわしたりしてくるのだろう。私が可愛いからって…私は可愛がられるためにやって来たわけじゃないのに…。
「まだまだドジだねー、妖夢。んーかわいい、なでなで。」
 さすがにここまでやられるとちょっとイヤかもしれない。なんでワンミスごとにこんな感じでなでてくるのだろう。ミスをする私もいけないのだけど…。
「お、こんどはしっかりできたね。えらいえらい、ナデナデ。」
 で、出来ても弄くり回されれている。私はただ、咲夜さんにしっかりしているところを見てもらいたいだけなのに…。
「よしよし、かわいいなぁ。」
 まただ。これだけしつこくされると私もイヤになる。なんで咲夜さんは私の気持ちを考えてくれないのだろう。もっと私のことをしっかり考えてくれる人だと思っていたのに…。これじゃあ…。
 「仕方ないなぁ。またミスしちゃったのか。」
 もう我慢の限界。
 パシン!
 私は頭をなでようとした咲夜さんの手をはたいた。
「…どうしたの? 急に。」
 咲夜さんは私が辛いって気持ちを全く理解してくれていない。
「咲夜さんがいけないんですよ! なんで私を弄くり回して楽しんでいるのですか! 私はただ、咲夜さんの力になりたくて来たのに…。しっかり出来ているところを見てもらいたかったのに! もうしりません!」
 私はその場から立ち去ってしまった。なんで、私はただ…ただ…。


 あれから二時間たったのだろうか、妖精さんたちは私を見向きもせずにせっせと働いている。私は端っこにちょこんと座っているだけ。お手伝いしにきたのにこの状況は何なんだろう。これではただの邪魔者、お荷物だ。でもまたお手伝いをすれば咲夜さんがなでてくる。何かいやだ。咲夜さんはあの後私に一切話しかけずにもくもくと自分の仕事をこなしていっている。なんだかなぁ…。
 はぁー。
「どうしたの? ため息なんかついて。メイド妖夢。」
「えっ…。」
 横を向くとそこにはレミリアさんが立っていた。
「私、ため息なんかついていました。」
「えぇ、思いっきり。」
「そうでしたか…。」
「…何かあったの? お話し聞きましょうか。」
 そういってレミリアさんは私のよこにちょこんと体育すわりをした。
「実は私、さっき咲夜さんに怒ってしまって。あの人、私がミスしてもしっかりできてもなでてくるんです。しかもそれが子ども扱いしているかのように。私はただ、咲夜さんに私がしっかり仕事をしているところ見せたいし、パーティーが成功するように精一杯お手伝いしようと思っているのですが…。」
「そうねぇ。」
 レミリアさんは右手に持っていた紅茶を口に一杯含んで飲むと答えた。
「咲夜は妖夢のことをしっかりみていると思うよ。しっかりできているからこそ可愛がってあげたいのだと思う。咲夜はああ見えて、妖夢のことをしっかり考えているよ。口や行動にださないだけ。やさしくしてあげたいのでしょう。あんな行動はめったにしませんよ。」
「そう…なんですか?」
 私が疑問に思っていると、レミリアさんは平然とした顔で答えた。
「えぇ。私とフランぐらいしかあのような行動はとっていなかったわよ。」
 咲夜さんがレミリアさんとフランさんにしか取らない行動を私にもしてくれている? そうだったのか…。それでもなかなか納得できない。どうすればよいのか…。
「もしまだ気持ちの整理がついていないのなら、紅魔館の中を散歩してきなさい。私が許すから。」
「……ありがとうございます。いってきます。」
「それと妖夢。」
「はい?」
 私が立ち上がるとレミリアさんが服を引っ張って言った。
「もっと自分に素直になりなさい。」
 素直に? 私が自分に素直でない? 私はどうしてそういわれたのかを考えながらパーティー会場となる場所から離れた……。


 いざ紅魔館をまわってみるとここまで大きい建物とは…。調理室もちらっとみえたけれどもあそこまで広いものとは思っていなかった。大広間もとても大きいし、どれだけでかいのだろう。私と幽々子様の家とは大違いだ。
 私はひとつのドアの前についた。ここは…誰のへやだろう。
「誰かしら…あら、半霊さん。」
 ドアが開くとそこにはパチュリーさんがいた。ここは…図書館みたいだ。
「あ、パチュリーさん。それと半霊ではありますけどその呼び方は…。」
「わかっているわよ。入りなさい。」
「失礼します…。」
 誘われるがままに私は図書館の中に入っていった。テーブルにはろうそくが2・3本置いてあって天井の電気は消されていた。
「ごめんね。今電気をつけると全ての電気が落ちてしまうの。」
「そうなんですか。…あの、パチュリーさん。」
「何かしら?」
 パチュリーさんは本を置いて、私の顔を見た。
「咲夜さんってパチュリーさんのことを撫で回したりすることってありますか?」
「咲夜に? 全くないわよ。あるとしたらレミリアかフランしかないでしょう。鼻血だすほどですからね。」
「そ、そうなんですか…。あのですね私、今日パーティーのお手伝いで来ているのですが、どうもさっきから咲夜さんになでまくられていて…。なんかいやなんですよ。私のことかわいいっていって。私はしっかり仕事をしているところを見てもらいたいのに…。」
「それはあなたが自分と向き合っていない証拠だわ。」
「えっ。」
 私は驚いた。さっきレミリアさんに言われたことと同じことを言われた。
「私はうらやましいと思うわ。それほど咲夜はあなたのことを気にしているのでしょう。ちゃんとあなたのことを見ているわ。あなたはきっと、なでられたり可愛いといわれたら嬉しいと思っているでしょう。でもその頑固な気持ちが自分の本当の気持ちを押さえ込んでしまっているの。自分にもっと素直になりなさい。そうすればあなたの気持ちも咲夜にもっと伝わると思うわ。」
 私は頑固なのか。たしかに咲夜さんに褒められるのは嬉しい。でもアレは…。もしかしてアレは咲夜さんなりの精一杯の愛情表現なのだろうか…。自分で考えてとても恥ずかしい気持ちになってしまったけれども…。何かすこし分かった気がする。
「……わかりました。なんか少しすっきりした気がします。まだ確信は持てませんが。」
「大丈夫、あなたならできるわ。いってきなさい。」
「はいっ!」
 自分に素直になること…。ソレが今の私にとって一番必要なこと…。
 私はいそいで咲夜さんのところに戻っていった。

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07.23
※注意 この作品は東方の二次創作です。あらかじめ、ご了承下さい。


 紅魔館の中は久々に入るけれど、パーティが開かれるだけあって装飾はきれいに妖精たちが仕事をしている。
「まずは着替えをしなければね。」
 咲夜さんがニコニコしながら言った。そうして私は更衣室につれていかれた。
「サイズあるかな…。」
 そういって咲夜さんはメイド服を探し始めた。え…メイド服を?
「えっと、私もメイド服着るのですか?」
「当たり前ですよ。」
「あの…、咲夜さん。パーティーの時にはいつもの私服に着替えられますよね。」
「いや、メイド服を着させるつもりだけれども。」
「えっ!? 恥ずかしいですよ!」
 なぜパーティーのときにも着させるのかは分からないけれども、そんな姿を皆に見られたら恥ずかしくてたまらない。いや、もう外に出かけるのがイヤになりそう。
「あ、もし私服に着替えようとしたら…わかっているわよね。」
 あ、ダメだ。これは逃げられない。ここは我慢して着なければ。
「あったあった、はいこれ。じゃあ更衣室の外で待っているからね。」
 そういって咲夜さんは颯爽と去っていった。それにしてもメイド服ってこんなにモフモフしていたのか。私が着るにはちょっともったいなさそうだ。それにちょっと歩きにくそう…でも着てみると意外と動きやすい。クルリと一回転するとスカートがふわっと上がってくる。これがメイド服…。
 着替え終わった私は更衣室を出た。ドアの真正面には咲夜さんが待っていた。
「着替え終わったのね。」
「はい。」
 私が返事をすると私のことをじーっと見つめてきた。
「あ、あの…。」
「………。」
 咲夜さんは何も言わなかった。そして私の頭に手をポンっとおくといきなり、
「妖夢は可愛いなあ!!!」
 といって私の頭をクシャクシャとなで始めた。えっ…えっ!?
「ちょっと! な、何してるんですか!」
 私が怒るとすぐに手を話してニコニコしながら、
「だってメイド服似合っていて、なにより可愛いから。」
 と答えた。
「わ、私は可愛くなんかありません! 何言っているんですか!」
「そんなところも可愛いね。よしよし。」
「また頭なでないでください!」
 ダメだ。私が咲夜さんに文句を言ったところで何一つ聞いてくれることはなさそう。むしろどんどん弄くり回されてしまう。こういうときは…。
「咲夜さん、私の初仕事はなんでしょうか!」
 そうだ、仕事で完璧なところを見せ付ければきっと、「しっかりできたわね、えらいえらい。ナデナデしますね。」…………。
 想像でもダメだったぁあああああああああ!!!
「どうしたの妖夢? いきなり頭抱え込んで。」
「いえ、なんでもないです! 仕事に取り掛かりましょう!」
 あぶないあぶない、このままではどんなことをしても弄くりまわされてしまう。この状況を打破するためにはやっぱり「私はしっかりしていて完璧主義なんです!」ってところを見せ付けなければ!
「それでは、この紙に書いてある通りに席とテーブル、花瓶を置いてください。妖精さんたちだけではこの仕事は大変なので。」
「はい、任せてください!」
 来た、私の初仕事! ここでいいところを見せ付けてみせる!
 まずテーブルは…、意外と大きい。でも持ってみるとそこまで重くない。一人で運べそうだ。テーブルの上に紙を置いて、場所と位置を確認しながら移動させていく。テーブルを置き終えたら次は花瓶。椅子があらかじめおいてあると、躓いて花瓶を割ってしまうかもしれないから、先に済ませておこう。きっときめ細かい咲夜さんなら小さなことでも気づいてくれる。私はできる子だって分かってくれる! そして最後に椅子を持っていく。これも紙に書いてある通りに椅子の置く場所と向きに置いていく。これなら…。
「咲夜さん、できました!」
 私は走って咲夜さんのもとに報告しに行った。
「よくで来たね。それじゃあ確認してくるわ。ついてきて。」
「はいっ。」
 ふふふっ、きっと私の完璧なところにびっくりしてくれるはず。私だってやればできる、そんなところを見せつけ…、
「ぶっぶー、さっそく間違い発見。」
「えっ!?」
 そんなことはないはず、ちゃんと紙を見てやっていた。それなのに私は何処を間違えたのだろか。
「ほら、紙とこのテーブルをみてごらん。この花瓶って半分が模様がついていて、半分が柄がついていないものなの。この絵の通りに向けないと、最初に入ってきた見栄えの第一印象が悪くなってしまうわ。ほらこうやって置かないと…、妖夢、入り口のドアからテーブルを見てごらん。」
「あ、はい。」
 私は走ってテーブルの置かれた部屋を見渡した。そこから見えるのはとても綺麗な部屋だった。私は感動で鳥肌が立ってしまった。
「す、すごいです。」
「でしょ。次からは気をつけるように。」
「はいっ。」
 やっぱり咲夜さんはすごい人だ。そんなところまで考えているとは。そうして咲夜さんは私に近づき…、
「やっぱりまだまだだね、よしよし、かわいいねぇ。」
「ちょっと、何子ども扱いしているんですか!」
 やっぱりやられた。だから恥ずかしいのになんでやるんだろう。この人は私が嫌がっているのお構いなしに撫で回すのだろうか。
「咲夜さんってほかの人にもそんなことするんですか。」
「しないよ。」
「しないのですか! しかも即答!」
「いや、だって…。」
 つま先を見ながら二・三歩いた後、私の方を見て答えた。
「あなたがかわいいから。」
 な、ななな、何を言っているの咲夜さんはあああああああああああああ。
「や、やめてくださいよ! からかわれるのはイヤなんです!」
 いや、でも…。可愛いといわれたのは嬉しい、でも…。
「どうしたの?」
「なんでもありません!」
 私はそっぽを向いてしまった。どうしても本当のことが口から出せない。嬉しいはずなのに、恥ずかしさに負けてしまって言えずにいる。
「かわいいなぁ、そんないじけているところもかわいいよ。よしよしよしよし……。」
 ………やっぱり、イヤかも。

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07.21
※注意 この作品は東方の二次創作です。あらかじめ、ご了承下さい。


「幽々子様、朝ですよ。起きてください。」
 私は夜桜を見ながら寝てしまった幽々子様を起こした。横には食いかけのお団子が二・三個置いてある。もちろん片付けるのも私の仕事だ。
「あら…妖夢、おはよう。」
 幽々子様は重たい目をこすりながら起き上がった。まだ完全には起きれていないように思える。
「夜桜を見るのは良いですが、寝るときはちゃんと寝床で寝てくださいよ。お団子だって食いかけですし、硬くなってしまいますよ。」
 私はしかりつけるように幽々子様に言った。
「うーん、わかった。……ぐぅ…。」
 幽々子様は寝起きのせいなのだろうか、私の話を聞き流しているかのようにその場で二度寝してしまった。この様子だとまた同じようになってしまうだろう。私は仕方なく思いながらお団子を台所に持っていった。
 私は朝の食事のために料理に腕を振るっていた。もちろん幽々子様の分までつくらなければならない。片付けるのも私、もうすこし幽々子様もお手伝いする気にはなってくれないのだろうか。それでも私は幽々子様の家に住んでいるわけだから、逆らったり強く怒ったりすることができない。
 朝食を作り終え居間に料理を準備したあと、幽々子様を呼びに行こうとしたとき、幽々子様が襖をあけて居間に入ってきた。右手にはなにやら手紙らしきものを持っていた。バラの袋とじを使っていた。
「手紙が届いてきたわよ。私と妖夢宛てだよ。」
 そういって私に手紙を手渡しした。
「こんな早くに届くなんて、誰からでしょうね。」
 私は幽々子様に聞いた。いつも手紙とかが来る時間ではないので気になった。
「さっき射命丸が来たのよ。レミリアから速達で頼まれたらしく、今他の幻想郷の住民たちにもお届けしてるところらしいよ。」
「そうなんですか。中身見てみましょうか。」
「それじゃあ先にご飯はいただくね。」
「あ、ちょっと。」
 幽々子様は私が手紙を見ている間に食べ初めてしまった。どこまで食べればよいのだろうか…。そんなことより私は手紙をみなければ。
『明日の午後九時より、紅魔館にてパーティーを開きます。お時間のある方ぜひ御越しください。』
 パーティーのお誘いのお手紙だった。しかし…、これだけの文章だけ?てっきりもう少し長い文章かと思っていた。
「内容なんだった?」
 幽々子様はご飯をもぐもぐと食べながら聞いてきた。正直食べていない私の身にもなってほしい。
「紅魔館でパーティーがあるみたいですよ。」
 私はようやく座ってごはんを食べ始めた。
「パーティー、ご飯食べれるのかな。」
「おそらく食べれると思いますよ。もし行くにしても他の人の分まで食べないでくださいね。」
「分かっていますよ。」
 そういって私はご飯を食べることに集中した。その間、幽々子様は天井を見ながら考え事をしている様子だった。そして私の方を見て言った。
「妖夢、紅魔館でパーティーのお手伝いしてきなさい。」
「えっ!?」
 私は幽々子様の口からは出てくる言葉とは思えない発言に驚いた。
「私がですか?」
「そう、社会見学ということでやってきなさい。紅魔館まで連れていって頼むところまでは一緒に行ってあげるから。」
 私はあごに手を当てて考えた。幽々子様がいつも言うようなことじゃない。何かたくらんでいるはず。でも私的にもお手伝いをすることは嫌いではない。向こうには何人かガードマンがいるはず。幽々子様がなにかたくらんでいたって、そう簡単にできるわけないはず。
「分かりました、やります。」
 私は幽々子様の考えを受け入れた。何が起こるかわからないけれども、楽しみな部分もある。
「それじゃあ、食べ終わったらすぐ準備よ。」
「そんなに早くですか!?」
「明日の夜にパーティーが始まるって書いてあるでしょ。時間はそんなにないのよ。」
 私はすぐに食べ終えて支度をし、どんどんと先にいく幽々子様を追いかけた。


 私は紅魔館に到着すると門番の美鈴さんのところに挨拶をしに行った。
「お久しぶりね、美鈴。今日は寝ていないみたいだね。」
 幽々子様が先に話しかけた。
「あ、幽々子。寝れる暇なんてないですよ。門番の装飾をやれと咲夜さんに言われましてね。」
「大変そうですね。」
「あら、妖夢まで。今日は何かご予定があって? パーティーなら明日になるけれど。」
 美鈴さんが幽々子様に聞くと、幽々子様は私の頭をポンっと手を置いて言った。
「いや、ちょっと妖夢にお手伝いをさせようかと思って。」
「社会見学ですか、いいですね。」
 美鈴さんは私の方を見てニコニコと笑顔になった。
「それなら私が面倒見ますよ。」
 後ろから突如声が聞こえた。振り向くとすぐそばに咲夜さんがいた。
「うわっ!?」
 私はいきなり現れた咲夜さんに驚き、身構えてしまった。
「ごめんね、驚かせて。それよりも社会見学とお手伝いで来てくれたんだよね。それなら私と一緒にお手伝いしない?」
 咲夜さんがお手伝いしないかと誘ってくれた。私の尊敬している咲夜さんと一緒にお手伝いができるなんて光栄なことだ。
「全力でお手伝いさせていただきます!」
 私は大きな声で返事をした。
「それじゃあ、こっちにきて。」
 そういって私は咲夜さんの後ろをついていった。
「ところで。」
 咲夜さんが突如口を開いた。
「なんで幽々子までついてきてるのかしら?」
 振り向くと幽々子様が私の後ろをついてきていた。
「私を送るまで一緒にいるって言ってたじゃないですか。あとは咲夜さんについていきますので。」
「いや、ちょっと心配になってね。」
 幽々子様はあせりながら答えていた。
「幽々子、勝手に入って食べ物をあさっていこうというのであれば、その考えは甘いよ。」
「げぇっ、ばれちゃったか。」
 さすが咲夜さん、幽々子様のたくらんでいることをすぐに見抜いた。そういうことかと私も薄々気づいていたけれど。
 幽々子様は美鈴さんに引っ張られていく。
「わ、私のいないところでも頑張ってね。すぐ戻ってくるから。」
 そういって幽々子様は連れていかれてしまった。
 もう…戻ってこなくていいかも。



こちらは五章までの短い物語となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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プロフィール

reser42

Author:reser42
自作小説などいろいろつぶやいていきます

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